モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
「……ッ! あなたたち……!」
その二人を見た瞬間、クローディアはブワッと沸騰するかのように怒りの形相を見せる。
――現れたのは、一組の男女。
男の方はやや長めの金髪で背が高く、端正な顔つき。
まさに貴族紳士といった風貌だ。
女の方は赤毛のデコ出しヘアーで、美人だが実に生意気な目つきをしている。
おそらく恋人同士……だよな。
これ見よがしに腕を組んでベタベタとしているから、すぐにわかる。
「……なんだ、あんたら?」
「はあ? 口の利き方に気を付けなさいよ。ディルク様のことを知らないなんて、これだから垢臭い
カッチーン
お? お主垢臭いと申したか?
ワシら
面白い奴だな、気に入った。
今すぐ○してやる。
「こらこらアルベナ、彼は今噂の”ロゼ・アリッサムの眷属の世話係”だぞ? 薄汚いとはいえ、あまり失礼を言ってやるな」
「知らない。ディルク様以外の殿方なんて眼中にありませんもの! きゃっ、言っちゃった♪」
「ハハハ、こいつめ」
「……」
――うっっっっっざ。
なんだろう、スーパーウザい。
こんなにウザいイチャつき方をする男女、生で見るの初めてだわ。
俺もスピカに似たような態度取ってるかもしれんが、いざ人同士で見せつけられると果てしなくウザいな。
普通に殺意湧くレベルだろ。
「失礼、私の名前はディルク・フェルスト。公爵貴族フェルスト家の嫡男だ。こちらの淑女は大陸の
「ふん、覚えて頂かなくて結構よ」
ビュッセル商会――って聞いたことあるな。
ダンプリにも名前が出てきた、この世界の大企業だ。
あらゆる物品を取引していて、大陸中の貴族にも太いパイプを持つらしい。
当然ビュッセル家も超大金持ちで、資金力だけなら大貴族すらも上回るとかなんとか。
で、アルベナっていうこの少女は、そこのご令嬢。
ダンプリに登場した記憶はないが、まあ見ての通りワガママ娘みたいだな。
――ところで、
「ちょっと待て……フェルスト家って……!」
確か――クローディアに婚約破棄を突きつけた奴の家名だ。
俺は流石に驚きを隠せない。
どうしてそんな奴が目の前に――!
突然に現れたディルクたちをクローディアは激しく睨み、
「……なんの用よ。あなた方の顔なんて見たくもないのですけれど」
「ハッ、私とて貴様のような性悪女になど会いたくあるものか。だが、愛しのアルベナがどうしてもと言うのでな」
「ぷくく、ねえどんな気持ち? 大貴族のお嬢様から没落貴族の小娘にまで堕ちて、臭くて汚い
「……」
「アハハ! それそれ、その顔よ! その顔を見に来たの! 凄く笑えるわ!」
言い返すこともできないクローディアを下劣に笑い飛ばすアルベナ。
俺は流石にムカついて、
「おい、お前――!」
「ノエル・リントヴルムくん」
文句の一つでも言ってやろうとした矢先、ディルクが俺を呼び止めた。
「単刀直入に言おう。――その女から手を引きたまえ」