モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
「――ワイバーンの強みはスピードだ。速さは明確な武器になるよ。というワケでダッシュ」
「きゅわっ!」
ヨチヨチ
「おっっっっっそいですわ!」
「――ワイバーン最大の武器は翼だ。飛ぶことによって柔軟な戦術が取れるようになるよ。というワケで飛ぶ練習」
「きゅわっ!」
パタパタ
「全っっっっっ然飛べてませんわ!」
「――ワイバーンもレベルを上げていけば〔ファイヤ・ブレス〕を出せるようになるよ。というワケで火を吹いてみよう」
「きゅわっ!」
ピュイー
「まっっっっったく出せてませんわ!」
――クローディアがフレンのトレーニングを始めて一日目。
事態はさっそく混迷を極めていた。
「ああもう! まるでなにもできないじゃありませんか! 頭おかしくなりそうですわぁ!」
「そう? この最初に不自由を楽しむ感じがいいんじゃないか~。ねぇスピカ~」
「きゅーん♪」
「そう思うのはあなたたちだけですわよ! やっぱり異常なんじゃなくて!?」
悲観に暮れながら激怒するクローディア。
ま、焦る気持ちもわからなくはないけど――
「そんな思い詰めることないって。それにそろそろ……ホラ、見てごらん」
「え?」
ピコン!
〔〔”トレーニング”成功〕〕
〔〔レベルUP!〕〕
〔〔各ステータスが上昇〕〕
フレンの頭上にアイコンが表示される。
その直後――
「きゅわっ!」
バシンッ
打ち込み台に”攻撃”の練習をしていたフレン。
そんな彼の頭突きの威力が、僅かだが明確に変わった。
「! 今の……!」
「まだ赤ちゃんの内は、すぐにレベルが上がるんだ。ワイバーンは成長も早い種だし、数日もすればそれなりの攻撃が出せるようになるんじゃないかな」
「す、凄いですわ! それじゃこの調子でどんどん――!」
「はい、ストップ」
ようやく笑顔を取り戻したクローディアを、俺は押しとどめる。
「今日のトレーニングはここまでだ」
「へ? ど、どうしてですか!? これからがいいところじゃ……!」
「見てみなよ」
彼女に催促し、フレンの方へ振り向かせる。
すると彼女に目に映ったのは、
「きゅわぁ……きゅわぁ……っ」
ヘトヘトになりながら息を切らす、そんなフレンの小さな身体だった。
「レベルもすぐ上がるけど、それ以上に幼年期の内は
「! そ、そうなんですのね……」
「これでまた一つ勉強になったね?」
「うぐっ……! は、はい! とってもお勉強になりましたわ!」
「よし、それじゃあ適度に動いた後は――さっそく”ご飯”にしようか」