氷川さん所のゆるふわなお姉ちゃん   作:雪月-dox-

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※アンケート回


番外編
番外編:今井夕凪の場合


PiPiPi…

 

 

二人の寝息が聞こえる部屋に電子音のアラームが響く。『んぅ…』と小さく籠った声を漏らしスマートフォンを止めようと手を伸ばそうと身体に力を入れるとぴくりとも動かない。視線を下に向ければスヤスヤと心地良さそうに寝息を漏らすリサちゃんが胸に顔を埋めて居た。完全に抱き枕の様になっているみたいで両腕で抱き締められてる為もがいても腕が抜けない

 

 

「リサちゃーん…朝だよー…?」

 

「んにゃ…ぅ…」

 

 

仕方が無いので身体で揺すって起こそうとすると抱き着いてるリサちゃんが顔を上げた。ぴたりと私と目が合うとにへら…と笑って再び顔を埋めて二度寝を始めた。仕方が無いので大人しく起きるのを待つ事に…気が付けばアラームも止まっておりリサちゃんの寝息だけが聞こえる。…そう言えば寝る時は一人だったよね?そう考えている間に腕が抜けたのでリサちゃんの頭を優しく胸で抱えると

 

 

「お姉ちゃん…それ、幸せで窒息しちゃう」

 

 

そう言って顔を擦り付けて来るリサちゃんに恥ずかしくなって離しちゃうと今度は私が胸で抱えられた

 

 

「起きる気ない…?」

 

「今日は休みだからねー…ゆっくりしたいかも」

 

 

上目遣いで抗議すると頬を緩ませたリサちゃんと目が合う。そのまま顔が近づいて来て頬に口付けされると体温が上がって行くのが分かる

 

 

「もーう。そう言うのはダメっ」

 

「いーやー。お姉ちゃんが好きなんだからするんだもん♪」

 

 

むぎゅぅ♪と更に抱き締めて来るリサちゃんに溜息を吐くけど嫌じゃないから結局抱き返して背中をなでなでしちゃう

 

 

「ごめん、お姉ちゃん。こうしてると嫌な事も忘れられるから…もう少しだけ」

 

「うん、良いよー…♪」

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

ファッションギャルと言う言葉は知ってるかな?と言っても誰かの造語だから私も詳しく知らないんだけど…えっと、誰かに合わせてギャルっぽく振舞っていたりギャルと言うコミュニケーション力が強い印象を利用してコミュニティを作ったりする事をそう言うんだと思うの。何でこの話をしたかと言うと妹のリサちゃんがそのファッションギャルなんだ…中学生に上がってから中々友達が出来ない時期があって私も心配してたんだけど急にギャルっぽく?なってからは友達も増えたみたいだし、今は友希那ちゃんとも仲直り出来て安心したんだ♪交友関係の心配が無くなったんだけど、今度はその状態が今も続いてて私と二人っきりになると素のリサちゃんが出て来て今日の朝みたいになっちゃうの。本人がしてる事だからそっとしていたけどギャルっぽい振る舞いをしてるから色々と苦労もしてるみたいで…何かあった直ぐに話して欲しいな…

 

 

「リサちゃん。髪梳かすから座ってー♪」

 

「んっ…お姉ちゃんって髪型のセットも上手だよね?」

 

「ふふ、リサちゃんにしてあげたくて勉強したから♪」

 

 

鏡台の前に座って貰っては優しくブラシで梳かして行く、寝癖を直してちょこちょこっと何時ものリサちゃんの髪型にセットする。今日は休日だけどリサちゃんはバイトがあるみたい、お隣の友希那ちゃんとバンドも組んでるから出費が大変だよね

 

 

「ありがと♪美容師とか目指さないの?」

 

「ん-…そこまで熱心じゃないから今は分からないかな…」

 

 

『そっかー、お姉ちゃんが美容師になったら人気でそうなのにー』って言い乍らバイトの準備をして出かける前に抱き締められて

 

 

「お姉ちゃん成分補充…!」

 

「よしよし、いい子いい子…♪」

 

 

優しく撫でて抱き返してあげると嬉しそうに頬を緩ませてそのまま出かけて行った。それを見送った後は久しぶりに筑前煮を作って置こうと思い台所に立った

 

 

 

筑前煮も出来上がり後は味が染み込むのを待つだけ、食べる時に温めれば良いから楽なんだよ♪一通り家事も終わらせてNFOでもやろうかなーっと思った所で飲み物が無い事に気が付いた。紅茶や珈琲の切れてるので本当に水道水以外無い…

 

 

「うん、コンビニ買いに行こうかな?」

 

 

早速私も出掛ける準備をしては火をしっかりと止めたのを確認し外に出てはコンビニに向かって歩き始める。近所で一番近いコンビニはリサちゃんがバイトしてるから顔を見に行くついでにと思いながら店内に入る

 

 

「しゃ~せ~」

 

 

間延びのした聞いた事のある声が聞こえてレジを見ればモカちゃんと目が合った

 

 

「あ、夕凪さん。こんにちは~」

 

「こんにちは、モカちゃん♪モカちゃんもバイト?」

 

「そ~ですよ~。モカちゃんのお財布がピンチなので働いてるんですー。えらいえらいして下さーい」

 

 

そう言って少し屈むモカちゃん。良く分からないけどなでなですれば良いのかな?優しくモカちゃんの頭を撫でると『ふぁ…予想以上に極楽ですな~』と言って目を細めてた

 

 

「こら、人の姉に何してるの?」

 

「あ、リサさんお帰りなさーい」

 

 

撫でていると奥からリサちゃんが顔を出してちょっとだけむすっとしてる。休憩中だったのかな?

 

 

「やっほー、リサちゃん♪」

 

「いらっしゃーい。お姉ちゃん♪」

 

 

モカちゃんから手を離すと『機会があったら次もお願いします~』と言って離れてくれた。私も買い物を済ませてしまおうと思っていると金髪で軽そうな男性が入って来たのでそっとレジから離れる、けどその男性は私の方に近寄って来る…不思議に思いながら道を譲ろうと壁際に移動すると

 

 

「ねぇねぇ、君。暇?俺達と遊ばない?」

 

 

そう声を掛けて来る男性は入口の方を見て車で来てる事を伝える様な仕草をした、大音量の音楽が掛かっているのか重低音が店の中にも聞こえて来る。よく見れば運転手が座ってるから二人組みたい

 

 

「…?あの、申し訳ないですが遊ぶ余裕が無いのでお断りします」

 

「はぁ?金なら俺たちが出すから気にしないで良いって」

 

 

一歩前に進んで来る男性に思わず一歩後ろに下がってしまう、これって所謂ナンパ?

 

 

「申し訳ございません。お客様、店内でその様な事をされてしまうと他のお客様にご迷惑が掛かるので…」

 

「うるせぇな。店員は大人しく仕事してろよ…こっちは話してんだからよ」

 

 

そう言ってリサちゃんを無視すると私の右手首を掴んで来た咄嗟に振り払おうとするけど全く振り解けない…!

 

 

「あ~…手首掴んでるのカメラに写ってますよー」

 

 

リサちゃんがレジから飛び出そうとする前に良く通るモカちゃんの声が聞こえた…すると男性は慌てて私から手を離してモカちゃんの方を向き何かを言おうとする前に

 

 

「ついでにもう警察呼んでますのでー」

 

「この…ちっ!」

 

 

警察を呼んだ、と言うのが止めになったのか男性は慌てて店から出て行った。車が駐車場から出て行くと同時にリサちゃんが駆け寄って来る

 

 

「お姉ちゃん!大丈夫!?」

 

「う、うん。大丈夫だよ」

 

「どこもケガしてないよね!?あ、手首…!」

 

「冷やせる物持って来ますのでー。事務所の方に連れて行って下さーい」

 

「ありがと、モカ!」

 

 

緊張が解けて腰が抜けてしまったのでリサちゃんに抱えられ乍らコンビニの事務所で軽く休憩を取る事に…確かに無理に振り解こうとしたから手首に薄く赤い痕が出来てる。飲み物を買いに来ただけなのに…その後モカちゃんが呼んだ警察の方に事情を説明するとパトロールの頻度を増やすから見掛けたら直ぐに通報する様にと言われた

 

 

「リサさん、夕凪さんの事になると突っ走ってしまうので気を付けて下さいね~?トモちんみたいになってましたよー?」

 

「ぅ…ごめんなさい」

 

 

結局、リサちゃんのバイトが終わるまで事務所で休憩させて貰い少しだけどお手伝いもして来た。今回は偶然店長さんが銀行に言って居るタイミングだったらしく私達が引く勢いで謝られた。今は三人で帰ってるのだけど…どうやら私の手首を男性が掴んだタイミングでリサちゃんは防犯用のさすまたで男性を殴ろうとしてたみたいで…

 

 

「暴力は最終手段ですよー」

 

「気を付けます…」

 

「でもー。あたしも気持ちは分かりますので~大丈夫です」

 

 

そう言って掴まれた右手首を優しく撫でて来るモカちゃんを見れば見た事が無い位に心配そうに見つめられて驚いちゃった

 

 

「ふふ、二人ともありがと…♪」

 

「ううん、このぐらい当然だよっ」

 

「あたしは頑張ったのでー。ご褒美欲しいー」

 

「ちょっと、モカ?」

 

「リサさんもご褒美貰いましょーよー?」

 

 

ご褒美を強請るモカちゃんを止めようとするリサちゃんとそのリサちゃんを引き込もうとするモカちゃん。確かにお礼はしたいと思ってたし…

 

 

「何が良いのー?やまぶきベーカリーのメロンパン?」

 

「いえいえ~。それも魅力的ですが…夕凪さんをぎゅーってさせて下さーい」

 

「むむ…なら、アタシもー…♪」

 

「ふぇ?それだけでいいのー?」

 

 

モカちゃんの提案に首を傾げてる間にむぎゅり…と左右から抱き締められる。当然歩けなくなるので立ち止まって二人を優しく撫でると少しだけ力強まった気がした

 

 

「ふぁ…満足で~す」

 

「外でするのは少し恥ずかしいねー…」

 

「なら、今じゃなくてもよかったのに…」

 

「今だから良いんですよ~。…家だと普段からしてるのかぁ」

 

 

モカちゃんが難しそうな顔で何か呟いてたけどよく聞き取れなかった…何て言ったんだろう?

 

 

「それじゃ、あたしはこっちなので~」

 

「うん、またねー♪」

 

「今日はありがとー♪」

 

「いえいえ~」

 

 

モカちゃんが居なくなるとリサちゃんが私の手を握って来たので無意識握り返した

 

 

「本当に怪我無くて良かった…」

 

「もう、心配し過ぎだよー?」

 

「お姉ちゃんはケガとか絶対隠すじゃん?」

 

 

そう言われると私は何も言えなくなっちゃう…なら、素直になる方が良いよね?

 

 

「…それじゃ、一緒に寝てくれると嬉しいな。その、怖かったし…」

 

「勿論♪お風呂も一緒に入るからねー☆」

 

「それは恥ずかしいよ!?」

 

 

あはは☆と笑って誤魔化すリサちゃんだけどしっかりと一緒に入る事になったよ…もうっ




リサ=ギャルは表向き
モカ=実は狙ってる
夕凪=音楽はやっていない


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番外編  リクエスト
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