氷川さん所のゆるふわなお姉ちゃん   作:雪月-dox-

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※リクエスト回


本編(編集中)
月ノ森の放課後


「あ、夕凪先輩ー」

 

「あれ?ごきげんよう…七深ちゃん♪」

 

「ごきげんよう~」

 

 

授業も終わりバイトも無いのでゆっくりと帰ろうとした時、中等部の校舎に繋がる廊下から声を掛けられて振り向くと淡い桜色の髪が特徴的な女の子、広町七深ちゃんが居た。お互いに挨拶を済ますと同時に左腕に引っ付く七深ちゃんを撫でるとふにゃふにゃに緩んで行く。わしゃわしゃ~♪

 

 

「夕凪先輩ー。ベースが弾けるようになってきましたぁ~…褒めて褒めて~」

 

「ほんと!?いい子いい子♪」

 

「えっへへ~。夕凪先輩、時間があるなら練習に付き合って下さ~い」

 

「「ちょっと待ったー!!」」

 

 

七深ちゃんの提案に頷こうとした瞬間背後から大声が聞こえる。びくっと!跳ねながら振り向けば息を切らし乍ら立っている二人の少女。一人は金色のブロンズヘアが特徴的な桐ヶ谷透子ちゃんとでもう一人は至極色のおさげが特徴的な双葉つくしちゃん

 

 

「ななみ!抜け駆けは禁止だって言ったじゃん!ていうか、ルール破ってる!」

 

「そうですよ!ななみちゃん!取り合えず離れよ?密着し過ぎですよ!」

 

「え~…だって、私まだ参加して無いし。こうやって甘えられるから~」

 

「ぐぬぬ…確かに参加していない…!」

 

「と、言うかですね。夕凪先輩もなんで普通に撫でてるんですか!」

 

「えーっと…何でだろう?…条件反射かな?」

 

 

今の七深ちゃんは日菜ちゃんが普段やってる事だから無意識に撫でちゃうのかも

 

 

「はふ…満足したので離れますね~」

 

「ふふ、何時でもおいでー♪二人も私に用事?」

 

 

満足気に離れて行く七深ちゃんを恨めし気に睨む二人に声を掛けると透子ちゃんが身を乗り出して

 

 

「夕凪先輩に服の試着をお願いしたいですよ!絶対可愛いので!」

 

「服…?」

 

「はい!夕凪先輩用の服です!」

 

「わ、私用なんだね…」

 

 

ちょっとだけ気になって持っている紙袋に視線を向けると透子ちゃんが自慢げに胸を張った後に

 

 

「でも、試着するまで秘密でーす!なので、これから私の家に行きましょう!今、すぐ!」

 

「つーちゃん。とーこちゃんが夕凪先輩を連れ込もうとしてるよー?」

 

「だっっめに決まってるじゃないですか!」

 

「ミクロンミクロン♪気にしない気にしない!」

 

「小さな事じゃないんです!大事ですから!」

 

「そーだよ。夕凪先輩に練習を手伝って貰うんだからー」

 

 

騒がしく話し合ってる彼女達にほっこりし乍ら眺めて居ると不意に手に違和感を感じ見てみると持っていたはずの鞄が無くなっている、あれ?っと思い顔を上げれば

 

 

「CiRCLEなら衣装の試着もベースの練習もできます。私は夕凪先輩と演奏したいので早く行きましょう。時間は有限ですし、夕凪先輩を遅い時間に帰す訳にはいきません」

 

 

鞄の行方を目で追っていると中学生には見えない大人っぽい雰囲気を漂わせる長身のショートヘアの女性、八潮瑠唯ちゃんの手に握られていた。ついでに言えば私の背中に手が回されておりエスコートされる様に身体も歩き出してる

 

 

「瑠唯ちゃん、鞄は…」

 

「CiRCLEまで持たせて下さい。広町さんの用事に便乗する形ですから」

 

「ちょ、ちょっと待ってよー!?あたしも行くって!」

 

「う~、…二人っきりの時間が…」

 

「わ、私も行きますよ!…CiRCLEって何処なんでしょう」

 

「えーっと…スタジオは丁度空いてるみたいっ」

 

 

瑠唯ちゃんの手が背中に添えられたまま校門に向けて歩きつつスマートフォンでまりなさんに連絡を取ると空いてるスタジオがあるので15分後に入る予約をしておいた

 

 

「る、瑠唯ちゃんっ!流石に校外だと恥ずかしいから手を離してほしいな」

 

「…・。……わかりました」

 

 

無表情のまま長い間を置いた後に手を背中から離す瑠唯ちゃんに一安心、ありがとー♪って言えば視線を逸らされたけど不機嫌にはなって無いから大丈夫、だと思う

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「突然すみません、まりなさん」

 

「いいよー。でも、タイミングばっちし!最近はガールズバンドが注目されててさスタジオが埋まる事多いんだよねー」

 

 

まりなさんと軽い話を済ませては皆には先に3番スタジオに向かって貰った。裏の調理室に入ってはマグカップを5個用意しサイフォンを使って珈琲を淹れる、淹れ方は喫茶店のマスター直伝でマスターを唸らせるほどに迄2年で成長したんだ

 

 

「お待たせー、珈琲淹れたから良かったら飲んでね」

 

 

飲食可能なスタジオに入れば七深ちゃんと瑠唯ちゃんが演奏の準備をしていて、その様子を眺めてるつくしちゃん。奥のカーテンからは透子ちゃんが顔を出していた

 

 

「わーい。頂きまーす」

 

「ありがとうございます。夕凪先輩!」

 

「あ、美味しい…」

 

「飲むの早いですね…ありがとうございます。代金は大丈夫なんですか?」

 

「私の奢りだから大丈夫だよー♪あ、お砂糖とミルクはここに置いて置くね?」

 

 

初めて振舞ったけど美味しいって言って貰えてよかった…後でマスターにはお礼を言っておこっと

 

 

「あ、夕凪先輩!先に衣装を着て貰っていいですか?」

 

「とーこちゃん、顔がわくわくしてるー」

 

「最っ高に良いの持って来たからね!文芸祭にも使えるしー」

 

「ねぇ、るいさん。夕凪先輩用って言ってませんでした?」

 

「ミクロンミクロン♪」

 

「便利な言葉ですね。小さない事は気にしない」

 

 

一息つき終えると透子ちゃんに手を引かれてカーテンの裏側にそしてそこにあった、衣装は…え、えーっと…これ着るの…?

 

 

「ね、ねぇ…透子ちゃん。これ、着ないとだめ?」

 

「勿論です!きつかったりしたら言ってください!」

 

「…文芸祭に使う時はもう少し大人しい方が良いと思うよ…?」

 

 

仕方ないなぁ…と苦笑いし乍ら衣装を手に取り身に着けて行く。一言で言えば黒いゴス風ドレスだった。後姿はタキシードに似たテールシャツになっててスカートは二重、一枚目はメッシュで二枚目はしっかりとした灰色のスカート、腰の右側にはフリフリの飾りも付いてる…あこさんとか喜びそう?

 

 

「可愛い…あ、これも付けて下さい」

 

「え?うん…?」

 

 

渡された猫耳付きのカチューシャを付けてはいつの間にか用意されていた姿見鏡を見つめる。…コスプレ?でも、可愛い衣装なのは確かだしきっと良い生地とか使ってるんだと思う

 

 

「じゃーん!似合うっしょ!」

 

「「「!?」」」

 

「ど、どうかな?」

 

 

調整を隠した後に透子ちゃんがカーテンを開ければ一斉に視線が集まる。皆の反応は無言…だけど、驚いてたり目を見開いてるのが分かる

 

 

「…似合ってますよ夕凪先輩とても可愛いらしいです。…ですが、桐ヶ谷さんにはお話があります」

 

「でしょーでしょー!めっちゃ可愛い…あれ?ルイなんか怒ってる?」

 

「当たり前です、これを文芸祭に出すのは無理があります。と言うより、私は着ません」

 

 

バイオリンをケースに仕舞い、静かにゆっくりと透子ちゃんに近付いて行く瑠唯ちゃん

 

 

「え?あ、大丈夫!だって…」

 

「文芸祭には使わないと言うのであれば先輩を騙したとしてやはりお話です」

 

「いた!?いたたた!?」

 

 

肩をがっしりと掴まれ引きずられて行く透子ちゃんを私達三人は見送った

 

 

「えっと…取り合えず、七深ちゃんの練習から始めよっか♪」

 

「はーい!…着替えないんですか?」

 

「悪い気はしないから少しだけこのままでいようかって」

 

「夕凪先輩、優し過ぎるって言われたりしませんか?」

 

「ん-…どうだろう?」

 

 

コスプレみたいと思ったけど、ライブ衣装にも見えるし…折角のご厚意だから貰っちゃおうかな?後…七深ちゃんとつくしちゃんにずっと見られてて落ち付かなかった

 

 

♪♬♫♫♬♪♬♫♫♬♪

 

 

「ここを抑えてこうやって動かすと」

 

「わぁ…良い音ですね」

 

 

つくしちゃんを観客に私と七深ちゃんで音を聞かせたり曲を短く演奏したりと楽しい時間が過ぎて行く、途中から帰って来た瑠唯ちゃんも交えて軽く演奏したりして、透子ちゃんはぐったりしたままソファーで横なってるけど

 

 

「今日はこのぐらいにしよっか」

 

「はーい。ありがとうございました、夕凪先輩」

 

「一度は投げ出した物ですが…やはり悪くないですね」

 

「ふふ、よかった♪」

 

 

満足気な二人に微笑みつつ七深ちゃんの指を見る。ずっと気になってた事があって…

 

 

「七海ちゃん、そこの椅子に座ってて。道具取って来るから」

 

 

そうお願いしてスタジオを出れば受付の裏へ向かう、書類と楽器用品で少し散らかってる机の引き出しを開けては目当ての物を探す。確か、この辺に常備してたはず…あ、あった…♪一つの入れ物を抱えて急ぎ足でスタジオに戻り七深ちゃんの近くに椅子を持って行く

 

 

「あ、お帰りなさーい」

 

「お待たせ、両手を出してね」

 

「こうですか~?」

 

「うん、そのままじっとしてて」

 

 

ケースを開けてはネイルニッパーを取り出し小さなひび割れを広げない様に慎重にカットして行く。まだ、軽度のひび割れだけど念の為に浸透修復液を塗ってっと

 

 

「はい、終わりだよ。練習は大事だけど、爪を壊さない様にピックで弾くのも大事だよ?」

 

「あはは…何でもわかっちゃうんですね~」

 

 

申し訳なさそうにする七深ちゃんを撫でては立ち上がり、道具を片付ける

 

 

「ネイルケアも出来たんですね」

 

「うん、綺麗な爪が頑張り過ぎでボロボロになっちゃうのは悲しいから、出来るようにしたんだ」

 

 

隣で作業を見て居た瑠唯ちゃんに『瑠唯ちゃんの爪も見ようか?』と聞けば少し迷った後に首を横に振った

 

 

「今は大丈夫です。…落ち着いている時にお願いします」

 

「ふふ、はーい」

 

「むぅ…あ、夕凪先輩。衣装をそろそろ脱ぎましょう!」

 

 

何やら不満げなつくしちゃんに引っ張られる様に再びカーテン裏へ、手伝って貰いながら衣装を着替えたんだけどつくしちゃんの視線が怖かった…でも、機嫌が直ったから良いのかな?代わりに七深ちゃんと瑠唯ちゃんが何か言いたそうにつくしちゃんを見てたけど




七深=大好きな先輩。素を出してる
瑠唯=演奏に強く惹かれた、二人っきりになると…
透子=めっちゃ可愛いとめっちゃ綺麗が歩いてたから着せ替えして喜んでる
つくし=空回り抑制剤
夕凪=中等部の可愛い後輩達
友希那=勧誘しに来たら黒猫の天使に遭遇した


感想及び評価ありがとうございます。誤字報告、大変助かっております。

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