モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

57 / 90
第57話 一緒にトレーニング

 

「――ワイバーンの強みはスピードだ。速さは明確な武器になるよ。というワケでダッシュ」

 

「きゅわっ!」

 

ヨチヨチ

 

「おっっっっっそいですわ!」

 

「――ワイバーン最大の武器は翼だ。飛ぶことによって柔軟な戦術が取れるようになるよ。というワケで飛ぶ練習」

 

「きゅわっ!」

 

パタパタ

 

「全っっっっっ然飛べてませんわ!」

 

「――ワイバーンもレベルを上げていけば〔ファイヤ・ブレス〕を出せるようになるよ。というワケで火を吹いてみよう」

 

「きゅわっ!」

 

ピュイー

 

「まっっっっったく出せてませんわ!」

 

 ――クローディアがフレンのトレーニングを始めて一日目。

 

 事態はさっそく混迷を極めていた。

 

「ああもう! まるでなにもできないじゃありませんか! 頭おかしくなりそうですわぁ!」

 

「そう? この最初に不自由を楽しむ感じがいいんじゃないか~。ねぇスピカ~」

 

「きゅーん♪」

 

「そう思うのはあなたたちだけですわよ! やっぱり異常なんじゃなくて!?」

 

 悲観に暮れながら激怒するクローディア。

 

 ま、焦る気持ちもわからなくはないけど――

 

「そんな思い詰めることないって。それにそろそろ……ホラ、見てごらん」

 

「え?」

 

 

ピコン!

 

〔〔”トレーニング”成功〕〕

 

〔〔レベルUP!〕〕

 

〔〔各ステータスが上昇〕〕

 

 

 フレンの頭上にアイコンが表示される。

 

 その直後――

 

「きゅわっ!」

 

バシンッ

 

 打ち込み台に”攻撃”の練習をしていたフレン。

 

 そんな彼の頭突きの威力が、僅かだが明確に変わった。

 

「! 今の……!」

 

「まだ赤ちゃんの内は、すぐにレベルが上がるんだ。ワイバーンは成長も早い種だし、数日もすればそれなりの攻撃が出せるようになるんじゃないかな」

 

「す、凄いですわ! それじゃこの調子でどんどん――!」

 

「はい、ストップ」

 

 ようやく笑顔を取り戻したクローディアを、俺は押しとどめる。

 

「今日のトレーニングはここまでだ」

 

「へ? ど、どうしてですか!? これからがいいところじゃ……!」

 

「見てみなよ」

 

 彼女に催促し、フレンの方へ振り向かせる。

 

 すると彼女に目に映ったのは、

 

「きゅわぁ……きゅわぁ……っ」

 

 ヘトヘトになりながら息を切らす、そんなフレンの小さな身体だった。

 

「レベルもすぐ上がるけど、それ以上に幼年期の内は体力(スタミナ)が低い。常に調教師(テイマー)が目を光らせてないと、あっという間にオーバートレーニングになっちゃうよ」

 

「! そ、そうなんですのね……」

 

「これでまた一つ勉強になったね?」

 

「うぐっ……! は、はい! とってもお勉強になりましたわ!」

 

「よし、それじゃあ適度に動いた後は――さっそく”ご飯”にしようか」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。