モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第64話 トレーニングの成果

 

 ――クローディアがフレンの育成を初めてから、三週間が経過。

 

「フレン! 〔ヘッド・バット〕!」

 

「きゅわっ!」

 

ズバンッ!

 

 フレンが打ち込み台に頭突きを叩き込む。

 

 すると台に激しい衝撃が伝わり、大きく揺れ動いた。

 

 ――それは明らかに破壊力を秘めた一撃。

 

 もし人体に当たろうものなら、軽く吹っ飛ばされて無視できないダメージを負うだろう。

 

「――うん、いいね。ここまで威力が出るなら十分実戦で通用すると思う」

 

「きゅーん!」

 

 凄かった! かっこいい!

 と続けてスピカも褒めてくれる。

 

「! 聞きましたかフレン!? あなたここまで強くなりましたのよ!」

 

「きゅわっ、きゅわーっ!」

 

 小さなフレンを思いっきり抱き締めるクローディア。

 

 その姿はもう完全に親バカ……。

 いやドラゴンバカ……。

 

 ふふふ……いいぞ……。

 

 そのままもっとドラゴンに染まるのだ……。

 

 さすればお主もさぞ立派なドラゴンヲタクに……!

 

「人を沼に沈めようとするのはやめなさい」

 

「あいたっ」

 

 ビシッと後頭部をチョップされる。

 

 ちなみにやったのはロゼ。

 

「きゅーん!?」

 

 大丈夫!?

 とスピカは心配してくれるけど、彼女もそこまで強くはやってないから。

 

 うふふ、キミは本当に優しい子だね……。

 お父ちゃんを心配してくれて嬉しい……。

 

 ――そんなワケで俺たちの前に現れたロゼだが、彼女もクローディアたちの様子を見に調教場までやって来てくれたようだ。

 

「それにしても、フレンくんかなり強くなったわね。見違えるようだわ」

 

「クローディアによるトレーニングの賜物だね。両腕の翼も成長してきたし、もう少ししたら飛べるようになるんじゃないかな」

 

「それは楽しみね。……ところで、”あの話”調べてみたわよ」

 

 ロゼはやや小声で言う。

 

 それを聞いて、俺もピクッと耳を動かした。

 

「ん、助かるよ。それでどうだった?」

 

「あなたの言った通り、アルベナは貴族の仲間入りをしたくてディルクに近付いたのは間違いないみたい。元々彼以外にもあちこち声をかけてたみたいよ」

 

「うへぇ、それはまたなんとも……」

 

「正直、ディルクはともかくアルベナは貴族たちからあまり評判よくないわね。でもビュッセル商会のご令嬢だし、露骨に無下にはできなくて皆困ってるって感じだった」

 

 流石はロゼ。

 アリッサム家の伝手を使って色々と調べてきてくれたようだ。

 

 ――実はあの二人が俺たちを尋ねてきた後、こっそりロゼに周辺調査を依頼してたんだよな。

 

 こういう権力絡みで友人を使うのは心底気が引けるんだけど、流石に無防備なままでもいられなかったからさ。

 

 ……にしても、聞けば聞くほど今のアルベナは”ダンプリのクローディア”だな。

 

 役割がそっくりだ。

 

 まさに悪役である。

 

「……聞いた限りでは、ベルメール家が没落したのも両家が裏で――」

 

「待って、ストップ」

 

「え」

 

「それ以上聞くと、怒りで頭の血管がキレそう。……っていうか、聞いてもどうにもならないというか」

 

 憤怒で血管から血が噴き出そうになる感覚を必死に堪え、俺は努めて冷静に話を続ける。

 

「クローディアはドラゴン調教師(テイマー)として一族を再興すると言ったんだ。だったら――俺はそれを手伝うだけさ」

 

「……そう。なんかノエルらしいわね」

 

「そりゃどうも」

 

「それじゃあ、最後に一つだけ」

 

「ん? なに?」

 

「少し前に、ビュッセル商会とフェルスト家で大きな取引があったみたい。なんでもディルクが大型モンスターを大陸の端から取り寄せたんですって」

 

「大型のモンスター? なんでまた?」

 

「知らないわよ。でも――噂じゃ、そのモンスターは”ドラゴン”だって言われてるの」

 

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