モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第50話 クローディアをドラゴン調教師にしよう

 

 ――クローディアを一流のドラゴン調教師(テイマー)にしてしまおう。

 

 それが俺の考えたアイデアだった。

 

 うむ、我ながら素晴らしい考えだ。

 

 ワイ天才かもしれんな。

 

 フヒヒ、こうして彼女をドラゴン沼に引き込んでしまえば、一昼夜ドラゴンについて語り合える仲間が……。

 

 ……違うよ?

 決して同好の士が欲しかっただけとか、そんな理由じゃないよ?

 

 ちゃんとした理由もあるから!

 

 オホン、ちょっと順を追って説明しよう。

 

 ――まず、今の俺には”実績”と”知名度”がある。

 

 アース・ドラゴンに勝てるほどのホワイト・ドラゴン(スピカ)を育成した実績、

 それがロゼの眷属(ドラゴン)であるという知名度、

 この二つが。

 

 実際には誤解なんだけど、その噂を聞いてクローディアは婚約を迫って来たワケで。

 

 そんな突飛な行動を起こさせるくらいには、ブランド力を獲得していると見ていいだろう。

 

 まあ要は、俺は世間から”ドラゴン育成の名手”であり”アリッサム家に重用されるかもしれない人材”と思い込まれてるってこと。

 

 ――だったら別に婚約しなくても、その”実績”と”知名度”を利用すればいいだけじゃね?

 

 そう思ったのだ。

 

 つまりクローディアを”ロゼの眷属(ドラゴン)を育てた調教師の一番弟子”にしてしまえばいい――と思い立ったのである。

 

 ……スピカを政略に利用したような気が云々~、というモヤモヤ感はあるけど、これは一旦飲み込もう。

 

 クローディアのためにな。

 

 ともかく、彼女を立派なドラゴン調教師(テイマー)にする。

 

 最初は大変だし苦労もするだろう。

 立場からして陰口も叩かれるかもしれない。

 

 けど、実力が伴えば必ず評価されてくるはず。

 

 だってドラゴンは嘘を吐かないからね。

 

 彼らを育て調教するのは、本当に難しい。

 

 他のモンスターと比べても調教師(テイマー)には高い手腕が要求される。

 

 それ故に、ドラゴン専属の調教師(テイマー)はとても数が少なく希少。

 

 そんな希少な人材の中でもハイレベルな育成ができるとなれば、権力者たちが放っておくはずがない。

 

 飼い慣らされたドラゴンを欲しがる貴族や豪商って多いからな。

 

 ”ドラゴン育成の名手”として、再び貴族の中で返り咲くこともできるかもしれない。

 

 そうして他家とパイプを作って……なんて考えるのはクローディアの仕事。

 

 ……ドラゴンバカの俺が彼女にしてあげられるのは、これくらい。

 

 後は――クローディア次第だ。

 

 

 

「……ゼヒィー……ゼヒィー……」

 

「大丈夫、クローディア?」

 

「だ……大丈夫なワケ、ありませんわ……!」

 

 彼女はめちゃくちゃ息を切らし、必死に俺に付いてくる。

 

 そんなに大変かな?

 山登りって。

 

「ちょ、ちょっと出掛けると仰ったのでついてきてみれば……いきなり『岩山ダンジョン』に登るとか、なにを考えてますの!?」

 

 ――そう。

 俺とクローディアは今、ダンジョンを登っている。

 

『岩山ダンジョン』と言って、初級~中級クラスのダンジョンだ。

 

 見上げれば、上空には翼を広げて飛行する翼竜の群れが。

 

 いや~、絶景かな。

 

「そ、それにモンスターが飛び回っていますけれど……た、食べられたりしませんわよねぇ……?」

 

「いや、油断してると食べられる」

 

「え」

 

「でもドラゴンに食べられるなんて光栄だよな! どうせ死ぬなら俺はそうやって死にたいかも、なーんて。アハハハ!」

 

「あなた頭おかしいですわよ!!! わ、私死にたくありませんわぁッ!」

 

「平気だよ。俺たちにはスピカがついてる。な、スピカ?」

 

「きゅーん!」

 

 えっへん、任せなさい!

 と自慢気に鳴いてみせるスピカ。

 

 なんて頼もしいんだ……。

 逞しく育ってくれて、お父ちゃんマンモスうれぴー(死語)。

 

「そ、それで、どうして私たちはダンジョンへ来たのか、ご説明くださる……?」

 

「ん? ああ――”はぐれ卵”を見つけるためさ」

 

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