モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
第13話 ハーブありますか?
”
俺は相変わらず授業を受けて過ごす日常を送っている。
スピカも日々すくすくと成長。
生後約二ヵ月ともなると
子供の成長ってのは早いもの。
お陰で、今や俺の体力が追い付かない事態に。
調教場で追い駆けっこしてると、こっちが息切れするようになってきたよ。
なんとも嬉しい悲鳴だな。
それと、食欲も徐々に旺盛になってきた。
育ち盛りで大変結構だが――そろそろ食べ物の種類を変え始める頃合いかもしれない。
というワケで、
「今日は買い出しに行こうと思います」
「きゅーん!」
「やったわねスピカちゃん! お買い物ですって!」
テンションを爆上げするスピカとロゼ。
やはり人もモンスターも買い物は楽しいってことらしい。
……ロゼが当たり前のように部屋にいることに関しては、もう突っ込まないぞ。
どうせ止めても遊びに来るんだから。
「それで、なにを買いに行くの?」
「うん、スピカの食べ物を。そろそろ種類を変えようかと思ってね」
「きゅーん?」
「大丈夫、きっとスピカも気に入ると思うよ」
「! きゅーん♡」
楽しみー!
と彼女は宙を飛び回る。
――これまで俺は、基礎ステータスに影響する食べ物を中心に彼女へ与えてきた。
体力、攻撃力、防御力など……。
人でもモンスターでも重要な数値となる、まさに基礎となる部分。
そこを補強してきたワケだ。
けど、スピカは低級ダンジョンなら難なくクリアできる基礎ステータスにまで育ってくれたと思う。
そろそろ”次のステップ”に入ってもいいだろう。
――俺たち三人は、学園の中でお店が立ち並ぶ
そして青果屋さんへと足を運んだ。
「すいませーん」
「あら、いらっしゃい。なにをお求めかしら?」
「”ハートミント”や”ゴールドバジル”ありますか? ハーブ系を見せてほしいですけど」
「あ……あらあら」
「?」
「ごめんなさいねぇ。ハーブ系は全部売り切れちゃってるのよぉ」
「あれ……?」
これは予想外。
まさかハーブ系が売り切れとは。
「ハーブって今そんなに人気なんですか?」
「料理以外にも、薬師が調合に使うのよ。だから常に需要はあるんだけど、ここ最近は入荷自体が滞っちゃっててねぇ」
「……もしかして、他のお店でも似たような状況だったり?」
「だと思うわぁ」
オウフ……。
マジか。
まさかこんな形で出鼻を挫かれるとは。
まいったな、どうしたものか……。
「きゅーん……」
楽しみにしてたのに……。
としょんぼりするスピカ。
――イカン。
イカンぞこれは。
我が子の期待に応えられずして、なにが親か!
見とれや!
ワシがスピカの笑顔を取り戻しちゃるけんのう!
「えっと――それじゃあ
「え? “イルカトマト”のこと?」
「はい。それと”カバパプリカ”と”マウスキャロット”、あと”ナイトオニオン”も」
「ちょ、ちょっとノエル! そんなにお野菜買ってどうするのよ!」
「予定変更だよ。目的の物が売ってないんじゃ仕方ない」
ロゼにそう答えて、俺はチラッとスピカを見る。
「代わりに――ちょっとした料理をスピカにご馳走しようかと思ってね」
「! きゅん、きゅーん!」
本当!? やったぁ!
という感じで彼女はパタパタと飛び回る。
よかった、喜んでもらえたみたいだな。
――この後、俺は他のお店にも足を運ぶ。
そしてお肉屋さんで”コカトリスのモモ肉”を購入。
さらに牛乳屋さんで”カウカウバター”も入手。
後は部屋にある調味料でなんとかなるだろう。
ようし――。
久々に腕を振るってみようじゃないか。