僕のヒーローアカデミア~諦めから始まる物語~   作:キョンP

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お待たせしました、幕間です! それでは、どうぞ!


幕間4

Side:Izuku

 

「おつかれっつうことで、明日明後日は休校だ。プロからの指名等をこっちでまとめて休み明けに発表する。ドキドキしながらしっかり休んでおけ」

 

 相澤先生の言葉でHRが終わり、皆が帰り支度を整えていく。僕も左手のみで時間をかけながら帰る準備を進めていると麗日さんに声をかけられた。

 

「デクちゃんお疲れー」

「麗日さんもお疲れ」

「二日休みがあると考えるとだいぶ楽だよね」

「うん、僕はこの怪我だから結局は家で休むことになるけどね」

「結局大怪我したのデクちゃんくらいだったね」

「リカバリーガールにも釘刺されちゃった」

「あはは……でも、実際そうだと思うよ。デクちゃんもっと自分の身体大事にせんと、女の子なんやし!」

「う、うん……以後気をつけます」

「うん、よろしい! それじゃあ、帰ろっか!」

 

 そう言って、僕と麗日さんは帰り支度をし終えて教室を出ようとした。

 

「……待てやクソデク」

 

 呼ばれて振り返るとかっちゃんが仏頂面でこっちを見ていた。

 

「かっちゃん? どうしたの?」

「爆豪君どしたん?」

「……」

「もしかして……また光己さんから?」

「……てめえの試合やその後の格好見て引子さんから泣きながら連絡があったんだとよ……」

 

 目を思いっきり吊り上げてこっちにも聞こえてきそうなくらい歯軋りしてる。……こんなにイライラしてても、昔から光己さんには逆らえないんだよね、かっちゃん……。

 

「あ、あはは……。わかったよ、それj「「ちょっと待ったーーー!!!」」

 

 突然後ろから大きな声がして、振り返ると芦戸さんと葉隠さんが並んで立っていた。

 

「芦戸さん、葉隠さんどうしたの?」

「これから近くのファストフード店かファミレス行って女子だけで軽くお疲れ様会しようって考えてたんだよ!」

「お茶子ちゃんも出久ちゃんも行こ!」

「わあ! それええな! デクちゃん、一緒に「ふっざけんな! 帰る時間が遅くなんだろーが!」

 

 麗日さんを遮るようにかっちゃんが声を荒らげる。僕としてはお疲れ様会に行きたいけど、かっちゃんのいうように帰る時間が遅くなるのはお母さんも心配するからちょっと考えちゃうな……。

 

「別に爆豪が送らなくてもいいんじゃない? 緑谷なら怪我してても大丈夫だろうし……」

「送らなかったら俺がドヤされるんだよ!」

「爆豪、母親には弱いんだね」

「意外と母親想いなのかしら?」

「うっせえ!」

「でも、実際のところこれから行くとして……短く見積もっても6時は過ぎますからそれから帰宅となると、今の緑谷さん1人では確かに心配ですわね……」

「むむむ……」

 

 八百万さんの言葉に発案者の芦戸さんも唸ってしまう。今の僕は右手を包帯で吊り下げて左手も包帯でぐるぐる巻き、おまけに体育祭の疲労と治癒の影響もあって足元も若干おぼつかない。どうしたらいいんだろ……?

 

「そんなの簡単だよ」

 

 葉隠さんに注目が集まり……。

 

「爆豪君も来れば良いんだよ♪」

「……は?」

 

 とんでもないアイデアが提案された。

 

「ああ、なるほど! それならイケるね! 良いでしょ爆豪!」

「言い訳あるか黒目! なんで俺がそんなのに行かなきゃなんねーんだよ!」

「だって、緑谷も参加するから終わった後に爆豪が送らないとお母さんに怒られるんでしょ?」

「ぐっ……!」

「あれ? いつの間にか僕も参加決定しちゃってる?」

「ええやんデクちゃん……。今日まで皆頑張ってたんやから少しくらい羽伸ばそ!」

「というか、そもそも爆豪が送るのは大丈夫なの?」

「それに関しては一応実績あるし……。それに爆豪君、意外とみみっちいし今日優勝してめっちゃ注目されとるからそんな目立つ真似はせんと思うな」

「誰がみみっちいだ丸顔!」

「はいはい、ウダウダ言ってもしょうがないでしょ〜。爆豪の参加けって〜い!」

 

 あれよあれよという間にお疲れ女子会への参加が決定してしまった僕とかっちゃん。いや、僕はともかくかっちゃんも参加するのはなんというか……とっても違和感が半端ないんだけど……。一応お母さんにも連絡入れておかないと……。 

 

「芦戸! 葉隠! 俺達も行っていい? 爆豪は俺達と一緒にいれば良いんじゃん!」

「俺達も今日のこといろいろ話てえから、良いだろ?」

「個人的には爆豪が女子メンバーに混ざってるってのも見てみたいけどな!」

 

 1ーA女子withB(爆豪)という不可思議な集まりが出来ようとしている時に上鳴君、切島君、瀬呂君が新たな提案をしてきた。確かにそれならかっちゃんも女子会に混ざらずに済むよね。

 

「なんで俺がてめえらと一緒になるんだよ!?」

「それじゃあ爆豪、お前女子達と混ざってファミレスとかで仲良くお話しできるのか?」

「ぐっ……!」

「まだ俺達と一緒の方が精神的に楽だと思うぜ〜?」

 

 凄い! あのかっちゃんが言いくるめられようとしてる! 完全に手詰まりだ!

 

「…………クソが! てめえらとっとと終わらせろよ!」

「それはわかんないな〜♪」

「てんめえ……!!!」

「はいはい、早く行かねえと時間がどんどん遅くなっちまうぜ! 他にも行く奴いるか?」

「はーい! オイラも女子会に行きたい!」

「残念だが峰田、女子会はダメなんだわ。大人しく男子会で我慢してくれ」

 

 峰田君以外の男子生徒達は特に参加しないようで、結局ファミレスに行くのは女子7名と男子5名となった。

 

「よーし! それじゃあレッツゴー!」

 

 芦戸さんの号令で僕らは駅近くのファミレスへと向かった。

 

 

 

「それでは、雄英体育祭1年A組女子の健闘を称えて……かんぱ〜い!」

「「「「「「かんぱ〜い!!!!!!」」」」」」

 

 芦戸さんの音頭でお疲れ女子会が開幕した。乾杯と言っても僕らは未成年なのでお酒でするわけじゃなく、ジュースや炭酸飲料だけどそれでもコップを鳴らす音で僕らの気持ちは少しづつ高揚していった。

 

「それにしても、1ーA女子は芦戸、ヤオモモ、麗日、緑谷が決勝トーナメント進出で、芦戸と緑谷がベスト8か……。なかなかすごいことなんじゃない?」

「それを言ったら決勝トーナメント進出者の内訳で16名中12名がA組だったから、そのこと自体が快挙だよね〜」

「私は爆豪におんぶに抱っこだったけどね」

「私も……轟さんに騎馬戦で選んでもらっただけであって、トーナメントではあまり活躍できませんでした……」

「そんなん言ったら私もデクちゃんと一緒のチームだったからトーナメント進出できたんだよ。一回戦で爆豪君に負けちゃったし」

「あれ、会場のブーイングすごかったね。でも、そのおかげでテレビの撮れ高めっちゃ高そう」

「爆豪ちゃんが選手宣誓で悪目立ちしたのも一因でしょうね」

 

 皆、今日のことですごく話が弾んでる。『女子会』なんて言われてちょっと構えちゃったけど、そんな必要なかったかな……。

 

「目立つと言えば、私達の中で一番目立ったのはやっぱり緑谷だよね!」

「え!? 僕?」

 

 急に話が僕に回ってきた。盛り上がる会話を聞くだけでも楽しかったんだけど、自分が話題になるとちょっとドキドキしちゃうな。

 

「なんてたって、障害物競走1位だしね! ウチ、あんたが助走つけてジャンプするとこ見たけど、最初何するつもりかって思っちゃったもん」

「あれすごかったね〜。ホップステップジャンプであっという間に爆豪君や轟君抜いちゃったもんね」

「いや、でも本当ならあんなリスクの高い策は取りたくなかったんだけど、あの時はもう時間もなかったから本当に一か八かで……」

「デクちゃんってそういうところあるよね。いろいろ分析してるけど、時々思い切ったことして……私らもう驚かされっぱなしだよ」

「驚きと言えば、トーナメント一回戦もびっくりだったわね。勝った後に普通科の心操ちゃん、だったかしら? 彼が出久ちゃんに急に近づいて顔を寄せたもんだから私達てっきりキスされちゃったかと……」

「あれ私達以外の人たちもびっくりしてたよね。後、峰田や上鳴が心操の個性羨ましがってた! バカだよねーw」

「峰田君、上鳴君……」

「で、実際のところどうだったんデクちゃん? 試合後に話した時ははぐらかされたけど、本当に何もなかったんよね?」

「う、麗日さん!? 顔が麗かじゃなくなってるよ!」

「でもさ、実際なんて言われたのか、ウチらも少し気になる」

「確かに……わざわざ緑谷さんのところに戻ってまででしたからね」

 

 耳郎さんや八百万さんまで……!? な、なんか逃げられない状況になっちゃってる!?

 

「出久ちゃん、こうなったら白状した方が……出久ちゃんと心操ちゃんの身のためよ? このままじゃ彼が八つ裂きにされちゃうかも」

「さ、流石にそれは!? わ、わかった! 言うから!」

 

 そうして僕は心操君との試合直後の会話を説明することとなってしまった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:Katsuki

 

「それじゃあ、爆豪の優勝と俺らの健闘を称えて……かんぱ〜い!」

「「「かんぱ〜い」」」

「……」

 

 アホ面の音頭で他の連中がコップを掲げる。クソ! なんでこんな面倒なことになったんだ!

 

「ちょっとちょっとかっちゃん! お前のお祝いなんだからいつまでも仏頂面じゃなくて楽しもうぜ!」

「てめえがかっちゃん呼びすんじゃねえ……!」

「緑谷なら良いってか?」

「幼馴染とあだ名で呼び合うとか……! リア充爆発しろ!」

「しょうゆ顔クソブドウてめえら!」

「おいおい! あんまでけえ声出すなよ……。周りに迷惑になるしあんまり目立つと不味いだろ?」

 

 クソ髪がそう言って俺らを抑える。確かに体育祭の直後に問題を起こすのはいろいろ面倒だ……。クソ!!!

 

「それに……どのみち女子達が終わらないと帰れねえだろ? ならこっちもいろいろ話そうぜ」

「…………ち!」

 

 舌打ちしてグラスに入ったコーラを飲む。早く帰って休みてえとこだが……、なんで女子どもはこんなにおしゃべりしたがるんだ!

 

「それにしても、有言実行で優勝とかすげえよな……。選手宣誓はアレだったけど」

「アレ見てた奴ら、ぜってー負けろって思ってたぜ」

「印象は最悪だよな……」

「うっせえ黙れ」

「まあ、その最悪な印象を覆しての優勝だから相当インパクトあるだろうな。休み明けの指名発表が楽しみだな!」

 

 プロからの指名か……。観客席でブーイングしてた無能には興味ねえし、そんじゃそこらのモブヒーローも同じだ。指名受けるならビルボードチャートのトップ10以内が必須条件だな……。

 

「指名っつったら、爆豪にはエンデヴァー事務所からは絶対来ないわな」

「あ?」

「だって、お前トーナメントで緑谷と轟ん時の試合で『万年2位』とか言ってたじゃん!」

「事実だろーが」

「いや事実でも! 言って良いこと悪いことあるでしょ!」

「そんなんで指名しないっつーならこっちから願い下げだわ」

「どんだけ不遜なんだよ!」

「いや、逆にいびる為に指名するって言う考えも……」

「おいおい、ヒーローがそんなことするかよ」

「…………」

 

 エンデヴァー……轟……。思わない形であいつらの確執を知っちまった。ヒーローに限らず、どこにもそんなことはあり得るだろうが、それでもNO.2ヒーローが虐待じみたことをやってたって知られたら世間は大騒ぎだろうな……。……デクにも釘刺しておくか。あいつは自分から話すような真似はしねえが、アホで間抜けだからうっかり口を滑らすことがありそうだからな。……ちっ! なんで俺がこんなこと気にしなきゃなんねえんだ!

 

「……う、おい爆豪」

「ああ?」

「何ボーッとしてんだよ」

「てめえらのクソどうでも良い話で眠気がしたとこだわ」

「いやいや、どうでも良くはないだろ。指名受けんならどこが良いっつー話だよ! 俺は受けるなら個性ブッパしたいからやっぱ電気系個性のいる事務所かな!」

「俺も自分の個性活かせる、肉弾戦主体のとこがいいな!」

「俺は敵拘束とか、いろいろテクニカルな戦術使う事務所だな」

「オイラは女性ヒーローのいるとこ! できればナイスバディ希望!」

「ぶれねえな峰田……」

「そんで、爆豪はどうなんだ?」

「……トップ10ヒーローならどこでもいいわ」

「いや、お前それ峰田と変わんねえぞ!」

「なんだったら希望がない分峰田より酷いな」

「ああ!? 俺がこのクソブドウ以下だってのか!」

「はっはっはーーー! 体育祭優勝者も大したことないな!」

「てめえ!」

「お前らやめろって! ……ん? アレ、芦戸から?」

 

 クソ髪に黒目から電話が入ったらしい。女子どもと俺らは少し離れた席にいる。なんでも、会話内容を聞かれたくないらしい。あいつらの話すことなんて全く興味ないが……クソデクが何か口を滑らせないかは気がかりだ。

 

「もしもし、どうした? ……え? まだ入って30分も経ってねえぞ? ……ああ、もう周りにバレちまったか……。いや、お前ら目立ってたもんな……。わかった。もうちょいしたら俺らも出るわ。それじゃあな」

「何? もうバレちまったの?」

「ああ、あいつら目立つし、それに昼休憩でチア衣装着て踊ってたろ? それが決定的でいろいろ握手とか写真求められてるみたいで……」

「握手はともかく、写真はマズイな。相澤先生に怒られる」

「最悪除籍も……」

「っつうか切島! お前何で芦戸の番号知ってんだよ!?」

「え? いや、俺あいつと中学一緒だったから……」

「ふざけんなよ! 普段硬派ぶってんのに何女子と連絡先交換してんだよ!」

「い、いや、別にそれはそんなんじゃ……」

「やっぱり男子連中より女子連中の方が目立つのね。俺らもこれ飲み終わってから出ようぜ」

 

 思わない形でお開きになってよかったぜ。いつまでもこいつらと長く話すのは疲れるからな。

 

「あーあ。結局あんまり喋れなかったな……」

「今回ばかりは仕方ないさ。また、別の機会にやればいいだろ」

「どっか、大きいところがあればな〜。そしたら女子連中とも一緒に話せる!」

「いや、それは場所以前の話だろ……」

「けっ! てめえのクソさ加減の問題だろ!」

 

 クソブドウがギャアギャア言ってたが、それを無視してコーラを飲み干し、俺は先に店を出た。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:Izuku

 

 心操君との会話を話したところで周りにいた女子高生から声をかけられちゃって、それから他のお客さんにも知られちゃってこの状況じゃお店に居られないと言うことで初の女子会は30分で終わっちゃった。いろいろ聞かれるのは少し恥ずかしかったけど、皆とおしゃべりできて楽しかったんだけどなあ……。

 

「仕方ありませんわ……。握手ならまだしも写真まで求められては流石に……」

「それがSNSで回ったらいろいろマズイよね……」

「相澤先生にバレたら……最悪除籍……」

「だ、大丈夫だよ! 一応周りの人たちも理解してくれたし!」

「それにしても、テレビの影響ってすごいのね。体育祭が今日だったとはいえ、もうここまで知られてるなんて」

「デクちゃんなんてムキムキパワー系女子なんて言われてたもんね……」

「やめて麗日さん……。めちゃめちゃ恥ずかしい……」

 

 まさかチア衣装着てるのも見られてたなんて……。お母さんになんて言おう……。今日ずっと家でテレビ観戦してたし、絶対見てるよね……。

 

「まあ、今日はもうこれで解散だけど、今度また女子会やろうよ!」

「そうだね……やっぱいろいろおしゃべりしたいし」

「どっかで時間作ってやろ!」

「これからそんな時間が作れるかは正直疑問ですけどね……」

「職場体験もあるし、演習もあるしやること山積みだもんね」

「それはその時が来ないとわからないわね。気長に待ちましょう」

「うん、皆でまたやろう」

 

 こうやっておしゃべりして……皆と仲良くなれたら嬉しいな……。

 

「よし、皆もう飲み終わったね! それじゃあ出ようか!」

 

 芦戸さんの声で僕らは荷物を持ってお店を出た。

 

 

「お待たせー!」

「おせえ」

「だからお待たせって言ったでしょ!」

「そんじゃあここで解散だな! みんなお疲れ! また学校でな!」

「みんなお疲れー! またやろうねー! 切島同じ方向でしょ? 一緒に行こ!」

「なあなあ耳郎、この後時間ある? 結局さっき何も食ってねえから腹減っちまってよ……」

「サラッとナンパしてんじゃないわよ……。まあ、アンタの奢りなら付き合ってあげてもいいけど」

「え!? ちょっとそれはひどくねえ!?」

「……あいつら、ナチュラルに2人きりになりやがって……!」

「峰田ちゃん、ブレないわね……」

「あいつら全員タンスの角に小指ぶつけろ!」

「しょうもない呪いやね……。それじゃあ私も行くね! 皆気を付けてね! 特にデクちゃん! 爆豪君も襲っちゃあかんよ!!!」

「爆豪さん、緑谷さんをよろしくお願いします」

「さようなら爆豪ちゃん。またね」

「前と同じこと言ってんじゃねえ丸顔! てめえに言われるまでもねえわポニテ! あばよ蛙!」

「あ、あはは……。それじゃあ麗日さん、八百万さん、蛙炊さん、峰田君もじゃあね。また学校で」

 

 駅近くのファミレスだったので皆その場で各々の帰り道に向かっていく。

 

「それじゃあかっちゃん、僕達も行こうか」

「うっせえ、早く歩け」

「僕、治癒の影響でそんなに早く歩けないんだけど……」

 

 急かすわりにゆっくり歩くかっちゃんに着いていきながら僕らも帰りの電車へと歩いて行った。

 

 

 

「さっき、ファミレスで何話したんだよ」

「ひゃい!?」

 

 電車の中では会話がなかったのに、駅から家までに道で急に話しかけられてびっくりしちゃった・

 

「何キョどってんだよ、キメえ」

「ご、ごめん。急に話しかけられたから……。今日の体育祭の話をしてたよ、かっちゃんたちは?」

「全く同じだわ。後はプロ指名の話だな」

「プロ指名! そうだった、三日後の学校で発表されるんだよね! 僕にはどこから来るかな! もちろんこれは体育祭の結果を見た時点での評価だから必ずしも卒業後の使命に繋がるわけじゃないけど、それでもプロに注目されるっていう目的が達成されるわけだからものすごく重要だよね! かっちゃんはどこに指名されたいとかある?」

「クソナードが、うるせえ! ……俺は有象無象の事務所には興味ねえ。ヒーロービルボードチャートトップ10以内からの指名ならどこでもいい……」

「な、何というか……かっちゃんらしいね。僕は……」

 

 ナイトアイさん、観に来てくれてたかな? 会場では無理でも……観ててくれてたなら、指名して欲しい、かな。

 

「僕も、指名があればそれだけで嬉しいかな……」

「てめえみたいなクソザコ指名するヒーローなんかいるか」

「酷いなあ、一応ベスト8なのに……」

「優勝以外は変わんねえよ」

「……」

 

 ……そうだ。優勝者とそれ以下の成績では全く扱いが違う。今回は、せいぜい準優勝者の轟君くらいかな……。オールマイトやナイトアイさんが言ってたみたいに……『僕が来た!』って示せたかな……。

 

 その後は会話をすることもなく、僕の家まで歩いていった。

 

「ただいm「ああ、おかえり出久〜〜〜! 大丈夫だった!? ってこんなに怪我しちゃって! お母さんもう観ている間何度も泣いて気絶しちゃって大変だったんだからね! ああ勝己君、送ってくれてありがとう! それから、優勝おめでとう! やっぱり勝己君すごいわね! これからも出久と一緒に頑張ってね!」

「……はい、ありがとうございます。それじゃあ、俺はこれで……」

「本当にありがとう! 出久、下まで見送ってあげて!」

「いや、ここで大丈夫です。こいつも怪我して動きづらそうなんで……」

「そう? それじゃあ、気をつけてね」

「かっちゃん、送ってくれてありがとう。それから……優勝おめでとう。また、学校で」

「……ああ、それじゃ失礼します」

 

 短く言って、かっちゃんはそのまま帰路に着いた。

 

「さあ、着替えて休んで。ご飯は食べられる? 今日はカツ丼よ!」

「食べる! もうお腹ぺこぺこ……。結局お疲れ様会も早めに終わっちゃったから、何も食べてなくて……」

 

 お母さんの作ったカツ丼を楽しみに思いながら、今日の出来事を話しながら家の中へと入っていった。

 

 

 

「はあ〜、疲れた……」

 

 そう言ってベッドに突っ伏した。ご飯を食べた後はもう休むとお母さんに言って早めに部屋に戻った。スマホを見ると、ナイトアイさんから連絡があった。疲労を気遣ってくれたのか、メールで体育祭の頑張りを労ってくれた。明日また連絡することをメールで送っておいた。それとは別で赤嶺さん達からも連絡があった。流石に今日は疲れているから、チャットはまた今度にお願いということで返事をしておいた。赤嶺さん達は明日も通常の授業だから、話ができるのは夕方行こうかな……。

 

「本当、長い1日だったな……」

 

 今日会ったことを思い出す。障害物競走での1位、騎馬戦での0Pからギリギリの4位、昼休みの轟君の話、決勝トーナメント、心操君との一回戦、エンデヴァーとの会話、轟君との二回戦、オールマイトが無個性だったこと……。

 

「いろいろあったなあ……。そういえば……飯田君大丈夫かな?」

 

 飯田君のお兄さんが敵に襲われた。さっきちょっとニューズで見たけど、結構名が知られた敵みたいだ。命に別状はないみたいだけど……飯田君、思い詰めてないといいな……。

 

「ああ、もうだめだ……。今日はもう休もう……」

 

 日課の分析ノートを見直すこともせずに、僕は夢の中へと旅立った。




というわけで幕間5でした! 本当はこれの半分くらいだったんですけど、結局本編と変わらないくらいの分量になっちゃいましたねw いつものことですがw 女子会および男子会の風景を少し書いてみましたが、多分体育祭直後は注目されすぎてこんな感じだろうなと思いました。次回からは職場体験編になりますので、これから出久達を取り巻く状況も変わっていきます。今後もよろしくお願い致します!
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