モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第34話 強化週間・三日目①

 

 ――目標は〔炎〕属性レベル10以上。

 

 それだけあればアース・ドラゴンに十分なダメージを与えることができる。

 

 ……とはいえ、強化週間に入る前のスピカは〔炎〕属性レベル5。

 

 たった一週間で倍に上げねばならない。

 

 現状では徐々に上がってきているし、順調だと言っていいのだが――

 

「スピカちゃん、お願い!」

 

「ぐるるる……ぎゅーん!」

 

 バジリスク目掛けて〔ファイヤ・ブレス〕を放つスピカ。

 

 攻撃は命中し、撃破に成功する。

 

「お疲れ様。それじゃ”バクダンザクロ”よ」

 

「きゅーん……」

 

 二、三口ほど”バクダンザクロ”を齧って――ピタリと食が止まるスピカ。

 

 なんだか食欲がなさそうだ。

 

「……? どうしたの、スピカちゃん?」

 

「……身体が”バクダンザクロ”を受け付けなくなってきてるんだ」

 

 やっぱり、と俺は思う。

 

「え?」

 

「毎日同じ物を食べるっていうのは、すごくストレスになるんだよ。当然飽きも出る」

 

 ――どんな生き物でも、同じ物ばかり食べるのは苦痛が伴う。

 

 一流のアスリートは摂取エネルギーを調整するために、試合前一ヵ月は毎食チキンとブロッコリーだけ食べるなんて場合もあるにはある。

 

 だがそれは相当に我慢をしているし、誘惑を抑え込んでいるとインタビューで語っているのを見たことがあるんだよな。

 

 ましてや”バクダンザクロ”は味も食感も独特な果物だ。

 

 珍味として月に一度食べるならまだしも、毎日食べ続けるのには適していない。

 

 むしろスピカはよく三日間も文句を言わなかったと思う。

 

 本当に我慢強い子だ。

 

「そ、そんな……!」

 

「それにモンスターとの連日連戦で疲労も溜まってるはずだ。身体は疲れてるのに食べられない、そうだよなスピカ」

 

「きゅきゅーん……」

 

 でも頑張って食べるよ……!

 と意気込んでくれるスピカ。

 

 うぅ、なんて健気な子……!

 いい子過ぎて涙が止まらないよ……!

 

 おお、大いなる女神フレイヤよ!

 この優しき子に祝福あれ……!

 

 ――と、イカンイカン。

 祈りを捧げてる場合じゃないよな。

 

 スピカの気持ちは嬉しいけど、ここでムリをさせ過ぎてはいけない。

 

 可能な限り彼女のストレスを軽減させてあげる必要がある。

 

 そこは調教師(テイマー)の腕の見せ所なんだが――

 

「ノエルさーん、お待たせしました!」

 

 俺たちの下へ、カゴに色々な材料や道具を入れたソリンが走ってくる。

 

 お、ナイスタイミング。

 この到着を待ってたんだ。

 

「お疲れ、ソリン。お願いした物は揃ったかい?」

 

「はい! 小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、メープルシロップ、バジリスクの卵、カウカウミルク、カウカウバター……。それとフライパンなんかも持ってきました!」

 

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