モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~ 作:メソポ・たみあ
「――いいかいアーク、今からこの
「キューン!」
「それじゃあ……それ!」
アークはそれを的確に目で追い、
「グルル……ギューンッ!」
アークの口内でメラメラと火炎が発生。
野太い炎をピゴーッ!と撃ち出すと、上空の
ボン!という爆発音と共に、
――〔ファイヤ・ブレス〕。
ドラゴン種が使う基本的な技であり、スピカの使う技と同じだ。
「次はあの打ち込み台に向かって”攻撃”。〔ダーク・スラッシュ〕だ」
「キューン!」
続けて彼らは打ち込み台と対峙。
アークは両翼を黒紫のオーラで包み、放たれた弓矢の如き速度で突撃。
すれ違いざまに翼で打ち込み台を斬り付け――真っ二つに両断した。
――〔ダーク・スラッシュ〕。
身体の一部を〔闇〕属性の魔力で包み、強力な斬撃を叩き込む技。
〔闇〕属性の中では初歩的な技だが、文句なしの威力である。
「「「おお~……!」」」
そんなアークの実力を垣間見たロゼたちが、感嘆の声を上げた。
ついでにフレンも「きゅわ~!」と驚いたご様子。
「どうかな、ノエルくん? 僕が育てたアークの実力は?」
「……ああ、大したもんだよ。ちょっとステータスを見てみてもいいか?」
「勿論さ! ぜひ見ておくれ!」
「……〈ステータス〉」
アークを見つめて、画面を開く。
そして俺の目に映ったのは、
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名前:アークトゥルス
種族:ブラック・ドラゴン
性別:
年齢:0歳
レベル:20
体力:1000
攻撃力:850
防御力:220
素早さ:390
知能:55
属性レベル
〔炎〕Lv:10
〔水〕Lv:7
〔風〕Lv:7
〔土〕Lv:7
〔光〕Lv:1
〔闇〕Lv:10
親密度:35(レオンとの)
魅力:80
性格:攻撃的
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――やっぱり。
今のスピカはアース・ドラゴンやドラゴン・タートルとの戦いを経て、20レベルまで成長。
かなり強くなった――と思っていた。
当然両者のステータスには差異があるし、属性レベルの上がり方も違う。
それにしてもこれは……凄いなんてもんじゃないだろ……!
あのブラック・ドラゴンが育成初心者の言うことを聞いてるだけでも驚きなのに、ここまでバランスよく育てるなんて……!
アークの性格を考慮して攻撃力重視のステータスに仕上げ、属性レベルもほぼ満遍なく上げてる。
よく考えて育成を進めてる証拠だ。
……初心者にできるレベリングじゃないぞ、マジで。
――ヤバい、どうしよう?
ちょっと内心焦ってる自分がいる。
いやだって、こんなん見せられたら自信なくすんだが!?
俺の1000時間はなんだったんですかねぇ!?
割と廃ゲーマーを自称してたのに、初心者に一瞬で追いつかれる気持ちわかる!?
屈辱やでホンマに!
泣きたくなってくるわ……。
「ハハハ……主人公って凄いのねぇ」
「? なにか言ったかい?」
「いやすまん、なんでもない」
俺はレオンへと向き直ると、
「……素直に驚いたよ。初心者なのにここまでブラック・ドラゴンを育てるなんて。もしかすると、レオンは俺より
「え……? まさかノエルくんは、自分より僕の方が上だ……なんて言うの?」
「さあ、どうだろう。ただ――”ライバル誕生だ”とは思ってる」
「――! ライ、バル……ライバルか! 凄いよ、ノエルくんのライバルだなんて夢みたいだ!」
ピコン!
〔〔レオンの親密度が5上昇〕〕
「……」
もう突っ込まない。
もう絶対に突っ込まないからな!
俺にはなにも見えないし聞こえない!
全力でスルー!!
――この後、俺たちはフレンを交えつつ育成トレーニングをして一日を終えた。
アークのことがあまりにも衝撃的だったので、俺は半ば放心状態だったけど。
もうさ、色んな意味で怖いし焦るよ……。
ヒロインたちを目の前で攻略される~とか、同性なのに親密度が~とかいう以前に、ドラゴン
ただ――焦りを感じる反面で、どこか嬉しいと感じる自分もいるんだよな。
やっぱりさ、負けてられないじゃん?
競争相手がいるっていうのは、それはそれでいい刺激になるよ。
俺の理想はあくまでスローライフなドラゴン育成だけども、たまにはこういうのも悪くない。
最近色々あってスピカの育成が滞りがちだったし――新米に追い抜かれないためにも、ちょっと気合を入れ直しますか。