「…ひぃーん」
スプーンで掬った白米とカレールーを口に含み少し咀嚼した後に悲鳴を上げて私は氷水を煽りテーブルに突っ伏す。冷たい水を飲んだのに口の中も唇もビリビリと痛い…額から汗が垂れて来てるので手で拭っていると誰かが二階から降りて来た。ドアを開けた紗夜ちゃんは身体を震わせてダイニングキッチンに入って来る
「…ね、姉さん?どうしたんですか?」
クーラーの冷房で異様に冷えている部屋に入って来た紗夜ちゃんは汗をかいて悶える私の傍に来ると珍しい物を見る様に聞いて来るので無言でカレーライスが盛られた皿を見せると困惑した様子で首を傾げた
「…カレーですね?…もしかして激辛?」
「…(コクコク)」
「取り合えず、牛乳を取ってきますね」
そう言って冷蔵庫に向かう紗夜ちゃんを見送り、戻って来るまでにもう一口…燃える様な辛さに悶え涙目になりながら声を漏らす
「…ひぃーん…」
「かわ…じゃなくて。牛乳です」
コップを受け取り舌を浸すと大分良くなった。その様子を紗夜ちゃんにじっと見られてるけど気にしない、気にしない…
「ひゃひらほ…(ありがとう)」
「いえ、このぐらい…。それで、どうして激辛カレーを…?」
私の前の席に座った紗夜ちゃんの問い掛けにあはは…と苦笑いし乍ら口を開く
「えっと…間違えて買って来ちゃって…」
「間違えて…?」
「うん…甘口のカレーをかごに入れたつもりだったんだけど、手前にあるのは甘口で後ろに積まれてるのは激辛だったの…レジで気が付いたけど戻しに戻るのも…ね?」
「なるほど…少し手伝いましょうか?」
「ぅ…紗夜ちゃんでも危ないから駄目」
「激辛が特に苦手な姉さんが言っても説得力無いですよ?」
さっと私の手からスプーンを取り迷わずカレーを食べる紗夜ちゃん。…少し経った後に咽ながら牛乳を飲み始めた
「これは…やばいわね」
「だ、大丈夫…?」
「えぇ、問題ありません。少し予想よりも辛かっただけですから…行きます!」
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「お姉ーちゃん達、大丈夫?」
「「(ブンブン)」」
日菜ちゃんの声に紗夜ちゃんと二人揃って首を左右に振りながらバニラアイスを口の中に入れる。冷たさと甘さで辛みを相殺してるけど…中々に後を引く辛さに二人揃って苦しんでます…ひぃん
「本当に辛い奴を食べたんだねー。…ちょっとだけこの状態楽しいかも…」
「ジィ…」
「はっ!?おねーちゃん!手を降ろそう!」
日菜ちゃんに呟きにスっと手を上げる紗夜ちゃんから逃げる様に私の背後に回る日菜ちゃん。そのまま抱き着いて来るけど反応する余裕も無いのでアイスを次々と口に入れて行く
「ふぅ…私は落ち着いてきました。姉さんは大丈夫ですか?」
「(ブンブン)」
「暫くは無理じゃないかなー?お姉ーちゃんって辛いのは行けるけど一定のラインを超えた辛さに弱いし?」
「(しょんぼり)」
申し訳なさそうにする私に擦り付いて甘えて来る日菜ちゃんを撫でてあげるとふにゃぁ…っと脱力して行くのが楽しい
「…あ、二人共この後に予定はあるかしら?」
「ん~…?ないよぉ~…?」
「(コクコク)」
「でしたら、七夕祭りに行きませんか?」
「…!?行く!」
「(コクコク!)」
紗夜ちゃんの提案に頷いて居るとRoseliaのグループメッセージにリサちゃんから同じ誘いが皆に送られていた。浴衣何処に仕舞ったかな?
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「おぉー…めちゃめちゃ綺麗だねぇー☆」
「リサちゃんも綺麗だよー♪」
「ありがとー♪ほら、友希那の着付け大変だったんだからしっかり見てあげて!」
「り、リサ…あまり恥ずかしい事を言わないで頂戴…」
Roselia+私と日菜ちゃんは近くの神社で待ち合わせ大通り方面に向かって歩いて行く。全員、浴衣姿で私と紗夜ちゃん、日菜ちゃんは淡い水色で私は白ユリ、紗夜ちゃんは紫陽花、日菜ちゃんは朝顔の柄が入った浴衣…リサちゃんは濃藍地で花火菊柄の浴衣。友希那ちゃんは白色の浴衣で黒猫の柄が入ってるの
「あこの浴衣はりんりんに見て貰ったんだよー!」
「あこちゃん、色々似合って可愛かったです…」
「そうなんだ♪あこちゃんも燐子ちゃんも綺麗だよー♪」
あこちゃんは薄めのピンク色の浴衣で牡丹柄、燐子ちゃんは黒色の浴衣で八重桜柄でとっても似合ってる
「それにしても…夕凪も紗夜も髪型変えると印象が全然違うねー?」
「そう?」
「姉さんのポニーテール姿は久しぶりに見ましたね」
「そう言う紗夜だってその髪型新鮮で似合ってるよー☆ね?みんな?」
「はい…髪を後ろの方に結ってる姿も素敵です…♪」
「あ、紗夜さんの弓道着姿の写真と同じ髪型です!」
「そ、そんなに珍しい物でも…私の写真?」
頬を染めて照れていたけどあこちゃんの写真部分に首を傾げ、紗夜ちゃんの隣を歩いてる日菜ちゃんがギクっと言う顔をする
「え!?えーっと、そのぉ…」
「宇田川さん、正直に言って下さい。誰に見せて貰いましたか?」
ジト目であこちゃんに詰め寄る紗夜ちゃんと必死に言わない様にジェスチャーを送る日菜ちゃんに皆が笑い、あこちゃんが困った様に私を見て来る
「紗夜ちゃん、もうわかってるんだからそんな事しないのー」
「ふふ、ごめんなさい。宇田川さん」
私の言葉に悪戯っぽく笑うと優しくあこちゃんを撫でた後に日菜ちゃんの方を向いてにっこりと笑い
「さ、紗夜さんに撫でられた…!えへへ…♪」
「日菜、帰ったら覚えてなさい?」
「ひぇ…あ!あたしパスパレで千聖ちゃんの家に泊まるから!」
「なら、明日以降ね」
「…ひぃーん」
据わった目で言われた日菜ちゃんは悲鳴を小さく上げた後にしょんぼりし乍ら私の背後に来て『お姉ーちゃんで癒されるもん』と言って首筋に顔を埋めて来る、ちょっと!?流石に皆の前だと恥ずかしいよ!?
「流れる様に始めたわね」
「あれはヒナだから出来る事だよねー」
「日菜ちゃん!はーなーれーてー!?」
「いーやー」
日菜ちゃんを引き剥がそうとするけど全く離れない。ほら!周りが注目してるって!?
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
結局日菜ちゃんを背中に張り付けたまま出店が多く並ぶ大通りに着いた。けど、流石にこの人数で回ると動きずらいので何人かで分かれて見て回る事に、今日は七夕祭りだけど夏休みの最後の方に普通に夏祭りもあるのって凄いよね?
「それじゃ、アタシは友希那と回るねー☆後で夕凪の家で集合だね?」
「取り合えず短冊からかしら」
「あこ達も行こ!りんりん!」
「うん…♪」
「また後でねー!」
リサちゃんは友希那ちゃんを連れて、あこちゃんは燐子ちゃんを連れて離れて行くのを見送り私は振り返って紗夜ちゃんと日菜ちゃんを見る
「あたし達もいこー!」
「えぇ、湊さんの言う通り最初に短冊を書いてからの方が落ち着いて回れそうね」
「ふふ、それじゃ。いこっか♪」
目的が決まった所で左手で日菜ちゃんを右手で紗夜ちゃんの手を握り引っ張る様に歩き出す。日菜ちゃんはぱぁぁ…!と嬉しそうに笑い、紗夜ちゃんは恥ずかしそうにしながらも笑ってくれた
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
透子ちゃんが用意してくれた浴衣を着てMorfonica全員で七夕祭りに来てる、ただその…ゆ、浴衣のお値段がですね…聞いててびっくりしておどおどしてます…。人が多いのと暑さ、着慣れない浴衣に疲れてつくしちゃんと二人でベンチに座っていると見慣れた姿が人混みから見えた
「待って、ましろちゃん!」
「んむっ?!」
声を掛けようと思って口を開くと同時につくしちゃんに口を抑えられてびくっと!跳ね上がる。恐る恐るつくしちゃんを見れば申し訳なさそうな顔をしていた
「あ、ごめん。そのー…今はそっとして置いた方が良い気がして…夕凪先輩、すっごく楽しそうだったから」
「う、ううん。…確かに今声掛けちゃうのは申し訳ないかも…止めてくれてありがとう…!」
『間に合ってよかったー』と笑うつくしちゃんと二人で紗夜さんと日菜さんを引っ張って行く夕凪さんを見送った。その後二人で皆の所に戻り、短冊にお願いを書いては七深ちゃんのお家に向かう事に…あれ?何だか嫌な予感
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
「ねぇねぇ!あれやろ!」
暫く歩いていると日菜ちゃんが離れて一つの出店の前に向かって行った。水が張ったゴムプールにそのプールの中を泳ぎ回る金魚…
「金魚掬い?」
「うん!」
「懐かしいわね」
私達に気が付いた出店のおじさんはにこやかに笑い『三人で300円で良いぞ!』と言い乍ら三枚のポイを差し出して来た。私が出す前に紗夜ちゃんが払ってしまったので大人しくポイを受け取る。…結果としては
「やった♪」
「さ、流石日菜ちゃん…」
「落ち込まないで下さい、姉さん」
私は0匹、紗夜ちゃんが2匹、日菜ちゃんが5匹。計7匹の金魚を掬う事が出来た、私の結果に見かねたおじさんが一匹だけおまけでくれたのでお礼を言いながら手首に水袋をぶら下げて移動を始める。因みに日菜ちゃんが掬った5匹中二匹は私の持ってる水袋に入れられました。ゆっくりと歩いていると気が付けば大きな竹が…沢山の短冊が結ばれてるから近場に書く場所があるかな?
「ねーねー?短冊に何書くのー?」
「日菜、それは聞いたり見たりする物じゃないでしょ?」
「えー、だって気になるんだもん」
「ん-…私は決まってるけど言わないよー?」
「むむ。後で彩ちゃんからは聞き出そう!」
ごめんね、彩ちゃん。私だと止められない…見つけた短冊を書く机に向かい三人で並んで願い事を書いて行く。『これからも皆が幸せであります様に』書いた短冊を竹の枝に結んで戻って来ると紗夜ちゃん達も戻って来た
「いやぁ、近寄るの大変だったね…」
「姉さんは大丈夫でしたか?」
「大丈夫だったよー?」
…私に気が付いた人達が場所を開けてくれたから簡単に結ぶ事が出来たし…あれ?もしかして小学生扱いされた?周りの微笑ましい視線はそう言う事…?!
「ありゃ、集合時間早まっちゃった」
スマートフォンで時間を確認した日菜ちゃんがあちゃーっと言い乍ら頭を掻いて
「なら、早く行った方が良いじゃないかしら?金魚は預かるわね」
「ありがとう!おねーちゃん♪それじゃ!」
「またねー!気を付けてね!千聖ちゃんに迷惑掛けちゃだめだよ!」
「はーい!」
駆けて行く日菜ちゃんを見送って背中が見えなくなった、集合時間には早いけど先に待ってても良いかな?
「私達も行きましょうか?」
「うん。あ、飲み物だけ買って来るね?」
「私も行きましょうか?」
「大丈夫♪あ、金魚お願いしても良い…?」
「分かりました」
紗夜ちゃんに待って貰って近くのコンビニに向かう、やっぱり人が多いけど買えない程じゃないかな?手早く皆の分の飲み物を購入して外に出ると
「あ、あの…!すみません…」
「…?はい?…あ!」
外に出た所で声を掛けられて横を向けば雨の日に会った女の子が居た。緋色の瞳に綺麗な銀色の髪、髪を伸ばしたら友希那ちゃんと間違えそうだよね
「その…あの時はありがとうございました。これ…」
「ふふ、私のお節介だったから大丈夫だよー。ありがと♪」
傘を受け取りころころと笑うと少女も頬を緩めて安心した表情になった
「…えっと、私…高松 燈です」
「私は氷川夕凪。よろしくねー♪あ、これどうぞー♪」
コンビニのキャンペーンでペンギンのキーホルダーが付いたスポーツドリンクを差し出すと戸惑い乍らも受け取ってくれた。…あ、ペンギン好きなのかな?猫を見つけた時の友希那ちゃんと同じ感じがする
「ありがとう…ございます。…ど、動画見ました!とっても良かったです…!」
「ふふ、ありがと♪近い内にまた上げるかも…?」
「…!」
目を見開いて私を見詰めて来る燈ちゃんに首を傾げると我に返ったのか恥ずかしそうに目を逸らした
「楽しみにしててね♪」
「はい…!」
「ん-…あ、折角だし連絡先の交換でもする?…なんちゃって」
「良いんですか!?」
「え、うん?」
食い気味に来る燈ちゃんに驚いている間にスマートフォンを取り出し始めた、それを見て私も慌てて取り出す。無事に連絡先を交換すると嬉しそうに頬を緩める燈ちゃん
「あ、紗夜ちゃん待たせてたんだった…!」
「…?」
「ごめんね!燈ちゃん!また会おうね♪」
「うん!」
慌てて紗夜ちゃんの元に戻ると友希那ちゃん達が合流してたみたいで皆で金魚の観察してたよ…。
♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪
慌てた様子で走って行く浴衣姿の夕凪さん。後姿も綺麗…祥子ちゃんに見せて貰った弾いてみたの動画の投稿者…綺麗な歌声でキーボードの演奏も凄く上手…
「ペンギン…♪」
ボトルのキャップに付いてるペンギンのキーホルダーを見て頬が緩む、私がペンギンが好きなの知ってたのかな…?
口調が迷子、迷子だけに
ましろ=ホラー映画観賞会
紗夜=待ってる間ずっと金魚を観察してた
夕凪=金魚鉢買わなきゃ
燈=動画の影響を受けている
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