それでは、どうぞ!
鉄「たのも〜う!!!」
「「「お邪魔しま〜す」」」
物「来てやったよA組諸君!」
B組の鉄哲徹鐵、物間寧人、骨抜柔造、庄田二連撃、宍田獣郎太、泡瀬洋雪、回原旋、円場硬成、黒色支配がA組に割り当てられた大部屋にやって来た。
飯「ようこそA組部屋へ!」
切「おお、来たな!」
上「待ってたぜー!」
瀬「もう少しで寝るところだったぜ」
峰「おいおい! 全員連れてこいって言っただろ!?」
そんな彼らを歓迎する飯田、切島、上鳴、瀬呂だったが1人峰田がクレームを言っている。
鉄「いや、一応声をかけたんだけど、鎌切や凡戸、鱗は『疲れたから休む』、吹出は『漫画制作の時間だー!』って言ってたから無理には連れてこなかったんだよ」
物「それにしても、不真面目で問題児の多いA組にしては殊勝な考えじゃないかな! 合同で訓練の意見交換会をしようだなんて!」
切上瀬「「「は?」」」
「「「「「「「え?」」」」」」」
鉄哲が来ていない4人言及するが物間の好戦的な言い方に切島、上鳴、瀬呂は疑問の声を上げる。その声に返すように鉄哲、物間以外の7名もそれに反応するように声を出した。
上「意見交換会ってそんなこと誰が言ったんだ?」
宍「誰と聞かれたらそちらの委員長の飯田氏から提案されたのですが……」
上鳴の問いに宍田が飯田を見ながら答える。名前を言われた飯田に視線が集まる中、本人は得意げに胸を張って言葉を発した。
飯「せっかくのA組とB組合同の林間合宿、普段はなかなか話すことがないからこれを機会にそういう場を設けるべきだと提案があってね!」
瀬「……ちなみにその提案したの誰だ?」
峰「オ・イ・ラ・さ!!!」
飯「峰田君、素晴らしいアイデアだよ! これこそ雄英の生徒に相応しい自主的学習だよ!」
瀬呂の問いに峰田が満面の笑みで答え、それを飯田が手放しで褒める。もちろん峰田にそんな殊勝な考えはなく、いつもくだらない話をしている上鳴、切島、瀬呂はもちろんB組生徒も疑いの目を持って峰田を見ていた。
上「峰田、お前なんで飯田から提案するようにしたんだ? しかも鉄哲とか物間じゃなくて宍田に言うようにわざわざ指定までして……」
峰「だってオイラが誘っても皆警戒するだろ? それより真面目な飯田から同じく真面目な宍田に行く方がより効果的に人を集められると思ってな!」
瀬「無駄に計画的だな……」
切「しかもそれが上手くいってるのがなんだかなあ……」
泡「あー、もしかして俺達ハメられた感じ?」
峰田や上鳴、瀬呂、切島の話を聞いていた泡瀬が顔を顰めながらそう呟いた。と言っても心底嫌ではなく、してやられたことを悔しく思っているという感じだった。
切「いや、まどろっこしい感じになってすまねえ。でも、A組とB組で話がしてえってことは本当だからよ。親睦を深めるってことでよろしく頼む!」
庄「……まあ、確かに僕らも色々話がしたかったのは事実であるからね」
円「こんな機会はなかったからちょうどいいかもな!」
切島の謝罪と懇願に庄田や円場が賛同の意を示したことでその他のB組の面々も少しづつその気になってきた。
そんな様子を無視するように勝己はストレッチをしていた。普段から日課としているが、林間合宿が始まってからは翌日に疲れを残さないよう特に入念に行なっていた。
切「おい爆豪! お前も来てなんか話そうぜ!」
勝「ああ!? 俺がなんでいちいちそんなことしなきゃなんねえんだよ! 遊びに来てんじゃねえんだよ……!」
上「そりゃそうだけど……せっかく一緒に共同生活してるんだから色々楽しもうぜ?」
切島が勝己を誘うが、もっともな理由で断られる。その様子に上鳴は食い下がろうとするが……。
勝「てめえはそんなんだから期末で赤点なんだよアホ面!」
上「う、ウェぇい……」
回「そ、そういやA組は赤点が5名って聞いてるけど、誰々なんだ?」
回原が勝己の辛辣な物言いと上鳴の悲痛な表情に若干顔を引き攣らせながら質問する。
切「A組は俺と上鳴、瀬呂、砂藤、後は芦戸だな」
瀬「ちなみにB組赤点の奴いるのか?」
物「あっはっはっは! B組はA組と違ってゆうし……」
骨「B組はそんなこと言ってる物間だけだな」
上「お前赤点なのかよ!?」
瀬「そんなんでよく俺達を煽れたな!?」
黒「まあ、物間はアレだから……」
宍「物間氏の態度がアレなのは私達B組を想うが故、どうかご容赦願いたい……」
砂「アレはそんなレベルなのか……?」
切「ま、まあいいんじゃねえか! それより、そろそろ始めようぜ! 9時から俺達は補習だからよ!」
峰「そんじゃあ、おっ始めますか! 参加したい奴は適当に混ざっていいからな」
峰田の合図で準備していたジュースやお菓子を広げながら皆が車座に並んで座る。B組の9名とA組からは峰田、飯田、上鳴、切島、瀬呂、砂藤、尾白、轟の8名が集まり、ストレッチをしている勝己以外の常闇、障子、口田、青山はトランプに興じていた。
砂「轟がこっち側に来るなんて意外だな」
轟「なんか峰田に男子高校生はこういうことするのが一般的だって言われた……」
尾「間違ってはいないと思うけど、峰田が言うとなんだかなあ……」
砂藤の疑問に対する轟の答えに尾白がなんとも言えない表情を浮かべる。峰田の言うように男子高校生が集まってくだらない話をして楽しむのは確かに合っている。ただし、『あの』峰田である。その程度で済むとは到底思えなかった。
上「おーい、かっちゃん! 早く来いよー!」
勝「黙れアホ面! てめえがかっちゃん呼びしてんじゃねえよ!」
峰「まあまあ、上鳴ほっとこうぜ。B組と話すのがびびってる爆豪なんてさ」
勝「……あ゛?」
峰「黙々と一人で活動する。それもアリなんじゃないの? でも、将来ヒーローになるならこうやって同業者と意見を交わすこともあると思うわけよ。ま、それは一匹狼の爆豪には難しいよなあ?」
物「確かに! A組きっての問題児の爆豪君には僕らB組建設的に意見を交えるなんて無理な話だよねえ!」
「「「(なんでこいつら/彼らは息ぴったりで爆豪/爆豪君/爆豪氏を煽れているんだろう?)」」」
A組B組の全員(ボケっとしている轟を除く)が心の中で疑問に思っていると、歯ぎしりが周囲まで聞こえそうな鬼の形相で勝己は切島と瀬呂の間に乱暴に腰を下ろした。
勝「……出来るわ! なめんなクソどもが!」
峰「よおおし! さすが爆豪だぜ! そんじゃあ、A組B組男子会を開催する! カンパーイ!」
「「「カンパーイ!!!」」」
峰田の音頭でA組B組男子会が始まった。一通り、グラスを合わせ終わったところで骨抜が峰田に質問をする。
骨「で、始まったけどどんな話するのかな? 飯田が言ってたみたいに真面目な意見交換でもする?」
峰「おいおい……男子高校生が集まってすることは分かってんだろ。猥談に決まってるだろ!」
砂「まあ、そう言うと思ってたぜ」
尾「峰田だしね」
泡「昼間の訓練ハードだったのにそんな気がよく起きるな……」
峰田の宣言に砂藤、尾白はため息交じりで言葉を発し、泡瀬は噂でしか聞いていなかった峰田の性欲魔人っぷりに驚愕していた。
飯「峰田君! 猥談だなんて俺達はまだ学生の身! ましてや今は林間合宿で共同生活を行っているんだぞ! 風紀が乱れるようなことをしてはいけない!」
峰「飯田は固えな! だからこそだろ!」
飯「む! どういう意味だ?」
峰「学生の頃からこういう話に慣れておかないといざ社会人、ヒーローになったときのその手の話題についていけないなんてことになっちまうだろ。そのためのメリハリを身に付けることも大切なことだぜ」
飯「ふむふむ、なるほど。確かにそういう面もあるかもしれないな……」
峰「それに、飯田って確か聡明中出身だろ? 皆真面目で品行方正な生徒だったんじゃねえか? 雄英は確かに難関校だけどいろんな学校から人が来てっから、そういう連中といろんな話するのは人間的に深みが生まれてくると思うぜ?」
飯「確かに、中学校では皆真面目であまり勉強以外の話はしなかったな。これを機に広く見分を深めるのも悪くないことかもしれないな!」
回「おい、アレいいのか? っていうか大丈夫なのか? あんな簡単に騙されて……」
上「まあ、でも飯田が固すぎるのは事実だし、これで少し丸くなるのもアリかなあと思ったり……」
瀬「あと、今のうちに騙されてた方が大人になったときにこの経験が活きるかもしれないし……」
口八丁手八丁で飯田を丸め込む峰田に回原が疑問を口にするが、上鳴や瀬呂の言葉は普段から飯田が真面目過ぎると思っていたA組生徒の気持ちを代弁しており、これをきっかけに柔軟さを覚えてくれるならお互いにとってもプラスになると思ってそのまま成り行きを見守っていた。
峰「そんじゃあ、飯田も納得したところで始めていくぜ! 最初のお題は『クラスの誰とヤリたいか』だ!」
上「バカかてめえは!?」
瀬「初っ端からふざけんなよお前!?」
峰田のあまりに直球な言葉に普段からつるんでる上鳴、瀬呂もさすがにツッコミを入れる。A組の生徒(一部意味のわかっていないものを除いて)も「うわあ……」と顔を顰め、B組生徒もドン引きした表情を浮かべていた。
峰「なんだよ! 別にいいだろ!」
上「最初にやるお題としてはハードル高すぎてありえねえだろ!」
瀬「せめて、好きな人とかタイプとかそんな奴だろ! さすがにねえわ!」
峰「ちっ! しょうがねえな……。んじゃあ、まずは好きな奴がいるかどうか! 付き合っている奴がいるならそっちでもいいぞ! それじゃあ挙手!」
だいぶマシになった峰田の質問に全員が周囲を見渡す。が、女子会と同様に手を挙げるものは誰もいなかった。
峰「なんだよお! 誰もいねえのかよお! 俺ら花の男子高校生だぞ! しかも雄英の! 少しぐらいモテたり付き合ったりとか浮ついた話あってもいいじゃねえかよお!」
円「どんだけ必死なんだよ……」
血涙を流さんばかりの峰田の形相に円場があきれた声を上げる。A組生徒には見慣れた光景だが、B組生徒は噂以上の言動に驚かされっぱなしだった。
峰「じゃあ、『誰が一番美人か・かわいいか』ならどうだ!?」
上「まあ、それなら……」
峰「よし! んじゃあオイラから! A組じゃあ美人は八百万、かわいいは麗日だ!」
上「おー、なかなか納得できるところを付いてきたな」
泡「確かに、八百万って美人だよな。あれぞまさに才色兼備って感じだな」
峰田の答えに上鳴、泡瀬が同意する。八百万はヒーロー科でも4名しかいない推薦合格組として顔と名前が知られているため、B組の面々もこの意見に納得だったのか多くが頷いていた。
瀬「麗日は確かに愛嬌があってかわいいって感じだな。表情がころころ変わるからその辺りもあるかもな」
切「表情が豊かって点なら芦戸もそうだけど、かわいいっていうよりアクティブさが前面に出るんだよな。美人系かかわいい系かって言ったらかわいい系になるんだろうけど」
瀬「お、さすがに中学同級生は違いますな」
切「茶化すなよ、本当のことだろ」
鉄「へー、中学一緒だったのか! 雄英に同級生で入るってめちゃくちゃ凄いことだよな、しかも同じクラスだなんて!」
切「まあな……。あいつはすげえよ、いろいろ助けられたし……」
黒「お、そのいろいろって詳しく聞きたいなあ、ケヒヒ……」
鉄哲の言葉に切島が気恥ずかしそうな表情を浮かべる。過酷な受験勉強をともに勝ち抜いた友人共に褒められて悪い気のするものはいない。しかし、最後の言葉に黒色が耳聡く食いついた。
切「いや、勉強一人でやるってきつかったし……一緒に目指してる奴がいるってやっぱ励みになるから、そう言った点で助けられたって意味で……」
瀬「必死か! まあ、それは後でじっくり聞くとして……同級生といやあ爆豪と緑谷もだよな?」
勝「あ゛?」
上「いや、かっちゃん……そうやってことあるごとに威嚇するのやめようね?」
勝「かっちゃん呼びやめろやアホ面」
上「なら俺のアホ面呼びもやめて!?」
勝「てめえはアホ面で十分だろ」
上「う、ウエェイ……酷い……」
泡「ああっと……その、爆豪と緑谷も中学同級生なのか?」
A組恒例の光景にB組の泡瀬が遠慮がちに勝己に質問をする。勝己は視線で一瞬を泡瀬を威圧するが、上鳴や瀬呂にたしなめられたり周囲の好奇の目もあってため息交じりでいやいや答えた。
勝「…………ああ、同じ中学だよ。悪いか?」
上「いやだから喧嘩腰やめなさいね!」
切「中学どころか幼馴染なんだろ? 俺らよりもっとすごいじゃねえか!」
宍「幼馴染!? それは確かに滅多にないこと……爆豪氏も緑谷氏も優秀なのですな」
勝「……優秀じゃねえよ」
宍田の他意のない賞賛に勝己が低い声で反論した。その予想外の言葉に上鳴が驚いて声を掛ける。
上「いやいや、優秀じゃないって一般入試一位で体育祭優勝のお前が何言ってんのよ!?」
勝「俺じゃねえ。デクのことだ」
円「デク?」
瀬「ああ、緑谷のこと。こいつら未だにあだ名で呼び合ってるんだよ。仲いいよなー」
庄「それでその緑谷さんが優秀じゃないとはどういうことなのか? 彼女は彼女で体育祭ベスト8の成績を残している」
切「それにあいつ勉強もできるしなあ。クラスでも中間・期末の筆記4位くらいだったよな?」
上「そんな緑谷が優秀じゃないなんて、爆豪のハードル高すぎだろ!」
勝「……あいつはそもそも雄英に入れるはずがなかったんだよ……」
勝己の言葉に周囲が波を打ったように静かになる。
『雄英に入れるはずがない』。一体どういうことなのか?
切「爆豪、それどういう意味なんだ?」
勝「言ったまんまだ。あいつは雄英に入れるはずがねえんだよ」
上「いやだからその理由だよ。あいつ頭良いし、個性もめっちゃ強えじゃん」
勝「あいつは無個性だ、そのはずだった」
骨「無個性? 体育祭で見せたあの超パワーで無個性なわけないだろ?」
骨抜が至極当然のようにそう返す。体育祭での出久のパフォーマンスを目にしたB組の生徒も同様の意見であった。
勝「あいつは中2までは何の個性も持ってなかった、無個性だった! ガキの頃から一緒だったから間違いねえ! だから、あんな超パワーが出せるはずがねえんだ……!」
飯「ふむ、緑谷君が個性を偽っていた、というのは彼女の性格からして考えにくい。特殊な事例で4歳以降に個性が発現したという事例もあるらしいが……彼女ほど長期間の例は果たしてありえるのか……」
飯田の言葉にその場にいた全員が考え込む。自分の個性が発現したのは4歳前後だったが、本来個性の出るはずの期間を10年近くも無個性で過ごしていた出久の気持ちはどのようなものだったのか。B組女子も薄々気づいていたように、男子も勝己と出久が普通の幼馴染でないことはこの時点でわかった。2人の関係性が個性発現の頃からに由来していそうなことや2人にしかわからないことや言えないこともあるだろうことは容易に想像できた。沈黙が続く中、それを打ち破ったのはこの集まりを画策した峰田だった。
峰「っておい! 何しけた話になってんだよ! もっと明るくて楽しいエロ話しようぜ!」
瀬「エロはもう少し先でいいけど、明るい話はしたいな!」
上「ああっと……爆豪、小っちゃい時の緑谷ってかわいかったか?」
勝「あ? 昔も今もブスだろ」
上「辛辣すぎるだろ!?」
瀬「いやいや、さすがにブスは言いすぎだろ!? 地味めではあるけど!」
切「まあ、確かにA組の他の女子に比べると控えめな見た目ではあるかな?」
峰「蛙吹も表情そんな変わらないけど、マスコット的なかわいさはあるからな」
上「耳郎は、美人系かな? クールビューティーって感じの」
峰「それで言うと、葉隠はどうあがいてもわかんないなあ」
瀬「透明人間だもんなあ……尾白はわからないのか、葉隠の素顔」
尾「なんで俺に聞くんだよ……」
瀬「だって、お前A組男子……っていうか全体でも一番仲良いじゃん」
尾「さすがに全体で一番はないよ。男子の中でっていうならまあそうなんだろうけど」
上「で、見たことあるの、素顔?」
尾「ないよ……。ああでも、小っちゃい頃の写真は見せてもらったかな」
上「マジで!?」
瀬「かわいかったか!?」
峰「その写真俺達にも見せろ!」
上鳴、瀬呂、峰田の怒涛の質問に尾白は口を滑らせて『しまった』と唇を噛んだが後の祭りだった。
尾「たまたま芦戸や耳郎も一緒の時に見せてもらったんだよ、俺が見せられるわけないだろ。まあ、顔立ちは整っていてかわいかったかな? でも、4歳と今じゃ顔つきとかも変わってくるだろうからわからないことには変わりないよ」
峰「それでも昔の顔知っているのは天と地ほどの差があるだろ!」
上「ぶっちゃけお前ら付き合ってんだろ! ネタは上がってんだぞ!」
尾「ね、ネタってなんだよ……」
上「葉隠と2人で遊びに行っただろ!」
尾「な!? なんで知ってるんだよ!?」
上「葉隠と耳郎が話してるの聞いたんだよ! いやー、隅に置けないね尾白も」
尾「あ、あれは葉隠さんに買い物に付き合ってほしいってお願いされたからで……。そういう上鳴も耳郎とイイ感じなんじゃないの?」
上「ウェェ!? なんで!?」
尾「同じく葉隠さんから聞いたんだよ、むしろそっちは上鳴から誘ってるらしいじゃないか?」
瀬「上鳴てめえ!?」
峰「この裏切り者ぉ!!」
上「いや、あいつロックバンド詳しいからいろいろ教えてもらってるだけで……!?」
宍「やあ、我々すっかり蚊帳の外ですな」
骨「入りたいとは思わないけどな」
鉄「A組はやっぱり面白れえな!」
円「まあ、あんなワイワイできて少し羨ましいかも」
回「見てるだけだとね。実際にあの中に入るのは大変だぜ?」
泡「ウチも物間と拳藤のおかげで毎日賑やかだけどな」
庄「あの賑やかさは少しどうかと思うが……」
物「ちょっとちょっと! アレは僕のせいじゃなくて拳藤のせいでしょ?」
黒「9割9分は物間のせいだろ」
峰「っておい! 何傍観者になってんだよ! ていうかお菓子取り過ぎだろ! こっちにも寄越せ!」
A組同士で言い合ってるのをB組男子はジュースとお菓子をつまみながら眺めていた。その様子に気付いた峰田が抗議の声を上げる。
回「いやあ、そっちでだいぶ盛り上がってるから邪魔しちゃ悪いかなと思ってさ……」
円「まあ、確かにいろいろ気になることもあったなあ♪」
峰「上鳴、尾白。あとでまた聞くから詳しく話せよ!」
上「ええ!? 嫌だよ!」
尾「これ以上話すことなんてないよ……」
峰「さて、そんじゃあ次はB組の……」
轟「ちょっといいか?」
峰田がB組に話を振ろうとしたところで轟が峰田に声を掛けた。
峰「なんだよ轟。そろそろB組も話に加わってもらわないといけねえんだけど」
骨「いっそ眺めてるだけでもいいけどな」
轟「いや、A組女子の美人系とかわいい系のどっちかって話だったけど……八百万は美人系でかわいい系だろ?」
「「「…………は?」」」
突然の轟の言葉にその場にいた全員の目が点になる。
轟「いや、話聞いてて考えてたんだけどよ、八百万は確かに整った顔で美人系だけど、最近プリプリしてるところよく見るからかわいい系でもあるかなと思って」
回「プリプリ?」
瀬「ああ、八百万ってお嬢様だから普通一般の物事が新鮮らしくてさ。そのワクワクしているのを表す表現が『プリプリ』なんだわ」
上「頼られて嬉しい時もそんなだったな」
円「ていうか轟さっきからそれ考えてたのか!?」
轟「ああ。あと、爆豪」
勝「あ゛あ゛!?」
轟「緑谷はかわいいだろ?」
「「「…………はあ!?」」」
轟「いや、顔は確かに地味めだけど目が大きくてパッチリしてるし、割と表情豊かだし、あとそばかすも……アバターもえくぼだったか?」
尾「……あばたもえくぼ?」
轟「それだ」
砂「どんな微妙な間違いだよ」
轟「そばかすも何ていうか……チャームポイントでいいんじゃないか?」
切「いいんじゃないかって何がだよ……って爆豪落ち着け!? 鉄哲お前も頼む!」
鉄「お、おうわかった!」
勝「…………!!!」
轟の言葉に勝己が個性を発動させようとするのを切島と鉄哲、上鳴、瀬呂でなんとか抑える一方で、轟の天然発言を聞いてたB組の他の面々は大爆笑をしていた。
円「いやあ、笑った! 轟、ただのクールイケメンかと思ったらとんでもない天然キャラなんだな」
瀬「しかもそれが嫌味にならないのがズルいわ。爆豪はキレまくってるけど」
上「轟ぃ、面白かったけど爆豪怒らせんのはやめろよな……アレでキレる爆豪もどうかと思うが」
轟「悪かった」
峰「んじゃ、気を取り直してB組いってみようか!」
骨「はいはい。んじゃあ、俺から。B組の一番美人系とかわいい系って言ったら……拳藤と小大かな」
峰田の言葉に骨抜が答える。その答えにB組全員が頷いていた。
泡「まあ、拳藤は固いな。八百万とテレビCM出てたもんな」
回「あれで2人とも一気に知名度上がったもんな、まだ学生なのに」
上「小大ってあの無口な子か? 喋ってるところみたことないんだけど……」
円「まあ、俺達もあまり聞いたことないかな。口数は少ないし、話しても『ん』とかしか言わないからな」
瀬「つーか思ったけどよ、B組ってどっちかというと美人系が多くないか? かわいい系ってイメージがあんまりないというか……」
骨「確かに……取蔭に塩崎、柳は美人系って感じだし、かわいい系だとあとは小森と角取くらいかな」
瀬「見方によっては小大も美人系に含まれそうだけどな」
上「なんかB組はあんまり意見が広まらないな」
骨「みんなの共通認識が割と一致してるからな。そりゃあA組と比べたらな、色恋沙汰もないし」
峰「なんか釈然としないけど、まあいっか! そんじゃあ次のテーマ行くぜ! ある意味これがメインだからな!」
峰田の言葉に一同が沈黙する中、次のテーマが告げられた。
峰「ずばり『誰が一番いい身体をしているか』だ!」
飯「峰田君! クラスメイトの身体で優劣を論じるなんてやってはいけない!」
さすがに見過ごせなかったのか飯田が待ったをかける。……が。
峰「待てよ飯田。これも大事なことなんだぜ」
飯「む、どういうことかな?」
峰「鍛えられた肉体ってのは男女問わず美しいものだろ? それを論ずることになんの問題もありはしない」
飯「ふむふむ、なるほど確かに……」
「「「(いや、あるだろ)」」」
峰「それにヒーローになったら当然ビルボードチャートで日々他の連中と比較される。他の連中の体つきや動きを見て自分に足りない部分を理解するってのは大切なことなんじゃないか!」
飯「なるほど! その考えはなかったな。峰田君、感心したぞ!」
峰「はっはっはあ! いいってことよ!」
円「おい、アレ止めなくていいのか?」
回「飯田なら勘違いして今後女子連中に『いい身体してるな』って誤解を招きそうな褒め言葉言いそうだぞ」
切「そんときは全力で止めるわ」
上「正直この話題は俺らも興味あるからな」
またもや峰田に言いくるめられる飯田を見て心配する円場、回原の懸念をよそに話はどんどん進んでいく。
峰「そんじゃあ、またオイラから! 異議があったらどんどん言ってくれ! オイラは、八百万! あの長身にあのプロポーションはA組のみならず、B組含めても一番だと思うぜ!」
瀬「まあ、これもだt「異議あり!」
上「飯田!?」
瀬呂の感想に被せるように飯田が声を上げる。上鳴や他の者もあの飯田が異議を唱えていることに驚愕しているが、それを気にせず飯田は自身の意見を語っていく。
飯「八百万君は確かに長身で恵まれた体躯をしている。それはヒーローにとって大きなメリットだろう。だが、鍛えられた身体という点なら俺は緑谷君を挙げたい」
砂「なんか峰田の思惑と微妙にズレてるけど、確かに緑谷の身体めちゃくちゃすげえよな」
回「確かに、体育祭の時のチア衣装見たけど緑谷すごかったな! 1人だけ遅れて着替えて戻ってきたとき会場中ざわついていたもんな!」
宍「女子であそこまで割れた腹筋作れるのはなかなかできることではありませんな。プロでも『ラビットヒーロー』ミルコぐらいしかいないのでは?」
飯田の意見に砂藤、回原、宍田が同様の感想を述べる。この3人は増強型やパワー系に分類される個性・戦闘スタイルであるため、出久の身体の作り込みがどれほどのものか認識できていた。
庄「でも、あそこまで行くと『凄い』にはなっても魅力的に映るかっていうと違う気がする。彫刻的な美しさと女性的な美しさとの違いというか……」
円「確かに。人によってはちょっと引いちゃうかもしれねえよな。やっぱり、女の身体はこう……柔らかさみたいなもんが欲しいよな!」
庄田、円場は異なる視点からの意見を出す。一般人でも筋骨隆々のボディービルダーと機動性との両立も図ったアスリート体型で好みが分かれてくる。
骨「そういった視点で行くと……芦戸が一番バランスいい気がするな。チア衣装で見たけど緑谷ほどじゃないけど程よく鍛えられてて、女らしいしなやかさも感じられてさ」
切「あいつ昔からダンスやってたから素の身体能力も高いんだよな。純粋な身体能力だけならたぶんA組でも上位なんじゃねえか?」
峰「ちっちっち! お前らまだまだ甘えな。蛙吹の身体もなかなかどうして素晴らしいもんだったぜ!」
骨抜の言葉に切島が賛同する。彼女の個性は『酸』で身体能力に関わる個性ではないが、それでも出久と同じ体育祭ベスト8であったので純粋な身体能力も相当なものであることがわかった。そんな中、峰田が新たな意見を挙げてきた。
上「お前さっき八百万って言ってたじゃん……。っていうか、だったって見たことあんのかよ!?」
峰「いや、触った」
瀬「マジか!? いつだよ!?」
峰「USJ事件の時。俺、緑谷と蛙吹と同じとこに飛ばされたんだけど、そこをなんとか乗り切って湖ゾーンから出口に向かって逃げててさ。んで、逃げてる途中で敵連合を遠目から見てたら撤退するって言ったから思わず蛙吹に抱き着いて、そん時に……」
回「そんな時によくできるよな、そんなこと!?」
峰「いや、半分は不可抗力だからセーフだろ?」
円「思いっきりアウトだろ……。で、どうだった?」
峰「思ったより大きくて、柔らかさと張りが両立してて良かった!」
円「マジか……。これから蛙吹の顔まともに見れないかもしれない……」
峰「羨ましいだろ! んじゃあ、次はB組行くか。葉隠は言わずもがなでわかんねえし、耳郎は胸無いし」
上「お前だいぶ失礼だな!? 耳郎は耳郎でスレンダー体型だから需要あるかもしれねえだろ!?」
尾「その言い方も結構失礼だよ上鳴……」
峰「ってなわけで、次はB組頼むぜ!」
泡「この後に話すのはかなり嫌なんだけど……」
円「まあ、なんだかんだで盛り上がりそうだからいってみるか!」
峰田の言葉に泡瀬が顔を引きつらせるが、ノリノリの円場の声で『いい身体選手権 in B組』が始まった。
泡「B組でいやあ、誰になるかな?」
骨「これもまず拳藤かな? B組女子で肉弾戦出来るのあいつだけだし」
回「だよなあ。空手かなんかわからないけど、武術もやってるから相応に身体鍛えてるだろうし」
峰「はいはい! オイラ聞きたいことあるけどいいか!?」
泡「まあ、いいけど……どうぞ」
峰「取蔭ってエロいよな!」
回「直接的過ぎるだろ!?」
峰「いや、B組の中で……というかA組含めてもあんなにエロイ雰囲気の奴いないぞ!」
庄「かなり失礼な物言いだな……」
円「まあでも、言わんとしていることはわからんでもない」
上「そうなの!?」
円「本人も中学時代はギャルって言ってたし」
瀬「ギャルだからエロイってこともないんだけどな」
泡「あとはまあ、端的に言ってヒーローコスチュームがな……正直目のやり場に困るな」
宍「確かに……。本人の個性を最大限生かす為なんでしょうが、かなり身体にフィットしているデザインでその、身体のラインがダイレクトに出てしまって……」
回「授業中とかはそんな余裕ないから気にならないけど、ちょっと一息ついてる時はまあ、うん……」
上「マジか……? ちょっと気になって来たな……」
円「今後一緒に授業する機会も増えるだろうから、その時にでも見てみたらいいよ」
峰「他には!? 他にはないのか!?」
円「必死すぎだろ……。後はそうだな、小森が意外といい身体してるな」
上「マジ!? そこ詳しく!」
円「あいつ背そんなに高くないけど、結構胸があるんだよ」
黒「ああいうのを『トランジスタグラマー』って言うんだろうな、ケヒヒ……」
轟「トランジスタグラマーってなんだ?」
峰「ああっと、小柄だけどエロイ身体ってことだろ?」
尾「間違ってないけどもっと違う言い方あるよな……」
鉄「っていうか黒色、いつ小森に告るんだ?」
黒「な!? 鉄哲!? この、バカ!?」
峰「お、なんだよなんだよ! やっぱ好きな奴がいる奴いたじゃんかよお!」
瀬「おーおー、黒色さんも隅に置けませんなあ♪ もはや顔が桃色になっちゃってるなあ」
砂「こいつら鬼だな……」
骨「まあ、俺らもA組見てる分には面白がってたしな……」
物「まあまあ、君達! 黒色も本気なんだから茶化さないでそっとしていて欲しいな!」
切「おお、物間がまともだ!」
上「一応、B組大好きらしいからなこいつ」
峰「まあ、いろいろ弱み……もとい面白い話聞けたからいいか! で、そんな物間は誰が一番いい身体していると思う?」
物「僕かい? 僕はやっぱり拳藤だと思うよ。手刀一発で僕を気絶させる彼女の身体能力は並みじゃないからね」
上「それは単に技術が凄いんじゃないのか?」
尾「まあ、ああいうのは鍛えられてるからこそ活きる技だからね」
回「ああ、あとは身体じゃないけどアレだな。柳のコスチューム、着物っぽいんだけど下はミニスカっぽいから生足が見えてグッとくる」
上「おお! マジか!? B組との合同訓練が楽しみだぜ!」
峰「よっしゃあ! どんどん盛り上がって来たぜー!! んじゃあ次こそ『ヤリたい奴』を……」
瀬「お前なあ……」
相「お前らやかましいぞ」
A組とB組の会話が弾んできたところで部屋に相澤が入って来た。
上「相澤先生!? なんでここに!?」
相「なんでも何も補習が始まるからだろーが」
瀬「ええ!? もうそんな時間ですか!?」
相「まだもう少しあるが、講義室の準備もあるからそろそろ来い。物間、B組はお前だけらしいからA組B組合同で補習をする。お前も来い」
物「わかりました。それじゃあ、名残惜しいけどA組諸君、僕はここで失礼させてもらうよ」
相「残りの奴らは10時に消灯だから、寝る準備や明日の用意しておけ。行くぞ」
上「しゃあねえ、行くか」
切「俺ら行くけど、適当にやっててくれ!」
相澤の合図で上鳴、切島、砂藤、瀬呂、物間が部屋を出ていく。
骨「んじゃあ、物間も行ったし俺らもここらでお暇するわ」
宍「明日からもハードな訓練が続きますし、休息も大切ですからな」
庄「それでは失礼するよ」
円「お疲れさーん!」
鉄「明日も頑張ろうぜ!」
泡「それじゃあ、お休み」
回「お休み、これって明日もやるのか?」
黒「お前ら、小森に言うなよ……!」
それぞれ挨拶をしながらB組の大部屋に戻っていった。
峰「お前ら、明日は今日来なかった奴連れて来いよー!!!」
飯「それじゃあ、片づけして寝る準備を始めよう。 爆豪君、ゴミを集めくれないか? 俺はゴミ袋をもらってくる」
勝「なんでおれが片づけしなきゃなんねえんだよ!」
尾「とか言いつつやってくれるから爆豪って几帳面だよな。俺はコップを洗うよ。峰田と轟は……轟?」
峰「どうしたんだ轟? 難しそうな顔して?」
男子会の後片付けを始めた飯田、尾白、勝己、峰田だったが、あごに手をあてたまま考え事をしている轟を怪訝に思っていると真剣な顔でとんでもないことを轟が尋ねてきた。
轟「なあ、『ヤリたい』って何をやりたいんだ? 男女ペアでなんか訓練でもするのか?」
尾「え!?」
峰「はあ!? 轟お前それマジで言ってんのか!?」
勝「……!?」
轟「? よくわかんねえな……。爆豪、どういう意味だ?」
勝「……この、クソボケ舐めプ野郎ーーー!!!」
勝己のやり場のない怒りの声がA組大部屋に響き渡った。
というわけで第38.5話でした! いかがでしたか? 人数多くてあまりしゃべらせてないキャラもいたかもしれませんし、出していないキャラもいますがどうかご容赦ください。女子会と比べて結構即物的な内容に仕上がったと思います! もう少しはっちゃけられたら良かったんですが、作者的にはこれが限界ですw 次はいよいよ本編です! できればGW中で投稿したいですが、難しいかもしれません。今後も頑張りますのでよろしくお願い致します!