氷川さん所のゆるふわなお姉ちゃん   作:雪月-dox-

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Morfonicaの練習

ぱちりと目を開ける。珍しい事にセットしたアラームが鳴る前に目を覚ましたみたい…と、言うよりは少しだけ寝苦しいから起きたんだけど…顔を右に向ければ静かに寝ている紗夜ちゃん、左を向けばスヤスヤ…と寝ている日菜ちゃん。冷房を効かせているけど流石に…暑いよね。…でも、ふふ♪二人共可愛い…♪

 

 

「…ふぅー…」

 

「…ん…」

 

 

右を向いて紗夜ちゃんの耳に向けて優しく吐息を吹き掛けると声を漏らしぎゅぅ…と更に密着して来る。…あれ?起きたりしないの?

 

 

「…すぅ…ふぅー…」

 

「んぅー…ちゅ…」

 

「っ!?」

 

 

仕方ないと次は日菜ちゃんの耳に吐息を吹き掛けるとうっすらと瞼が開くと同時に私の頬に唇を押し付けて来る。ちろちろ…と舌を動かし乍ら再び寝始める日菜ちゃん、相変わらず器用…じゃなくて!?

 

 

「ひ、日菜ちゃーん?起きてる…よね?」

 

 

取り合えず舐めて来るのを止めさせようと声を掛けるけど反応は無し…顔を動かしても付いて来る。うん、起きてる

 

 

「…えい」

 

「…!?」

 

 

さっと顔を離し追い掛けて来る日菜ちゃんの口に指を入れる。驚いた様子で固まった後にちゅうちゅう…と吸い付き始めた。これはこれで恥ずかしい

 

 

「日菜ちゃん、起きよー?」

 

「ん-…はむ…れぇ…♪」

 

「んっ…こーら」

 

「もう少しこのままー♪」

 

「もう…」

 

 

私に抱き着いたまま指に吸い付いたり舐めたりして来る様子を眺めては苦笑い。結局、紗夜ちゃんが起きて日菜ちゃんを叱るまで続いた

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「お姉ーちゃん!見て見てー!!」

 

「ん-?」

 

 

朝食を食べ終えて出掛ける準備をしていると日菜ちゃんがスマートフォンを差し出して来る。なんだろう?と思いながら受け取って画面を見るとSNSのトレンドにRoseliaと氷川姉、日菜ちゃんのお姉さん…と3つの文字が

 

 

「…???」

 

「昨日上げた動画の再生回数…何と驚異の50万再生!」

 

「えぇ!?」

 

 

慌てて自分のスマートフォンでTritehederaのSNSアカウントを開くととんでもない事になっていた。序に朝から彩ちゃんと令王那ちゃんからもメッセージが来ていたので返信もしてっと

 

 

「これは…想像以上ですね」

 

「うん…ふふ♪でも、良かった…Roseliaの音を認めてくれてるんだね♪」

 

「っ!えぇ、そうですね。…でも、私達としては姉さんが認知されて嬉しいです」

 

「うんうん♪RoseliaのMVだけじゃないからねー!ほら!」

 

 

そう言って見せてくれたのは私達の歌って弾いてみたの動画、こっちの再生回数も40万越えに加えてコメントの量がMVよりも数倍多い気がする

 

 

「あはは…勢いでやった事だから…こ、これからも続けた方が良いのかな…?」

 

「それは姉さん次第です。その…無理に続ける必要はありませんし…」

 

「あたしとしては続けて欲しいなー♪お姉ーちゃん、すっごく楽しそうだから♪」

 

「二人共…ありがと。うん、続けてみようかな」

 

 

そう言うと二人共嬉しそうに頷いてくれた、次は何の曲にしようかな?

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

家を出て公園の前で少し待って居ると見慣れたみ空色の少女が駆けて来る。私の前まで止まると両膝に手を当ててぜぇ…ぜぇ…と荒い呼吸繰り返していたので思わず声を掛ける

 

 

「だ、大丈夫?ましろちゃん…」

 

「は、はい。ぜぇ…大丈夫です…はぁ…はぁ…その、時間が…」

 

「其処まで気にしなくても大丈夫なのに…」

 

「い、いえ!流石に夕凪さんを待たせる訳には…っと、行きましょうか!」

 

 

今日はMorfonicaの新しい練習場所に行く事になってるの、と言うのもガールズバンドが流行っている影響で中々CiRCLEのスタジオを借りる事が出来なくて…それで、七深ちゃんが新しい練習場所を見つけたと言う事で今は七海ちゃんのお家にましろちゃんと一緒に向かっている最中

 

 

「何処か新しいライブハウスを見つけたんでしょうか?」

 

「ん-…此処の近所だと何処も埋まっちゃうと思うんだけど…」

 

「新しいライブハウスを見つけた…とかでしょうか?」

 

「うーん…あっ。…ねぇねぇ、ましろちゃん」

 

「はい…?」

 

「敬語、止めてみない?」

 

「え?」

 

 

何となく砕けた口調のましろちゃんと話したくなってそう提案してみると驚いた様子で私を見つめて来る

 

 

「で、でも…その」

 

「私は気にしないし…何時までも敬語なのも寂しいなー。なんて♪」

 

「あぅ…ふ、二人っきりの時だけ…で、良いですか…?」

 

「うん!良いよー♪」

 

「そ、それじゃ…えへへ…♪」

 

 

頬を染めて笑うましろちゃんの手を握るとゆっくりと歩き出す。驚いた様子で握り返して来るから嫌がってない…よね?

 

 

「あ、あの…RoseliaのMV見たよ!」

 

「本当?どうだったー?」

 

「凄くかっこ良くて…何回も再生してる…後、夕凪さんの歌ってみたも…凄く好き」

 

「ふふ…そう言って貰えると嬉しいな♪」

 

 

あまり褒められて事が無いから私も照れてしまう。次の動画編集も気合を入れて頑張ろう!

 

 

「私も…あんな風に歌いたいな…」

 

「ましろちゃんなら出来るよ…♪ううん、出来る様に私も手伝うから大丈夫!」

 

「夕凪さん…はい!よろしくお願いします…!」

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「わぁ…」

 

「すごーい…」

 

 

所在地だけ教えて貰って来たけど…想像以上の豪邸に夕凪さんと二人で揃って建物を見上げている。す、少しだけ早いけど大丈夫かな…?そう思っていると玄関が開いて七深ちゃんが出て来た。私達を見つけると嬉しそうに小走りで寄って来て

 

 

「夕凪先輩、しろちゃんおはよ~」

 

「おはよう、七深ちゃん♪」

 

「お、おはよう…」

 

「今開けるから待っててね~」

 

 

七深ちゃんに門を開けて貰って豪邸の庭に入る。ひ、広い…え?ふ、噴水…?かくれんぼ出来そう…きょろきょろと私が周りを見ていると

 

 

「しろちゃんどうしたのー?」

 

「え?えっと…綺麗なお庭だなぁって…」

 

「ほんとー?ありがとー♪」

 

「うんうん…綺麗だし立派だよねー♪」

 

「わーい♪あ、練習場所なんですけどー…こっちですよー♪」

 

 

七深ちゃんの案内されて付いて行くとそこそこ大きな建物が現れた。ん…?い、一軒家?

 

 

「元々アトリエだったんですけど~。バンドの練習場所にして貰ったんですよー♪」

 

「す、すごい…」

 

「此処なら皆が集まれば簡単に練習が出来る様になるねー♪」

 

 

敷地内に建物が複数…そもそもアトリエって何だろう?後で調べておこう…夕凪さん、全く動じてないのも凄い

 

 

「ただ、機材のセッティングがまだ出来ていないので夕凪先輩にお願いしても良いですかー?勿論、手伝いますよ!」

 

「うん、任せてー♪」

 

「わ、私も手伝います!」

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「いいじゃん!いいじゃん!」

 

「場所の取り合いにならないのは助かるね!」

 

「そうね、効率的に練習するならこれ以上の手は今は無いわ」

 

「でしょ、でしょ~♪」

 

 

機材のセッティングを終えた所で透子ちゃん、つくしちゃん、瑠唯ちゃんの三人が集まった。音響のチェックもあってましろちゃんに少しだけ歌って貰っていたんだけど

 

 

「中々時間が合わなくて全員が集まる事が出来ませんでしたが…上手くなりましたね倉田さん」

 

「あ、ありがとうございます!瑠唯さん…!」

 

「声も出てるし…何て言うのかな、表現力?が凄く良くなってるよ!」

 

「だよねー!勿論、上手くなってるのはシロだけじゃないよ?あたしらだって練習したんだから!」

 

「みんな…えへへ…やり切ってよかった…!」

 

 

実は各バンドが集合したあの日を境にましろちゃんは友希那ちゃんと蘭ちゃんの『争い』に巻き込まれていたりする。…えっと、どっちがましろちゃんに歌を上手く指導出来るか…と言った感じで…。何か困った事があった場合は私が教えようになったんだよねー…最初はげっそりしていたけど最近は慣れたみたいで雑談なんかもする様になったみたい

 

 

「ましろちゃんは色んな人から教えて貰ってるからね♪ん-…皆も誰かに教わってみる?Roseliaの皆なら喜んで引き受けてくれると思うけど…?」

 

「マジっすか!?えっと…紗夜さんにお願いしても大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だと思うよー♪紗夜ちゃんも透子ちゃんの事褒めてたし…気にしてると思うの♪」

 

「やった…!」

 

「そ、それじゃ…私はあこちゃんに教えて貰える!?」

 

「うんうん♪七深ちゃんはリサちゃんだよー♪」

 

「わーい♪」

 

 

嬉しそうに喜ぶ皆に頬を緩めては瑠唯ちゃんを見て

 

 

「瑠唯ちゃんは私と燐子ちゃんかな?」

 

「良いんですか?」

 

「うん、バイオリンは色々大変だからね…そのぐらい気にしないで♪」

 

「ありがとうございます」

 

「それじゃ…後で聞いてみるから練習を始めよっか♪」

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「ふぅ…ど、どうでしたか?」

 

「すっごく良いよ!細かい所は反復練習だけど…もう歌えるようになったんだね♪それに、皆も弾けてて安心したよ♪」

 

「夕凪先輩があたし達のパートも書いてくれたからですよ!と言うか、ルイのバイオリンの楽譜も掛けるって本当に凄いですよ!」

 

「うんうん…私、見ても全然弾ける気がしない」

 

「あはは…私も上手く書けてるか不安だったけど…大丈夫だったかな?」

 

「はい、とても良く書けていて…私が弾き易い様にアレンジが加えられているのも嬉しかったです」

 

「それに、シロの歌!めっちゃ上手くなってる!ちょっとだけうるって来た」

 

 

わいわいとましろちゃんが書いた曲『Daylight -デイライト』と『Starry Heavens』の感想で盛り上がる皆。よかった、私も書いててこの曲はMorfonicaのイメージに合うかもって思ったから。…あの時歌ったのは何となくだったけどね、えへへ…

 

 

「あの、夕凪さん。この歌本当に良いんですか?」

 

「うん、問題無いよー♪あ…でも、書いて曲を作った人は?って聞かれた遠慮無く私の名前を使ってね?変な事に巻き込まれたりするかもしれないから…」

 

「ありがとうございます…!…?わかりました!」

 

 

その後は2時間程練習して、マスターの喫茶店で少しお話した後解散したよっ。ふふ、皆お気に入りのお店になってるみたいで嬉しい♪




何がとは言いませんが発売おめでとうございます。


透子=為になるけど指導が厳しい
つくし=ぎ、擬音…?
七深=大当たり
瑠唯=有意義な時間
ましろ=え?こうですか?え、えと…どっち…?
夕凪=ましろ救助隊


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