モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第15話 薬師のヒロイン

 

 翌日、俺は再びスピカを連れて市場(バザール)へと赴いた。

 

 今日は珍しくロゼと別行動。

 剣術の授業があるため、どうしても都合が合わないのだと言う。

 

 なんだか久しぶりにスピカと二人きりになれた気がするな。

 

「きゅーん♡」

 

 市場(ここ)はいつ来ても楽しいな!

 とスピカも上機嫌。

 

 パタパタと翼の音を奏でつつ、俺の傍を飛行する。

 

「今日も凄い人だなぁ。離れないようにね、スピカ」

 

「きゅーん!」

 

 賑わう市場(バザール)の中を進み、俺は昨日とは異なる店を探してみる。

 

「昨日は青果店で品切れだったから、薬屋でも覗いてみるか」

 

 青果店のおばさんが言っていたように、ハーブ系のアイテムは薬の調合にも使える。

 

 具体的にはポーションとか。

 あと解毒薬なんかにも。

 

 だから割と色んなところで取り扱っている。

 

 その中には勿論薬屋もあるワケで。

 

 そう思って、さっそく付近にあった薬屋へと入ろうとする。

 

 すると、

 

「――やっぱり、今日も入荷はありませんか……?」

 

「すまないねぇソリンちゃん。しばらくハーブ系はダメそうだよ」

 

「それじゃあ”ホーリーミント”も……」

 

「ああ。悪く思わんでおくれ」

 

 そこには先客の後姿があった。

 

 長い緑色の髪を三つ編みにした少女で、薬師のローブを着用している。

 

 どうやらハーブを買いに来たらしいが、昨日の俺と同じ状況になったらしい。

 

 にしても、あの格好……。

 なんだか滅茶苦茶見覚えがあるぞ。

 

 もしかして――

 

 少女は振り返り、残念そうにこちらへ向かって歩いてくる。

 

「……きゅーん!」

 

「え? わわっ、ドラゴン!?」

 

 少女の落ち込んだ姿を見たスピカは、パタパタと飛んでいく。

 

 そして少女の周りを飛び回ると、彼女の顔の傍で滞空。

 スリスリと頬擦りした。

 

 どうやら、スピカは少女を励まそうとしたようだ。

 

「きゅーん♡ きゅーん♡」

 

「ア、アハハ! くすぐったいです! くすぐったいですよぉ~!」

 

 最初こそ少女は驚いた様子だったが、すぐに笑顔を見せてくれた。

 

 スピカの作戦大成功!って感じだな。

 

「きゅーん」

 

「あなた、一体どこの子ですか? 赤ちゃんのドラゴンなんて初めて見ました」

 

「その子はスピカって言うんだ」

 

 少女の前へ歩み出る俺。

 同時に確信した。

 

 三つ編みの緑髪、

 薬師のローブ、

 おっとりとした顔と丸メガネ、

 

 彼女は――ダンプリのメインヒロインの一人だと。

 

「俺の名前はノエル。その子の飼い主なんだ。キミは――」

 

「初めまして、ノエルさん。私はソリン・フラテウスと申します。どうぞ、以後お見知りおきを」

 

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