モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
コボルトたちの話をまとめると、こうだ。
少し前から彼らの集落で”謎の病”が流行り始め、その治療法がまるでわからなかった。
そこで人間が回復薬に使うハーブがあれば治せるのではと思い付く。
でもこの辺りにハーブは自生してないし、買うお金もない。
だから商人の荷馬車を襲った――という一連の流れのようだ。
ケルベロスはそんな彼らを憐れに想い、親分兼用心棒として協力していたのだとか。
……実はいい奴だったのな、ケルベロス。
ちょっと悪いことをした気になってきたよ……。
いや正当防衛だけども……。
ちなみに商人でない俺たちを襲ったのも、同様の理由でハーブを奪うため。
彼らからすれば持っていそうな身なりに見えたのかもな。
――まあそんなワケで、俺たちはコボルトの集落へと赴いた。
病が治せるかどうかはともかく、放っておくには忍びないと思ったから。
「ここが集落でさぁ」
「これは……」
森の中にひっそりと存在した彼らの集落。
見るからに病気を患っているコボルトが大勢見受けられ、陰鬱とした雰囲気が漂っている。
俺たち三人は、そのまま村長の住処へと案内された。
「総長、失礼しまっす!」
「おおう、ベイベー……今日も青春ぶっ放してきたか、おめぇら……」
「押忍! 今日はボコボコにされたっす!」
「おおう、ベイベー……挫折もまた青春……。その悔しさを胸に、明日もぶっこみ決めようじゃねぇか……」
床に伏したヨボヨボのコボルトは、震える声で彼らを励ます。
いや、村長もそんなキャラなんかい。
ここは暴走族の集会所かなにか?
俺は心の中で突っ込みを入れていたが、
「――!」
ソリンは何かに気付いた様子で、総長――もとい村長へと近づく。
そして彼の下へ近づき、手を取って毛の下の肌を確認。
「……なるほど、わかりました」
「? わかったって、なにが?」
「病の正体です」
「――! ほ、本当でごぜぇやすか!?」
驚くコボルトたち。
ソリンは触診を続け、
「これは”狼斑点”という犬種モンスター特有の病気ですね。風邪の一種でとても感染力が強いと本で読みました」
おお、流石は薬師。
モンスターの病気に関する知識も豊富なんだな。
しかし感染力の強い風邪って、インフルエンザみたいなモンか。
そりゃコボルトたちも大変だったろうに。
「コボルトの皆さんは、奪ったハーブをどのように摂取していましたか?」
「え? そりゃあそのまま食べたり……」
「それでは”狼斑点”は治りません。各種ハーブを適切な分量と手順で調合しないと」
ソリンは立ち上がり、周辺を見回す。
「まだハーブは残っていますよね? 私が調合します」
「で、できるんっすか!?」
「ええ勿論。これでも――薬師ですから♪」
次話は12:15に予約済みです。
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