モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
”
その間に様々な授業を受けたり、
寮の生活環境を整えたり、
スピカのステータスを強化したり……
とにかく色んなことで大忙しだった。
でも、スピカの育成は順調。
身体は健康そのものだし、少しずつレベルも上がっていっている。
今日も元気そうに部屋の中を飛び回っているしな。
「きゅーん!」
「ハハハ、愛い奴め」
うーん、パタパタと聞こえる翼の音が心地よい。
心が穏やかになるよ。
――そこまではいい。
そこまではいい……のだが、
コンコン!
――来た。
部屋のドアがノックされる音。
俺は恐る恐るドアを開ける。
するとそこには、
「こんにちは、ノエル!」
「……こんにちは、ロゼ」
「今日もスピカちゃんに会いに来たわ! 部屋に入れて頂戴!」
はい、ダンプリのメインヒロインであるロゼ様がいらっしゃいました。
……最近、ロゼが俺の部屋に入り浸るようになってるんだよな。
理由は勿論、スピカと遊ぶため。
彼女はツカツカと中へ入ってくると、
「こんにちはスピカちゃん! 今日も遊びましょう!」
「きゅーん!」
お姉ちゃんが遊びに来た!
と飛び回ってはしゃぐスピカ。
二人は今やすっかり仲良し。
よき友人といった関係だ。
一応、スピカにとって親はあくまで
「……なあロゼ、スピカと仲良くしてくれるのは嬉しいんだけどさ……」
「なによ?」
「あんまりよくないんじゃない? 女の子が男の部屋に入り浸るのは」
そもそもダンプリのメインヒロインでしょうが、あなた。
主人公との恋愛はどうなってんだ、恋愛は!
モブの部屋でドラゴンと遊んでる場合ちゃうやろ!
「ふーん? ノエルは意識してるんだ?」
「世間体を気にしてるだけです」
「私は別に気にならないもの」
「その、いい感じのお相手とかいないの? 例えばレオン・ニーベルングとかそういう名前の……」
「はあ? 誰よそれ?」
……やっぱり、まだ主人公は『フォルシティ魔導学園』に現れてないのか?
ゲームでも転校してきてたし、もっと後にやって来るのかも?
相変わらずよくわからん。
「……ま、いいけど。それよりロゼ、今日は暇かい?」
「? ええ、一日空いてるわよ」
「なら丁度よかった。実は今日、スピカをダンジョンデビューさせようと思ってたんだ」
「え、本当!?」
「ああ――キミも一緒に来るかい?」
「行く行く! 行くわ! それで、どこのダンジョンへ行くの!?」
「最初に行くならあそこに決まってるだろ? ――『スライム洞窟』さ」