モブなので恋愛よりドラゴン育成したいです ~どハマりしたゲームの世界に転生したので、赤ちゃん白竜を育ててみる。するとヒロインが「かわいい!」と近付いてきて……~   作:メソポ・たみあ

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第9話 スピカの実力

 ――調教場。

 

 育成モンスターを鍛えたり、技を覚えさせたりする場所だ。

 

 だだっ広い芝生の中には、色々なモンスター用トレーニング器具が設置されている。

 

「よし、それじゃスピカ。ちょっとここで運動しようか」

 

「きゅーん!」

 

 わーい!

 と肩から飛び上がり、パタパタと周囲を飛行するスピカ。

 

 まだ生まれたばかりなので、過度な運動はNG。

 だが逆に全く動かないのもダメだ。

 

 初めての調教場だし、適度に遊ばせるくらいが丁度いいだろう。

 

 もっとも――ドラゴンの”遊び”は、他とちょっと違うけど。

 

「それじゃスピカ、この(ボール)を見て」

 

「きゅーん?」

 

「今からこれを上に投げるから、(ボール)に向かって火を吹くんだ。できる?」

 

「きゅん! きゅーん!」

 

 やるやる! 面白そう!

 そんな感じでやる気を漲らせ、彼女は空中でクルリと回ってみせる。

 

「それじゃ――ほら!」

 

 ビュン!と腕を振り上げ、空高く(ボール)を投球。

 すると、

 

「ぐるるる……ぎゅーん!」

 

 スピカの口内でメラメラと火炎が発生。

 

 それをピゴーッ!と撃ち出すと、上空の(ボール)に命中。

 

 ボン!という爆発音と共に、(ボール)は一瞬で消滅した。

 

 まるでシ○・ゴ○ラのビームである。

 

 とてもじゃないが、生身の人間が食らったらひとたまりもないだろう。

 

「……やっぱり赤ちゃんでも、ドラゴンはドラゴンだよなぁ」

 

 今のはドラゴン種が使う基本的な技。

 炎属性の〔ファイア・ブレス〕だ。

 

 多くのドラゴンは生まれつきこの技を覚えている。

 

 個体や種によって威力はまちまちだけど、そこは流石ホワイト・ドラゴン。

 

 初っ端から十分過ぎる威力を見せてくれた。

 

「きゅーん!」

 

 えへん! どんなもんだい!

 と自慢気に鳴くスピカ。

 

 でもそんな姿もかわいい。

 

「凄いぞスピカ! よくできたね!」

 

「きゅん! きゅーん♡」

 

 撫でて撫でて!

 と彼女は再び俺の肩に乗ってくる。

 

「よしよし、かわいい奴め」

 

 思う存分、彼女の白い鱗を撫でてあげる。

 

 それにしてもスベスベで触り心地が最高だなぁ。

 このまま永遠に撫でていられる気がするよ……。

 

 まあ、そんなことしたらスピカのストレスがマッハなのでやらないが。

 

ピコン!

 

 

〔〔”トレーニング”成功!〕〕

 

〔〔経験値を取得〕〕

 

〔〔攻撃力が5上昇〕〕

 

 

 スピカの頭上にアイコンが出現。

 どうやらステータスが上昇したようだ。

 

 まだ赤ちゃんだから、すぐに上がってくれるんだろうな。

 

 この後、俺とスピカはもうしばらくトレーニングがてら調教場を遊び回る。

 

 そしてたっぷりと疲れて、満足気味に寮へと帰ったのだった。

 

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