何時もの様に窓から差し込む朝日で目を覚ますと纏わり付く様な怠さは無くなっていた。昨日の熱が嘘の様に元気なったので洗濯をしようと思い一階に降りると既に紗夜ちゃんとリサちゃんが洗濯物を干してくれていた
「おはよー♪ありがとう。リサちゃん、紗夜ちゃん♪」
「おはよ、夕凪♪このぐらい任せてよ」
「おはようございます、体調は大丈夫ですか?」
そう言われて元通り元気になった事を伝えると二人共安心した表情で笑い
「終わったら朝ご飯作っちゃうねー☆」
「私も手伝いますので姉さんは日菜達を起こして貰っても良いですか?」
「うん、大丈夫だよ」
こくりと頷いて二階に上がり、最初に紗夜ちゃんのお部屋で寝ている友希那ちゃんを起こす事に
「入るよー?」
ノックをし乍らドアを開けるとベッドで寝ている友希那ちゃんに近付いて行く。くぅ…くぅ…と小さく寝息を立てていて可愛い寝顔が見れた。こうやって見てると…子猫みたい?
「友希那ちゃーん。朝だよー?」
優しく揺らしてあげるとうっすらと目を開けて私を見つめて来る…けど、直ぐに閉じた
「…後5分」
「んー…起きないとゴーヤ汁」
「起きたわ、早く下に行くわよ」
ちょっとした悪戯心で耳元で囁けば、がばっ!と飛び起きそそくさと部屋から出て行く。そんな友希那ちゃんに苦笑いし隣の日菜ちゃんのお部屋に向かう。ノックしてドアを開けると日菜ちゃんと燐子ちゃんが寝ており挟まれる様にあこちゃんがいた
「んぅ…お姉ーちゃん。おはよー…熱は大丈夫なのー?」
「うん、昨日が一番辛かったみたい」
「おはよう…ございます…」
「ねみゅい…ぅ」
優しく眠そうなあこちゃんを撫で乍ら三人と一緒に一階に降りると庭に時々現れる野良ネコと戯れてる友希那ちゃんが居た
「にゃーん…」
「ニャン」
「ふふ…♪」
頬を緩め猫を優しい手つきで撫でては幸せそうにしているのでそっとしておこう。この後リサちゃんと紗夜ちゃんが用意してくれた朝ご飯を皆で食べて、Roseliaの皆は練習に日菜ちゃんは今日がオーディションで出掛けると言う事なので今はお家で一人
「ん-…まだ安静にって言われたけど…やる事が無いし…あ、衣装作り始めちゃおうかな?」
そろそろ作り始めないと間に合わない可能性もあるし…必要な材料はお部屋にあるから始めちゃおう。パソコンに燐子ちゃんと擦り合わせをしたデザインもあるし
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「ライブで歌う曲は合計で3曲…私はこの3曲にしたいのだけど、どうかしら?」
「どれどれー?お、夕凪の曲が二つあるね♪」
「『sister's noise』、『BLACK SHOUT』、『キミの記憶』ですか…私は問題ありません」
「えぇ、私が作曲作詞した訳じゃないけど…Roseliaが夕凪から貰った曲よ」
趣味の一環でこれだけの曲が出来るのは流石ね。初めて聞いた時は鳥肌が立ったわ…同時に残念でもあるのだけど…
「りんりん、『キミの記憶』ってナギ姉が良く鼻歌で歌ってる曲だよね?」
「うん…切ない曲だけど、私は好きだよ…」
私が発表した曲名を聞いて全員が嬉しそうに頷く、Roseliaは私達5人だけじゃない…それを示す為の選曲なのだから当然ね
「きっと、姉さんも喜びます。sister's noiseのコーラスは練習通り私が担当しても問題無いでしょうか?」
「えぇ、それと夕凪の時と同じくギターのソロパートを間奏に入れる事にしたわ。まだ間に合うと思うのだけど…どうかしら?」
「ありがとうございます。問題ありません」
真剣な眼差しで紗夜は頷き私が少しアレンジを加えた譜面を手に確認する様にギターに指を滑らせ始めた
「では…『キミの記憶』は音をピアノにしても問題無いでしょうか…?」
「えぇ、元々そう言う譜面だから問題無いはずよ」
燐子も紗夜と同じく譜面を手に取りあこと話し合い乍ら音の確認を始めるのを眺めつつ私は手元の歌詞を読み夕凪の歌を思い出す。引っ張られてはダメ、けど…貴女の歌から学ぶ事は多いわ
「よし、アタシも頑張るよー!」
「えぇ…頼むわね。リサ」
私の本気を…Roseliaの音をきっと貴女に届けるわ
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
ピンポーン
部屋に響くミシンの音に紛れて呼び出しのチャイムの音が聞こえた。手を止めて時間を確認すれば作業を開始して2時間程経過していた。…紗夜ちゃん達が帰って来るには早過ぎるし…誰か来たのかな?
「はーい?」
小走りで玄関に向かい扉を開けると、花音ちゃんと千聖ちゃん…後もう一人初めましての子がいた
「あら、元気そうで安心したわ」
「急に来ちゃってごめんね?」
「ううん、昨日一日休んだから大丈夫だよー♪」
そう言って『元気そうで良かった』と言って安心した様子で微笑む花音ちゃんと千聖ちゃん
「取り合えず上がって♪花音ちゃんと千聖ちゃん、えっと…」
「あ…えぇ…っと、奥沢美咲です。初めまして…」
「うん♪私は氷川夕凪、夕凪って呼んで欲しいな」
黒のショートヘアで優しそうな雰囲気の少女、美咲ちゃんにそう言い乍ら三人を連れて家に戻る
「今一人なのかしら…?」
「うん、私が練習しておいでってお願いしたから♪」
私以外の人が居ない事に首を傾げつつそう呟いた千聖ちゃんに残された訳じゃないよー?って言えば表情が和らいだ。そのまま三人を居間に案内する
「適当に座ってー♪私は珈琲淹れて来るね?」
「待ちなさい、流石に病人にそんな事はさせられないわ」
「うんうん。色々買って来たから大丈夫だよ!」
「えっと、これとこれ…後こんなのですけど。食べれそうな物を好きに選んでください」
キッチンに行こうとすると千聖ちゃんに手首を優しく掴まれそのままソファに座らされ花音ちゃんと千聖ちゃんに挟まれる。あれ?デジャブを感じる…そう思っている間にテーブルには美咲ちゃんがコンビニ袋からお菓子やカップアイス、スポーツドリンクから紅茶に珈琲のペットボトルを並べて行く
「う、うん?…えっと…それじゃ、アイスを貰おうかな?」
「うん♪」
私が手を伸ばすよりも早く花音ちゃんがアイスを取り蓋を開けると当たり前の様にアイスの乗った木のスプーンを私の口元に近付け来る。期待する様に見詰められ周りを見ると千聖ちゃんはじっ…と見つめて来ており美咲ちゃんは『あはは…』と苦笑い、再び花音ちゃんを見れば僅かに頬を染めていた
「…あーん」
「えへへー♪」
ぱくりと口に含むと冷たいバニラアイスが舌の上で溶けて行くの感じつつ、満面の笑みを浮かべる花音ちゃんに恥ずかしくなって来ちゃう
「こほん。ねぇ…夕凪、貴女はベースを弾けたりするかしら?」
「…?えっと、人並みには弾けるよ?プロと同じぐらいって言われると無理だけど…」
そう言うと隣にいる千聖ちゃんが申し訳なさそうに眉を下げては口を開いた
「そう…実は次の仕事がアイドルや女優でバンドを組む。と言うものなのだけど…活動方針に不安しかないのよ。出来ればしっかりと演奏が出来る様にして置きたい、その…こんな時に言う事じゃないけど私にベースを教えて貰えないかしら?」
「…あの、それって言って良い事なんですか?あ、いや…白鷺先輩が言って良い事と言うよりあたし達が聞いて良い話なのかなって意味で」
「ふふ、花音も美咲ちゃんも口が堅い事は知っているわ。それに夕凪にお願いする以上事情の説明は必要よ。…不思議と夕凪は信頼出来るから…」
不安そうに質問をした美咲ちゃんは千聖ちゃんの言葉にため息を吐いて『まぁ、話す様な内容でも無いですし…』と言い乍ら私に同情する様な視線を送った後に『アイス以外に何か欲しいものあります?』と聞かれたので珈琲を貰う事にした
「急に楽器の演奏だなんて…演奏出来なかったらどうする気なんだろう…」
「…きっと歌も曲も全部流すだけで私と他に集められたメンバーは話題作りの為の飾りと言う事ね」
「メンバーの中には弾ける子は全くいないの?」
「いいえ、一人だけドラムの子がスタジオミュージシャンでプロのドラマーよ。だけど、他の子達は私を含めて初心者の可能性は高いわ。…確か一人はオーディションからの採用だったはずだけど…しっかりとした人材を選んで来るのか不安ね」
そう言って少しだけ苛立っている千聖ちゃんの手に優しく手を重ねる…それに気が付いて顔を上げた千聖ちゃんを見つめて
「私で良ければ全員の練習を見る事は出来るよ、時間が空いている時で良いなら…だけど」
「夕凪…それでも十分過ぎるわ。ありがとう…」
安心した様子で頬を緩めた千聖ちゃんは綺麗だった。…芸能界、アイドル…ん?もしかして?
「あの、そのグループ?ユニット?バンド…?の名前は何て言うの?」
「確か…Pastel*Palettesって、名前ね。ロゴマークはアスタリスクよ?」
「あ…そ、そうなんだ。あはは…」
「大丈夫?無理させちゃったかしら…?」
「ふぇ!ご、ごめんね!?」
「取り合えず、水を飲んで落ち着きましょう?」
歯切れの悪い私を心配そうに覗き込んで来る千聖ちゃんと隣で慌て始める花音ちゃんに水を持って来る美咲ちゃんに大丈夫だと伝える。…もしかしたらギターを教える必要は無いかも…?
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
あの後は楽しく4人でお話をしたよ、美咲ちゃんは花音ちゃんと同じ『ハロー、ハッピーワールド!』と言う名前のバンドメンバーで着ぐるみを着たままDJをしてるんだって!凄いよね?3人が帰った後は再び自室に籠り珈琲を飲み乍ら衣装の作成を再開する
「うん、良い出来だと…思う」
マネキンにライブ衣装を着させて細部を確認する。青薔薇の造花を右胸より少し上の位置に付けては…うん、良い感じ。後は…青紫色の小さな花弁が付いたノンホールピアスを自分に付けて鏡の前に立ち、黒いレースのチョーカーを首に付けては角度を変えて眺める
「こっちも問題無いかな…?私は痛くないけど…皆に付けて貰ってから調整しないと…」
メモ用紙にチェックマークを付け乍らそう考える。友希那ちゃん用の衣装は出来たから残りは4着…窓から外に視線を向ければ綺麗な夕日が沈んで行くのが見えた…結構な時間が経っていたみたい
「ふぅ…少し休憩しようかな…?」
椅子に座って背を伸ばす、パキパキっと心地良い音が身体から鳴りちょっとだけ驚いた
「…みんな頑張ってるのかな?」
夕日が沈み暗くなって行く外を眺めつつぽつりと零す。椅子から立ち上がりクローゼットを開けては丁寧に仕舞われている布地を退かして行く。すると布地の下から様々な参考書が顔を出した、法学や経済学に加えてマネジメントや動画編集等の多種多様の参考書の山…全ての本は何度も読み返されて行く内にページがよれて付箋だらけになっている、その隣に積まれている何十冊ものノート…その一番上の一冊を手に取りページを捲る、私が紗夜ちゃんと日菜ちゃんに出来る事…今はRoseliaに出来る事…かな?
「私も、頑張らないとね」
きっと、近い将来…必要になるからゆっくりしてはいられない
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「お帰り~♪」
「ただいま、姉…さん?」
「わぁ…どうしたのその服?」
「かっこいい…!制服みたい!」
夜になり皆が再び氷川家に帰って来たので友希那ちゃんのライブ衣装を見せる序に試着して出迎えると燐子ちゃん以外が驚き乍らまじまじと私を見る
「友希那ちゃんのライブ衣装が出来たから着てみたの♪どうかな?」
「凄いじゃん♪わぁ…夕凪と燐子のデザインめっちゃオシャレ!てっきり夕凪が猫耳付けて出て来たのかと思っちゃったよー」
キラキラとした表情で私に近寄り衣装に触りつつ喜んでるリサちゃん、流石に日常的にコスプレ?はしないよー?
「…取り敢えず、貴女が着るなら裾上げからかしら?」
「うふふ♪今日はゴーヤを出そっか♪」
「冗談よ。とっても素敵な衣装だわ…私用なら着たいわね」
身長が低いと言う友希那ちゃんに笑みを浮かべてそう言うと友希那ちゃんに押されて隣の部屋に移動した
「もう一度言うわ。冗談だからアレを出すのは止めなさい、良いわね?」
「大丈夫だよー?冷蔵庫には無いはずだし…」
そう言うと吐息を漏らし乍ら安堵する友希那ちゃん、お話は終わったので部屋から出ようとすると
「…衣装、ありがとう。嬉しいわ」
「燐子ちゃんと一緒に頑張って考えたんだー♪あ、そうそう…友希那ちゃんのは上着の内ポケットの部分に猫ちゃんの刺繍を入れてみたよ♪」
「っ!…夕凪は私を喜ばせるのが得意なのね」
喜ぶ友希那ちゃんを見て頑張った甲斐があったな、と思いつつ二人で部屋を後にした
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「お姉ーちゃん!おねーちゃん!受かったよーー!!」
昨日と同じで紗夜ちゃんとリサちゃんに夕飯をお願いして私と燐子ちゃん、お手伝いをあこちゃんに頼んで友希那ちゃんの衣装の手直しと残りの衣装に取り掛かっていると勢い良く玄関が開き日菜ちゃんが居間に飛び込んで来た
「日菜!ドアは静かに開けなさい!」
「あ、ごめんなさい…」
「お帰り、日菜ちゃん♪」
ため息交じりに注意を紗夜ちゃんがしていると皆集まって来た、その視線は日菜ちゃんが持ってる一枚の紙に集まってる
「ヒナがアイドルかぁ…何だか想像出来る気がするけど…」
「…時間の管理が心配ね」
「ひなちんがアイドル…はっ!ひなちんがテレビに出て来る!?」
「えぇ~…あたしだって時間は守るよー?」
リサちゃんが『ヒナらしいかも』と笑いそれに続く様に友希那ちゃんが呟いた、日菜ちゃんの後ろでは頷いてる紗夜ちゃんも…
「早く着替えて来なさい。もう出来るから」
「はーい♪」
紗夜ちゃんの言葉にるん♪と言いながら居間から飛び出して行く日菜ちゃんに皆も慣れた様子
「それにしても…家庭でハンバーガーを作るの初めてかも?」
「…やはり、変でしたか?」
「あ、ううん!そう言う意味じゃないよ!ただ、買って食べるイメージが強いからさ」
因みにフライドポテトを揚げる紗夜ちゃんの眼光に若干引き気味なリサちゃんだったりする。テーブルに皿を並べてはパンを置きそれにチーズを乗せたハンバーグを挟みソースを掛けて行く、ソースは私と紗夜ちゃんで開発し味見を日菜ちゃんが担当した完璧な布陣で作成した物。ポテトに付けても美味しいように作ったの♪少しだけ辛いけどね?
「…ソースが美味しい」
「氷川家の自信作です」
驚くリサちゃんに自慢気な紗夜ちゃんを眺めつつ、友希那ちゃんをライブ仕様にして行く。チョーカーとノンホールピアス、靴やストッキングも着てもらって…あ、あこちゃんそれも取ってー
「うん、すっごく似合ってるよー♪」
「そ、そう?何だか恥ずかしいわね」
姿鏡で確認して貰いつつ不備が無いかを詳しく聞いて行く。今の所は問題が無いみたいなので次はあこちゃんを呼ぶ
「ど、どきどきして来た…」
「大丈夫だよー♪あこちゃんもカッコ良く綺麗にしちゃおう♪」
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
勢いであこちゃんの分の衣装も燐子ちゃんと分担して作り、手直しも終えた所で今日の作業は終了した。夕食も終え後日再び燐子ちゃんと作成する予定を決めて今は勉強会中…なんだけど
「ごめんなさい…やり過ぎました」
「指数関数…対数関数…三角関数…関数、数」
光が消えた瞳でぶつぶつとうわ言の様に関数の名前を呟きながら虚空を見つめる友希那ちゃんに私達全員は冷や汗を流しながら数歩引いた、どうしちゃったの!?
「ゆ、友希那が壊れた…!」
「友希那さんが闇に飲まれた!?」
「猫の画像を…早く…!」
昨日の段階では明らかになっていなかった友希那ちゃんの数学の現状に紗夜ちゃんが焦りを覚えて最低限を詰め込んだらご覧の通り…友希那ちゃんがどっかに行っちゃった…
「持って来たよー!」
日菜ちゃん自室から持って来た猫のぬいぐるみを紗夜ちゃんにパス、流れる様に紗夜ちゃんはぬいぐるみを友希那ちゃんの手に置くとびくりっと跳ねた
「にゃーんちゃん…」
少しだけ瞳に光が戻った気がする…多分
「と、取り合えず…今日は此処までにして順番にお風呂に入ろっか!」
「…そうですね。湊さんは私が責任を持って戻って来る様に色々と試してみますので、先にどうぞ」
「あー、それじゃ。アタシも手伝うよ…はちみつティーとか用意してみようか?」
「もっとぬいぐるみ持って来るー?あ、気付けにも使えるアロマオイル持ってこようか?」
「…にゃーん」
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
譲り合いが起きてしまった結果、結局一番最初に入るの事になったのは私でした。正確には一緒に入っちゃえ!とリサちゃんの提案で燐子ちゃんに髪を洗われてるのだけど…
「はふ…」
「痒い所…ありますか…?」
「ううん…気持ち良いなぁ…って」
「よかった…です…。夕凪さんも綺麗です…髪も…肌も…」
「ふふ、ありがと…♪じゃ、今度は私が洗ってあげる♪」
泡を洗い流して貰い髪の水気を少しだけ取った後に立ち上がろうとすると方に手を置かれた
「まだ…背中を洗ってません…」
「え?えっと…」
「洗わせて…下さい…っ」
勢いのある燐子ちゃんに大人しく頷くと泡立てたボディタオル背中に触れた
「夕凪さん…その、後でお部屋を見ても良いですか…?」
「私の?」
「はい…!先程はあまり…見れなかったので…」
「何か気になる物でもあったの?」
「…パソコンの機材とキーボードが…」
『そっか、良いよー♪』と伝えると喜んでいるのが伝わって来る。背中を洗う燐子ちゃんの手が迷い無く前の方に来たのは驚いたけどね?
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「夕凪の部屋は初めて入るわね」
「…4面…タブレットも含めて5面…あ、キーボードに繋がってる…」
燐子ちゃんのお願いを聞いて私の部屋に来たのだけど、みんなの興味を引いたらしくて…でも、私を含めて7人全員は流石に入らないよ?燐子ちゃんは早速パソコン機材を見ながら顔を輝かしてる
「あ、クローゼット開けても大丈夫?」
「うん、大丈夫だよー?」
リサちゃんは友希那ちゃんと一緒にクローゼットに向かい中を見ては一着の服を取り出した
「これって…何かの衣装?」
「!!」
「あー!!」
「どうしたの?二人揃って」
リサちゃんが手にした衣装を見て燐子ちゃんとあこちゃんが反応する、と言うのも
「な、ナギ姉の装備!?」
「え?装備…??」
「えっと…NFOと言うゲームがあるのですが…夕凪さんのキャラクターが着ている服なんです…」
そう、Nagiが普段から着ている全身をすっぽりと覆い隠す黒のクロークに皮装備を人工皮革で作ったコスプレ衣装なの
「あはは…作れるかなって思ってやってみたんだけど…出来ちゃった」
でも、サイズは私には合わないのが欠点。着ようと思って作って無いし私の身長だと似合わない
「へー、かっこいいじゃん♪」
「時々ミシンの音がしてたから何作ってるんだろー?って思ってたけど…あたしもびっくり!」
『他の服は紗夜とヒナに似てるねー♪』と言い乍ら笑うリサちゃんの隣で作曲集を熱心に読みながら作りかけの猫のアクセサリーをチラチラと見る友希那ちゃん…意外と皆が興味を示すものがあったみたい
「…でも、ヒナと比べると寂しい感じ…物はあるんだけどそれで埋まっちゃってる?…アタシは落ち着くけど」
「あはは…キーボードとシンセサイザー、パソコンとベッドが大きいから…」
これでもそれなりに大きい部屋のだけど割とぎゅうぎゅう…フィギュアとかを置くケースも置きたいなぁ…
「今度内装を変えてみますか…?」
「ん-…今のままで良いかな…?」
紗夜ちゃんの提案をやんわりと断り目線を逸らす。私のお城触っちゃダメゼッタイ!
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
昨日とは部屋割が代わり、私のお部屋にはリサちゃんと友希那ちゃんが紗夜ちゃんのお部屋には燐子ちゃんが日菜ちゃんのお部屋にはあこちゃんが寝る事になったの。友希那ちゃんかリサちゃんを真ん中にしようとしたけど、結局私が真ん中に…二人が喜んでるからいっか
「…リサ、夕凪…私は変われているのかしら?」
「友希那…?」
「…?」
両腕を左右の二人に抱き締められたまま瞼を閉じていると不意に友希那ちゃんが口を開いた
「やっぱり何でもないわ。忘れて頂戴」
「…友希那ちゃんは変われてるよ、私と初めて会った頃の友希那ちゃんならきっと…音楽以外の全てを捨ててたと思うから…私は今の友希那ちゃんが好きだよ?」
「アタシも夕凪と同じ。…友希那は変わったよ?勿論、良い意味でね?それに…変わったのは友希那だけじゃないよ…Roseliaの皆が短い間に変わったんだよ♪」
「…ありがとう。二人共」
そう言って言葉を切ると私の腕をぎゅぅ…と抱き締めて来る
「貴女に言われたあの時の言葉は忘れない。私なりに見つけた想いを歌に込めて届けるわ…だから、必ず来なさい」
「友希那ちゃん…大丈夫、絶対見に行くから♪」
しっかりとRoselia初参加するCiRCLEのライブの日は時間も確保してあるし、チケットも確保済みだったりする
「こらこらー、アタシもいるんだぞー?」
「ひゃっ!?」
リサちゃんの少しだけ拗ねた声が耳元で聞こえてふぅ…と吐息が掛かる。驚きで固まっている間に反対から友希那ちゃんの顔が迫って来て
「リサ、私はこっちをするわ」
「オッケー…♪本当に嫌だった…抵抗してね?」
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「ん-…」「…」
「あれ?二人共どうしたのー?」
二日ぶりに朝のキッチンに立っていると手鏡を見ながら耳を気にしている紗夜ちゃんと日菜ちゃん、何かあったのかな?と聞いてみると
「えっとねー…昨日の夜、急に耳がゾワゾワ~ってして…痛いとかそう言う感覚じゃなかったんだけどー…寧ろ気持ちよかったし…」
「不快な感覚ではありませんでしたが…何だったのでしょうか?…左右から舐められる様な…」
うっすら頬を染めつつ首を傾げる二人を見て私はポーカーフェイスに努め、内心で冷や汗が止まらずチラリと友希那ちゃんとリサちゃんを見るとあっちはあっちで二人揃って顔を真っ赤にし乍ら紗夜ちゃん達と視線が合わない様にしてる
双子の感覚共有って起きるんだー…
紗夜=なんか気持ち良い
日菜=リサちー?
友希那=猫舌
リサ=積極的にGo!
燐子=下は許されなかった
あこ=可愛い天使
夕凪=あぅあぅ
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