モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
「痛っ……!」
「うわっ……!?」
ぶつかった相手は、衝撃で尻餅を突いてしまう。
俺はあわてて手を差し伸べ、
「ご、ごめん! 怪我はないか!?」
「あ、ああ。僕の方こそごめんよ……」
ぶつかったのは少年で、俺より少し背の低い男子生徒。
たぶん同学年だろう。
彼はこちらの手を取って立ち上がり、
「ちょっとぼうっとしてたんだ。すまなかったね」
お尻の砂埃を払って、俺と目を合わせた。
――すっごい美少年。
最初に思ったことはそれである。
サラッとした銀髪に深紅の瞳、そして白い肌、整った顔立ち。
めちゃめちゃイケメンだ。
でも男らしいハンサム顔というよりは、やや童顔な感じ。
それでも目つきはキリッとしていて――
――あれ?
この顔って、どこかで――
「――あっ!」
俺の顔を見たイケメン男子生徒は、なにかに気付いた様子で咄嗟に声を上げる。
「へ? なに?」
「キミって、ノエル・リントヴルムくんだろ!? そうだよね!」
「あ、ああ、そうだけど……」
「それと、肩に乗ってるホワイト・ドラゴンはスピカちゃんじゃないかい!?」
「きゅーん……!?」
どうして知ってるの……!?
と驚きの鳴き声を上げるスピカ。
驚いたのは俺も同じで、
「あの、なんで俺たちのことを知ってるんだ?」
「それは知っているさ! キミたちは有名人だもの!」
嬉々として話を始めるイケメン男子生徒。
彼は目を輝かせ、
「ロゼ・アリッサムの決闘に貢献したことで一躍話題となり、最近では田舎町をドラゴン・タートルから救ったことで、ヴァルター最高議長からお褒めの言葉を賜ったって……そう聞いたよ!?」
「それは、まあ……」
「僕の故郷でも名が知れ渡ってるくらい、キミは時の人なんだ! サインがほしいくらいだよ!」
「……」
うむ、聞きたくなかった。
なんで俺の意思とは関係なく、ノエル・リントヴルムって名前が広まっていくんすかね?
俺はスピカを育てたいだけなのに。
スピカをスローライフでブリーディングしたいだけなのに。
私はモブになりたい。
「会えて本当に嬉しいよ。僕はキミに会いたくて、この『フォルシティ魔導学園』まで
「……転、校?」
――その単語を聞いた時、肌がぞわぞわする感じを覚えた。
それに――やっぱり俺は、彼の顔に見覚えがある。
ダンプリで最初に行うキャラメイク。
何度思い返してみても、そのデフォルト設定の一つにあったはずなのだ。
銀髪で、紅い瞳で、白い肌の美男子が。
それに”転校”してきたって……。
まさか――
「あ、あの、失礼なんだけど、キミの名前を聞いてもいいかな……?」
「ああ、ごめんよ! つい一方的に話してしまったね!」
イケメン男子生徒は改めて息を整え、俺を正面に見据える。
そして
「改めまして、僕の名前は”レオン・ニーベルング”。キミと同じ学年で、キミと同い年。これからよろしくね」
「――! レオンって……!?」
「フフ……こんなに早くノエルくんと出会えるなんて――とっても嬉しいな……♪」
ピコン!
〔〔レオンの親密度が5上昇〕〕