モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第26話 絶対なにかあったでしょ

 

「それでスピカちゃん、コボルト退治はどうだった? 楽しかった?」

 

「きゅーん!」

 

「え、ケルベロスを倒しちゃったんだ! 凄い! 感動!」

 

 学塔を出て外を歩く俺たち四人。

 

 ロゼはもう当たり前のようにスピカと会話し、意思疎通が図れている。

 

「なあロゼ……前から思ってたんだけど、スピカがなに話してるかわかるのか?」

 

「ええ、勿論。あなただってわかってるんじゃないの?」

 

「そりゃ俺は調教師(テイマー)だからな」

 

「だったら私は騎士だもの」

 

「なんだろう、答えになってない答えを返すのやめてもらっていいですか?」

 

 思わず論破配信者みたいな突っ込みを入れる俺。

 

 ――調教師(テイマー)は育成モンスターとの意思疎通に職業アシストが付く。

 

 これによって相棒がなにを言いたいのか、より正確に理解できるようになるのだ。

 

 ただこれはあくまで意思疎通が円滑になるだけ。

 

 決してモンスターの言葉が自動翻訳されて聞こえるワケじゃない。

 

 それでもエキ○イト翻訳よりは便利だと思うけど。

 

 それにスピカは感情表現豊かだし、俺自身が彼女との時間を重んじてるって背景もある。

 

 あとダンプリでの経験な。

 

 それでようやく人と変わらないコミュニケーションが取れてるってのが、今の俺なのだ。

 

 ――でも、ロゼは違う。

 

 ほとんど最初からスピカと会話ができていた。

 

 彼女の職業は騎士なのに。

 

 きっとドラゴンと縁のあるアリッサム家の血統のお陰だろう。

 

 ……ずるい!

 ずるいぞチクショウ!

 

 俺もスピカともっとお話したいっ!

 

 くそぅ、いいなぁ。

 やっぱり特別な血筋っていう設定は憧れ――

 

 ――あ、そうだ。

 

「……なあロゼ」

 

「ん~? なによ」

 

「なんていうか、最近なにか(・・・)あったか?」

 

 俺が尋ねると――彼女はピタッと歩みを止める。

 

「…………なにかって?」

 

「それは知らないけど……。もし困ってることがあれば言ってくれ。力になるからさ」

 

 デイヴィス学園長があんな唐突にロゼの名前を出したんだ。

 

 彼女の身になんらかの異変があったと考えるべきだと思うんだけど……。

 

「……別になにもないわよ。余計なお節介しないで」

 

 こちらの顔を見るでもなく、再び歩き始めるロゼ。

 

 そんな彼女の雰囲気にスピカも「きゅーん……?」と不安気な鳴き声を奏でる。

 

 あまりにそっけない態度に、顔を見合わせる俺とソリン。

 

「……ロゼさん、どうされたんでしょう?」

 

「さあ……? でもあの反応は……」

 

 ――絶対なにかあったでしょ。

 間違いなく。

 

 でもあんまり詮索するのも、ねぇ?

 

 他人の感情に土足で踏み入るのは好きじゃないんだけど……。

 

 そんなことを思っていた――矢先のことである。

 

 

「――ここにいたかぁ! 探したぞ、ロゼ・アリッサム!」

 

 





次話は明日の8:45に予約済みです。

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