氷川さん所のゆるふわなお姉ちゃん   作:雪月-dox-

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番外編:宇田川三姉妹

「くぅぅぅぅ!!お姉ーちゃん強過ぎ!」

 

「あはは…何だかごめんね?」

 

「惜しかったなー、あこ」

 

 

コントローラーを両手で高く上げ乍ら私に寄り掛かって来るあこちゃんを抱き止めては苦笑いし乍ら撫でるとぷくぅ…と頬を膨らませられちゃった。今やっていたのは有名な兄弟ゲーム、私の使っていた怪盗の様な衣装を着た青年が勝利の決めポーズで赤い手袋を嵌め直していて、あこちゃんのメインキャラクターで銀髪の長髪で長い刀を持ったキャラクターが拍手しており、その隣では巴ちゃんのメインキャラクターで巨大なハンマーを持った大きなペンギンも映っていた。因みに順位は私が1位で巴ちゃんが2位あこちゃんが3位

 

 

「にしても、姉貴もあの状況でスマッシュ迄持って行けるってどれだけ練習したんだ?」

 

「ん-…ネット対戦で武者修行?」

 

「ネットの人達って皆強い人ー?」

 

「うん、私の居るランクだと世界大会とかに出てる人も居るんじゃないかな?」

 

 

『えぇ…!?』と二人揃って声を上げて驚く巴ちゃんとあこちゃん。うん、私もずっと潜っていたら辿り着いたからそうなるよね…

 

 

「ふふ…闇の魔王は何度倒されても蘇るのだ…」

 

「あこ、VSNPCになってるぞ?」

 

 

そう言い乍ら素早く対戦ルールを変えるあこちゃん。最高レベルの悪魔化する格闘家3人を頑張って倒す所から始まった

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「あぁ~…疲れた。アタシ飲み物取って来るよ。二人共お茶良いか?」

 

「うん、ありがと。巴ちゃん♪」

 

「ありがと~…!ゆ、指が痛い…」

 

 

ぐったりしたあこちゃんを撫で乍らゲームを終了するとホーム画面がテレビに映った。するとあこちゃんがコントローラーを操作して一つのゲームを表示した

 

 

「お姉ーちゃんっ。これやって!」

 

「ん-?ホラーゲームだけど大丈夫?」

 

「お姉ーちゃんが居るから平気!」

 

 

そう言って持って来たソフトの表紙は大人気シリーズのホラーゲーム。あこちゃんは大丈夫だけど…巴ちゃんは大丈夫かな…?

 

 

「ま、いっか♪うん、私もこのタイトルはやった事ないし…季節的にも丁度良いよね♪」

 

「わーい!」

 

「始めるよー♪」

 

 

膝の上に乗って来るあこちゃんを後ろ抱きし乍らゲームを起動するといかにもな雰囲気なタイトル画面に映ったスタートボタンを押すと不気味なSEが流れてストーリームービーが流れ始める。好奇心はあるけど自分ではやらない判断はある意味間違ってないかも

 

 

「…お姉ーちゃん。この時点で怖い」

 

「え…あはは…大丈夫大丈夫」

 

 

思わず声を漏らしちゃったけど膝に置いているあこちゃんの手が力んでいるから本当に怖いみたい。ムービーは進んでいき双子の姉妹がとある廃村に迷い込み姉が行方不明になってしまった、妹が主人公の様で廃村を探索し乍ら姉を探す事が目的かな?

 

 

「戻ったぞー…いぃ!?あ、姉貴!何やってるんだよ!?」

 

「えっと…ホラーゲーム」

 

「なんで急に!?」

 

 

戻って来た巴ちゃんがテレビを見たと同時にお茶を落としそうになり、慌ててキャッチ。大声で非難する巴ちゃんにあこちゃんがお願いしてやって貰ってると説明すると渋々、本当に渋々私の背中にしがみ付きちょこんっと肩から顔を覗かせ乍ら画面を見始めた

 

 

「巴ちゃん、その距離で叫ぶのだけはやめてね?抱き着いても背中に顔を埋めても良いから。じゃないと私の耳が聞こえなくなっちゃう…」

 

「だ、大丈夫!多分…」

 

「お姉ーちゃん、早く続き見たい!」

 

「あこぉ…アタシが泣くから急かすなー…」

 

 

既に涙声の巴ちゃんには申し訳ないけど私も続けたいので探索を再開する。早速出て来そうな書斎に入るとイベントシーンが流れ始める、背後で息を呑む都が聞こえたので片手で巴ちゃんの手を軽く握るとがっしりと握り返して来た

 

 

「ひっ…!?」

 

「あぅ…!?」

 

「わー…悪霊かな?」

 

 

少女が書斎で見つけたこの廃村の昔の儀式についての資料を呼んでいると背後から男性の霊が迫って来る。咄嗟に落ちていた不思議な形をしたカメラが発光すると霊がひるむのを見た少女はカメラを構えた。逃走じゃなく対抗手段で戦わないといけないみたい

 

 

「あ、姉貴ストップ!ストップ!!」

 

「お姉ーちゃん!来てる来てる!?」

 

「あはは…チュートリアルだから大丈夫だよ♪」

 

 

チュートリアルの指示に従ってクリティカルエリアまで霊が接近して来るのを待ち画面いっぱいに顔が表示された所でシャッターを切ると悲鳴上げながら霊は消えて行った

 

 

「…怖い…怖い…」

 

「お姉ーちゃんが強い…」

 

「と、巴ちゃん?お願いだから泣かないでね!?」

 

 

そんなこんなでチュートリアルを終えて本格的な探索が始まった、ストーリーで重要なテキストを集めランダムで登場する浮遊霊に巴ちゃんとあこちゃんが悲鳴を上げたり。アイテムに手を伸ばす時に捕まれる演出ではあこちゃんの頭が顎を掠めて冷や汗を流したりと…色々あったけど最後の方になると

 

 

「姉貴!後ろに映ったぞ!」

 

「お姉ーちゃん!右の窓!」

 

「二人共浮遊霊を見つけるの上手だね?」

 

 

こんな感じでメイン操作探索と戦闘、浮遊霊探索班に分かれた

 

 

「いやぁ…最初は怖かったんだけど…姉貴がバシバシ除霊して行くから怖くなくなって来てさ。それに何て言うか、話は面白いし…助かって欲しいな」

 

「あこも!お姉ちゃん見つけて帰って欲しい!」

 

 

すっかりこのゲームの魅力に嵌ってしまい。一気にクリアまで駆け抜ける事に…最後は三人して涙を拭きながらエンディングを見て

 

 

「ぐず…続編で見つけられると良いな」

 

「うん…あこ、絶対お姉ちゃん達と仲良くする…」

 

「良い話だったね…私もずっと一緒に居たいな」

 

 

ちょっぴり暗い雰囲気になったけど続編をその場で購入しようとすると巴ちゃんに全力で止められた。むむ…後でこっそり買っておこう、やる時はAfterglowとRoseliaの皆にも声を掛けてみようかな?…誰も来ない気がするけど

 

 

「って、もうこんな時間か。今日は二人とも帰りは遅いって言ってたしなぁ…」

 

「それなら何処かに食べに行く?私の奢りで」

 

「え!いいのー!?」

 

「うん、大丈夫だよー♪何が食べたいか相談してね?」

 

 

うーんっと、首を傾げる二人に頬を緩めては出掛ける準備をする。お互いに譲り合っちゃいそうだなーなんて思っていると

 

 

「姉貴ー、アタシとあこだと決まらないから姉貴の食べたい物で決めないかー?」

 

「お姉ちゃん達が行きたいお店であこは良いよー!」

 

「ふふ、やっぱり決まらない?」

 

 

頭を掻き乍ら部屋に入って来る巴ちゃん達を見ては私も考える。それじゃ…

 

 

「最近出来たラーメン屋にいこっか♪帰りにコンビニに寄ってデザートでも買って帰ろ?」

 

「うぇ!?そ、そんなに使って大丈夫なのか?」

 

「大丈夫だよー♪」

 

「あこ、働ける様になったらお姉ーちゃんに恩返しする!」

 

「そんなに気にしなくても良いのにー」

 

「姉貴、ありがとな」

 

 

『へへ…♪』とはにかみ乍ら笑う巴ちゃんと右腕に抱き着いて来るあこちゃんを連れて外に出ると、丁度真っ赤に染まる夕日が地平線に消えて行くのが見える

 

 

「あ、二人のライブはいつ?同じ日だったりするの?」

 

「確かアタシ達はこの日だけど。あこは?」

 

「えっと、あ!あこもこの日だよ!」

 

「了ー解♪」

 

 

わいわいと話しながら夕日が照らす道を歩いて行く、何の変哲もない日常だけど大切な思い出の1ページ

 

 

「嬉しいけどちょっとだけ暑いからクーラー強めても良い?」

 

 

その日の夜、私の部屋に突撃して来た二人に抱き着かれながら寝ましたとさ




夕凪=ヒント(珈琲とカレーが美味しい喫茶店)
あこ=ヒント(思い出の中でじっと出来ない方)
巴=ヒント(ハンマーととげとげボールに注意)

後日=宇田川家で多数の悲鳴が響いた


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