モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第32話 〔炎〕属性

 

 ――そんなワケでやってまいりました、『トロイデ火山』。

 

 読んで字の如く灼熱の火山ダンジョンであり、グツグツと煮え滾る溶岩がそこら中で溢れ返っている。

 

 もう雰囲気からして危険地帯。

 

 と言ってもここは火山ダンジョンの中で一番学園に近くて、あくまで初級レベルの場所なんだけど。

 

「暑っっっつ……」

 

「きゅーん……」

 

 さっそく猛暑にやられそうな俺とスピカ。

 

 しんどい。

 

 まるでサウナにでも入ってる気分だよ。

 あ~整う整う……(強がり)。

 

「熱中症になっちゃいますよぉ……。皆さん水分補給をお忘れなく……」

 

「ねぇノエル……こんな場所で一体なにをするつもりなの……?」

 

 ソリンやロゼも汗を流しつつ、俺に追従してくれる。

 

 俺は額の汗を拭いつつ、

 

「ああ、ここにリポップする”あるアイテム”を探しにね」

 

「アイテム? モンスターを倒して経験値を稼ぐんじゃなくて?」

 

「それもある。でも一週間だけじゃ、アース・ドラゴンのレベルを超えるのはムリだ。だから――」

 

 会話する俺の視界に、お目当てのアイテムが映る。

 

「あった、”バクダンザクロ”だ!」

 

 ダンジョンの片隅に自生する真っ赤なフルーツ。

 

 これを探してたんだ。

 市場(バザール)の青果店には基本的に置いてないアイテムだからな。

 

 そんな”バクダンザクロ”を興味深そうに見たソリンは、

 

「この果物は……確か〔炎〕属性の強化に使われるアイテムですよね」

 

「おお、流石は薬師。よく知ってるね」

 

「バフアイテムの調合に度々使ったりする物なので。でもこれをお探しだったいうことは……」

 

「うん、決闘に向けてスピカの〔炎〕属性を重点的に強化する」

 

 ――ダンプリ世界の生物は、誰しもが先天属性を持って生まれる。

 

 〔炎〕〔水〕〔風〕〔土〕〔光〕〔闇〕――このいずれかの。

 

 そしてこの属性には相性が存在するのだ。

 

 〔炎〕は〔水〕に弱く、

 〔水〕は〔風〕に弱く、

 〔風〕は〔土〕に弱く、

 

 そして――〔土〕は〔炎〕に弱い。

 

 〔光〕と〔闇〕は互いに有利でもあり不利でもあるという特殊な立場なので、今は一旦置いておこう。

 

 スピカの先天属性は〔光〕だが、幸いにも〔炎〕属性の技も得意としている。

 

 アース・ドラゴンは、この〔炎〕の技が弱点なのだ。

 

 レベルやステータスで勝てずとも、この属性相性を意識して戦えば勝機はある。

 

 ……というか、格上を倒す正攻法はこれしかない。

 

 でなきゃ、赤ちゃんのスピカが中高生のアース・ドラゴンに勝つなんて無茶だって!

 

 虐待ですよ虐待!?

 ドラゴン愛護団体に訴えてやるけんのう!

 

 ……なんて叫んでも仕方ない。

 

 俺は自生していた”バクダンザクロ”を採取すると、スピカへと差し出す。

 

「さあ、スピカ。お食べ」

 

「きゅーん♪」

 

 美味しそう!

 とムシャムシャと頬張るスピカ。

 

ピコン!

 

 

〔〔炎属性の経験値を取得〕〕

 

 

 彼女の頭上にアイコンが表示される。

 

 うーむ、流石に一個でレベルアップはしてくれないか。

 

 でも概ね思った通り。

 

 この調子で”バクダンザクロ”を食べて〔炎〕属性を強化し、モンスターも倒して少しずつレベルも上げていく。

 

 ……彼女にとってはつらい一週間になるかもだけど――

 

「一緒に頑張ろうな、スピカ」

 

「きゅーん!」

 

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