モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第84話 癖を歪ませない

 

 結局、俺は翌日レオンと一緒に調教場でトレーニングすることとなった。

 

 はい。

 調教場で、

 レオンと一緒に、

 トレーニングを。

 

 ……別に変な意味じゃないからな!

 

 ただ文字に起こすと、字面から危険な香りが漂うだけだ!

 

 ――だが幸か不幸か、翌日はクローディア&フレンとの合同トレーニングが予約済み。

 

 ロゼとソリンも顔を出すと言っていた。

 

 なのでレオンには「友人が一緒でよければ」という条件でOKした。

 

 ……ぶっちゃけ断ってもよかったんだけど、「どうか僕のモンスターを見てほしいんだ!」って凄いキラキラした目で言われちゃって……。

 

 ――それにレオンがこの世界の主人公なら、いずれは彼女たちとも出会うんだろうしさ。

 

 そのファーストコンタクトに立ち会えるのは悪くない。

 

 レオンとロゼたちが急接近する可能性は高いワケで――場合によっては、今後の身の振り方を弁える必要がある。

 

 もしレオンとヒロインたちが親密になるなら、俺は謹んで距離を置こう。

 

 なにせワイはモブなので、ええ。

 主人公には勝てません。

 

 ……最近、本当にただのモブなのか自分でもわからんくなってきたけど。

 

 主人公(レオン)との親密度が上がっちゃうしさ。

 怖……。

 

 

 そんなこんなで――翌日。

 

 

「……今日はどんな一日になるんだろうな、スピカ……」

 

「きゅーん?」

 

 なんだか朝から疲れてる?

 と彼女は俺を心配してくれる。

 

 なんていい子……。

 その優しさが五臓六腑に染みわたる……。

 

 ――うむ、そうだな。

 スピカに情けないところは見せられん。

 

 親として、ワイはこの子の純情を守る義務があるんや!

 

 彼女の(へき)を歪ませないためにも、今日は一段と気も尻も引き締めていくでッ!!

 

 子供に不純なものを見せるのダメ、絶対!

 

 そう思いつつ調教場の中で待っていると、

 

「ノエルくーん! お待たせー!」

 

 遠くからレオンがやって来る。

 

 どうやらクローディアたちよりも早く到着したようだ。

 

「おはよう、ノエルくん! 今日はいい天気だね!」

 

「お、おはよう……確かにいい天気だな……アハハ……」

 

「昨日からずっとワクワクして、あんまり寝られなかったよ。だからその……夜の間に、色々と準備してきちゃった……♪」

 

 ――怖い。

 

 準備ってなに!?

 モンスターのトレーニングの準備ですよね!?

 

 主語を抜いて話すんじゃありません!!

 

 ……いや、アカン。

 頑張れ俺。

 

 こんな出会い頭から精神を乱されていては、とても一日持たんぞ……。

 

 スピカの純情は俺が守るんだ!

 漢を見せろノエル・リントヴルム!

 

 喝ッ!!!

 

 

 内心でそんな風に気合を入れ直していると――

 

「おーい、ノエルー!」

 

 やや遅れて、ロゼ、ソリン、クローディア&フレンの四人が到着した。

 

 

 いよいよ――主人公とヒロインたちのファーストコンタクトである。

 

 

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