モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第4章 モブなので、婚約破棄された悪役令嬢をドラゴン調教師にします。……え、どういうこと?
第43話 主人公に近いモブってなんだよ


 

 ――ロゼとマシューの決闘から十日後。

 

「……なあスピカ、俺はキミのことが一番だぞ?」

 

「きゅーん?」

 

「いや、なんでもない。独り言だから忘れて……」

 

 不思議そうな顔をする彼女の頭を、俺はナデナデと撫でてあげる。

 

 ――またメインヒロインの好感度が上がってしまった……。

 

 しかも今度はロゼの愛情ランクが”1”になってしまった。

 

 スピカと遊びたいだけと明言していた、あのロゼとの……。

 

 ……そりゃ今回はマシューの件で色々あったし、俺としても彼女との距離感は縮まったかなと思うよ?

 

 でもスピカとロゼがより親密になるならまだしも、何故俺が……?

 

 いや、嬉しいんだけどね?

 

 当たり前だけど、俺へ好感を抱いてくれるのはすごく嬉しい。

 

 それに彼女たちはダンプリのメインヒロインを務めるくらい魅力的なワケだから、ゲーマーとしても嬉しさ倍増。

 

 お陰で、もう俺の心の中は≪バジリスクタイム≫状態。

 

 今胸の奥で、あの赤と白のスタジャンを着た男の人が踊ってるよ……。

 

 甲賀忍○帖が流れてるよ……。

 

 そもそも、なんだろう。

 

 俺は本当にただのモブなのか?

 

 ただのモブがメインヒロインの好感度上げまくってるのか?

 

 おかしくね?

 

 あるいは、実はモブの中でも主人公に近いモブだったり?

 

 ……いや、主人公に近いモブってなんだよ。

 

 そんなん聞いたことねーわ。

 

 わからん……。

 高校三年生で習った数学Ⅲくらいわからん……。

 ワイ文系だったから……。

 

「嬉しい……んだけど、俺はモブとしてゆっくりスピカを育てたいなぁ」

 

 だがこの世界で俺の望むモノは、あくまでドラゴンの育成。

 

 スピカのために生きると決めた身。

 

 恋愛をしている暇などないのだ。

 

「……ま、考えても仕方ないよな。それに親密度を上げていったからって、ゲームみたく恋仲に発展するとも限らないんだし」

 

 ――最近気付いたのだ。

 

 この世界はダンプリとほぼ同じだが、微妙に違う点があると。

 

 まず、主人公が未だに転校してこない点。

 

 次に、モブでもヒロインたちとの好感度を上げられる点。

 

 あとはマシューがドラゴンを手に入れていた点もそうだ。

 

 これらはダンプリにはなかった展開。

 

 この世界の流れは、俺がゲームで見た進行とは異なる。

 

 一ゲーマーとしては面白く感じる反面、注意が必要だとも思う。

 

 なにが起こるかわからないからな。

 

「きゅーん」

 

「ああ、ごめんよ。ちょっと考え事してただけ」

 

 大丈夫?

 と顔を覗き込んできたスピカに、俺は笑顔で返す。

 

「それじゃ、今日は久々に調教場で遊ぼうか。怪我も治って動けるんだし――」

 

 学塔の廊下で、スピカを高い高いしながら歩いていた。

 

 そんな時、

 

「――ノエル・リントヴルム」

 

「え?」

 

 背後から声をかけられ、思わず振り向く。

 

「ふうん……やっぱり、噂通り冴えない顔の男ですのね」

 

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