モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第62話 一心同体

 

「今の彼女は、もうお前の知ってるクローディア・ベルメールじゃない。知った風な口を利くな」

 

「「「――!」」」

 

 俺の言葉に、まるで度肝を抜かれましたと言わんばかりの表情をする三人。

 

 あ~、ちょっとスッキリした。

 

 やっぱり、自分が偉いとか一方的な正義だとか思い込んでる奴にフ○ックと中指を立ててやる瞬間は気持ちがいいな!

 

 スカッとするよ!

 

「あ……あなた、このアバズレの肩を持つっていうの!?」

 

「ああ、俺はクローディアの味方だ。なにせ彼女は、俺の”弟子”だからね」

 

「ノエルさん……」

 

「……ッ!」

 

 俺の返答を受け、ギリッと苦虫を嚙み潰したように悔しそうな顔をするアルベナ。

 

 まさか歯向かってくるとは思ってなかったんだろうな。

 

 やれやれ。

 傲慢なのはどっちでしょうねぇ?

 

 ディルクは小さくため息を吐き、

 

「……一応言っておくと、私は親切心で言っているのだぞ? そこは勘違いをしてほしくないな」

 

「余計なお世話だよ。俺は俺なりに人を判断する術を持ってる。それによると、クローディアはもうクズじゃないってさ」

 

「……その心は?」

 

(フレン)を見ればわかるだろ?」

 

 俺はフレンを見つめる。

 

 クローディアの足に擦り寄り、母親を心配してくれている、小さなワイバーンの姿を。

 

「ドラゴンは人に嘘を吐かないし、人もドラゴンに嘘を吐けない。彼らは人の心に敏感で、自分にどんな感情を向けているのか必ず見透かしてくる。無論、その人間性もね」

 

「きゅーん」

 

「フフ、そうだねスピカ。ドラゴンと調教師(テイマー)は一心同体」

 

 肩の上でかわいらしく鳴いてくれるスピカの鼻先を、俺は人差し指で撫でてあげる。

 

 こんなさり気ないことも、結局は信頼関係があって初めて成せるのだ。

 

「自分以外を本当に家畜か奴隷と思っているなら、(フレン)がクローディアに懐くことはあり得ない。ドラゴンは、本物の愛情がなければ応えてくれないんだよ」

 

「……」

 

「クローディアはクズじゃない。これはドラゴン調教師(テイマー)である俺の結論だ。戯言だと思うなら、あんたもドラゴンを育ててみればいい」

 

「わかった。そこまで肩を持つなら、もうなにも言うまい」

 

 ディルクはアルベナの肩を持つと、クルリとこちらに背中を向ける。

 

「行こう。彼らに構うのは時間の無駄だ」

 

「ちょっ……いいの!? こんな奴らパパに頼んで学園から――!」

 

「必要ないとも。放っておけばどうせ勝手に破滅する。それにあまりちょっかいを出すと、ロゼ・アリッサムが出てくるかもしれないよ?」

 

「そ、それは……」

 

「疫病神とはおさらばするのが一番さ」

 

 そう言い捨て、アルベナを連れて去って行こうとするディルク。

 

 帰れ帰れー。

 二度と来んなバーカ。

 

 心の中でペッと唾を飛ばす俺。

 

 すると――

 

「……最後に、一つだけ」

 

 不意にディルクは立ち止まった。

 

「このディルク・フェルストに仇なす態度を取ったこと……後悔しないことだ」

 

「やかましい。いいから早く帰れこの色男」

 

「フッ……」

 

 最後に不敵な笑みを残し、彼らはようやく俺たちの前から消えたのだった。

 

 あ~ウザかった!

 姿が見えなくなって清々したわ。

 

 …………にしても、だ。

 

 ディルクの奴、相当クローディアのこと恨んでたな。

 

 いや、恨んでたというか……あまりに一方的にクローディアのこと毛嫌いしてたというか……。

 

 そりゃ昔の彼女は性格悪かったのかもしれないが、それにしたって――

 

 ……他人の感情に土足で踏み込むのは好きじゃないんだけど、こんな光景見せられたらそうも言ってられないよなぁ。

 

 やっぱり気になるだろ。

 二人になにかあったんじゃないかって。

 

 ちょっと――クローディアに事情を聞いてみるか。

 

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