僕のヒーローアカデミア~諦めから始まる物語~   作:キョンP

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お待たせしました、第61話です! 今回は比較的早くお届け出来ました♪
それでは、どうぞ!


第61話 二次試験開始!!

(ヴィラン)による大規模破壊(テロ)が発生! 規模は○○市全域、建物倒壊により傷病者多数! 道路の損壊が激しく救急先着隊の到着に著しい遅れ! 到着する迄の救助活動はその場にいるヒーロー達が指揮を執り行う。一人でも多くの命を救い出すこと!!! START!!!』

 

 

「(ちゃんとやるんだ! ちゃんと……! 皆と一緒に……!)」

 

 目良のアナウンスで仮免試験の二次試験が始まった。一次試験と同様に控室が開くと各学校の受験生が一斉に駆け出していく。一次試験で目良が言っていたように今は事件発生・解決のプロセスが格段に早くなっており、まず迅速に現場に着く必要がある。A組生徒達も周囲の状況を見ながらも素早く移動する。

 

「とりあえず一番近くの都市部ゾーンへ行こう! なるべくチームで動くぞ!」

「「「おう!!」」」

「かっちゃん! さっきと違って採点基準が明かされてないからまずは一緒に動こう!」

「……わぁったわ!」

「おお! 爆豪が素直だ……」

「一応その辺の頭は回るんだよなぁ……」

「一応とはなんだアホ面!? その辺に埋めてやろうかゴラァ!!」

「君達!! 今は試験中だぞ!! 真面目にやりたまえ!!!」

 

 勝己達の言い争いを飯田が諫めながら都市部のビルが倒壊しているまで移動をしていくと一人の人影が見えた。

 

「早速子どもが!?」

「あ゛あ゛あ゛あ゛ん!! たすげてええ!! ひっ……ひっ……ひっ……!」

 

 少年(と思しき小柄な男性?)が蹲りながら大声で泣き叫んでいる。先頭に出久、飯田、麗日がその少年に声を掛ける。

 

「君!? 大丈夫か!?」

「あっち……! おじいちゃんが!! ひっ! 潰されてえ!!」

「ええ! 大変だ!! どっち!?」

「なんだよそれえ! 減点だよォオ!!!!」

「!?」

 

 出久が声を掛けるといきなり少年から減点が言い渡される。その言葉にA組の一同も驚き動きを止める。そのまま少年は言葉を続けていく。

 

「まず私が歩行可能か確認しろよ、呼吸の数もおかしいだろォ!? 頭部の出血もかなりの量だぞォ!? 仮免持ちなら被害者の状態を瞬時に判断して動くぞ!」

「(『HUC(要救助者のプロ)』が採点するとは思ってたしテレビの特集でも見てたけど、ここまで鬼気迫る迫真の演技をしながら評価するのか!?)」

 

 出久自身が二次試験前にA組生徒に説明してはいたが、画面越しに観るのと間近で自分が評価対象になるとでは全く異なる。戸惑う出久達にHUCのスタッフはさらに言葉を続ける。

 

「こればかりは訓練の数がものを言う!! 視野広くぅ周りを見ろォ!!」

「「「!?」」」

 

 HUCスタッフの言葉にA組生徒が周りに目を向けると他校の生徒が機敏に救助活動を行っていた。

 

 

「ここまでを暫定危険区域に設定する」

「いや、もっと広くだ! テロだぞ、もっと被害デカくなるかも!」

「とりあえず道とヘリの離発着場をつくる、どいてろ!」

「救護所は控室で!」

「だいぶ広いぞ、一次救出場を設定しよう」

「トリアージはとりあえず私やります」

 

 

「さすがにこの辺、人命救助は……劣っちまうな」

 

 試験の様子をモニターで確認しながら相澤が珍しく弱気な発言をする。A組生徒とて普段の授業で救助訓練を行っているが他校の生徒はA組生徒より1年以上も経験を積んでおり、戦闘における実力や実戦経験の差とは関係なく動きの練度・判断の早さはどうしても分が悪くなってしまう。

 

「……思考を止めるな。合理的に考えて対応しろ……」

 

 

 言葉は届かずとも相澤はA組生徒にアドバイスを送った……。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

Side:Izuku

 

 周りの他校生はどんどん迅速に行動していく。僕らは戦闘経験こそ積んでるかもしれないけど、救助の経験はそれこそ授業での実習しか行っていない。ここで経験の差が出てくるなんて……。

 

「救出・救助だけじゃない。消防や警察が到着するまでの間、その代わりを務める権限を行使しスムーズに橋渡しを行えるよう最善を尽くす。ヒーローは人々を救ける為あらゆる事をこなさなきゃならん」

 

 HUCの人が事故発生時のヒーローの動きを語る。僕らも授業で学んだり、頭の中では分かってるんだ。でも、実戦に近い形はそこまで経験がないから一歩が遅くなってしまう……。本来ならこの会話もせずに動くべきだけど、HUCの人は言葉を更に続ける。まるで僕らを指導するように……。

 

「何よりあんた……私たちは怖くて痛くて不安でたまらないんだぜ? 掛ける第一声が『ええ! 大変だ!!』じゃあ、ダメだろう」

 

 HUCの人の言葉に僕は思い出す……僕の原点、オールマイトを……。

 

 

 『もう大丈夫! 私が来た!』

 

 

 この言葉にどれだけ安心するだろう……。でも、それを言ってきたオールマイトはもう引退してしまった……。なら、これから救けを求める人には誰が手を差し伸べる? 誰が『大丈夫!』って声を掛けてあげる?

 

 パンッ!

 

 そうだ! 何をやってるんだ僕は! スイッチを入れろ! 仮免もこの試験もただの通過点じゃない、全部憧れへの……夢の形なんだ! 不安でも笑顔で腹に力を入れて言うんだ! あの言葉を!

 

「大っ丈夫!! 僕が来た!」

「……ひっ! うわああん、あっちでえ! おじいちゃんがっ! ひっ!」

「(もどった! ここから再スタートだ!)大丈夫さ! 必ず救けるよ! 歩ける? 頭ちょっと見せて……」

 

 やるべき事を全力でやれ! 夢を叶えるために!

 

「うん、出血は多いけど傷はそんなに深くない。気分が悪いとか吐き気はない?」

「ひぅ、だい、じょうぶ……」

「(軽傷者は自力で歩かせるのが基本だけど、子どもの場合は自分で状況を上手く説明できないこともあるし、この中を歩かせるのは適切とは思えない。なら……!)僕はこの子を救護所まで運ぶから皆先に行ってこの子のおじいちゃんの救助に向かって!」

「おう!」

「頑張っぞ!」

 

 そう言ってHUCの人を抱きかかえて設定された救護所へ急いだ。要救助者に負担をかけないよう振動を抑えて出来る限り速く!

 

「大丈夫!! 大丈夫だ!!」

「一辺倒か!! ヘタクソか!! (でもこの子、私を励まそうとして明るく振舞ってるな。急ぎつつも私に負担を掛けない走り方もしている。それに顔地味だけど結構いい身体してる……。ふむ、これはひとまず及第点かな)」

 

 ん? 何か今……邪な思念がどこかから……? ……気のせいかな? とにかく、救護所まで急がなくちゃ!

 

 

「もうすぐ安全なところだからね! 頑張って!」

「うう……えぐ……」

「!」

 

 救助したHUCの人を救護所に運んでいくとすでに多くの他校生や救助されたHUCの人達でごった返していた。

 

「もうこんなに……!?」

「君! その坊や見せて!」

「あっハイ!」

 

 僕に気付いた他校の……おそらく上級生の人が声を掛けてくれる。怪我の具合や状態を確認してそれに対応した場所に案内するんだと思う。僕らが学んでいる部分を少し超えている……この辺りはやっぱり経験なんだろうな。

 

「頭怪我してます。出血多いけどそんなに深くないです。受けこたえはハッキリしてます!」

「…………うん! じゃあ右のスペースに運んで!」

「ハイ!」

 

 僕が救助した時に確認した事項を伝えると、状態を確認してどこに運ぶか指示を出してくれた。この人を運んだらさっきのところに戻ってみよう! 皆が他の人を探しているかもしれないし、こういう場合はパワー系が役に立つ状況が多いはずだから!

 

 

「ここならもう安全だよ! 僕、お姉ちゃんはおじいちゃんを救けてくるからね!」

「……うん、ありがとうお姉ちゃん! おじいちゃんを救けて!(まあ、設定だからそこまで細かくやる必要はないんだけどここはノッておこう)」

「うん! 任せて!」

 

 その人にそう声を掛けて移動しようとした瞬間……。

 

 

 ドォオオオン!!! ドンッ!!! ドォオオオン!!!

 

 

「「!!!」」

「何だあ!!?」

「うわァ!!?」

 

 大きな爆発が複数回起こり周囲に爆発による煙が広がっていく。これは一体……!?

 

 

 『敵による大規模破壊《テロ》が発生!』

 

 

 これは演習のシナリオ! ということは、この爆発は敵による攻撃ってことか!?

 

「まじか……!?」

「そういう……」

 

 声がした方を見ると傑物学園の真堂さんがいて、さらに真堂さんの見ている方向へ視線を向けると……そんな!? あれは……ギャングオルカ!! まさか……!?

 

『敵が姿を現し追撃を開始! 現場のヒーロー候補生は敵を制圧しつつ救助を続行してください』

 

 こんな……救助と敵制圧を同時に行うなんて!! でも……やらなきゃいけないんだ! 神野みたいな事件が今後起きないとも限らない! やってやるぞ!!

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「僕はこの子を救護所まで運ぶから皆先に行ってこの子のおじいちゃんの救助に向かって!」

 

 

 出久が要救助者を抱えて走り去った後、 残されたA組は周囲を見ながら状況に応じて各校の生徒とも協力していくことにして数人単位で動いていくことになった。

 

「俺は山岳ゾーンへ向かう。ここじゃ俺の個性は使いづれえ」

「なら俺も行くぜ! 単独よりも人数いた方が出来ること多いだろ!」

「俺も行くよ! それに爆豪だけだと他校の人とのコミュニケーションがやりにくいだろうからな」

「てめえバカにしてんのかアホ面!」

「ほら! こんなことしてる場合じゃねえだろ! 早く行こうぜ!」

「……ちっ! 足引っ張んなよ!」

 

 上鳴の言葉に怒る勝己だったが、切島に諭されて山岳ゾーンへと向かっていく。そこまでの道中は特に要救助者に出会うことは無かったが、山岳ゾーンへ入った途端まるで待ち構えていたかのようにHUCが扮した要救助者が現れた。

 

「腕を怪我したの!」

「助けてくれ! 痛い!」

「うるせえ!! 自分で助かれや!」

「「「「はああァ!!?」」」

 

 救けを求める声を即座に否定した勝己とそれに驚く切島・上鳴・要救助者2人の計4人。

 

「自己流貫きすぎだろ!」

「すげえ大怪我してるかもしんねえだろ!!」

「馬鹿かてめぇらは! 自力で歩ける奴を運ぶ必要はねえ!」

「それは、そうかもしんねえけどよ……」

「ふむ、我々の設定は救助優先度の低い軽傷者……」

「それを瞬時に見抜き我々に『自分で動け』と指示を出すとは……!」

「マジでか……!」

「そうは言っても避難場所への案内は必要だろ……2人とも俺達が安全な場所まで案内しますよ!」

「……ちっ!」

 

 救けを求めるHUCスタッフの状況を即座に判断し、的確な指示を出した勝己に上鳴、切島は驚きつつも感心していた。

 

「でもあの言い方はないな、減点」

 

 判断は間違っていなかったが言葉使いを間違った勝己であった。

 

 

 ドォオオオン!!! ドンッ!!! ドォオオオン!!!

 

「!?」

「な、なんだこりゃあ!?」

「一体何が……!? 危ないから俺達から離れないで!」

 

 複数回の爆発が起こり、少し離れた位置……都市部ゾーンの一角から黒煙と土埃が舞っているのが勝己達のいる山岳ゾーンからでも確認できた。

 

「……これは敵の襲来だ!」

「は!? なんでそうなるんだよ!?」

「二次試験開始の放送でテロ発生っつってただろうが!」

「じゃあ、あそこに敵が来てるってことか!? っておい爆豪!?」

 

 ダッ! BBBB……!!

 

 勝己は切島の静止も聞かず助走をつけてジャンプすると連続で爆破をしながら黒煙の発生地点へ飛んで行く。

 

「俺は現場に向かう! お前らはそいつらを安全な場所まて運べ!」

 

 振り返らずに指示を出して勝己はさらにスピードを上げてあっという間に見えなくなってしまった。

 

「もう見えなくなっちまった……」

「まあ、俺らじゃあいつのスピードに付いていけねえから仕方ねえな。……それじゃあ、2人は俺達についてきてくれ!」

「ああ……」

 

 切島の言葉を合図にその場にいた4人は移動を始めた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「轟君、梅雨ちゃん! あそこ!」

「救けてー!?」

 

 轟、蛙吹、葉隠は水辺ゾーンの小川に来ていた。蛙吹の個性『蛙』を活かすために水辺ゾーンへ移動する際に轟と葉隠も同行していたが、まさに着いたタイミングで要救助者を見つけた。

 

「私が行くわ! 待ってて、すぐ救けるから」

 

 蛙吹が即座に小川に飛び込む。蛙の個性である蛙吹は水中での行動を得意としており、あっという間に要救助者の元にたどり着いた。

 

「暖めるために燃えるものを集めよう」

「任せて!」

 

 水で濡れた身体は体温が奪われ体調に異変を及ぼす可能性があるため、轟と葉隠は要救助者の身体を乾かし暖めるために燃えるものを集めに行った。

 

「さあ、もう大丈夫よ。よく頑張ったわね」

「ありがとう、お姉ちゃん」

「怪我はない? それから頭が痛いとか気分が悪いとか」

「ず、ずっと水の中にいたから、身体が寒い……」

「(轟ちゃんがいるから暖は取れるとしても、身体が濡れたままなのはよくないわね……。何か身体を拭くものが……)」

 

 救助した少年の状況を確認していた蛙吹はひとまず命に別条がないことに安堵したが、それでも現状のままは良くないことを認識できた。どのように対応するか思案していたところに声がかけられた。

 

「要救助者の人ですか!? 私も手伝います!」

「……ケロ! あなたは確か……赤嶺さんよね?」

「緑谷さんと同じ雄英の……」

「蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで」

「え? え? わ、わかりました。梅雨ちゃん、保護した方の状況は?」

「怪我もなく意識もはっきりしているわ。ただ、長時間水に浸かっていたみたいで身体が冷えてるの。ウチのクラスの轟ちゃん、炎の個性を持つ仲間がいるから暖は取れるけど、身体が濡れたままは不味いと思うの。何か身体を拭けるものないかしら?」

「! それなら……私に任せて!」

 

 そう力強く赤嶺が言って右手をかざすと濡れていた少年の身体から少しずつ水が浮き上がり、一塊になっていく。

 

「ケロ! これは……」

「私の個性は『操水』、水を操ることができるの。……はい、これで身体は乾いたと思うわ」

「……凄いわ! ありがとう、赤嶺さん」

「雫ちゃんと呼んで?」

「ケロ!?」

「あ、あれ? 何か間違えちゃった!?」

「大丈夫よ、雫ちゃん♪」

「蛙吹! 燃えるもの集めてきたぞ! ……お、そっちは確か……」

「出久ちゃんの友達!」

 

 蛙吹と赤嶺が微笑ましいやり取りをしていたところに轟と葉隠が暖を取るための薪を集めて戻って来た。

 

「赤嶺です。雫ちゃんと呼んで」

「は?」

「え?」

「あ、あれ? これ雄英の挨拶じゃないんですか!?」

「それは梅雨ちゃんの挨拶だね……」

「そ、そんな……恥ずかしい……」

「あ~、薪を集めてきたんだが……その人、身体濡れてねえな?」

「雫ちゃんの個性よ。水を操れるって」

「え~! それ凄いね! でも、もうちゃん付で呼び合ってるんだね」

「そ、それはその……」

「私と雫ちゃんの個性があれば水辺ゾーンの捜索・救助はだいたい対応できるわ。このまま、この辺りを探してくるから轟ちゃんと透ちゃんはこの子を見ててあげて」

「わかった。……よし、火つけたからここに来てくれ、暖まるぞ」

「ありがとう……」

「ここで少し休んだら安全なところに移動するからね! 頑張ろ!」

 

 蛙吹と赤嶺が周囲を探しに一旦離れると数分後に1人の女の子を引き連れて戻って来た。

 

「周囲を声を掛けながら見てきたけど、この子以外はいなかったわ」

「少し休んで2人を救護所に運んでからまた別の場所を探しに行きましょう!」

「わかった。おい、こっちに来て身体はもう暖めろ」

「うん。ありがとうお兄ちゃん」

「もう少しこっちに寄って大丈夫だよ」

 

 

 ドォオオオン!!! ドンッ!!! ドォオオオン!!!

 

 蛙吹と赤嶺が新たに救助してきた1人を休ませようとしたところで複数の爆破が起こる。

 

「爆発!?」

「これは……演習のシナリオかしら?」

「つまり……敵の襲撃ってことか!」

「ええ!? 救助だけでも大変なのに敵も来てるの!?」

 

 

『敵が姿を現し追撃を開始! 現場のヒーロー候補生は敵を制圧しつつ救助を続行してください』

 

 

 蛙吹が冷静に状況を推察していると、それに答え合わせをするかのように『敵の襲来』を告げる。その放送を聞いて轟はすぐさま爆発音がした方向へ走り出した。

 

「轟ちゃん!」

「俺は敵制圧に向かう! 蛙吹と葉隠はその人を救護所へ運んでくれ!」

「私も行きます!」

「2人とも気を付けて! 透ちゃん行きましょ!」

「わかった! って! 赤嶺さん飛んだ!?」

 

 葉隠の言うように赤嶺は身体を浮かせて黒煙の昇る方向へと飛んでいった。

 

「水を操れるって言っていたから、コスチュームに水を仕込んでそれを操作してるかもしれないわね」

「ええ~! 凄~い! 頭良い~! 私じゃ全然そんな使い方思い浮かばない!」

「試験が終わったら話を聞いてみましょう! それにはまずこの人たちを避難させないと!」

「うん! 2人とも大丈夫!? 私達と一緒に安全なところに行くよ!」

 

 轟と赤嶺が移動するのを見送った後、蛙吹と葉隠は保護した要救助者達を安全な場所へ連れて行くために移動を開始した。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「怪我人のふるい分けに応急処置……救急隊が来るまでのわずかな時間。その代わりをヒーローがつとめ……そして円滑な橋渡しをできるようにしておく……。調子は?」

『!』

 

 待機している場所で通信機を使用してヒーロービルボードチャートJPのNO.10『ギャングオルカ』が目良に話しかける。仮免試験も佳境に入ってきてシナリオ通りに進んでいるか最終確認の意味合いもあった。

 

『初動はまァ至らない者も多いですが……それでもHUCの皆さんが下す減点判断は想定していたより少ないです。概ねいいんじゃないですかね? では、そろそろお願いします』

「了解。……市井の人々を守る為、ヒーローには複合的な動きが求められる。すなわち救護、そして……」

 

 キィイイイン! ドォオオオン!!! ドンッ!!! ドォオオオン!!!

 

 

 ギャングオルカが自身の得意技『音波』とそれと組み合わせた爆弾で待機していた部屋をを破壊し試験会場へと入っていく。突然起こった爆発と敵役のギャングオルカの侵入に受験生達も状況把握と対応の検討に必死に頭を働かせていた。

 

「対敵、全て並行処理……できるかな? さて……どう動く? 戦うか守るか……? 救けるか逃げるか……? どうするヒーロー!」

 

 待機場所から部下(サイドキック)を引き連れてゆっくりと出てくる様は『敵っぽい見た目ヒーローランキング:第3位』の地位に恥じぬものだった。

 

 

『敵が姿を現し追撃を開始! 現場のヒーロー候補生は敵を制圧しつつ救助を続行してください』

 

「(こんな……救助と敵制圧を同時に行うなんて!! でも……やらなきゃいけないんだ! 神野みたいな事件が今後起きないとも限らない! やってやるぞ!!)」

 

 仮免試験が最終局面を迎える中、決意を新たにしながら出久は向かってくるギャングオルカの部下、そしてギャングオルカ本人を迎え撃つべく立ち上がった。




というわけで第61話でした♪ 救助の時の様子を視点を幾つ変えて描写してみました。出久と勝己は物語の中心なので当然ですが、ここで満を持して我らがオリキャラ・赤嶺さんを短いながらもガッツリストーリーに絡ませてみました♪ 個性は『操水』、シンプルに水を操る個性ですね。詳細は後の話で赤嶺さん自身にお話ししてもらう形を取ろうと考えておりますが、めちゃくちゃ強い個性と作者自身も思っております。ただ、活用方法はそこまで思い浮かんでいないのでほどよくストーリーに組み込めたらと思いますw 仮免試験編は残り後1話、エピローグを入れるとしても2話くらいなのでもう少々お待ちください♪ 今後も頑張って投稿を続けていくの、応援よろしくお願い致します♪
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