氷川さん所のゆるふわなお姉ちゃん   作:雪月-dox-

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個別エンド(成人後)で読みたいのは?
(17) 紗夜  1
(10) 日菜  5
(15) 友希那 2
(15) リサ  3
(14) 燐子  4

※アンケート回


番外編:翡翠色の輝き(紗夜End)

激しい雨が降る中、私はマンションの一室に駆け込んだ。玄関に入ると同時に服に着いた雨水を手で払い悴んだ指を吐息で温める。その後に長い髪を軽く絞る様に握るとポタポタ…と雨水が垂れて床を濡らした

 

 

「はぁ…この時期の雨はしんどいわね…」

 

 

11月の大雨に振られて全身ずぶ濡れだ。取り合えず温かいシャワーを浴びて大学のレポートを済ませないと…Roseliaの練習は今日はありませんでしたよね?そう考えていると背後からドアが開く音が聞こえた

 

 

「ぅー…急に降るなんて聞いてないよー…くしゅんっ」

 

()()!?」

 

「あれ?()()?ふふ、ずぶ濡れだねー♪」

 

 

帰る時間が少しだけズレた夕凪が帰って来たみたいね。くしゃみをし乍らも私を見て頬を緩める夕凪に此方も自然と頬が緩んでしまう

 

 

「えぇ、それよりも早く着替えてしまいましょう。夕凪も風邪を引いてしまうわ」

 

「うん。お風呂沸かして来るから先に行ってて」

 

「いえ、私がやって置きますから。夕凪は着替えて下さい」

 

「ん-?ありがと…♪」

 

 

そう言って浴室に向かおうとする夕凪を手で制しては先に着替える様に促すとバスタオルを片手に寝室へと向かって行った。…相変わらず自分の事は後にするんですから

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「寒いね…」

 

「えぇ…暖房が効くまでは仕方ないわね」

 

 

着替えを終えてリビングに向かうとふるふると身体を震わせ乍らソファーに座る夕凪がいた。暖房が点いていなかった為室温はかなり低い。取り合えず私も寒いですし…そう考えては夕凪の隣に座り、ぎゅぅ…と抱き締める。驚いた様に私を見上げる彼女を抱き締めたまま微笑むとそっと、擦り付いて来る

 

 

「冷たくない?」

 

「大丈夫よ。寧ろ、冷たいなら猶更抱き締めないと」

 

「えへへ…♪」

 

 

高校を卒業して既に2年経過している。私達Roseliaは正式にTritehederaの一員となり音楽活動に留まらずラジオやテレビ等に出演する事も珍しくない、大学に通いながらの活動の為毎日が多忙…だけど、恐らく私達の中でも一番忙しいのは恐らく夕凪だと思うわ…

 

 

「しっかり寝れているの?」

 

「ん-?どうして?」

 

「…リサさんから『夕凪のメイクが何時もより濃い時は隈を隠している』と言われたので、何時もより濃いですから」

 

「り、リサちゃん…紗夜に教えたんだ」

 

「それで、どうなの?」

 

 

えへぇ…と誤魔化す様に笑い私の胸に顔を埋めようとする夕凪を少しだけ強く抱き締めると『あぅ、徹夜続きです』と答えてくれた

 

 

「全く…レポートは残ってる?」

 

「うん…1つ…2つ程…」

 

「私がやって置きますから。少し休みなさい」

 

 

『ぅー、それは流石に私のレポートだし…』と渋る夕凪の頬をぷにぷにと触っていると降参してくれた。安心して下さい、貴女のレポートの癖は私が一番理解しています。つまり、本人が書いた様なレポートを書く事が出来ます

 

 

「すんすん…はふ~♪」

 

「…あんまり擦り付かれると色々と我慢できなくなってしまうから止めなさい?」

 

「え~…私は何時でも良いんだけどなぁ…ふふ♡」

 

 

そう言う問題じゃないんです。最初は立場が逆だったのに…いえ、これはこれで良いんですが…。…回数が多くてですね、私もノリノリになってしまうので我慢する時はしないと…私だって血が滲む思いをして我慢しているんです。夕凪のおねだりだけでポテトを一週間我慢出来るぐらい可愛いです

 

 

「紗夜~?どうしたの?」

 

「いえ、夕凪の誘惑をどうやって振り切ろうか悩んで居た所です」

 

「ふふ…そっか♪…よし、元気になったから何か飲み物を用意して来るね?」

 

「分かりました」

 

 

そう言って私から離れて行く夕凪の体温が少しだけ名残惜しく感じつつ小さく頷く。夕凪を待って居る間にPCの電源を入れてNFOを起動する。通話アプリには皆さんログインはしてますが会話はしていない様子…取り敢えず何時もの場所に誰かが来たら私も入りましょうか

 

 

「淹れて来たよー♪」

 

「ありがとうございます。…相変わらず美味しいですね」

 

 

受け取ったカップに口を付けては香ばしい珈琲を楽しむ。舌の上で転がせば苦みが広がり飲み込むだけで熱が身体に広がって行く

 

 

「ふふ…♪マスターさんに感謝しないとね」

 

「えぇ…まだまだ現役ですから暇を見つけて皆で顔を見せに来ましょうか?」

 

「うん、喜ぶよ♪」

 

 

知り合ってから4年経った今でもあの喫茶店は時々利用している。最近は行けていないので行きたいですし

 

 

「お風呂も沸いてたけどどうするー?クエストを何個かやってからにする?」

 

「…そうね。まだ誰も来てませんから先に入ってしまいましょうか」

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「…お互いに譲り合った結果こうなるのね」

 

「紗夜が譲るから仕方ない仕方ない♪」

 

 

そう言うと頬を染めたまま恨めしそうに私を見る紗夜をくすくすと笑う。視線が顔じゃないぞー?

 

 

「大学はどうですか?」

 

「ん?紗夜も日菜も居て、毎日楽しいよ?」

 

「その…何か言われたり…」

 

「それこそ今更だよ♪仲の良い姉妹か、変な人扱いだから大丈夫。何も言われたりしないよー?」

 

 

そう言って紗夜の頬を撫でると心配げな表情で見つめて来るので優しく微笑んで

 

 

「私が選んだ事だから、紗夜を巻き込んでごめんね?」

 

「そんな事ないわ。…私から夕凪に言ったのだから」

 

 

頬を撫でる私の手に手を重ねて優しく握って来る紗夜を見つめる。姉妹で恋人…そんないびつな関係、普通の人なら口々に心無い言葉を言う様な関係…だけど、私はそれでいいと思っている。だって、この関係を認めて応援してくれる人が確かに存在しているから。他の人の言葉なんて全く気にならない

 

 

「応援してくれる人も居るし、紗夜も居るから。平気だよー♪」

 

「…本当に強いね。お姉ちゃん」

 

「あ、久しぶり呼んでくれたー♪」

 

「あえて言わない様にしているんです」

 

「私はどっちでもいいんだよー?」

 

「その、私の気分的な問題なので…」

 

 

そう言って頬を染める紗夜に首を傾げる。そう言えば燐子ちゃんの持ってる薄い本にもそう言うの多いよね

 

 

「…身体流しましょうか?」

 

「良いの?お願いしようかなっ」

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「むぅ…」

 

「どうしたんですか?」

 

「ん-ん、何も無かったなぁーって?」

 

「そう言って一回した時に二人揃って風邪を引いたんですから我慢して下さい」

 

 

お風呂から上がって髪を乾かしていると紗夜に少しだけむくれて見せると額をつつかれてしまった。確かに割りと酷い風邪を引いてしまったので何も言えない

 

 

「あ、NFOは先にやってていいよー。夕飯の下準備しちゃうね?」

 

「私も手伝いますよ。あこさんもまだ来てないようですし」

 

 

二人でキッチンに立ち手際良く下準備を済ませて行く。高校2年の時と比べると料理の腕もずいぶん上がったよね。お互いに、変わったと言えば紗夜の身長も日菜の身長も更に伸びて…何と!私の身長も伸びたんだー♪155に届いたよ!…紗夜は更に5㎝程伸びたけど…

 

 

「どうかしましたか?」

 

「巴ちゃんとレイアちゃん、瑠唯ちゃんから少しづつ身長を貰えないかな…」

 

「止めて下さい。目が本気ですよ?」

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「って、事があってねー。あ、やっほー☆夕凪、紗夜♪」

 

「えぇ…!?あ、こんばんは!夕凪さん、紗夜さん!」

 

 

下準備を済ませて通話に参加するとリサちゃんとあこちゃんが先にお話してたみたい。リサちゃんはNFOを少しだけやってる感じで大体はお話をしに来てるの

 

 

「こんばんは、二人共」

 

「やっほー♪今日も寒いね…」

 

「だねー…友希那何て炬燵から出て来ないんだよー?」

 

『ちょっと、何でいきなり私の話しから始めるのよ』

 

「あ、起きてた」

 

 

実はRoseliaメンバー全員このマンションに住んでいたりする。Tritehederaで借りているので社宅?社員寮?の様な感じ。ピコンっと通話に参加するSE流れたので参加者を見れば友希那ちゃんがスマートフォンで入って来たみたい

 

 

「やっほー♪」

 

「えぇ、こんばんは」

 

「スマートフォンで参加ですか…?」

 

「…この魔力からは逃れられないの」

 

「あこの真似してもダメだぞー?」

 

 

あ、炬燵に入ったままなんだね。確かに不思議な魔力が込められるよね

 

 

「取り合えず、時間も有限ですから今日はこれとこれを…」

 

「こんばんは…あ、このクエストは…」

 

 

紗夜ちゃんが進めたいクエストの情報をチャットに貼っていると燐子ちゃんも参加して来た。今もあまり変わらずにこうして居られるのは嬉しいよね

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「…んっ…」

 

「はふ…」

 

 

深夜の寛ぎ時間。テレビに映る日菜とパスパレの皆を見ていると不意に背後から抱き締められ、ちょっとびっくり何時もの様に身体を預ける様に寄り掛かり顔を向けると柔らかな感触が唇を塞ぎ湿った物が入り込んで来る。暫くそのままで漸く離れた頃には二人揃って息を荒げながら見つめていた

 

 

「寝ましょうか」

 

「うん…♪」

 

 

そう言って私を抱いたまま立ち上がる紗夜に擦り付いて大人しくしているとベッドに乗せられる。隣に来た紗夜の方を見ると私の手を握りジッと見つめられて首を傾げてしまう

 

 

「私はこの手を離しません。どんな事があっても絶対に放しません…今度は私が貴女を守ります」

 

 

不意な紗夜の言葉に思わず視界が歪んで行く。ぎゅっと、目を閉じると溢れる雫が頬を伝うのが分かる

 

 

「…ありがと、紗夜。…ふふ、だーいすき♪」

 

「もう…急にからかって来るんですから」

 

 

むぎゅうっと紗夜を抱き締めて耳元で囁けばジト目で恥ずかしがる紗夜に擦り付いて行く

 

 

私は貴女を愛している。姉として一人の恋人として…貴女の傍でずっと笑い合って居たいから、是からも頑張って行くよ




紗夜=守られる立場から守る立場に
日菜=一人暮らし,ご近所は彩。二人の姉をずっと応援してる
夕凪=守る立場から守られる立場になる事も


感想及び評価ありがとうございます。誤字報告、大変助かっております。

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活動報告 リクエスト箱
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=295397&uid=311928

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番外編  リクエスト
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=297771&uid=311928
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