モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第48話 婚約破棄されてました

 

「…………え゛?」

 

 な……なんだってェ――――!?

 

 ど、どういうことだキバ○シ!!

 

 ――と思わず口に出そうな勢いで、俺は度肝を抜かれた。

 

 没落?

 ベルメール家が?

 

 な……なんで!?

 

「ああ、やっぱり知らなかったんだ。あなたって本当にドラゴン以外興味ないのねぇ」

 

「……はい、どうせ俺は辺境生まれの世間知らずなドラゴンヲタクです。ふへへ、生きててサーセン……」

 

「それで、ベルメール家になにがあったのか知る気は?」

 

「あります!」

 

「よろしい」

 

 ロゼはテーブルの上で指を組み、説明をしてくれる姿勢をとる。

 

 俺も真剣に聞く態度に切り替え、

 

「それでなにがあったんだ? あれだけの大貴族が没落なんて……」

 

「――破局したのよ。クローディアが婚約関係にあった、フェルスト家嫡男と」

 

「大貴族が集まる舞踏会の会場で、クローディアさんは婚約者の方から数々の悪事を看破されつつ、婚約破棄を宣言されたそうです……」

 

「彼女は昔からワガママで悪名高かったし、よっぽど嫌われてたんでしょうね。それにベルメール家の権力を疎んじる貴族は多かったから」

 

 流石に憐れ……という感じで話すロゼとソリン。

 

 そんな二人の言葉を聞いて、俺はややギョッとする。

 

「そ、それじゃなにか? 大勢の前で恥をかかされて、信用も面子も失った結果――」

 

「貴族たちから総スカンを食らうようになって、一族まるごと没落……って流れね」

 

「すごい勢いで衰退していきましたよね。正直、ちょっと気の毒だとは思います……」

 

「…………」

 

 唖然。

 

 口をポカーン( ゚д゚)と開けて、予想だにしなかった事実に呆気に取られる。

 

 ――なんじゃそりゃあ!?

 

 ダンプリでそんな展開なかったぞ!

 

 っていうかそもそもクローディアに婚約相手がいたって設定も、婚約破棄されたって設定も初耳!

 

 いやもう全然知らんかった……。

 

 ゲームにはなかった展開な上に、ワイ辺境生まれの田舎者でドラゴンにしか興味ないから……。

 

 お偉い貴族たちがどうなってるとか、そんな情報仕入れてなかったんだよね……。

 

 だってドラゴン育成できればそれでオールオッケーだったし……。

 

 でも――ようやく合点がいった。

 

 どうしてクローディアがあんな必死に婚約を迫ってくるのか。

 

 ベルメール家を、一族を再興させたいからだ。

 

 彼女にとって、今の俺はお家立て直しを図る貴重なチャンス。

 

 上手くやればアリッサム家とのパイプを築けると考えているかもしれない。

 

 そりゃ逃すまいと思うよな。

 

 でも、流石にやり方が不器用すぎるだろ……。

 

 いきなり「婚約しろ」と突撃してくる奴があるかよ……。

 

「……」

 

 なんだろう……。

 なんとも、感情の処理に困る。

 

 前にも言ったが、俺はクローディアのことが好きじゃない。

 

 だってクズだから。

 

 ただ――俺が嫌いなのは、あくまで”ダンプリのクローディア”。

 

 この世界の彼女ではない。

 

 だからかわいそうだと思うし、同情もする。

 

 あれだけプライドの高い彼女が屈辱を堪え、俺なんかに婚約を申し込んできたのも、全ては一族再興の重責を背負っているが故。

 

 

 ”――大貴族であり公爵家のご令嬢であるキミが、辺境貴族と結婚なんてできるわけないだろう”

 

 

 ……思い返せば、なんだか酷い物言いをしてしまったかもしれない。

 

 クローディアからすれば、これ以上ない皮肉に聞こえたと思う。

 

 彼女が怒ったのも当然だ。

 

 今度会ったらしっかり謝らないとな……。

 

 とはいえ、婚約は……。

 流石にいくらなんでもねぇ……。

 

 こんな動機で結婚しても、どうせ不幸になるに決まってるし。

 

 っていうか俺はスピカと過ごしたいんじゃ。

 

 学園を卒業して家を継ぐまで、婚約なんてする気はございません。

 

「一族再興……再興かぁ……」

 

 なんか、もっと別にいい方法とかないんかな?

 

 婚約以外でさ。

 

 新しくお金も地位も、なんなら名声も得られるバブリーな手段が。

 

 俺が協力できる方法であれば尚よしなんだけど――

 

「きゅーん」

 

「…………あっ」

 

「……? どうしたの、ノエル?」

 

「うん……なんか――”いい方法”思い付いたかも、と思って」

 

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