モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
――それ、どういう意味です?
俺は聞き返したけど、デイヴィス学園長は答えてくれなかった。
いずれわかる、とでも言うように。
……なんのこっちゃ。
ロゼは大事な友人で、しかもメインヒロインだぞ?
敵になるワケないだろう。
俺は彼女の味方だ。
……もし敵に回ろうもんなら、この世界自体に殺されそうな気もするしな。
作品の看板になってるメインヒロインだぞ、ロゼって。
それを敵にするって……。
もう死亡フラグでしかないだろうが!
しかも敵になるモブとか100%死亡確定だって!
俺死にたくないよ!
「い、嫌じゃ嫌じゃ! 俺はスピカと穏やかに暮らすんじゃ!」
「きゅーん!?」
いきなりどうしたの!?
とビクッと身体を震わせて驚くスピカ。
おおう……ごめんな。
突然のエキサイトで驚かせちゃったね……。
「ご、ごめんごめん、気にしないで……」
そう言ってスピカを撫でて謝っていると、
「――ノエルさーん!」
廊下の向こうからソリンが走ってくる。
ここは”
「ソリン! どうしたの?」
「はい! そ、その、前にご馳走を頂いたお礼にと思って、昼食へお誘いしようと思って……!」
見ると、彼女は手にバゲットケースを抱えている。
今度は彼女がご馳走を用意してきてくれたみたいだ。
「そんな、気を使わなくていいのに」
「そう言わずに。スピカちゃんもご一緒にどうです?」
「きゅーん♡」
喜んで!
と嬉しそうにするスピカ。
いやはや、断りづらくなってしまったな。
とはいっても、断る理由もないんだが――
「――あ、いた! ちょっとノエル!」
俺たちとソリンが会話していると、再び廊下の向こうから女性の声。
――ロゼだ。
「ちょっとあなた、私に黙ってスピカちゃんとコボルト退治に出掛けたそうじゃない!」
「え? い、いや、それはその……」
「そんな危ない真似するなら、どうして私に一声――って、あれ?」
ロゼは俺の隣にいたソリンに気が付く。
「あなた、確か薬師の……」
「初めまして。ソリン・フラテウスと申します。私のことをご存知なのですか?」
「それは勿論。同学年の薬師の中では特に優秀だと聞いてるわ」
「ふふ、恐縮です。私もあなた様のことは存じ上げております、ロゼ・アリッサム様」
どうやらソリンも彼女の方を知っているらしい。
まあ、ロゼは有名な貴族家のご令嬢だからな。
ソリンはふわりとスカートを持ち上げ、頭を下げる。
「元老院三大貴族の一つアリッサム家のご令嬢にして、正統なる家名継承者様。お会いできて光栄です」