僕のヒーローアカデミア~諦めから始まる物語~   作:キョンP

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 お待たせしました、第49話です! ついに始まった掃討作戦、果たして成功するのか!? それでは、どうぞ!


第49話 神野事件

神奈川県内、とある警察署内:(ヴィラン)連合アジト突入2時間前

 

「そうそうたる顔ぶれが集まってくれた。協力に感謝する」

 

 警察署内の会議室で塚内は招集に応じたヒーローが大勢集まっていた。オールマイト、エンデヴァー、ベストジーニスト、エッジショットのトップ5圏内ヒーローのみならず、シンリンカムイやMt.レディ、ギャングオルカやグラントリノなどの実力者も含まれていた。

 

「本来ならサー・ナイトアイ事務所も参加する予定だったが、大規模事故及びそれに付随する事件事故の処理に当たっているため、本作戦への参加が難しくなった。彼の個性を活用できれば突入時の対応策に幅が出るのだが、ここにいるヒーロー達だけでも十分に対応できると思う。それでは、作戦会議を始めよう」

「何で俺が雄英の尻拭いを……こちらも忙しいのだが」

「まァそう言わずに……OBでしょう」

 

 不機嫌さを隠さないエンデヴァーをベストジーニストがたしなめる。不満を言いつつも招集を断らないのはエンデヴァー自身にも雄英に対して一定の想いがあることが窺える。

 

「今雄英からはヒーローを呼べない。拉致された生徒が救出・保護されたとはいえ、世間からの批判は避けられない。大局を見てくれエンデヴァー」

「そこにその雄英の教師が1人いるが……」

「今回の作戦でNO.1ヒーローを呼ばないわけにはいかないだろう」

「春以降、様々な形で雄英は敵連合から攻撃を受けてきた。雄英教師陣全員が忸怩たる思いを抱いているよ、私自身もね。一部被害は出たが、敵連合を一網打尽にできるチャンスが巡って来たんだ。ここで私が来ないで誰が来るというんだ……!」

「……ふん! せいぜい空回りしないことだな……」

「今回の事件はヒーロー社会崩壊の切っ掛けにもなり得る。総力を持って解決に当たらねば」

 

 普段からオールマイトへの敵対心を隠さないエンデヴァーだが、仕事となれば私情を挟むことはないプロフェッショナルでもある。エンデヴァーが言葉を切ったところで塚内が会議室にいるヒーローに声をかけた。

 

「それにしても……捜査が一気に進んだ切っ掛けになった手前あまり文句は言いたくないが、爆豪は派手に暴れたようだな」

「爆豪? 確か貴様が職場体験で受け入れた奴か」

「ああ、以前素行を矯正すべく事務所に招いた。あれほど意固地な男はそうそういまい。ただ……テレビで流れていた救出時の映像では一緒に拉致された生徒を必死で守っている様子が見てとれた。彼の中で何かが変わったのかもしれないな」

「あの女の子、幼馴染みたいですよ。もしかして、敵連合のアジトでなにかあったんじゃないですか?」

「Mt.レディ、下世話な雑誌記者みたいなことを言うのはやめたまえ。あの男に限ってそんなベタなことはあり得ないよ」

「いやいや、ジーニストはわかってないですよ。男女の仲なんて案外ベタベタな展開が多いんですから」

「何かやけに詳しいな。経験でもあるのか?」

「……この話は終わりにしましょう」

「「(何かあったんだな……)」」

 

 Mt.レディの表情の変化でベストジーニストとギャングオルカは触れてはマズいことを察した。

 

「爆豪と緑谷が救出されたことはよかったが、我が同志ラグドールは未だに拉致されたままだ。なんとしても取り返さねばならない!」

「生徒の1人が仕掛けた発信機ではアジトは複数存在することが考えられる。我々の捜査と拉致されていた爆豪君が脱出時に暴れたおかげで敵連合の現在のアジトもわかっている。主戦力はそちらに投入し、敵連合主要メンバーの制圧を目的とする。同時に別のアジトと考えられる場所も制圧し、完全に退路を断ち一網打尽にする」

 

 

「俊典。俺なんぞまで駆り出すのはやはり……」

「『なんぞ』ではありませんよグラントリノ! ここまで大きく展開する事態……()も必ず動きます」

「オール・フォー・ワン……」

 

 グラントリノがオールマイトの……OFA継承者の宿敵、そして亡くなった盟友の仇の名を口にする。6年近くも沈黙を保ち続けてきた悪の帝王が再び動き始め、ヒーロー全体を……社会全体を脅かしかねない敵連合を導いている。この機に倒さねば未来が危ない。オールマイトもグラントリノも口に出さずともお互いに胸の内を理解し合っていた。

 

 

「今回はスピード勝負だ! 敵に何もさせるな! 夕方行われる会見では敵を欺くよう校長のみに協力要請しておいた! さも難航中かのように装ってもらう! 会見が行われたその日のうちに突入されるとは思うまい! 意趣返しをしてやれ、反撃の時だ! 流れを覆せ!!! ヒーロー!!!」

 

 作戦の概要を説明を終えた塚内が会議室にいるヒーロー、警察官に檄を飛ばす。敵連合掃討に向けて、全てが動き出した。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「もう逃げられんぞ、敵連合……。何故って!? 我々が来た!」

 

 敵連合のアジトⅡであるバーに大柄の男……NO.1ヒーローのオールマイトがぶち壊して壁の穴からゆっくりと入ってきた。

 

「オールマイト……!! あの会見後に、まさかタイミングを示し合わせて……!」

「木の人! 引っ張んなってば! 押せよ!!」

「や〜!!」

 

 Mrコンプレス、トゥワイス、トガヒミコがシンリンカムイの拘束から逃れようともがくが、拘束の手はびくともしない。

 

「攻勢時ほど守りが疎かになるものだ……」

 

 ドアの隙間から細くした体を侵入させてきたNO.5ヒーロー、エッジショット。侵入時に細くした体を元に戻しながら扉の鍵を開けると、作戦に動員された警察の部隊が次々と部屋に入ってくる。

 

「ピザーラ神野店は俺達だけじゃない。外はエンデヴァーをはじめ、手練のヒーローと警察が包囲している」

「せっかく色々コネクリ回してたのに……何そっちから来てくれてんだよラスボス……」

 

 シンリンカムイに拘束され身動きの取れない死柄木は想定外の状況に恨み言は言いつつもまだ戦意は落ちていない。

 

「(全員押さえられた……簡単には逃げられない。)仕方がない……。俺達だけじゃない……そりゃあこっちもだ。黒霧、持って来れるだけ持って来い!!」

「(脳無だな!!!)」

 

 オールマイトの予想通り、死柄木は黒霧にワープで脳無を移動させるよう指示を出したが、脳無が送られてくる様子がない。

 

「……」

「すみません死柄木弔……。所定の位置にあるハズの脳無が……ない……!!」

「!?」

「やはり君はまだまだ青二才だ、死柄木!」

 

 黒霧の言葉に驚愕し動揺を隠せない死柄木にオールマイトは畳み掛けるように言葉を浴びせていく。

 

「敵連合よ。君らは舐めすぎた。少年少女の魂を……警察のたゆまぬ捜査を……そして、我々の怒りを!! おいたが過ぎたな……ここで終わりだ、死柄木弔!!」

 

 オールマイトの放つ言葉の凄みに死柄木のみならず仲間の敵連合メンバーも気圧されていく。

 

「オールマイト……これがステインの求めた……ヒーロー……」

「終わりだと……? ふざけるな……まだ始まったばかりだ」

 

 気圧されつつもオールマイトや他のヒーローへの怒りを胸に死柄木は己を奮い立たせる。

 

「正義だの……愛だの……あやふやなもんでフタされたこの掃き溜めをぶっ壊す! その為にオールマイト(フタ)を取り除く……。仲間も集まりはじめた。ふざけるな……ここからなんだよ…………。黒ぎっ……!」

 

 ズッ!

 

「うっ!?」

「!?」

「……え……!? キャアアやだぁもお!! 見えなかったわ! 何!? 殺したの!?」

 

 死柄木が再度黒霧に指示しようとした瞬間、細く伸びた何かが黒霧の体を貫き黒霧はうめき声をあげて動きを止めた。細く貫いた何かは個性により自身を細くしたエッジショットだった。

 

()を少々いじり気絶させた、死にはしない。忍法『千枚通し』! この男は最も厄介……眠っててもらう」

「さっき言ったろ。おとなしくしといた方が身の為だって」

 

 グラントリノが拘束された敵連合の顔を見ながら一人一人の名前をあげていく。

 

「引石健磁……迫圧紘……井口秀一……渡我被身子……分倍河原仁。少ない情報と時間でおまわりさんが夜なべして素性をつきとめたそうだ。わかるかね? もう逃げ場ァねえってことよ。なァ死柄木、聞きてえんだが……おまえさんのボスは今どこにいる?」

「……………………」

 

 死柄木はグラントリノの問いに答えず、沈黙が続いた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:Tomura

 

「なァ死柄木、聞きてえんだが……おまえさんのボスは今どこにいる?」

「……………………」

 

 ボス……先生がどこにいるかだって……。そんなもん俺だって知らねえよ……。ただ、先生はいつだって俺に手を差し伸べてくれた……。

 

 

『誰も……たすけてくれなかったね……。辛かったね……志村転弧君……』

 

 

 奴らがぶち破った壁や開けたドアから次々とヒーローや警察が入ってきやがる。俺達の……『破壊』の始まりになる場所に土足で入ってきやがって……!

 

「ふざけるな、こんな……こんなァ……」

 

 

『『ヒーローが』、『そのうちヒーローが』皆そうやって君を見ないフリしたんだね。一体誰がこんな世の中にしてしまったんだろう? 君は悪くない』

 

 

「こんな……あっけなく……。ふざけるな……失せろ……消えろ……」

 

 

『もう大丈夫。僕がいる』

 

 

()は今どこにいる、死柄木!!」

「おまえが!! 嫌いだ!!」

 

 俺が叫んだ瞬間……。

 

 バシャバシャ! ドドドド……!

 

 待ち望んでいたもの……何体もの脳無が大量の水音とともに現れた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

バシャバシャ! ドドドド……!

 

「!?」

「脳無!? 何もないとこから……! あの黒い液体は何だ!?」

「エッジショット! 黒霧は……」

「気絶している! こいつの仕業ではないぞ!」

「どんどん出てくるぞ!!」

 

 そうしている間にもアジトの中には次々と黒い液体が現れ、中から脳無が出現してくる。しかし、この状況は死柄木や敵連合にも想定外らしく、大量の脳無に戸惑っている様子だった。

 

「シンリンカムイ、絶対に放すんじゃないぞ!!」

「了解! エンデヴァー!! 応援を……!?」

 

 オールマイトから指示を受けたシンリンカムイは拘束した敵連合を逃がさぬよう気を引き締め、屋外で控えているエンデヴァーに応援を請うが……。

 

 

「塚内! 避難区域広げろ!!」

「アジトは二か所と……捜査結果が出たハズだ。ジーニスト!! そっちは制圧したんじゃないのか!? ……ジーニスト!?」

 

 エンデヴァー達が控えていた場所にも大量の脳無が出現しており、広範囲火力を持つエンデヴァーも対応に苦慮していた。別の場所へ向かっているジーニスト達へ塚内が連絡するが応答がなく、突入当初よりも状況は悪化しつつあった。

 

「俊典、こいつぁ……」

「ワープなど……持ってはいなかったハズ……!! 対応も……早すぎる……! まさか……この流れを……」

「先生……」

「ぼえ!!!」

 

 戦局が一変する中、脳無を出現させた黒い液体が敵連合のメンバーにもまとわりつき徐々に姿が消えていく。

 

「!!?」

「マズイ、全員持っていかれるぞ!!」

「おんのれ、私も連れて行け!!」

 

 ボボボボ……!

 

 オールマイトが逃がすまいと死柄木に向かっていき手を伸ばすが、黒い液体の中に手を入れてもオールマイトには何の影響もなく死柄木のみがその場から黒い液体に取り込まれるように消えてしまい、周囲にいた別の敵連合メンバーも次々と姿を消して全員がその場からいなくなってしまった。

 

「すみません皆様ァ!!!」

「お前の手落ちじゃない! 俺達も干渉できなかった。黒霧の『空間に道を開く』ワープじゃなく『対象のみを転送する』系と見た!」

「オールマイト!!」

 

 シンリンカムイをエッジショットが庇う中、オールマイトに複数の脳無が襲い掛かる。グラントリノが強い語気で呼びかけるもすでに脳無に組み付かれており、いかにオールマイトといえども苦しい状況と思われた、が……。

 

「Oklahoma……SMASH!!!」

 

 身体を一気に捻りさらに打撃も加えてまとわりついた脳無数体を一瞬で弾き飛ばしてしまった。

 

 

「景気の良い壊しぶりだな……!!」

「事が事だからだ! 敵に集中しろ!」

「こいつら……()()()から流れて来てるのか……!?」

「ジーニストらと連絡がつかない。恐らくあっちが失敗した!」

「グダグダじゃないか全く!!!!」

 

 屋外に控えていたヒーローや警察も複数の脳無の対応に追われていた。ヒーローと違い警察は戦闘に使える個性を持たないため、重火器等で対峙しておりUSJほどの力を持たない脳無1体に対して複数人で当たることで辛うじて優勢を保っていた。

 

「エンデヴァー!!」

「!!」

「大丈夫か!?」

「どこを見たらそんな疑問が出る!? さすがのトップも老眼が始まったか!? 行くならとっとと行くがいい!!」

「ああ……任せるね」

 

 オールマイトの呼びかけにエンデヴァーが悪態をつきながらも応える。普段通り嫌悪感を隠しもしないが、任務を忠実にこなす姿はまさしくプロであり、NO.2の名に恥じぬものであった。そんなエンデヴァーの声を受け、オールマイトはベストジーニストが率いる別チームが割り当てられていたもう1か所のアジトへ急いで飛んだ。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:Katsuki

 

「じゃあ俺達はこっちだから」

「また明日な爆豪~!」

「明日こそ緑谷と話せるといいな!」

「……お~」

 

 俺とは違う駅に行く3人と途中で分かれた。切島(クソ髪)はともかく、上鳴(アホ面)瀬呂(しょう油顔)が若干ニヤニヤしているのが少しイラついたが、ここで否定しても問答なので適当に返しておいた。……デクと話がしてえのは本心だからな。

 

 自分でも驚きだ、ここまで素直にデクへの想いを抱けるのが。もちろん、それを口に出すのはまだ憚られるがな。

 

「……おい、なんかヤバいこと起きてるっぽいぜ!」

「おいおい、これマジかよ……」

「?」

3人と別れて普段使う駅に着いたが、周囲の連中がスマホや駅に備え付けのモニターを見ながらいろいろ話してる。何か事件・事故が起きたらしい。話しながら歩いていてスマホも見ていなかったから何もわからないので少し人だかりができているモニターの近くに寄ってみた。

 

『……現場は逃げる人々で騒然としていて現地のヒーローや警察が避難誘導に当たっております。神野区では昨日も敵連合に拉致された雄英高校生徒2人が保護されたということがあり、敵連合の拠点があるのではないかと疑われていますが、現時点では関連は不明です』

「!?」

 

 神野区? 俺とデクが捕まってた場所じゃねえか! なんとか脱出できたのが昨日の朝で今日の夜に同じ場所で……。

 

「これ、マジで敵連合絡みじゃねえか?」

「っていうか、敵連合の狙いって確かオールマイトって話じゃなかったか? もしかして、敵連合捕まえるために突入でもしてんじゃねえか?」

 

 周囲のモブ共の話を聞いて、オールマイトが昨日話していたことを思い出した。

 

『詳細は言えないが、今奴らを捕まえるための準備を進めている』と……。

 

 あの時点ではまだいつやるとは言っていなかったが、状況的に考えてオールマイト達と考えて間違いない。まさかこんなに早くするなんて……。

 

「まあ、オールマイトがいるなら楽勝っしょ!」

「ここ数ヶ月はいろいろあってちょっと刺激あって面白かったけどな」

 

 こいつら、ヒーローをなんだと思ってやがる……。オールマイトがどれだけの犠牲を払ってきたか、わかってんのか!? いや、俺だってOFAを介してオールマイトのトゥルーフォーム(本当の姿)を知らなきゃのんきに考えていたかもしれないし、楽勝と思うのも無理はない。

 

 ……本当に楽勝か? 並みの敵なら確かにそうだが奴らは、敵連合の連中は並み……どころかマトモじゃない、イカれた連中ばかりだ。そんな奴らが相手なら一筋縄でいくとは思えねえ……。それに……OFAの中で見た、敵の親玉『AFO』。そいつを潰さねえ限り、この戦いは終わらねえ……。

 

 なんだ、この胸騒ぎは……。

 

 

 周囲の雑音を振り払うように俺は雄英からの帰り道を走って戻っていた。

 

 デク……! あいつがオールマイトから託されたOFA……。今は俺が持っちゃあいるが、これはあいつが持つべきもの……! あいつは今の状況を……オールマイトが戦っていることを知ってるのか……!? 今、あいつは元の無個性だ……。精神的に不安定になっているに違いねえ。そんなときにオールマイトが戦っていることを知ったら……! 

 

 

 俺が……俺が傍にいなくちゃなんねえ!

 

 

「OFAフルカウル、5%!」

 

 公共の場で個性使用は禁止だが、そんなこと気にしちゃいられねえ! 

 

 一応周囲を確認してOFAを発動させて俺は雄英へと急いだ。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

神野区、脳無格納倉庫

 

 CLAP! CLAP! CLAP!

 

「さすがNO.4(ナンバーフォー)!! ベストジーニスト!! 僕は全員消し飛ばしたつもりだったんだ!!」

 

 元々はいくつもの建物……倉庫が並んでいるはずの場所だった。それがたったの数分でまるで爆発でもあったかのように更地になっていた。場違いな拍手と称賛の声は……これまたこの場に合わないスーツを着て異様な金属製マスクを被った大柄な男性が生み出していた。

 

 その男こそ、オールマイトの宿敵である悪の帝王、AFO(オール・フォー・ワン)であった。

 

「皆の衣服を操り瞬時に端へ寄せた! 判断力・技術……並みの神経じゃない!」

 

 AFOの称賛は更地で倒れるベストジーニストに向けられたものだった。脳無格納庫をともに制圧したMt.レディ、ギャングオルカ、虎、救出されたラグドール、同時に配置された警察官達はAFOのいう通り、ベストジーニストの判断によってかろうじて衝撃破の直撃を免れていた。

 

「……こいつ……」

 

 

『連合には恐らく……いや……間違いなくブレーンがいる』

『そいつの強さはオールマイトに匹敵する』

『そのくせ狡猾で用心深い……。己の安全が保証されぬ限り表には姿を見せない。今回は死柄木らの確保から奴の捕捉までを可能な限り迅速に行いたい』

 

 事前に行われた会議では今回の作戦は敵連合の逮捕を最優先としており、AFOの行方の確認は可能な範囲とされていたためAFO自身が直接乗り込んでくることはオールマイトや塚内、その他ヒーローにも予想外のことだった。

 

「(話が違う……!! ……からなんだ!? 一流は!! そんなモノを失敗の理由に……!?)」

 

 ドッ!

 

「相当な練習量と実務経験故の『強さ』だ。君のは……いらないな。……弔とは性の合わない『個性』だ」

 

 衝撃波を受けボロボロになりながらも再び立ち上がろうとするベストジーニストだったが、AFOのダメ押しの攻撃を受けてそのまま意識を失った。

 

 バシャバシャバシャ……!!

 

 直後に周囲に黒い液体が現れ、その中から死柄木を始めとする敵連合のメンバーが元いたアジトから移動させられてきた。

 

「げえぇ……」

「うえぇぇ……臭いです……」

「…で、ここどこだ?」

「また失敗したね弔」

「……」

 

 アジトから転移してきたメンバーは移動した場所にいたスーツにマスク姿の異様な人物、AFOに一瞬警戒するが死柄木に対してフレンドリーに接していることから彼が死柄木のいう『先生』であるとなんとなく理解した。

 

「でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した。いくらでもやり直せ、その為に(せんせい)がいるんだよ」

 

 USJ、保須でオールマイトや出久達に反撃され、手駒であった脳無を失っているにも関わらず怒ることなく優しく諭す姿は確かに生徒を導く『先生』のように見えた。

 

「……やはり……来てるな……」

「?」

 

 AFOの言葉にその場にいたほかの者か一瞬意味が分からなかったが、その刹那……。

 

 ゴォオオオ……!! ガッ!!

 

 上空から高速で飛んできたオールマイトがAFOに向かってぶつかって来た。落下する速度を乗せた両拳をぶつけてきたが、AFOはそれを真正面から受け止めた。

 

「全て返してもらうぞ、オール・フォー・ワン!!」

「また僕を殺すか、オールマイト」

 

 

 かつて死力を尽くして戦った両者が6年もの時を経て再びあいまみえることとなった。

 




というわけで第49話でした! ついにオールマイトとAFOが激突します。原作では勝己がいてなかなか思うように動けませんでしたが、本作ではどうなるでしょうか? そして、出久のもとへ急ぐ勝己、公共の場で個性使用は禁止ですよw まあ、一応周囲確認してるので大丈夫でしょうがw あと1,2話くらいで神野事件編はクライマックスになると思います。原作完結してまだ少々寂しいですが、完結できるよう細々と続けていくので、応援よろしくお願い致します♪
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