パチパチと音を立てて燃える焚火を皆で囲って学校の事や音楽の事、芸能界の事の話しで花を咲かしている。キャンプ場でのBBQを終えて珈琲を飲みながら炎を眺めていると
「あ、そう言えば聞いたー?」
「…?何をですか?」
そう切り出したリサちゃんに皆の視線が集まる。首を傾げた紗夜ちゃんが問い掛けると
「今年から夏休み明けの体育祭と文化祭が羽丘、花咲、月ノ森の三校合同になるって噂!文化祭は三日連続でやるんだってー♪」
「えぇ!?月ノ森も!?」
リサちゃんの話しに思わず立ち上がって聞き返してしまい、恥ずかしくて慌てて座り直すと友希那ちゃんが微笑ましそうに見つめて来る
「うんうん♪噂と言ってもアタシは先生から聞いたから殆ど確実?みたい」
「三校合同…体育祭でそうなると学校同士で競う事になりそうですね」
「…休もうと思っていたのに…」
「友希那ー??」
三校合同…そう言えば確かに聞いた事あるかも、本当だったんだ♪
「えっと、それじゃ…日菜ちゃんと競うの…?」
「とってもるんっ♪ってするね!」
「私はとっても不安だよ…」
「えー…彩ちゃんなら応援合戦とか得意そうなのに?」
「運動がだめだめなのー!!」
あはは…確かに日菜ちゃんと競うと考えると色々と大変だよね…。私の学校にはスポーツ万能の子はいるけど…多分、難しい
「文化祭まで合同なのは凄いわね…急にどうしたのかしら?」
「ユウナさんとサヨさん、ヒナさんの対決が見れるんですね!楽しみです!」
「ジブン、嫌な予感しかしないです。絶対、色々な設営に駆り出されるっす…月ノ森の道を調べておかないと…」
『武蔵と小次郎の対決…の様に!』とはしゃぐイヴちゃんに千聖ちゃんが『確かに知り合いからしたらそのぐらいの驚きよね』と頷いていた
「ナギ姉が羽丘に来るの!?」
「そうだね…夕凪さんの学校も気になる…」
「ふふ、二人の学校も気になるなー♪文化祭の時は楽しんでね?」
『あこもお嬢様デビュー!』と喜ぶあこちゃんを燐子ちゃんと二人で撫でていると日菜ちゃんが立ち上がり割り箸を握った手を翳す
「と言う訳で肝試ししよー!」
「何がと言う訳なのか聞きたいのだけど良いかしら?それと、私は寝るわ」
「逃がさないよー、友希那ちゃん?」
さっと立ち上がり言うだけ言ってテントに逃げ込もうとする友希那ちゃんは簡単に日菜ちゃんに捕まり私にヘルプのアイコンタクトが飛んで来る。よく見れば彩ちゃん、リサちゃんからも飛んで来ていたけど…紗夜ちゃんと二人揃って顔を横に振ると絶望していた
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「ぅぅぅぅ…!!!」
「大丈夫、大丈夫…♪私が居るよー?」
『お姉ーちゃん達が買い物に行ってる間にスタッフの人に頼んだんだー♪あたしは主催だから参加しないよ!』と日菜ちゃんの言葉に数名が真っ青になるも肝試しが始まった
1,渡された地図に書かれた印の場所まで歩いて行き、空を見上げる事
2,懐中電灯は一本
3,遊歩道以外は歩かない
4,脅かし役はスタッフの方々
組み分けは…
彩&夕凪
千聖&リサ
麻弥&あこ
イヴ&友希那
紗夜&燐子
因みに私達は一番手で…今は脅かしに来たスタッフさんに悲鳴を上げて私に抱き着いてる彩ちゃんを励まして居る所
「だ、だってぇ…」
「よしよし…♪」
「んぅ…何でだろう…何時も夕凪ちゃんにこうして貰っている気がする」
「初ライブの後に泣き付かれたりしてたよねー?」
「は、恥ずかしい限りです…」
優しく撫でてゆっくりと足を進める。肝試しと言っても私にとっては散歩の様な感覚、確かにクオリティーの高い変装をしたスタッフの方が飛び出して来るとびっくりするけど…それだけだしね?緑の香りを楽しみつつ彩ちゃんを引っ張り先に進む
草むらからドライアイスのガスが吹き出たり…
木の後ろから白装束の人が般若のお面をかぶって飛び出して来り…
大きな物音が出たり…?他にも色々あったけど
「だ、大丈夫?」
「………」
本当に怖い物が苦手な彩ちゃんは最初こそ叫んだり逃げ回ったりしたけど今は放心状態で私が運ぶ様に抱えてます。あ、彩ちゃん!帰りは何もないから頑張って!
「ゆうなぁ…ぐす…」
「あはは…ほら、此処が目印の場所だよー?」
少しだけ話せる様になった彩ちゃんと一緒に空を見上げると綺麗な星空が広がっていた。小説に宝石を散りばめたような夜空…何て表現があるけど…確かにそう思うぐらいキラキラと輝いてる
「きれい…」
「うん、肝試しもしたかったけどこれを見て欲しかったのかな?」
「日菜ちゃんが…?」
「多分だけどね♪」
二人で星空を見上げていると不意に彩ちゃんに手を握られた、また怖くなったのかな?視線を彩ちゃんに向けると目が合った
「初ライブの時…助けてくれてありがと!しっかりと言えてなかったから…」
「彩ちゃん…ううん。あの時のライブは彩ちゃん達がしっかりと練習して歌えたから成功したんだよ…♪」
「それでも、きっと…夕凪ちゃんの声が無かったら上手く歌えなかったよ。だから、本当にありがとう…!」
ぎゅぅ…っと抱き着いて来る彩ちゃんを優しく撫で乍ら私も頬を緩め乍ら抱き返す
「これからも応援してるよ。彩ちゃん…♪」
「うん…っ!」
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「えーっと…皆大丈夫?」
「…今日一緒に寝て良い?」
「あ、うん…何か飲む?」
「うん…」
目元を赤くしているリサちゃんを気遣いココアを用意する事に、それにしてもそんなに怖かったのかな…?紗夜ちゃんも顔が引きつって帰って来たし、燐子ちゃんはずっと紗夜ちゃんにくっ付いてた
「るんっ♪徐々に怖くなる様にしてたんだー♪」
「つまり…私と彩ちゃんの時が一番優しかった…?」
千聖ちゃんの本気の悲鳴は此処まで聞こえて来たし、あこちゃんは泣き乍ら麻弥ちゃんを連れて帰って来た。友希那ちゃんは猫画像と動画で回復中だよっ!
「取り合えず!皆の分用意しよう!」
「わ、私も手伝います!皆さんと比べると大丈夫でしたので!」
「ありがとう!イヴちゃん!」
『大和魂を学んでいてよかったです!』とテキパキと一緒にココアの入ったカップを運んでくれるイヴちゃんに感謝し乍ら千聖ちゃんに持って行く事に
「ありがと…夕凪ちゃん…」
「凄い声だったけど…喉とか大丈夫ー?」
「え、えぇ…」
恥ずかしそうに頬を染める千聖ちゃんにココアを渡すと頬を緩め乍ら喜んでくれた。皆に配り休憩を取った後に日菜ちゃんは紗夜ちゃんに正座をさせられていたけど…余程、張り切ってやったんだね…
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「…流石に暑くならない…?」
「そ、そうかなー?アタシは平気だよ☆」
「私もよ。…一人で寝られないし」
「えっと…二人だけなら良いんだけど…」
「わーい!みんな一緒だー!」
「日菜…お願いだから抱き着かないで…私は暑いわ…」
怖くなってる人+怖くなってる人だとより怖くなってしまうと言う事で怖さをあまり感じていない私の所とイヴちゃんの所に集まっちゃったみたい
「ん-…あ!それじゃ、とっておきのお話してあげる♪」
「とっておきのお話?」
引き攣った顔でリサちゃんが聞き返すと日菜ちゃんは自信満々に
「山奥で遭難した~…」
「止めなさい!」
出始めの所で日菜ちゃんの口に紗夜ちゃんが手の平を押し付けて話を止めると皆揃って安心した表情で溜息を吐いた
「ん-…それじゃ、私がお話しようか?」
「夕凪ちゃんの?」
提案すると千聖ちゃんが引っ付いたまま首を傾げるので小さく頷く
「うん♪怖い話じゃないから大丈夫だよー♪」
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「…どんなに離れていても絆は繋がっている…ね」
「うん…夕凪って切ない話が好きなの?」
「好き…なのかな?最後は幸せになるお話が好きかな♪」
お話しを終えると鼻を啜る音が部屋に響く
「…もう少し強く抱き締めても良い…?」
「うん?良いよー?」
身体を更に密着して来るリサちゃんに頷く。私のお話は出会いと別れを繰り返す一人の少年のお話。両親の都合で各地を転々とし心に暗い影を落とし乍ら知り合いの家に一年間だけ引き取られた少年は高校の一年間を過ごす…色んな絆を繋ぎ育み、一つの事件を解決するお話
「…このまま寝れそう…」
「ふふ、少し早いけど…寝ちゃおっか♪」
舟を漕いでるリサちゃんを撫でていると開けた窓から涼しい風が入り込み頬を撫でた。夏はまだまだ続く、その後には体育祭と文化祭…ふふ、楽しみ♪…そう言えばリサちゃん、学校に忘れ物があるって言ってたけど取りに行ったのかな?
千聖組=阿鼻叫喚
麻弥組=どっきりの連続
イヴ組=永遠と追い掛けられる
紗夜組=全部
夕凪=皆のメンタル回復に努めた
感想及び評価ありがとうございます。誤字報告、大変助かっております。
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活動報告 リクエスト箱
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=295397&uid=311928
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番外編 リクエスト
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=297771&uid=311928