氷川さん所のゆるふわなお姉ちゃん   作:雪月-dox-

14 / 42
クラゲふわふわ

Roseliaのライブ衣装を作る為の布地の購入リストを燐子ちゃんから送って貰い。ちょっと遠い場所に足を運んだ。何回か電車を乗り継ぎ駅のホームを出ると大勢の人が行き交っていて…

 

 

「うん、燐子ちゃんには辛いかも…」

 

 

私自身人混みが得意?と言われれば微妙な反応になってしまう。背が低いのもあって押し潰されてしまう事が多く更に人波に流されたりと…あれ?私って普通に人混みだめかも?

 

 

「…取り合えず。お店はこっちだね」

 

 

スマートフォンに入れた地図アプリを頼りに店への道を歩く。流石に駅の前よりも人通りが少なくなっており歩き易い

 

 

「…ふ…ぇぇ…」

 

「…?」

 

 

そんな事を思い乍ら歩いていると微かにだけど…鳴き声?猫…には聞こえないそんな声が聞こえて足を止める

 

 

「ふぇ…ぇぇ…」

 

 

やっぱり何か聞こえる。声のする方向に向きを変えて歩けば

 

 

「ふぇぇぇ…此処何処…??」

 

 

綺麗な水色の髪の少女が涙目で周りを見回していた…どこかで見た事がある様な…?ん-…取り敢えず声を掛けてあげよう

 

 

「大丈夫ですか…?」

 

「ふぇ…!?え、えぇっと…」

 

「取り合えず、深呼吸しよ。ゆっくり…吸って、吐いて」

 

「すぅー…ふぅー…すぅー…ふぅー…」

 

 

迷子…?なのかな。道に迷ってるのは確かだよね?私の声を聞いてゆっくりと深呼吸を始める少女に出来るだけ落ち着かせる様に問い掛ける

 

 

「うん、道に迷ったの…?」

 

「は、はい…その。水族館に友達と行こうとしたんですけど…はぐれちゃって…」

 

「ん-…スマートフォンに連絡は来てないの?」

 

「ぅ…充電が切れてて…」

 

 

涙目で声を漏らし取り出したスマートフォンの画面は真っ暗で私と少女の顔が反射して映っていた

 

 

「これで…出来るかな?」

 

「え…っと、良いんですか?」

 

「うん。流石に好まま放っておけないし…」

 

「あ、ありがとうございます…!」

 

「大丈夫だよ♪充電が終るまで…あ、あそこの喫茶店に行こっか♪」

 

「ふぇ…?!うん…」

 

 

そう言って彼女の手を優しく取るとゆっくりと歩き出す。そう言えば名前を言った方が良いかな?

 

 

「私は氷川夕凪。貴女の事を教えて貰っても大丈夫?」

 

「は、はい…松原花音です…えっと、ありがとうございます…」

 

「松原…花音…あ、ファーストフードでバイトとかしてる…?」

 

「ふぇ…?は、はい…あ…」

 

「ふふ、気が付いた?」

 

「は、はい…!良かった…知ってる人だった…」

 

 

何処かで見た事あると思って居たけど…良く通っているファーストフードでバイトとして接客している子。名札の名前を憶えててよかった

 

 

「夕凪って呼んで大丈夫だよ♪」

 

「私も花音って呼んでください!」

 

 

安心した様子で喫茶店に入れば向かい合う様に席に着き珈琲を二つ注文する。花音ちゃんに携帯充電器とスマートフォンに合いそうなケーブルを何本か渡すと何度も感謝された

 

 

「夕凪さんは買い物…ですか?」

 

「うん、バンドの衣装を作る為の布地を買いに来たの。そしたら、ふぇぇ…って聞こえて」

 

「ぅぅ…ごめんなさい。折角のお買い物…」

 

「大丈夫だよー♪それよりスマートフォンは動くかな?」

 

「あ。確認してみますね」

 

 

そう言ってスマートフォンを弄る花音ちゃん、画面は明るくなりしっかりと動いてるみたい

 

 

「千聖ちゃんから沢山メッセージと電話が…『充電が切れてて連絡が出来なかったの。ごめんなさい…今は…』」

 

「此処は○○区の△△番地、□□って名前の喫茶店だよ」

 

「ありがとうございます!送信っと」

 

 

今度こそ安心した様子でスマートフォンを眺める花音ちゃん。迎えが来るまで一緒に居た方が良いよね?

 

 

「本当にありがとうございます…ここまで来てくれるみたいです」

 

「ふふ、よかった♪折角だし来るまでお話でもしよっか?」

 

「え、でも…お時間とか大丈夫ですか?」

 

「うん、私は問題ないよー。あ、敬語じゃなくても大丈夫だから♪」

 

「…ありがと。夕凪ちゃん」

 

 

それから水族館で観たい魚?花音ちゃんはクラゲを観に来たみたいだけど。でも、確かにじっと見てるとふわふわしてて可愛いかも…後、花音ちゃんもバンドを組んでるみたい

 

 

「夕凪ちゃんはお姉さんとか…いる?」

 

「…?えっと、紗夜ちゃんと日菜ちゃんの事?」

 

「うん、その似てるなって思って」

 

「そっか。えっと…私が一番上なんだ」

 

「ふぇ…?ふぇぇぇ…!?ご、ごめんなさい!」

 

「あわわ!?き、気にして無いから大丈夫だよー!?」

 

 

最近はもう慣れたやり取りだけど花音ちゃんが勢い良く慌て始めるのでこっちも慌てて問題ないと伝えると落ち着いてくれた。…紗夜ちゃんも日菜ちゃんも可愛いからやっぱり目立つのかな?

 

 

「えっと…私、花咲川何ですけど毎朝紗夜ちゃんが風紀委員のお仕事をしてるの見てて。話した事はあまりないけど夕凪さんに良く似てるって思って…後、隣の羽丘から良く日菜ちゃんが遊びに来るので…」

 

 

さらりと聞き逃しちゃいけない事が聞こえた気が…今、隣の学校から別の学校に行ってるって言ったよね?

 

 

「…?え、学校抜け出して来てるの…?」

 

「お昼休みに良く屋上に居るよ?」

 

「もう…日菜ちゃんは…。何だかごめんね」

 

「え?ううん!時々、紗夜ちゃんと追いかけっこしてるぐらいだし…それに一緒に居ると楽しいから」

 

「あはは…何だか簡単に想像出来るかも」

 

 

きっと、紗夜ちゃんが鬼の形相で日菜ちゃんを追い掛け回し笑いながら逃げ回る日菜ちゃんって構図…でも、結局捕まってお説教を受けて正座してるまで想像出来ちゃう

 

 

「そっか。ふふ、学校でも仲良しなんだね」

 

「うん、注意とお説教はよく見るけど喧嘩は絶対してないよ」

 

 

…もしかしたら合ったかもしれない未来。紗夜ちゃんが居て日菜ちゃんが居る学園生活…大学は同じ所を受けようかな?勿論、月ノ森が嫌いな訳じゃないけどね?

 

 

「あ、千聖ちゃん…!」

 

「花音…!?」

 

 

ちょっと思い耽って居ると花音ちゃんの声に釣られて後ろを振り向くと赤い帽子にマスク、サングラスを付けた少女が歩いて来るのが見えた

 

 

「良かった…電話が繋がらなかった時は本当に焦ったのよ?」

 

「ふぇぇ…ごめんなさい」

 

 

どうやら千聖と呼ばれているこの子が花音ちゃんを探して居たみたい

 

 

「花音を助けて頂いて、ありがとうございます…あら?紗夜ちゃん?」

 

「ふふ、私は氷川夕凪。夕凪って呼んで欲しいな?同い年だけど紗夜ちゃんと日菜ちゃんのお姉さんだよー♪私も偶然花音ちゃんを見つけられたから良かったよ」

 

「私は白鷺千聖よ。そう、貴女が夕凪ちゃんなのね…良く日菜ちゃんが屋上で話してるわ。それと大声で名前は言えないのごめんなさい」

 

 

小声でそう言われてどこかで聞いた事のある名前だなぁ…って思ったけど…何処でだろう?

 

 

「あら…ピンっと来ないかしら?」

 

「ん-…どこかで聞いた事がある様な…?」

 

「うふふ、じゃあ…思い出すまでは秘密かしら?」

 

「うーん…」

 

 

記憶を掘り返し乍ら首を傾げるけどやっぱり会った事は無いから…

 

 

「取り合えず、水族館に行きましょ。花音がそわそわしてるし」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「ふふ、大丈夫だよ。楽しんで来てね♪」

 

「…夕凪ちゃん。折角だし貴女も来ない?」

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

花音から連絡が来た時は本当に安心した。どうやら何時もの迷子にスマートフォンの充電切れが重なり…ふぅ…取り敢えずは夕凪ちゃんに感謝ね…

 

 

「わぁ…水族館って初めて来たよー♪」

 

「綺麗な所でしょ?」

 

 

花音を挟む様に三人で並んで館内を歩いていると夕凪ちゃんが楽しそうに周りを観てる。水族館の入館ゲートを通ると自然と夕凪ちゃんが花音を真ん中に歩き出したのを見て感心しちゃったわ

 

 

「あ!見て見て千聖ちゃん!」

 

「っ!?ま、待って花音!」

 

 

そんな事を考えて居ると花音がクラゲコーナーを見つけて走って行く。慌てて追い掛けて行くけど間に合わない…!不味いわ!数秒で迷子に!?

 

 

「ホントだ…沢山いるね♪」

 

「ふふ…可愛い」

 

 

っと、思ったけど何時もの様に消えて居なくなる事無く追い掛けて行った夕凪ちゃんと一緒に居る。…?可笑しいわね…こうなった場合今までは100%居なくなるのに…目の前を歩いてると思って一瞬何処かに視線を外した瞬間に居なくなるのが何時もの花音…自分で言うのも難だけど神隠し並みの迷子率なのよ?

 

 

「あら…小さいのも居るのね」

 

「うん…この種類はね…」

 

 

花音のクラゲトークを聞き乍らチラリと夕凪ちゃんを見れば微笑ましそうに花音の話しを聞いていた。クールな紗夜ちゃんに活発な日菜ちゃん、優しい夕凪ちゃん…って所かしら?

 

 

「…?どうかしたのー?」

 

「私の事を思い出してくれた?って思ったのよ」

 

「ん-…会った事は無いけどテレビやネットニュースで見た事あるかな?名前も一致してるし…それならその格好も納得出来るし…?」

 

「ふふ、きっと正解よ。…そんなに悪い格好かしら?」

 

 

そう聞くとちょっとだけ言い難そうにし乍ら

 

 

「千聖ちゃんとは分からないけど、違う意味で目立っちゃうかも?あ、暗いから足元に気を付けてね?」

 

「そうなのね…えぇ、ありがと」

 

 

こんな風に気配りも上手…純粋な気遣いは久しぶりね

 

 

「千聖ちゃん!夕凪ちゃん!あっちも行こっ!」

 

 

何時もよりもテンションの高い花音に引っ張られ乍ら水族館を2時間程楽しんだわ。不思議な事に一度も神隠しは起きなかったのよね…?まさか、夕凪ちゃんが居るから?

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「楽しかったねー♪」

 

「うんっ!」

 

「そうね…あ、夕凪ちゃんお店の時間は大丈夫かしら?」

 

 

3人で水族館を出れば人通りも空いて来ており歩き易くなった大通りが見えた。隣の千聖ちゃんが心配そうに聞いて来たので時間を確認し乍ら

 

 

「うん、長く空いてるお店だから大丈夫。私はお買い物して帰るから…」

 

「…そうね。折角だしどんな物を買うのか見ても良いかしら?」

 

「私も…布地の専門店は興味あるかも…」

 

「それじゃ、皆で行こっか♪」

 

 

二人共買い物に付き合ってくれるみたい、花音ちゃんの迷子の件もあるから…二人の手をそっと握るとゆっくりと歩き出す

 

 

「ゆ、夕凪ちゃん!?手を繋ぐのは恥ずかしいよ!?」

 

「ん-。こうしたらはぐれないかなって思って」

 

「あら、私も迷子になるの?」

 

「折角だから?」

 

「…悪い気はしないわ」

 

「ふぇぇぇ…」

 

 

三人で手を繋いで歩き、お店に着けば早速中に入ってイメージに合う布地を選んで行く。紫と黒と…明るい黒も後は青も忘れない様に…固めのも必要だよね?

 

 

「色んな色があるのね?夕凪ちゃんは黒と紫…青とプラスチックのアクセサリーの材料?」

 

「うん、バンドの衣装を作る為なんだけどイメージに合うのがこの当りの色なんだ。後は私が趣味で作ってる衣装かな?」

 

「あ、綺麗な水色」

 

「ふふ、綺麗だよね?」

 

 

花音ちゃんが見つけた水色の布地もかごに入れて行く…うん、次の衣装の時に使おうかな?会計を済ませて店を出ると綺麗な夜空が広がっていた

 

 

「今日はありがと、夕凪ちゃん!」

 

「楽しかったわ、それに花音を見つけてくれて本当に助かったわ」

 

「私も楽しかったよー♪帰る方向は同じかな?」

 

 

聞いてみるとやっぱり同じ路線で帰るみたいなので3人で一緒に帰る事に連絡先に花音ちゃんと千聖ちゃんが増えたよっ!




千聖=迷子追跡中
花音=迷子発動中
夕凪=迷子抑制中


UA20000突破、お気に入り280件到達、総評価450p突破しました。感謝感激です!
評価を付けて頂いた13人の皆様と評価に一言コメント書いて下さった方
ありがとうございます!

感想等気軽に送って頂いて構いません。モチベに繋がります!

▼▼▼
活動報告 リクエスト箱
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=295397&uid=311928
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。