モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第53話 新たな赤ちゃん

 

 ――”ワイバーン”。

 

 翼竜やドラゴン・リザードなどとも呼ばれたりする、最弱のドラゴン種。

 

 この世界では至る所で目にする身近なドラゴンであり、最も数の多いドラゴンでもある。

 

 ぶっちゃけ雑魚モンスターの一角だ。

 

 あまりに大量に生息しているので、一部の論者たちは”ワイバーンはドラゴンではない”と言い張るほど。

 

「んんwwwワイバーンなどしょせんトカゲですぞwww」みたいな感じで。

 

 ……ちなみに俺はワイバーン=ドラゴン擁護派。

 

 だってドラゴン種の特徴の多くを備えているもの。

 

 彼らだって立派なドラゴンだ。

 

 もし目の前に否定派論者が現れたら「よろしい、ならば戦争だ」となるだろう。

 

 いいか、ドラゴンっていうのは強さや希少性だけでなく、心の持ち様もあってだな――

 

「ノエル、話先に進めてくれる?」

 

「えっ、あ、サーセン……」

 

 鋭い目つきで俺に催促してくるロゼ。

 

 遂に俺の心の声にまで突っ込みを入れてくるとは……。

 

 流石はダンプリの看板ヒロイン……。

 

「きゅわっ、きゅわっ♪」

 

「……あのぉ~、いい加減頭から降りてくださいませんこと……?」

 

 俺たちがそんなやり取りをしている傍らで、クローディアが生まれたばかりのワイバーンと戯れていた。

 

 ワイバーンは母親(クローディア)の頭に乗り、なんとも楽しそうにパタパタと動いている。

 

 実に微笑ましい……。

 これぞ親子のスキンシップだよな……うんうん……。

 

 

 ――話を少し巻き戻そう。

 

 『岩山ダンジョン』でワイバーンの孵化に立ち会った俺とクローディア。

 

 ワイバーンの赤ちゃんは一番最初にクローディアを見て、彼女を親だと認識してくれた。

 

 その後、赤ちゃんを連れてダンジョンから下山。

 

 生みの親であるワイバーンたちも、最後まで俺たちに接触してくることはなかった。

 

 そんなワケで学園まで戻り、現在ロゼとソリンを誘って俺の部屋に集まっている次第。

 

 ソリンはなんとも癒されながらワイバーンの赤ちゃんを見つめ、

 

「かわいいですねぇ~♪ この子ワイバーンの赤ちゃんなんですか?」

 

「成長した姿とは全然違うだろ? スピカと違って、まだ飛ぶことはできないみたいなんだ」

 

「いいなぁ~……。私もこれくらいすんなりドラゴンの眷属作れたらいいのに」

 

 羨ましそうにため息を漏らすロゼ。

 まあ気持ちはわからんでもないが……。

 

「なに言ってるのさ、次代アリッサム家当主の眷属がワイバーンってワケにはいかないでしょ?」

 

「それは、そうかもだけど……」

 

「この子たちみたいな下級ドラゴンと違って、上級ドラゴンの卵は本当に貴重なんだ。おいそれと手に入る物じゃないって」

 

「……でもあなたはご両親からプレゼントされたのよね」

 

「……スッ」

 

 目を逸らす俺。

 

 やめてくれ、そんな目で見るな。

 

 俺は本当に運がよかっただけなんじゃ……。

 

「きゅん、きゅーん♪」

 

「きゅわ? きゅわっ」

 

 なにやらドラゴン同士で戯れ始めるスピカとワイバーンの赤ちゃん。

 

 どうやらすぐに打ち解けられたらしい。

 

 彼女にとっては初めての同種同年代の友達となるから、さぞ嬉しいだろうな……。

 

 あれ、なんか目から汗が……。

 

「――もう! あなたたち、いい加減私を無視するのはやめていただける!?」

 

 唐突に怒り出すクローディア。

 

 お、現代のキレる若者。

 怖いわ~。

 

「早くこの子を頭から退かしてと言ってるの! どうやっても離れてくれなくて困っているんです!」

 

「そりゃ離れないよ。だってクローディアを母親だと思ってるんだから」

 

「は、母親って……」

 

「それより、キミにも大事な仕事があるだろ? ――この子に”名前”をつけてあげることだ」

 

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