モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第55話 フレンの実力①

 

 調教場にやって来た俺たち一行。

 

 スピカはいつものように俺の肩に乗り、フレンはクローディアの頭に乗っている。

 

 彼はどうやらあのポジションが気に入ったようだ。

 

「うぅ……頭が重いですわぁ……」

 

「きゅわっ、きゅわっ♪」

 

 フラフラと歩くクローディアと、ピクニック気分で楽しそうなフレン。

 

 まさに母と子って感じ。

 

「それにしてもノエル……ワイバーンの赤ちゃんって、そんなに凄い実力あるの?」

 

 不思議そうな顔で、ロゼがそんなことを聞いてくる。

 

「ん? 凄い実力って?」

 

「だってさっきの言い様からして、そう思うじゃない」

 

「確かに。でもワイバーンの赤ちゃんがそんなに強いって想像できませんねぇ」

 

 ソリンもなんだか腑に落ちないご様子。

 

 俺は彼女たちの先を歩き、

 

「ああ……。まあ、見てればわかるよ」

 

「「?」」

 

「俺はどうしても、クローディアに”今のフレン”をちゃんと知っていてほしいんだ」

 

 そう言って――開けた場所までやって来る。

 

 そして実力の比較チェックも兼ねて、スピカとフレンには地面に降りてもらった。

 

「それじゃ二人共、今からこの(ボール)に向かって”攻撃”をしてほしい。OK?」

 

「きゅーん!」

 

「きゅわっ!」

 

 やる気十分のドラゴンたち。

 

 勇ましい上にかわいい。

 眼福眼福……。

 

「それじゃまずスピカから。――それ!」

 

 取り出した(ボール)を上空へと放り投げる俺。

 

 次の瞬間――

 

「ぐるるる……ぎゅーん!」

 

 ピゴーッ!と〔ファイヤ・ブレス〕を発射。

 

 〔炎〕属性レベルが12まで上がった彼女の一撃は、以前調教場で同じことをやった時よりも破壊力抜群。

 

 炎のビームは野太くなって攻撃範囲が広くなり、直撃を受けた(ボール)はジュッと一瞬で蒸発した。

 

「うわぁ……」

 

「スピカちゃん、本当に強くなったわね……」

 

 スピカの〔ファイヤ・ブレス〕を見て驚くソリンとロゼ。

 

 対して、

 

「ふ、ふん! それくらい大したことなくてよ! 私のフレンならもっと凄い大技が出せるはずですもの!」

 

 対抗意識を燃やして張り合おうとするクローディア。

 

 相変わらずマウント取りたがるんだから。

 

「さあ、見せておやりなさいフレン! あなたの実力というものを!」

 

「きゅわっ!!!」

 

「じゃ――どうぞ」

 

 続けてフレンの実力を見るべく、俺は二球目の(ボール)を――地面へと置いた。

 

「きゅわっ!」

 

ペシッ

 

「きゅわっ!!」

 

パシッ

 

「きゅわーっ!!!」

 

コツンッ!

 

 ――(ボール)に対して、美しい連続頭突きコンボを叩き込むフレン。

 

 それを受け、(ボール)はコロコロと遠くに転がっていった。

 

 

「「「…………」」」

 

 

「おぉ~、いい攻撃だね! 生まれたばかりなのに凄いじゃないか!」

 

「きゅーん♪」

 

「きゅわ~っ」

 

 きっちり褒め称える俺とスピカ。

 

 それほどでも~。

 とフレンもまんざらではない様子だ。

 

「あ……あの……ちょっとよろしくて……?」

 

「ん? なんだいクローディア?」

 

「今のって、あ、遊んでただけ、ですわよね……? 絶対に”攻撃”ではありませんわよね……!?」

 

「いや、明確な”攻撃”だったな。ドラゴン調教師(テイマー)の俺が言うんだから間違いない」

 

 そう教えてあげる。

 

 次の瞬間――彼女は膝から地面に崩れ落ちた。

 

 

「よっっっっっっっっわ過ぎですわあああああぁぁぁぁぁッ!!!」

 

 

 調教場に、悲しい叫びが木霊する。

 

 ……だがそんなクローディアに対し、俺は確かな実感を得ていた。

 

 だって今この瞬間、彼女はワイバーン(フレン)のことを知ったのだから。

 

 たった今――”クローディアによるフレンの育成”が始まったのだ。

 

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