モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
「きゅーん!」
「ブオォォンッ!!!」
「きゅ……うぅ……」
ロゼの肩に乗り、アース・ドラゴンに向かって威嚇するスピカ。
だがそれは赤ちゃんが中高生に喧嘩を売るようなもの。
あっという間に気圧されてしまう。
うぅ……可哀想なスピカ……!
キミが成長すれば、絶対アース・ドラゴンなんかに負けないのに……!
お父さん悔しい……!
「んん~……? その貧相な生き物は……ドラゴンか?」
怯えるスピカを見て、鼻で笑うマシュー。
「お主、今貧相と申したか?」
聞き捨てならぬ言葉であった。
必ずやこの怨敵を討ち取らねばならぬと決意した。
今この場にて、口は災いの元だと思い知らせて――
「ノ、ノエルさん、落ち着いて……!」
「――はっ!? ごめんごめん……」
ソリンが俺の正気を取り戻してくれる。
危なかった、危うく刀もないのに斬りかかってしまうところだった……。
でも人ん家の子を貧相呼ばわりとか、マジ許せんよなぁ!?
今のマシューの発言にはロゼもカチンときた様子で、
「だ、だったらなによ! この子は――」
「はっ、そうかそうか! それが眷属だと言い張って、俺を騙そうって魂胆だろう?」
そう言うと、マシューは俺を指差す。
「だが残念だったな。そのホワイト・ドラゴンの飼い主が、そこにいる田舎者だということは知っている」
「学園で散々噂になってるからな!」
「マシュー様を騙そうたって無駄だぜ!」
威勢よく話に加勢するシュガー&ソルト。
相変わらずウザイなこいつら。
――でも、そういえばデイヴィス学園長も言っていた。
”ホワイト・ドラゴンの赤子を連れ回してる新入生”が噂になってるって。
ああマジかよ、まいったな……。
それを知られてなければ、この場限りでも適当な言い逃れができたかもしれないのに……!
マシューはロゼへと近づき、
「……そう怖がるな。お前のことはちゃんと正妻なりの扱いをしてやる。――利用価値のある間は、な」
「っ、バカにして……ッ!」
あまりにも人をコケにした物言いに、激しく憤るロゼ。
彼の言ってることは、アリッサム家の全権を奪ったら放逐してやるぞ、ということだ。
残念なことに、貴族という家柄はそれが不可能ではない。
適当な言い分で離婚でも婚約破棄でもできてしまうのだ。
そして……本当にマシューが竜騎士となったのであれば、もはや選択の余地はない。
アリッサム家の家督は彼のものとなるだろう。
――それでいいのか?
俺は、このまま見ているしかできないのか?
ロゼを悲しませたままでいいのか?
彼女が不幸になる未来を、黙って見届けるのか?
俺は所詮辺境の貴族。
ヴェルドーネ家の嫡男を止められる立場じゃない。
だけど――それでも――
考える。
この状況を打開する術を。
ロゼをバッドエンドで終わらせない方法を。
その時――
「きゅーん」
「! スピカ……?」
不意にスピカと目が合った。
瞬間――彼女がなにを伝えようとしたのか理解する。
そうか――そうだよな。
ロゼはキミにとっても、大事なお姉ちゃんなんだもんな――!
「……おい、待てよ」
「ん?」
「そのホワイト・ドラゴンは、ロゼ様の
「……は? 貴様なにを――」
「いいか、俺は――ロゼ様の