モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
「う~~トイレトイレ!」
今、トイレを求めて全力疾走している俺は、魔導学園に通うごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば、ドラゴンに興味があるってとこかナ――。
名前はノエル・リントヴルム。
そんなわけで、学園にある公園のトイレにやって来たのだ!
「――!」
ふと見ると、ベンチに一人の美少年が座っていた。
ウホッ!
いい男……。
「……ハッ!」
そう思っていると、突然その美少年は、俺の見ている目の前でツナギのホックを外し始めたのだ……!
ジジーッ
「やらないかい?」
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
「ノ、ノエルくん!? 大丈夫かい!?」
「きゅーん!?」
心配そうな表情で俺の顔を覗き込んでくるレオンとスピカ。
彼らを見て、ようやく意識が現実へと戻ってくる。
「――ハッ!? お、恐ろしい妄想に囚われてしまった……!」
――怖い。
怖すぎる。
なんで!?
なんで今、好感度が上がったの!?
好感度ってヒロインとだけ上がる仕組みとちゃうんか!?
俺は改めてダンプリのシステムを思い返してみる。
ヒロイン以外で好感度が上がるキャラ……なんて絶対にいなかった。
そりゃそうだよ、だって攻略対象として設定されてないんだから。
え、どういうこと?
主人公がヒロイン化するとか乙女ゲームですか?
「あ、あの……念のため確認したいんだけど、レオンって男だよな……?」
「え……どうしてそんなこと聞くの? 僕が女の子みたいだって言いたいのかい?」
微妙に眉をひそめ、不快感を見せるレオン。
おっと……もしや地雷だったか……?
「そ、そういうワケじゃ……」
「いや、いいんだ。たまに華奢だって言われるからさ。でも証拠に――はいこれ、僕の学生証」
そう言って、彼は懐から魔導学園の学生証を取り出す。
そして最初のページには、レオン・ニーベルングという氏名と共に”男性”という明確な記載があった。
はい、確定。
レオン・ニーベルングは、ちゃんと”レオンくん”でした。
「……もしかしてノエルくんは、華奢な男は軟弱だってバカにするタイプかな?」
「そ、そんなワケないだろ! レオンは線が細くてもガッチリしてるし、肩もイカリ肩だ。よく鍛えてる証拠だよ」
たぶん日常的に剣かなにかの鍛錬を行っているのだろう。
顔立ちこそ女性と見紛う美男子だけど、服の下の体格は割とガッチリしてるように見える。
おそらく俺よりも筋力があるんじゃないかな?
さっき手を取った時も、なんとなくそんな感触はあったし。
俺がそう思って言うと、彼はパアっと明るい笑顔に戻り――
「わあ! 出会ってすぐにそんなことまで見抜いてくれるなんて、流石はノエルくんだよ! 嬉しいなぁ!」
ピコン!
〔〔レオンの親密度が5上昇〕〕
――ぬあああああああああああああああああああああッッッ!?!?!?
また親密度が上がってしまったああああぁぁぁッ!!!
怖い怖い怖い!
なんかもう話してるだけでガンガン親密度が上がっていくんですけど!?
なんで、どうして!?
ワシら初対面やぞ!
しかも同性やぞ!
背筋を流れる冷や汗が止まらん……!
「そ、それでさ……実は僕も”
「……へ? そうなの?」
「キミに憧れちゃってさ。もう育成モンスターも準備してあるんだけど……よかったら明日、一緒にトレーニングでもどうかな?」