モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
翌日、俺は再びスピカを連れて
今日は珍しくロゼと別行動。
剣術の授業があるため、どうしても都合が合わないのだと言う。
なんだか久しぶりにスピカと二人きりになれた気がするな。
「きゅーん♡」
とスピカも上機嫌。
パタパタと翼の音を奏でつつ、俺の傍を飛行する。
「今日も凄い人だなぁ。離れないようにね、スピカ」
「きゅーん!」
賑わう
「昨日は青果店で品切れだったから、薬屋でも覗いてみるか」
青果店のおばさんが言っていたように、ハーブ系のアイテムは薬の調合にも使える。
具体的にはポーションとか。
あと解毒薬なんかにも。
だから割と色んなところで取り扱っている。
その中には勿論薬屋もあるワケで。
そう思って、さっそく付近にあった薬屋へと入ろうとする。
すると、
「――やっぱり、今日も入荷はありませんか……?」
「すまないねぇソリンちゃん。しばらくハーブ系はダメそうだよ」
「それじゃあ”ホーリーミント”も……」
「ああ。悪く思わんでおくれ」
そこには先客の後姿があった。
長い緑色の髪を三つ編みにした少女で、薬師のローブを着用している。
どうやらハーブを買いに来たらしいが、昨日の俺と同じ状況になったらしい。
にしても、あの格好……。
なんだか滅茶苦茶見覚えがあるぞ。
もしかして――
少女は振り返り、残念そうにこちらへ向かって歩いてくる。
「……きゅーん!」
「え? わわっ、ドラゴン!?」
少女の落ち込んだ姿を見たスピカは、パタパタと飛んでいく。
そして少女の周りを飛び回ると、彼女の顔の傍で滞空。
スリスリと頬擦りした。
どうやら、スピカは少女を励まそうとしたようだ。
「きゅーん♡ きゅーん♡」
「ア、アハハ! くすぐったいです! くすぐったいですよぉ~!」
最初こそ少女は驚いた様子だったが、すぐに笑顔を見せてくれた。
スピカの作戦大成功!って感じだな。
「きゅーん」
「あなた、一体どこの子ですか? 赤ちゃんのドラゴンなんて初めて見ました」
「その子はスピカって言うんだ」
少女の前へ歩み出る俺。
同時に確信した。
三つ編みの緑髪、
薬師のローブ、
おっとりとした顔と丸メガネ、
彼女は――ダンプリのメインヒロインの一人だと。
「俺の名前はノエル。その子の飼い主なんだ。キミは――」
「初めまして、ノエルさん。私はソリン・フラテウスと申します。どうぞ、以後お見知りおきを」