Side:Izuku
バリバリバリ……!
ぐっ……! OFA5%……、腕や脚だけだったら割と安定してたけど、制御範囲が広がるとこんなに違うのか……! 集中が切れるとすぐ解けちゃいそう……!
「OFAを全身に張り巡らせた状態、そいつを維持したまま動けりゃ……体育祭の頃のおまえとは一線を画す!」
「ぐっ……うう……」
この状態を保ちながら動く……できるのか!?
「さてどうするか……。とりあえずは3分」
「3分……?」
グラントリノさんが懐中時計を取り出して確認してから軽く屈伸する。もしかして……今まで通り……。
ダン! ダ! ダ!
「その間で俺に……一発でも入れてみな!!」
やっぱり! でも、今までのパターンなら……! 後ろから!
ガン!
「がっ!!」
バチッ!
やばっ!! 一応予測は当たったけど、ガードの上からでも解けちゃったっ!! 張り直さないと!
「情けない!! この程度反応できんのなら救えるもんも救えんぜ!? 『平和の象徴』と謳われるような人間はこんな壁トトンと超えてくぞ!!」
「……!!」
ド! ガ! バキ!
壁や天井を高速で跳ねながら攻撃を繰り返してくる。 一撃は重くないけど目で追うのが精一杯で、とてもじゃないけど全身に巡らす時間がない! なんとか……少しでも時間を……!
! あそこに潜り込めば……!
「おりゃあああ!!」
「!」
ズザーーー!
「そこで時間を稼ぐのか!? 馬鹿なことを! 見えてるぞ!」
確かに馬鹿なことですね! 自分でも思いますけど! でも、時間を作るためには……!
「それじゃあ時間を稼げんぞ!」
こうするしかないんです! 腕だけOFA5%!
「SMASH!」
ガッ!
「うおっ!!」
よし、怯んだ隙に……OFA5%フルカウル!
「(俺の動きを崩すための誘いか)こりゃやられた」
いきますよ!
バンッ! ブン! スカ!
「惜しい」
クソ! 避けられた! けど……!
「うぅしろォ!!!」
「(……を取られてる時点で前回と同じだっつーのよ小娘!)」
その動きも予測してますよ!
バ! ダン! ダッ!
「な!?」
よし! 天井に向かうとは予測してなかったみたいだ! 頭上からの攻撃には対応できないはず! いっけえええ!
「SMASH!」
「っ!」
スッ!
「ええええ!?」
これ避けるの!? しまった、避けられると思わなかったから着地がーーー!!!
ダン! ドフ! ダン!
「ぎゃっ!!」
女子らしくない声出ちゃった。床に頭からぶつかるよりマシだけど……。
「3分」
「くっ……そお……! 保つだけで……難しい……。これ……まだまだだ……」
少しだけ維持して動けたけど……全然捉えられなかった……。
「いや……分析と予測から虚をつこうという判断……普段から色々考えるタイプだな小娘……」
「へ?」
「(たった一回の試考で……前とは劇的に変わった。久々に本気で避けたっつうに、カスった。こいつは化けるかもな)よし、あとは慣れろ! ガンガン行くぞ! の前にそういや朝飯食ってないな」
「食べ……あっ! てません!」
とにかく、さっきの感覚を覚えていかなきゃ! 頑張るぞー!!
まずは朝ごはん食べよう!
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関東地方某所
「何を成し遂げるにも信念……想いが要る。ない者、弱い者が淘汰される……当然だ。……だから
「ハッハハハ……! いってえええ強過ぎだろ! 黒霧! こいつ帰せ、早くしろ!」
絶体絶命の状況でも強がりで笑い声を上げるが、流石に状況が悪いので黒霧にワープで飛ばすよう指示を出す、が……。
「身体が動かない……! おそらくヒーロー殺しの個性……」
黒霧もステインの攻撃を受けており、左腕から血を流していた。しかし、出血多量で動けなくなるほどではなく、その他の身体の異常がないため、ステインの『個性』によるものと推察された。
「『
ズ……
「!!」
ステインが死柄木の息の根を止めようと首に当てがったナイフに力を入れると、死柄木の首より先に顔につけている人の手にナイフの刃が食い込んだ。
その瞬間、死柄木の表情が変わった。
ガシ!
「!」
「ちょっと待て待て……この掌は……駄目だ」
顔についた手に食い込んだナイフを右手で掴む。当然刃が当たった部分は皮膚が切れて血が出てくるが、その瞬間あり得ないことが起こった。
死柄木の掴んだナイフの刀身がボロボロと崩れ始めたのである。
「殺すぞ」
「……!!」
「口数が多いなァ……信念? んな仰々しいもんないね……。強いて言えばそう……オールマイトだな……」
死柄木の掴んでいた刀身は瞬く間にボロボロと崩れ落ちた。驚きに目を見開くステインに構わず死柄木は話し続けた。
「あんなゴミが祀り上げられるこの社会を滅茶苦茶にブッ潰したいなァとは思ってるよ」
「!!」
ステインはこの場所に来て初めて気圧された、自身の持つ狂気とは別の狂気、それを嬉々として語る死柄木に……。
ブン! バッ!
ステインの動きが止まった瞬間に死柄木は攻撃するが、あっさり避けられてしまう。しかし、そのおかげで押さえつけから自由になりようやく立ち上がることができた。
「せっかく前の傷が癒えてきたとこだったのにさ……こちとら回復キャラがいないんだよ。責任とってくれんのか?」
アトピーやアレルギーで荒れた肌を掻きむしりながら死柄木はステインに怒りを孕んだ視線をぶつける。
「それがおまえか……」
「!? は?」
しかし、ステインから返ってきた言葉に死柄木は思わず疑問の声を上げる。そんな死柄木に応えるようにステインは言葉を続けた。
「おまえと俺の目的は対極にあるようだ……。だが……『
「ざけんな帰れ死ね。『最も嫌悪する人種』なんだろ」
お互いの共通点を見出される。『手を組む』という当初の目的を果たすには好都合だが、自分を殺そうとした相手に今更言われても死柄木は到底納得することはできなかった。
「真意を試した。死線を前にして人は本質を表す。異質だが……『想い』……歪な信念の芽がおまえには宿っている」
そこで一旦言葉を切り、視線を黒霧へと移す。そして、自身をここへ招いたスカウトに対して自分が参加する上での条件を語った。
「おまえがどう芽吹いていくのか……始末するのはそれを見届けてからでも遅くはないかもな……」
「始末すんのかよ……。こんなイカレた奴がパーティーメンバーなんて嫌だね俺……」
「死柄木弔、彼が加われば大きな戦力になる。交渉は成立した!」
ステインの『個性』の影響が消えて動けるようになった黒霧が交渉成立を宣言する。一時はどうなるかと思った同盟が成立したことに胸を撫で下ろしている様子であった。
「用件は済んだ! さァ、保須へ戻せ。
「ああ? てめえふざけんなよ。てめえのせいで俺らは怪我したんだから手当すむまで待ちやがれ」
「ふん、丸腰で交渉の場に着くおまえらが悪い」
「なんだってェ……!」
「2人ともよしなさい! ステイン、私たちの手当と休養を終えてからでよろしいですか? 貴方も特に急いでいるわけではないですよね?」
「……わかった。明日、保須へ送れ」
そう言って、空いている席へ座り、身につけていた装備を外す。
「何してんだ?」
「メンテナンスだ。準備不足が戦場では命取りになる」
「几帳面なことで」
「おい、こいつに壊されたナイフの替えを調達したい」
「黒霧、早く包帯とか持ってきてくれよ。こいつに切られたところが痛えんだわ……」
「……少々お待ちを」
死柄木のさらなる成長を求めて図ったヒーロー殺し『ステイン』との同盟。それがどのような作用・結果をもたらすか、今は誰にも予測はできなかった。
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Side:Tenya
「ふう、職場体験二日目お疲れ様! まーこんだけ街中が警戒モードだと敵も出てこれないよね」
「……そうでしょうか……」
パトロール終わりにマニュアルさんが声をかけてくれる。パトロール中もまだまだ注意が行き届かない僕に……復讐を目的に来ている僕にアドバイスをしてくれる、素晴らしい方だ。そんなマニュアルさんだが、今の考え方は僕にはやや楽観的と言わざるを得ない。
『ヒーロー殺し』ステイン、情報を集めてすぐわかった。奴はこれまで出現した7か所全てで必ず4人以上のヒーローに危害を加えている。目的があるのかジンクスか知らんが必ずだ。
……保須ではまだ兄さんしかやられていない。
『天哉……ごめんなァ……』
あんな兄さんはこれまで見たことがない……。命があったことは幸いだが、ヒーローとしての命はもう断たれてしまった。兄さんはこれから先どうなっていくのか!?
奴はこの街に再び現れる可能性が高い。
来い!! この手で……始末してやる!
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Side:Izuku
職場体験三日目のPM5 :00、つまりは夕方。今日も昨日に引き続きグラントリノさんと組み手を継続、少しずつOFAフルカウルに慣れてきた。でも、やっぱり維持には集中が必要で攻撃を受けたらすぐ解けちゃうからとにかく量をこなしていきたい、ところだったんだけど……。
「んーーー……これ以上
「クセとかそれ以前にまだまだ足りないです! もっとお願いします!」
グラントリノさんから『待った』がかかっちゃった。グラントリノさんの戦法は高速移動で敵を撹乱して隙を見て急所に攻撃を与えていくものだけど、同様の戦法を取る敵がそういるとは思わないからこれに慣れちゃうのは不味いかも……。
でも、やっぱり経験が足りない!
「お願いします!」
「おまえ、なかなか根性があるな。でも、俺との戦いは十分だ。フェーズ2へ行く、職場体験だ!」
「フェーズ2? 職場体験? どういうことですか?」
「いいからコスチュームに着替えてこい」
「わ、わかりました……」
グラントリノさんに着替えるよう指示されたので、別室でコスチュームに着替える。パトロールにでも出るのかな? 確かに、ここに来てからずっと組手しかしてなかったから、この辺りで職場体験っぽいことをするのも必要だよね。
「つーわけで敵退治だ!」
「ええ〜〜〜!? いきなりですか!? パトロールじゃないんですか!?」
意気揚々と事務所から出ていくグラントリノさん。目的が敵退治なんですか!?
「敵の居そうなところをパトロールしに行くんだよ。俺とばかり戦ってると全く違うタイプへの対応でつまずく! それを踏まえて次は様々なタイプと状況の経験を積むフェーズだ! そもそも職場体験はそういうもんだろ」
「仰る事はごもっともですけど……こう突然だと心の準備が……」
あらかじめスケジュールを教えてもらってるわけじゃないから、いきなり言われるとやっぱりドキドキしちゃうよ。
「敵とも戦闘は既に経験してるんだろ? それにそんなでかい
「! 遠出ってどこに行くんですか?」
「ここいらは過疎化が進み犯罪率も低い。都市部にヒーロー事務所が多いのはそれだけ犯罪が多いからだ。人口密度が高けりゃそれだけトラブルも増える。渋谷あたりは小さなイザコザは日常茶飯事なわけよ」
確かに、集まる人が多ければ多いほど事故や事件が起こり、それを抑えるためにいろんなヒーローが都市部に集まってくる。こう考えると事故や事件がヒーローを作り出しているってあながち間違いじゃないのかも……。
…………って、今どこって言った!?
「渋谷ァ!? 今からそんなハイカラな街にコスチュームで……!?」
「ヒーロー同伴でなきゃ着られん服だろ? 最高の舞台で披露できるのを喜びんさい!」
行くのはいいとして、新調したコスチュームを来て外歩くのめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!? うぅ、でももうタクシー乗っちゃったし……。
…………諦めるしかないか。
「渋谷に行くとなると……甲府から新宿行き新幹線ですか?」
「うん」
新幹線、となると保須市横切るよね。
飯田君……気になるな……。後で連絡してみよう。
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保須市 PM5:00
「今日も今日とてパトロール、ごめんね変わり映えしなくて……」
「いえ……むしろ、良いです」
職場体験も三日目ともなると初めて来た街の位置や雰囲気などもわかってくる。マニュアルのいうように変わり映えのしないパトロールはヒーローを志しているとはいえ、まだ学生の身分の飯田には退屈になってきているのではと気にかけて声を頻繁にかけていたが、当の飯田は退屈している様子はなくむしろ一層集中しているようだった。
「…………ねえ、聞きにくいんだけどさ……君、ヒーロー殺し追ってるんだろ」
「! それは……」
不意に尋ねられ、飯田は答えに窮してしまう。しかし、マニュアルは飯田の様子を気遣いながらも話を続ける。
「ウチに来る理由が他に思い当たらなくてね。や! 別に来てくれた事は嬉しいんだぜ!? ただ……私怨で動くのはやめた方がいいよ」
穏やかな口調だったが、その言葉には力強さが感じられた。
「我々ヒーローに逮捕や刑罰を行使する権限はない。『個性』の規制化を進めていった中で『個性』使用を許されているわけだからヒーロー活動が私刑となってはいけない。もしそう捉えられればソレはとても重い罪となる」
「……」
現在の『超常社会』は人々の無制限な個性使用を制限した上で成り立っている社会である。そんな中でヒーローを目指す学生が自身の家族の仇討ちを果たそうとすれば、賛否両論の議論を巻き起こし混乱をもたらすことは明らかだった。
「あ! いや! ヒーロー殺しに罪がないとかじゃなくてね、君真面目そうだからさ! 視野がガーッとなっちゃってそうで……案じた」
「ご忠告感謝します」
初日から飯田に対して感じていたことをマニュアルは正直に伝える。その心遣いに飯田は素直に感謝をした。
……表面上では。
「(しかし……じゃあしかし……!! この気持ちを……どうしたらいい!?)」
生来の真面目さと敵への復讐心で飯田の心は大きく揺れ動いていた……。
ズズズ……
「保須市って……思いの外栄えてるな」
黒霧がステインをスカウトした雑居ビル屋上の貯水タンクの上に死柄木、黒霧、ステインの姿があった。死柄木達の治療とステインの装備補充を終えて、約束通り宵闇の迫る保須市へと戻ってきたのである。
「この街を正す。それにはまだ……犠牲がいる」
「先日仰っていた『やるべき事』という奴ですか?」
「
「いちいち角立てるなオイ……」
ステインの言葉に死柄木は苛立ちを露わにするが、ステインは意に介さず街を見下ろし言葉を続ける。
「ヒーローとは偉業を成した者にのみ許される『称号』! 多すぎるんだよ……英雄気取りの拝金主義者が! ……この世が自ら誤りに気付くまで、俺は現れ続ける」
背中に携えた刀に手をかけながらステインは貯水タンクから飛び降りていった。
「あれだけ偉そうに語っといてやる事は草の根運動かよ。健気で泣けちゃうね」
「……そう馬鹿にも出来ませんよ」
「?」
死柄木は憐れみと嘲りを込めて言ったが、黒霧からの思わぬ擁護の言葉に首を捻る。
「事実、今までに彼が現れた街は軒並み犯罪率が低下してます。ある評論家が『ヒーロー達の意識向上に繋がっている』と分析し、バッシングを受けたこともあります」
「それは素晴らしい! ヒーローが頑張って食いぶち減らすのか! ヒーロー殺しはヒーローブリーダーでもあるんだな! 回りくどい!! やっぱ合わないんだよ、根本的に……ムカツクしな……」
黒霧の言葉に死柄木は嫌悪と怒りを募らせる。死柄木とステインは『現在を壊す』という点のみで手を組むことにしたが、そもそもの考え方は全く逆である。ステインの目的は『真の
「黒霧、脳無出せ」
「……」
「俺に刃ァつき立ててただで済むかって話だ。ブッ壊したいならブッ壊せばいいって話……ハハ」
ズズズ……
死柄木の指示を受け黒霧が
「大暴れ競争だ。あんたの面子と矜持、潰してやるぜ大先輩」
悪意を持った満面の笑みを掌の下に浮かべて、死柄木は眼前の保須市を見下ろしていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
Side:Izuku
やっぱりというか予想通りというか……駅に入るときや新幹線に乗るときめちゃくちゃ人に見られちゃった。何人かは雄英体育祭を見て僕に気付いて『頑張って』って言ってくれたけど、ピチピチのスーツを見てなんとも言えない表情をしていたのはなんか悲しかった……。
「まだ気にしてるのか? ヒーローになればこんなことはしょっちゅうだぞ!」
「それはそうですけど……自分の意図とは違ったデザイン変更だったのでまだモヤモヤしてます……」
「まあ、それは同情するがな。割り切るのも大事だぞ」
「はい……」
グラントリノさんも励ましてくれるが、この辺りは男女や年齢で考え方が違うかもしれない。職場体験が終わったら、クラスのみんなに聞いてみようかな? それともミッドナイト先生……はあんまり参考にならなさそうだからやめとこう……。
それにしても、新幹線に乗ってから30分は経ったかな? そろそろ保須を通り過ぎる頃だけど……。
「そういえば、新宿に着く頃には夜ですけどいいんですか?」
「夜だから良い! その方が小競り合いが増えて楽しいだろ」
「楽しかないけど納得です……」
三日間過ごしてわかったけど、グラントリノさん結構好戦的というか、喧嘩上等って感じだよね……。理論より実践形式だし……。まあ……なるようにしかならないか……。
「座りスマホ!! まったく近頃の若者は!」
手持ち無沙汰になったのでスマホを取り出すとグラントリノさんが苦言を呈するが、無視してメッセージを確認する。
飯田君、既読なのに返事がない……。いつも既読後3分以内には返事くれるのに……。
ゴン! キィィィ……!
わ、いきなり減速した! 急ブレーキ? でも、なんで……。
『お客様、座席にお掴まり下さい。緊急停止します……』
ドオォォォン!!!
「「!!?」」
衝撃と轟音を響かせて僕達の乗る車両に外から何かが突っ込んできた! あれは……ヒーロー? でも、一体どうし……。
「っんだアイツ……!!」
「ヒーロー!?」
「キャアアアア!?」
突然の緊急停止と衝突でパニックになりかけてる。グラントリノさんと一緒にあのヒーローに事情を……。
ドッ!!!
「!!?」
「キャアアアア!!!」
突っ込んできたヒーローが何者かの攻撃で叩き伏せられる! アレは……脳無!? 雄英に襲撃してきた奴がなんでこんなところに!?
「小娘座ってろ!!」
「え!?」
その言葉と同時にグラントリノさんは座席から飛び出し、脳無に体当たりして車両の外に飛び出ていった。
「グラントリノォ!!」
ボゴォ!! ゴオン!
「!!」
グラントリノさんが作り出した穴から外を見ると、市街地のあちこちで爆発音や衝撃音が鳴り響き遠くでは炎と黒煙も上がっている。
何が起きた!? 何だ今の!? この街……保須市だよね……!? 飯田君!
「落ち着いて下さい! ひとまず席にお戻り下さい! 落ち着いてヒーローを待って……」
車掌さんが乗客に落ち着くよう指示を出してるけど、周りはパニックに陥ってる。まだ僕はヒーロー活動できないから避難誘導もしていいかどうか微妙なところだ。指示に従ってここで待機して到着したヒーローに事情を説明する方が合理的で正しい。
……だけど!
「すみません! 僕出ます!」
「ええ!? 君!! ちょっと!! 危ないって!!」
車掌さんごめんなさい! でも、今は動かずにはいられない! 嫌な予感がする!
姿は違ったけど、あんな脳みそおっぴろげそういるもんじゃない! 兄弟か!? ……アイツらに兄弟って概念があるかわからないけど!とりあえずグラントリノ! 無事でいてくれ!
飯田君も! 無事でいて!
というわけで第29話でした! タイトルの『成長』ですが、出久・死柄木・飯田の3人の状況を当てはめてみました。出久ちゃんは当然OFAフルカウルの体得です。死柄木はステインとの邂逅したことで今後敵連合と共に大きく変貌を遂げていくところからかけてます。飯田君は今まで彼が抱くことのなかった人間の黒い部分『憎悪・復讐心』を自覚したところです。飯田君は真面目なので普通に生活していたら復讐を決意することはなかったと思うので、今回のことである意味人間としての深みが出てくるかなと思いました。本編よりタイトル考えるのが難しいかもですw 年内はできればあと1回投稿したいですね。今後も応援よろしくお願い致します!