僕のヒーローアカデミア~諦めから始まる物語~   作:キョンP

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 ようやく原作コミック2巻の位置まで来ましたね。まだまだ先は長いwいよいよ出久と勝己が戦います。視点がいろいろ変わって読みにくくなるかもしれませんが、よろしくお願い致します。


第8話① 戦闘訓練!!(前編)

「わーたーしーがー!! 普通にドアから来た!!!」

 

 午前中の普通の授業、昼休みをこなしてヒーロー科の生徒が待ちに待った、ヒーロー基礎学。

 担当教師の1人は就任が発表されてからあらゆるところで話題となったNo.1ヒーロー、オールマイト。出久以外の1ーA生徒も期待を胸に授業の始まりを楽しみにしていた。

 

「オールマイトだ……!! すげえや、本当に先生やってるんだな……!!!」

銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームだ……!画風が違いすぎて鳥肌が……」

「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う課目だ!! 単位数も最も多いぞ!」

 

 オールマイトが教室に入ってきてと生徒達も一気に色めき立つ。教壇に立つオールマイトも初めての授業ということで力が入っているように見える。

 

「早速だが、今日はコレ!! 戦闘訓練!!!」

「戦闘……!」「訓練……!」

 

 その言葉に教室のボルテージがさらに高まり、またそれに連鎖するようにオールマイトの説明にも熱が入る。

 

「そしてそいつに伴って……こちら!!!」

 

 オールマイトがスイッチを押すと、教室の壁から駆動音を立てながら何かがゆっくりと出てくる。動きが収まるとそこには4列の棚が並んでおり、一つの棚に5つのケース、合計で20ケースが収納されていた。

 

「入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた……戦闘服(コスチューム)!!!」

「おおお!!!!」

 

 1ーA生徒全員の歓声が上がる。自分の個性に合わせてイメージし、考えたコスチューム。それを着てこれから授業を行うということに自分が一歩ヒーローに近づいた実感が湧いてくる。

 

「着替えたら順次、グラウンド・β(ベータ)に集まるんだ!!」

「はーい!!!」

 

 元気よく返事をして、1人づつ自分の出席番号と同じケースを受け取っていく。

 

「全く、みんなはしゃいじゃって……。まあ、気持ちはわかる! それに格好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!! 自覚するのだ!!!! 今日から自分は……ヒーローなんだと!!」

 

 オールマイトの言葉にクラス一同が頷き、急いで更衣室へ向かっていった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:Izuku

 

「着替えるのに時間かかっちゃった、皆早いなあ」

 更衣室から小走りでグラウンド・βに向かうと僕が最後だったようで、オールマイトの前に1ーA生徒20人が整列した。

 

「さあ!! 始めようか、有精卵共!! 戦闘訓練のお時間だ!!!」

 

 その言葉に全員の表情が引き締まる。

 そうだ。僕たちはまだヒーローじゃない、ヒーローの卵なんだ!これから孵化して、しっかり成長していかなくちゃ!

 

 それにしても……、みんなのコスチュームかっこいいなあ……!それぞれ自分の個性を最大限に活かせる仕様になっているのがわかる。僕のコスチュームは……。

 

 

 

「出久、あのね! 入学祝い! 早とちりかもしれないけど……」

 

 お母さんが買ってきてくれたジャンプスーツ。

 

「お母さんね、酷い事を言ってしまったって……ずっと引っ掛かっていたの」

 

 手に持ったジャンプスーツに顔を寄せて、懺悔するようにお母さんが呟く。

 

()()()、私は諦めちゃった……。なのに出久は諦めないで夢を追い続けてたんだよね」

 

 ……それは違うよ、お母さん。僕も一度は諦めちゃったんだ……。でも、僕を信じてくれる人がいたから、ヒーローになれるって言ってくれる人がいたからもう一度頑張ろうって立ち上がることができたんだよ……。

 

「ごめんね出久。これからは手放し全力で応援するからね!!!」

 

 

 

 母の気持ちだ、これを着ずして何を着る!? 便利じゃなくたっていい。最新鋭じゃなくたっていい。これが僕のコスチューム!!!

 

「あ、デクちゃん!? かっこいいね!! 地に足ついた感じ!」

「麗日さ……あわわ……!!」

「要望ちゃんと書けばよかったよ……。パツパツスーツんなった、恥ずかしい……」

 

 麗日さんのコスチューム、あんなに身体のラインが出ちゃって! でも、よく見ると他の女の子たちもなかなかすごいことになってる! 耳郎さんはどこかロッカーを彷彿とさせてかっこいいし、芦戸さんはピンクと黒のマーブル柄、っていうのかな? かっこよさと可愛さが同居している感じ。ここまではまだ大丈夫で、蛙吹さんは大きなゴーグルがトレードマークで、でも麗日さんに負けず劣らずのピチピチなスーツ……。八百万さんは、……その、ハイレグ水着に腰ベルトみたいなスーツで、プロポーションも相まっていろいろ凄い! 葉隠さんなんて手袋とブーツだけなんて、透明人間じゃなきゃ逮捕されててもおかしくないよ!!

 

「ヒーロー科最高!」

「ええ!?」

 

 髪型が特徴的な峰田君がそんな不埒なことを言ってた……。

 

「良いじゃないか皆、カッコイイぜ!!」

 

 オールマイトが全員を見渡してそんな言葉をかける。あれ? なんか僕を見て笑ってるような?

 

「先生! ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか!?」

 

 ああ、誰かと思ったら飯田君だったんだ……。なんだかメカメカしくてカッコイイ!

 

「いいや! もう二歩先に踏み込む! 屋内での()()()()訓練さ!!」

 

 そう言って、オールマイトが授業の説明を行う。敵退治は屋外のイメージが強いけど、統計的には屋内の方が凶悪敵出現率が高いらしい。今回は生徒を『敵組』と『ヒーロー組』に分けて2対2の屋内戦をするみたいだ。

 

「基礎訓練もなしに?」

 

 蛙吹さんがもっともな質問をした。僕たちはまだ入学して2日目、初日にまだ個性把握テストしかしていないのにいきなり対人で訓練して大丈夫なのかな?

 

「その基礎を知るための実践さ! ただし、今度はぶっ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだな」

「勝敗のシステムはどうなりますの?」

「ブッ飛ばしてもいいんスか?」

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいでしょうか?」

「このマントヤバくない?」

「んんん〜〜、聖徳太子ィィ!!!」

 

 オールマイトの説明に矢継ぎ早に質問が入る、一部質問とは言えない気がするけど。それを受けてオールマイトが説明を付け加える。やたらアメリカンな設定だったけど、要は屋内に隠してある『核兵器』に見立てた目標を制限時間内に回収するか『敵』を捕まえればヒーローの勝ち、制限時間まで『核兵器』を守るか『ヒーロー』を捕まえれば敵の勝ちになるみたいだ。

 

「ちなみにコンビ及び対戦相手はくじだ!」

「適当なのですか!?」

「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップすることが多いしそういうことじゃないかな……」

「そうか……! 先を見据えた計らい……失礼致しました!」

「いいよ!! 早くやろ!!」

 

 僕の説明に飯田君が大袈裟な反応でオールマイトに謝る。うーん、オーバーリアクションに見えるけど、これが飯田君の素の反応なんだろうな……。

 

 なんだかんだで説明を一通り終えて、くじ引きによるペア決めが行われた。僕はAのくじだったけど、ペアは誰かな?

 

「わ! すごい! 縁があるね! よろしくね!」

「こ、こちらこそよろしく!」

 

 麗日さんと一緒か。彼女の個性『無重力(ゼログラビティ)』は移動にも敵の拘束にも使える強力な個性だ。僕の方はまだまだコントロールが甘いけど、彼女の個性と上手く組み合わせられれば……。

 

「ペアは決まったかな? それじゃあ、続いて最初の対戦相手はこいつらだ!! ……Aコンビが『ヒーロー』!! Dコンビが『敵』だ!!」

 

 え? 今Dコンビって言った? Dって確か、飯田君と……かっちゃん!?

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:Katsuki

 

 対戦相手がデクだと……?

 

「敵チームは先に入ってセッティングを! 5分後にヒーローチームが潜入でスタートする。他の皆はモニターで観察するぞ!」

 

 オールマイトが訓練の説明を続けるが、俺はどうやってデクに『個性』の秘密を吐かせるか考えていた。この機会を逃す手はない!

 

「飯田少年、爆豪少年は敵の思考をよく学ぶように! これはほぼ実戦! ケガを恐れず思いっきりな! 度が過ぎたら中断するけど……」

 

 説明を終えると、オールマイトは他の奴らを連れて観戦場所の地下へ引き上げていった。

 

「それじゃあ、僕らも準備しよう。緑谷君、麗日君。僕らが入って5分経ったら合図があるから、それから訓練スタートだ。お互い頑張ろう! 行くぞ爆豪君!」

「うん、頑張ろうね」

「初の訓練、張り切っちゃうよ!」

 

 クソメガネや丸顔がなんか言ってるが、あいつらのことはどうでもいい。

 

「おいデク」

「え? な、なにかっちゃん。」

「この訓練、俺が勝ったらてめぇの『個性』について教えろ、洗いざらい全てな」

「ええ!?」

「てめぇが勝ったら……、俺は雄英辞めてやるよ」

「ちょっ!? 爆豪君何言ってるの!?」

「爆豪君、授業でそんな賭けをしてはいけない! ましてや君自身の退学を賭けるなんてどうかしてる!」

「うっせぇ! てめぇらの意見なんざ聞いてねえんだよ!」

 

 2人を無視してデクの前に立つ。デクは俺の目を見ながら、必死で考えている様子だった。

 

 ……どうする? どう考える?

 

「……いいよ」

「ちょっとデクちゃん!?」

「正気か緑谷君!? 君には全くメリットは無いし、そもそも賭けをしていいはずがない!」

「でも……、僕が勝ったらかっちゃんが雄英を辞めるってのは嫌だ。君のことは苦手だけど、雄英を辞めて欲しいなんて思っていないから」

「ああ? てめぇもう俺に勝ったつもりか?」

「そんなんじゃないよ。ただ、つけるなら違う条件にしたいんだ」

「違う条件だあ? 言ってみろよ」

「……僕が勝ったら、僕の言う願いを1つ聞いて欲しい」

「……いいぜ、その条件でやってやるよ!」

 

 生意気にもデクが提案してきやがった。負ける気は全くないが、俺にしても負けた場合のリスクは確かにデカい。正直、この条件は有り難え。

 

「行くぞクソメガネ!」

「な、爆豪君待ちたまえ! 話は終わってないぞ!」

 

 

 速攻でぶっ潰す! 覚悟しろよ、デク!!

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:Izuku

 

「デクちゃん大丈夫!? あんな約束しちゃって!」

「う、うん……。遅かれ早かれこうなると思ってたから……」

「どういうこと?」

 

 麗日さんが小首をかしげる。僕とかっちゃんが幼馴染であることは知ってるけど、それがどんなものかまでは知らない。

 

「僕、小さい頃からかっちゃんと一緒なんだけど、なんでもできるかっちゃんと違って鈍臭くて……。個性もなかなか発現しなくて、実は最近出たばかりなんだ……」

「そうだったの!? そっか、だから調整が上手くいかない時があるんだね……」

 

 麗日さんに一応の理由を説明する。麗日さんは納得してくれたけど、嘘を付くのは心苦しかった。

 

「そんな理由だったら、爆豪君なんであんなに怒ってるんだろ? 条件変えたとは言っても、自分の退学賭けてまで知りたいこととは思えないんだけどなあ……」

「……かっちゃんにとって僕はいつも自分の後ろ、下に位置する『無個性の木偶の坊』だったから、そんな奴が実は個性を持ってて雄英に入学したのが我慢ならなかったんじゃないかと思う……」

「器のちっちゃい男やね!」

「あはは……。でも、凄いんだよ……自信家で口は悪いし怒りっぽいしすぐ手を出すけど。目標も……自信も……体力も……『個性』も僕なんかより何倍も凄いんだ。でも……」

 

 小さい頃から小学校、中学校、そして雄英高校でも同じ時間を過ごすことになったかっちゃん。彼にはずっと負けっぱなしで、かなうことなんて一度もなかったけど!

 

「だから()()、負けたくないな……って!」

「幼馴染のインネンってヤツだね……!?」

「あ、いやゴメン! 麗日さんには関係ないのに……!」

「あるよ! コンビじゃん!! 頑張ろう!」

「!? ありがとう麗日さん!」

 

 チームメイトの麗日さんのためにも、秘密を共有するオールマイトのためにも、絶対勝つ!!

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「よし! 敵チームが入って5分経った! それでは、戦闘訓練スタート!!」

 

 オールマイトの合図で戦闘訓練の一戦目が始まった。モニター室にはオールマイトと出久達4人以外の16人が待機しており、訓練の様子を観察していた。

 

「女子チーム対男子チームの戦いになったな。皆は誰が勝つと思う?」

「やっぱりDチームかな。爆豪の個性ヤバいし、飯田の機動力も凄いからな」

「Aチーム、麗日の無重力はいろいろ使えそうだけど、緑谷の個性、超パワーなのかな? 屋内だとなかなか使いどころが難しそうだね」

「うんうん。皆、いろいろ考えて見るんだぞ! (緑谷少女!! ここではあくまで一生徒。成績はひいき目なしで厳しくつけるからな!!)」

 

モニター内では出久と麗日が一階の窓から潜入するところが映し出されていた。

 




 というわけで前編です!普段より少し短め(それでも5000字w)ですが、戦闘の描写を一つにまとめると大変なのでキリのいいところでまとめました。後編で出久と勝己のバトルが始ります。熱い展開を表現できるよう頑張りますので、応援よろしくお願い致します!
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