氷川さん所のゆるふわなお姉ちゃん   作:雪月-dox-

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ライブに向かって

日が落ちた時間帯、春が近づきつつあると言っても肌寒くなる時間帯だけど私の居るスタジオは熱気に包まれていた。満足そうにギターを下げて息を吐く紗夜ちゃんに嬉しそうに周りを見るリサちゃん、息を整え頬を緩める友希那ちゃんは皆を見る

 

 

「…今のは良い感じね、流石よ。リサ」

 

「皆の教え方が上手だからね…♪」

 

「私もうかうかして居られませんね」

 

「皆お疲れさまー!」

 

 

練習を始めれば本番のライブの様に張り詰める空気、だけど終わればその空気は緩み和やかな物へと変わる

 

 

「でも、本当に凄いよ。ブランクをあまり感じないし…紗夜ちゃんもミスが少なかったし友希那ちゃんも良い声出てたよー♪」

 

「ありがとうございます…姉さんも良い音が出てました。…指の動きが早過ぎて驚きましたが」

 

「貴女も相変わらずの良い演奏よ。…もしもの時のキーボードの指導は任せも良いかしら?」

 

「勿論だよ♪」

 

 

各自で評価し乍ら修正すべき場所を確認して行く。この場合は私に出来る事は直す場所を指摘するぐらい、あくまでもサポーターだから

 

 

「それにしても夕凪の淹れる珈琲美味しい…練習とかしたの?」

 

「練習もしたしお客さんにも出してるよ」

 

「お客さん?あ、そっか…カフェもあるもんね此処」

 

 

休憩の為に場所を移し私の淹れた珈琲を飲んだリサちゃんが首を傾げ紗夜ちゃんは自慢げな表情。友希那ちゃんはマグカップの中が珈琲じゃない事に安心した後に嬉しそうにはちみつティーを飲んでる

 

 

「そうそう、後は別のバイト先が喫茶店でそこのマスターに淹れ方とか珈琲豆の事とか色々教わったんだ」

 

「へぇ~…え?掛け持ちなの?」

 

「そうだよ~?」

 

「…月ノ森に通ってるって聞いてたからもう少しお嬢様なのかと思ってた…紗夜とヒナも…」

 

「あはは…色々あって、ね。お嬢様らしいと言われると礼儀作法とかは自信あるかな?」

 

 

基本的には庶民なので良く分からないけど…気が付けば撫でて来る友希那ちゃんを『えいっ!』と撫で返しつつリサちゃんにそう伝えれば興味深そうに『ほうほう…』と頷いてた、他愛ない会話をしているとドアをノックする音が響く

 

 

「…?誰か来たのかな?」

 

「湊さん、撫で過ぎです」

 

「減る物じゃないわ。可愛いのだから仕方がないじゃない…後、私も撫でられてるからお相子よ」

 

「…そろそろ着替えましょう、姉さん。衣装は持ち帰りますよ」

 

「紗夜、独り占めはダメよ」

 

「二人共、いい加減大人しくして」

 

「「はい…」」

 

 

対応しようとしたリサちゃんの鶴の一声で私から離れる二人。うん、絶対怒らせたら怖いもんね

 

 

「はーい」

 

「突然すみません!…えっと!」

 

 

ドアを開けるリサちゃんの方を見れば見た事のあるツインテールが現れた…あれ?

 

 

「あこ?」

 

「り、リサ姉!?」

 

「やっほー♪あこちゃん」

 

「ナギ姉まで!?」

 

 

ノックしたのはあこちゃんだったみたい。ちらっと中を覗き込む様に顔を出したのは燐子ちゃんで…どうしたんだろう?

 

 

「え、えっと…友希那さんに会いたくて…!」

 

「あこちゃん…バンドメンバーを探してるって…聞いて…ごめんなさい。押しかけてしまって…わ、私は白金燐子です…」

 

「あー…なるほどねぇ。…あこは確かドラムが出来たよね?」

 

「うん!あこ、世界で2番目に上手いドラマーだよ!」

 

 

はっきりと通る声で言い切るあこちゃんに友希那ちゃんが反応する

 

 

「…今、丁度集まって居ないのはドラムとキーボードよ」

 

「…!お願いします!あこのドラムを聞いて下さい!」

 

 

現れた友希那ちゃんに勢い良く頭を下げるあこちゃん。紗夜ちゃんも驚いていたけど優しげな表情で眺め今は様子見…友希那ちゃんを見ればあこちゃんを見つめたまま少しだけ考えるそぶりを見せた後に

 

 

「…一週間後、此処のスタジオを予約するわ。その時に貴女の音を聞かせて頂戴」

 

「…!はいっ!」

 

「…あの…私も…参加できませんか…!」

 

 

喜ぶあこちゃんに触発される様に隣で立っていた燐子ちゃんも友希那ちゃんに頭を下げる

 

 

「私も…ピアノの経験が…ありあます…!一週間後の…演奏に参加させて下さい…!」

 

「りんりん!?…大丈夫…?」

 

「…あこちゃんが心配だから…私も…頑張る…!それに…変わりたい、から」

 

「問題無いわ。二人共一週間後の放課後に時に来て頂戴」

 

「ありがとうございます…!」

 

「ありがとう…ございます…!」

 

 

明るくやる気に満ちた雰囲気でスタジオから出て行く二人を見送り、友希那ちゃんの方を見れば

 

 

「…今日は凄い日ね。一週間後が楽しみだわ」

 

「これで決まれば本格的に活動できますね」

 

「きっと、あの二人なら大丈夫だよ♪」

 

「ふふ…それじゃ、リサちゃんのベースもそれまでに完成させないとだね」

 

「勿論…!」

 

「でも、ペースは守りなさい。リサの爪は綺麗なのだから」

 

「ねぇ、友希那。さらっと照れる事言わないで?」

 

 

そう言えばこの姿を二人にばっちり見られたけど状況が状況だけに何も言えなかったな…

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

一週間の期間はあっという間に過ぎてリサちゃんのベースも上達し今では友希那ちゃんの作った曲の練習に手を付けているよ。私もましろちゃんと勉強をしたりCiRCLEで実際に楽器に触れて貰ったりした、ましろちゃんは時々ぼーっとしてる時があるんだけど声を掛けると大体真っ赤になって慌てるんだよー♪多分、私と同じで詩を考えるのとか得意なのかも?ましろちゃんに聞いたら『歌う方が…好きかもしれません…その!楽しいので!』て言ってボイストレーニングも始めたみたい、喉を傷めない様に注意して見ておかないと

 

 

「やっほー☆今日はバイト?」

 

「やっほー♪うん、今日も終わりまでだよー。まだ皆来てないけどスタジオに入る?」

 

 

『ん-…集まるまで夕凪と時間を潰すよー』と言い乍らカウンター席に座るリサちゃんに珈琲を出すと『ありがとー♪』と言いながら口を付けた

 

 

「…♪そっかー…バイトが入ってるんじゃ今日はアレを着る事は出来ないのかー…」

 

「皆好きだよね、持って帰ったら紗夜ちゃんと日菜ちゃんに着せ替え人形にされちゃった…」

 

「まぁ、夕凪は可愛いからねぇ~…紗夜とヒナの姉さんと言われると分かるよ?二人にない優しさ全開な感じとか独特な雰囲気とか?(アタシも独占出来たらしたいなぁ…)」

 

「そうかな?…嬉しいかも」

 

 

うんうん、と頷き乍ら笑うリサちゃん。…何か言ってた気がしたけど気の所為かな?

 

 

「そう言えば夕凪のもう一つのバイト先、喫茶店なんだよね?」

 

「うん?そうだよー?」

 

「今度紹介して欲しいなー…なんて」

 

「ふふ、じゃあ…バイトが終わった後に皆でいこっか♪」

 

 

『賛成ー♪』そう言ってリサちゃんと喋って居ると入口が開いて見慣れた人達が入って来た

 

 

「待たせたわね。あら、今回もバイト?」

 

「やっほー☆友希那♪迎えに行ったのにもう居ないって言われて驚いたんだよー?」

 

「少し散歩を…ね」

 

 

リサちゃんからふいっと顔を逸らす友希那ちゃん。よく見れば猫の毛が袖に付いてる…散歩の序に撫でて来たのかな?

 

 

「お疲れ様です。姉さん」

 

「やっほー!リサ姉!ナギ姉!」

 

「お疲れ…様です…」

 

 

友希那ちゃんに続いて紗夜ちゃんとあこちゃん、燐子ちゃんと次々と集まって来る。あれ?

 

 

「ましろちゃん?」

 

「は、はは…はい!」

 

 

燐子ちゃんに隠れてて見えなかったけどましろちゃんも居た、おろおろしているのを見ると緊張してるみたい…あこちゃん以外年上だもんね

 

 

「ましろちゃん、こっちにおいで」

 

「は、はい?」

 

 

取り合えず燐子ちゃんの後ろに居るましろちゃんを呼んでは皆の前に

 

 

「この子はましろちゃん。バンドを組む為に色々教えてるの♪」

 

「え、えっと…初めまして。倉田ましろ、です…」

 

 

プルプル震えるましろちゃんを撫でると少しずつ収まったの一安心

 

 

「アタシは今井リサ☆ベースを弾いてるよ♪」

 

「私は氷川紗夜、夕凪の姉です」

 

「…ぐすん」

 

「冗談です。お願いですからおこ…泣かないで下さい、姉さん。心に来ます」

 

「ふふ…♪」

 

「宇田川あこです!えーっと…まだ中学生です!」

 

「白金燐子…です。よろしくね、倉田さん…」

 

「は、はい…えっと、皆さんは練習ですか?」

 

 

私のウソ泣きにちゃっかり抱き着いて来る紗夜ちゃんの相手をしている内に自己紹介が終ったみたい、それじゃ…

 

 

「何時ものスタジオのセッティングは終わってるよ、皆の準備が出来次第始めた方が良いんじゃないかな?」

 

「えぇ、そのつもりよ。ありがと、夕凪」

 

「いいよー♪ほら、紗夜ちゃんも行っておいで?冗談なんだから」

 

「…そうですね。行ってきます」

 

 

キリっとした表情に戻ると私から離れる紗夜ちゃんと

 

 

「メリハリが付いてるのは凄いけど付き過ぎて紗夜の変わり様に付いていけない時が…っと、それじゃ、あこと燐子もいこっか♪」

 

 

困惑気味のリサちゃんは慌てて紗夜ちゃんを追い掛けて行き、更にそれを追い掛ける様にあこちゃんと燐子ちゃんも移動し…何故か友希那ちゃんが帰って来た

 

 

「…どうしたの?」

 

「貴女も来るのよ?」

 

「えっと、受付…」

 

「まりなさんから許可は貰ったわ」

 

「え、えぇ…??あ、ましろちゃんもおいで~!」

 

「え?はい…?」

 

 

がっしりと腕を組んで私を引っ張る友希那ちゃんに引きずられ乍ら慌ててましろちゃんを呼ぶ、私が強制参加なら折角なのでましろちゃんも一緒にと思ったんだけど…

 

 

「ましろ、そっちを持って」

 

「分かりました!」

 

「歩けるよ!?」

 

 

友希那ちゃんとましろちゃんにスタジオに運び込まれました…歩けるって言ったのに

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「これは…想像以上ね」

 

「うん…何て言ったら良いのかな。一体感…?こんな感覚アタシ、初めて…」

 

 

スタジオでオーディションを行い曲が終ると同時に不思議な感覚に皆が呆然としていた

 

 

「姉さんの時とは違う…これが…私達の音?」

 

「りんりん…!あこ、すっごく感動してる!」

 

「うん…私も…凄く、嬉しい気持ち…」

 

 

やった事は単純で友希那ちゃんが一週間後と言ったその日の内に渡した課題曲を友希那ちゃんを交えて演奏をした、曲の始まりから全てが違う…私を含めた4人の時とは全く違う迫力と一体感が生まれた友希那ちゃん達の音

 

 

「ふふ…本当に凄いね♪」

 

「はい…これが友希那さん達の音…!」

 

 

皆が落ち着いた頃を友希那ちゃんがあこちゃんと燐子ちゃんの方に向かい

 

 

「素晴らしい演奏だったわ。ぜひ、参加して頂戴」

 

「はい!」

 

「ありがとうございます…!」

 

 

これでメンバーは集まった…スマートフォンを使い。一番近い日程のライブを調べる…参加者は多いけど運が良ければ滑り込みで参加できるかもしれない

 

 

「友希那ちゃん。一番近いライブが2週間後だけど…どうする?」

 

「当然、参加するわ」

 

「ふふ、じゃ…入れておくね。あ、でも…バンド名が無いから友希那ちゃんの名前を使ってもいいかな?」

 

「えぇ…当日までに決めてその時に披露しましょう」

 

 

私達の音と共に…!




友希那=夕凪は癒し
紗夜=ポテトは癒し、姉には甘える
リサ=夕凪を独占したい…?
あこ=もう一人のお姉ちゃん
燐子=ゴス風ドレス可愛い
ましろ=日々成長中
夕凪=癒しと可愛いを提供、妹じゃないもん!
Roselia=ステイ

UA15000突破感!

ありがとうございます!

感想等気軽に送って頂いて構いません。モチベに繋がります!

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