モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
「――! ケルベロス!」
新たに現れたボスモンスター。
一つの巨体に三つの首、
灰色で針のような体毛
鋭い目つきと太い牙、
――ケルベロス。
コボルトなんかよりずっと凶暴で危険なモンスターだ。
『グルルル……ッ!』
奴は激しくこちらを威嚇してくる。
なるほど、あのコボルト盗賊団が効率よく荷馬車を襲撃できてた理由はコレか。
このケルベロスがボスとなって彼らを率いてたんだ。
やれやれ、小さなコボルトを相手にするのとはワケが違ってきたぞ……。
――とは言っても、
「スピカ!」
「きゅーん!」
いつでも準備できてるよ!
と戦闘態勢に入るスピカ。
――この戦い、負けはしない。
「〈ステータス〉!」
ケルベロスを睨んで画面を開く。
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名前:親分
種族:ケルベロス
性別:
年齢:10歳
レベル:8
体力:200
攻撃力:250
防御力:100
素早さ:220
知能:30
属性レベル
〔炎〕Lv:0
〔水〕Lv:0
〔風〕Lv:2
〔土〕Lv:0
〔光〕Lv:0
〔闇〕Lv:0
親密度:0
魅力:15
性格:獰猛
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――これがケルベロスの能力値か。
表示された数値を見て、俺は不敵な笑みを浮かべた。
『『『グルルァッ!』』』
三つの頭が同時に吼え、スピカに向かって突っ込んでくる。
その動きは巨体からは想像できないほど俊敏。
速度を乗せた状態で爪や牙の斬撃を食らえば、いくらスピカとて無事では済まない。
もっとも――”食らえば”の話だが。
「きゅーんッ!」
小柄なスピカはケルベロスの攻撃をヒラリと回避。
純粋な素早さなら、既にスピカの方が上。
伊達に俺が鍛えた子じゃないんでね!
「スピカ! 〔コメット・アタック〕!」
「きゅるる! ぎゅーんッ!」
眩い閃光と共に彼女は突撃。
その一撃をケルベロスは避けられず、腹部に直撃。
クリティカルヒットした。
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名前:スピカ
種族:ホワイト・ドラゴン
性別:
年齢:0歳
レベル:10
体力:350
攻撃力:170
防御力:100
素早さ:300
知能:50
属性レベル
〔炎〕Lv:2
〔水〕Lv:0
〔風〕Lv:0
〔土〕Lv:0
〔光〕Lv:2
〔闇〕Lv:0
親密度:30
魅力:45
性格:甘えたがり
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『『『ぎゅおおおぉんッ!』』』
スピカの〔コメット・アタック〕を食らったケルベロス。
彼は激しく吹っ飛ばされ、地面に横たわった。
もう思う様に動けまい。
勝負ありだ。
ピコン!
〔〔ケルベロスを撃破!〕〕
〔〔経験値を取得〕〕
〔〔レベルUP!〕〕
〔〔各ステータスが上昇〕〕
〔〔親密度が10上昇〕〕
ケルベロスを倒したことにより、スピカはレベルUP。
ふふふ、さらに我が子が強くなってしまったな……。
「お、おやぶーんッ!」
「ひええー! 嘘だあー!」
「もうダメだぁ……お終いだぁ……! 勝てるワケがない……!」
親分が打ち倒され悲観に暮れるコボルトたち。
なんか一体だけ雰囲気違う絶望の仕方してるのもいるが、気にしないでおこう。
「きゅーん!」
「よし、よくやったぞスピカ!」
「きゅん、きゅーん♡」
「アハハ、本当に強くなったね。やっぱりキミは俺の自慢だよ」
たくさん彼女を撫でてあげる。
――ドラゴンとケルベロスでは、強さに種族差がある。
レベルが大きく違わないなら、基本的にはドラゴンの方が強いだろう。
とはいえ、あの巨体を一撃で沈めてしまうとは……。
流石ホワイト・ドラゴン。
この小さな身体のどこにそれほどのパワーを秘めてるのか。
本当に、これからの成長も楽しみだ。
「よしよし、帰ったら美味しいごはん食べような」
「きゅーん♪」
わーい!
と肩の上で喜びを露わにするスピカ。
俺たちがそんなことをしていると、
「さて……それではじっくりとお話を伺いましょうか」
「「「…………」」」
ソリンがコボルト盗賊団を全員正座させていた。
盗賊団の親分が倒されたことで、彼らは戦意を喪失したんだろうな。
しかしなんというか、まるで教師に説教される不良少年たちみたいな構図でちょっと面白い。
「もう一度お聞きします。あなたたちはどうして荷馬車を襲ったのですか?」
「……」
「そんなに食べ物に困っていたんですか? でもこの辺りには十分――」
「は、腹を空かせてるワケじゃねーんです、姉さん……」
「え……? ならどうして?」
「俺たちゃ草が……ハーブが欲しかったんでさぁ」
「!」
俺とソリンは顔を見合わせる。
驚きだった。
まさか彼らもハーブを求めていたとは――。
「……どうしてハーブが必要なのか、聞かせてくれる?」
「俺たちゃ――”病”にかかった集落の皆を助けてぇんです」
次話は明日の8:45に予約済みです。
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