モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第3章 モブだけど、ヒロインを救ってもいいよね?
第22話 学業に勤しもう


 

「――であるからして、モンスターを育成する基本要素は食物・運動・愛情の三つであり――」

 

 教壇の上に立つ教師が、黒板を指示棒で指しながら授業を進める。

 

 ――ここは”調教師(テイマー)学科”の講義室。

 

 普段、俺はいつもここで座学を受けている。

 

 モンスター育成は調教場なりダンジョンなりへ出て実践を踏むのが常だが、座学を侮ってはならない。

 

 知識というのは、知っておくのとおかないとでは天と地の差が出る。

 

 勿論、育成の効率って意味でも。

 

 ……と言っても、こうして先生が授業で教えてくれる内容はとっくにダンプリで履修済みなんだけど。

 

 ぶっちゃけ全部知ってるし理解してるが、今の俺はあくまで『フォルシティ魔導学園』の生徒。

 

 知ってるから授業でなくていいっすよね?なんて理屈は通用しないワケで。

 

「きゅーん……」

 

 ふわぁ~あ、眠いなぁ……。

 と俺の肩の上であくびをするスピカ。

 

 ”調教師(テイマー)学科”の授業は、小型モンスターに限って同伴OK。

 

 俺以外にも小さなモンスターを連れている生徒は複数見受けられる。

 

「退屈だろうけど、我慢してね」

 

「きゅーん」

 

 彼女にとっては退屈極まりない時間だろうが、部屋に置いてくるのも忍びないしな。

 

 そんな退屈そうな彼女の一方――俺は別のことで頭がいっぱいだった。

 

 ……またメインヒロインとの好感度が上がってしまった。

 

 それも愛情ランクが”1”になってしまった。

 

 おかしい。

 

 彼女たちとの愛情ランクが上がるのは、主人公の特権じゃなかったのか……?

 

 ちなみに愛情ランクとは、各ヒロインの√に入るために必要な指数。

 

 MAXが”5”で、親密度が100になると達成。

 

 最初に愛情ランク”5”となったヒロインの√へ進むことになる。

 

 その愛情ランクを上げるために各イベントをクリアしていかねばならないのだが……。

 

 どうやら俺は、そのイベントをクリアしてしまったらしい。

 

 そんなことってある?

 主人公はマジでどうしたん?

 

 ワイ、モブやで?

 スピカを育てるためだけに生きてる背景の一人やで?

 

 おかしい……。

 なにもかもがおかしい……。

 

 ――いや、待てよ?

 

 いっそ逆に考えるんだ。

 親密になっちゃってもいいさと考えるんだ。

 

 もしモブでもメインヒロインを攻略できるなら、ワンチャンゲームと同じようにねんごろな関係に……。

 

 ――いや、ダメダメダメダメダメ!

 やっぱりダメだ!

 

 俺はスピカ一筋!

 この子に愛情を注ぐって決めたんじゃ!

 浮気ダメ、絶対!

 

 それに、もしもいい感じになった頃合いで主人公が現れたら……。

 

 それでロゼやソリンたちを目の前で攻略していったりしたら……。

 

 ……もう立ち直れなくなるかも。

 ファッキンNTR。

 

 やっぱり淡い希望は捨てるべきだな……。

 汝一切の望みを捨てよ、ってね。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「本日の講義はここまで。明日は属性の相性について話すぞ~」

 

 先生が授業の終了を告げると、生徒たちは一斉に席から立ち上がって教室から出て行く。

 

 学生にとって授業が暇っていうのは、どこの世界でも同じだな。

 

「よし、帰ろうかスピカ」

 

「きゅーん!」

 

 荷物をまとめ、スピカと共に俺も教室を出る。

 

 すると、

 

「ノエル・リントヴルム」

 

 背後から声をかけられた。

 年老いた男性の声だ。

 

「はい?」

 

「やはりキミがノエルか。ふむふむ、噂通りホワイト・ドラゴンを飼い慣らしておるようじゃの」

 

 振り向くと、そこには白いお髭のお爺さん(エルフ)がいた。

 





次話は12:15に予約済みです。

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