僕のヒーローアカデミア~諦めから始まる物語~   作:キョンP

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だいぶお待たせ致しました! それでは第65話、どうぞ!!


第65話 いざ、インターンへ!!

 放課後、出久達A組生徒は寮に帰ってから今日行われたビッグ3からのヒーローインターンの説明、ミリオとの手合わせについて話した。

 

「インターンかあ……。話聞いてやってみたいって思ったけど、実際にこの状況でできるのかな?」

「どうなんだろーね、1年生はまだ様子見って言ってたけど」

「それにしても通形先パイのビリっけつからトップってのはロマンあるよねえ」

「とりあえず、相澤先生のGOサイン待ちですわね」

「皆は相澤先生からGOサインが出たらインターン行く?」

「うーん、そりゃあ行きたいけど……寮生活が始まった経緯を考えるとね」

「それに通形先輩も『プロとして扱われる』『時には人の死にも立ち合う』って言ってたし。少し……怖いわね……」

 

 USJ事件や林間合宿を経て(ヴィラン)とも対峙してきたA組生徒達だが、未だに明確な人の『死』には立ち合っていない。蛙吹の言葉に皆が黙り込んでしまう。

 

「でも、僕達がヒーローになるために絶対必要だから……行きたい!」

「デクちゃん……。そうやね! ビビってられないよね!」

「よっしゃあ! インターンに行っても問題なく活躍できるように頑張ろう!」

「おー!!」

「いや、あんた等2人はまず普段の授業から頑張らないと」

「そうですわ! お2人とも前期の筆記試験はなんとか及第点 でしたが、後期はさらに難しくなるはず!普段から意識しないとまた焦ることになりますわよ?」

「う、うわーん梅雨ちゃん! 2人がイジメるー!?」

「梅雨ちゃん何とかしてー!?」

「そうね、皆で授業も頑張りましょうね♪」

「「梅雨ちゃ~ん!?」」

 

 

 芦戸と葉隠の情けない声に他の5名が笑い声を上げ、それにつられて2人も笑った。その後もインターンはどんなものになるかやB組にはどのように説明するのかなどで話は夕食の時間まで続いた。

 

 

「爆豪ー。お前インターン行けるなら行くか?」

「行きてえとこだが、正直そんな暇がねえ」

「え? なんで?」

「俺も轟も仮免の特別講習が始まるからだ」

「特別講習?」

「試験後に公安の目良(おっさん)が言ってただろうが」

「あーなんか言ってたな。確か一次試験通った100名はなるべく育てたいから、だったっけ?」

「特別講習は土日に組まれることになるからインターンと並行してやるには時間がなさすぎる」

「まあ、流石の爆豪もそんなカツカツ日程を同時並行は無理だわな」

「そん代わり、仮免取ったら速攻でインターン行っててめえら追い越してやるから覚悟しとけよ」

「なんでそんな対抗心燃やしてんだよ!?」

「俺らが現時点で唯一アドバンテージ取れてるとこだからもうちょっと大目に見てよ!?」

「轟もなんとか言って!?」

「……俺も、爆豪や皆には負けねえからな」

「しまった、こいつも結構武闘派だった!?」

 

 勝己達男子陣もインターンについて話していた。勝己と轟は仮免講習のためインターンへの参加は難しいが、それでも皆に追いつこうと決意を新たにしていた。

 

 不安の中始まった寮生活を重ねてA組のメンバーの絆も深まり、難しくなっていく授業や実技にもめげず日々励んでいる。ミリオとの手合わせで少し意気消沈していたが、皆が自身の目標……ヒーローになるという目標を再確認した。

 

 

 

「……」

 

 ナイトアイ事務所、所長室。事務所の主であるサー・ナイトアイはパソコンに目を向けていた。画面内ではウィンドウが二つ展開されており、一つには彼が敬愛するオールマイトの動画が流れており、もう一つにはバブルガールやセンチピーダから上がってきた報告書が記載されていた。動画を片手に報告書に目を通す様は社会人として微妙なところであるが、ナイトアイは動画を視聴しつつ報告書に目を通していた。

 

 

 バンッ!!

 

 

「サー!! ()()に動きが……って今日もオールマイトの動画見ながらですか!?」

「バブルガール、報告は元気に一息で」

「っはい! 捜査中の指定敵団体(していヴィランだんたい)の若頭、敵名『オーバーホール』! あの『敵連合』と接触があったようです!」

「!」

 

 バブルガールの報告にナイトアイの表情が変わる。オールマイトの引退以降、全国各地で敵による犯罪が急増していたが、その中でもナイトアイ事務所は単独犯に加えて組織的に動く可能性のある団体も捜査していた。

 

「今後の行動はどうされますか?」

「……監視を継続、しかし対象に気付かれないことを最優先にするように」

「了解! ……サー、ルミリオン……ミリオ君から話のあった雄英のインターンは……」

「……今雄英側でも1年生のインターンを許可するか検討中らしい」

「その……出久ちゃんですが……」

 

 バブルガールの言葉にナイトアイが沈黙する。出久が雄英に入学する前から彼女と関わってきたものとしてその成長は嬉しくもあるが、同時にまだ学生である出久が敵と対峙することに一抹の不安と懸念もあった。

 

「……彼女は先日行われた仮免試験に合格、仮免許を取得した。雄英からGOサインが出れば、彼女はここでのインターンを希望するだろう」

「職場体験は一旦見合わせましたからね。それで、今回は……」

「……検討中だ……」

「もし……インターンに来るとしたら、今捜査中の案件は危険と思われますが……」

「彼女は学生ではあるがもうただ守られるだけの存在ではない。仮免許を取得・行使できる、セミプロだ。……バブルガール、君も彼女を大切に想うなら腹を括るんだ」

「……わかりました」

「では、監視を続けてくれ」

「了解!」

 

 

 ナイトアイの指示を受けてバブルガールが所長室を後にした。バブルガールの退室後、気づかぬ間に次の動画に移っていたパソコンの画面に視線を戻しながら頭の中では出久のインターンについて思考を巡らせていた。

 

 

 

「えー1年生の校外活動(ヒーローインターン)ですが昨日協議した結果、校長をはじめ多くの先生が『やめとけ』という意見でした」

 

 ミリオと手合わせして数日後、HRで相澤がヒーローインターンの協議結果を伝えた。

 

「えー! あんな説明会までして!? 俺なんか通形先輩のケツ間近で見せつけられたのに!?」

「その言い方キモイよ切島!!」

「わ、悪ィ芦戸……。ちょっとトラウマになってて……」

「え、あ、ごめん! ま、まあアレはね……」

「でも……全寮制になった経緯から考えたらそうなるか……」

「が! 今の保護下方針では強いヒーローは育たないという意見もあり、方針として『インターン受け入れの実績が多い事務所に限り1年生の実施を許可する』という結論に至りました」

 

 続く相澤の言葉で落胆した表情を浮かべていたA組生徒の表情が一気に明るくなる。職場体験時より責任は重くなるが、それでもヒーローになるための実戦経験は必要であるのでA組生徒のテンションも上がっていった。

 

「なるほど~!」

「まあ、それが妥当なところだろうな」

「先生~! インターン先は職場体験と同じ場所じゃないとダメなんですか?」

「特に決まりはない。職場体験と同じ事務所が顔見知りになっているからやりやすい部分もあると思うが、職場体験時とはお前らの個性の伸び具合や使い方も変わってきている。それを踏まえた上で自分のやりたいこと、適正を総合的に判断してインターン先を決めろ」

「ガンヘッドさんとこどうなんやろー……」

「セルキーさん連絡してみようかしら」

「連絡事項は以上だ、授業を始めるぞ」

「「「はーい!!!」」」

 

 相澤の合図で本日の一時限目が始まる。A組生徒は元気よく返事をして教科書を広げた。

 

 

「で、お前はナイトアイ事務所に行くんだろ?」

「へ?」

 

 休憩時間に入って早々、勝己は後ろを向いて出久にそう切り出した。授業でまとめたノートを見直していたところに声を掛けられた出久は気の抜けた返事をしてしまう。

 

「インターンの話だよ」

「あ、ああそのことね! うん、そのつもりだよ、連絡はこれからだけど」

「オールマイトには言ったんか?」

「まだ言ってないけど、後で報告に行くよ。それに、前にナイトアイさんも一緒に海岸で話した時に『学外活動の時は協力する』って話してるから大丈夫だと思うよ」

「連絡行く時は俺も行くぞ」

「え?」

「そん時はミリオさんも呼べ」

「う、うん、わかった……」

 

 勝己の予想以上に力強い言葉に戸惑いつつも返事をした出久であった。

 

 

「……というわけでヒーローインターンはナイトアイさんのところに行こうと思います」

「うん、それはいいのだが……」

「どうかしたんですか?」

「なにやら、思ったより同席者が多いと思ってね……」

 

 放課後、出久からインターン参加の報告があるとのことで相談室へ案内したオールマイトだったが、勝己とミリオも一緒に来たことに少々戸惑っていた。

 

「俺も出久ちゃんと爆豪君に声を掛けられてちょっとビックリしてますよ!」

「じ、実は僕もかっちゃんに『自分も行く』って言われたので……。その時にはミリオさんも一緒に呼ぶようにって……」

「出久が学外でインターン活動するならいろいろ話し合ってた方がいいだろ? こいつは頭で考える前に身体が動くからな」

「もうかっちゃん……過保護すぎるよ。そんなんじゃ、僕まともにインターンできないよ……」

「まあ、でも爆豪少年の言い分も一理あるな」

「俺も同意見だね!」

「あ、あれ? 僕の味方いないの?」

 

 勝己の言葉に小さく異議を唱えた出久だったが、オールマイト・ミリオ共に勝己の意見に賛成だったので困惑してしまう。

 

「緑谷少女がOFAを継承するきっかけになったヘドロ事件、この間の林間合宿を鑑みると爆豪少年の心配はもっともだと思うよ?」

「俺としては雄英体育祭の出久ちゃんも印象的かな。自分の身体が傷つくのも厭わない自己犠牲の精神は多くのヒーローが持っているものだけど出久ちゃんはちょっと度が過ぎる気がするね」

「う……それはその……」

「ほらな。2人もお前のそういうとこわかってんだよ」

「ただ……緑谷少女の言うこともわかる」

「え?」

 

 意気消沈していた出久にオールマイトが声を掛ける。

 

「このヒーローインターン、春に行われた職場体験からさらに一歩踏み込んだものになる。君達は仮免許をしゅと「俺はまだっす」ああ!? ごめん爆豪少年!? おほん! 緑谷少女は仮免許を取得してヒーローに準じた活動を行え、より実戦的な動き・考え方を実行・経験できるが、それに付随した危険・責任も伴う。だからこそ、『インターン受け入れの実績が多い事務所に限り1年生の実施を許可する』という今回の方針となったわけなんだ」

「実際、俺もいろんな現場で人の生き死に見たり、俺自身もヘマして死にそうになったことあるからね」

「ミリオさんが死にそうになる!?」

「まあ、コントロールミスった時にね♪」

「けどまあ、私達が言いたいことは結局のところ『緑谷少女は気をつけてね』ということなんだよね」

「オールマイト……」

「それだけ出久ちゃんが大切なんだよ、俺もオールマイトも……爆豪君ももちろんサー達もね」

「ミリオさん……」

「お前が身体動いちまうのはもうどうしようもできねえ。だから、ミリオさんやナイトアイにしっかり見てもらう! その上でインターンを死ぬ気で頑張りやがれ!」

「……むちゃくちゃ言うなあ、かっちゃんは」

「てめえはそのむちゃくちゃをやるつもりなんだろ?」

「……うん! そうだよ!」

「……へ! ならナイトアイやミリオさん達に徹底的にシゴかれてこいや!」

「かっちゃんこそ! 特別講習ダメで仮免許を取得できないなんてことになったら許さないからね!」

「ああ!? 俺を舐めんなよ! んなのソッコーで取ってやるわ!」

「いやあ、青春だね~」

「いいなあ、俺も薫子さんとこんなやり取りしたいな~」

「かおるこ?」

 

 出久と勝己のやり取りに目を細めるオールマイトとミリオだったが、勝己がミリオの発した名前に反応した。

 

「バブルガールさんの本名だよ」

「……ナイトアイ事務所って社内恋愛OKなのか?」

「さあ、どうなんだろ? ミリオさんその辺どうなの?」

「一応、サーからOKはもらってるよ! でも、俺が一人前になってから告白するつもりだから2人とも内緒ね?」

「わ、わかりました。なんというかその、上手くいくよう応援してます!」

「ありがとう! それじゃあ、こんなところかな?」

「付き合っていただいてありがとうございました」

「ちなみにインターンはいつから始まるのかな?」

「次の土曜日からですね」

「爆豪少年の方は?」

「俺も土曜日からだ」

「口酸っぱくなってしまうが、学外での活動になるから2人ともくれぐれも気を付けるようにね」

「わかりました」

「わかった」

「俺達も目を配っておきますよ!」

 

 オールマイトの念押しの注意喚起を合図に出久のインターン参加報告と内容の確認を終えて、4人は相談室を後にした。

 

 

「ただいm「デクちゃ~ん!! 大丈夫だった!?」きゃあ!? ど、どうしたの麗日さん?」

「デクちゃんが爆豪君とオールマイトのところに行くって言ってたから心配してたんよ! 大丈夫!? 何もされてないよね!?」

 

 寮のドアが開き出久と勝己が入ってくると麗日が駆け寄ってきて出久に抱き着いた。事前に2人でオールマイトのところへ相談に行くと聞いていたがそれでも出久が勝己に何かされないか心配していたのであった。

 

「な、何もされてないよ? かっちゃんも学校でそんなことしないよ……約束もしてくれてるしそれにミリオさんもいたし」

「でも!? 帰り道で突然理性がぶっ飛んで襲うかもしれんやんか!?」

「てめえ俺をなんだと思ってやがる!」

「あんたこの先ずぅっと言われるからね」

「耳郎さんまで……」

「まあそれは置いておいて、オールマイトはどうだったの?」

 

 出久達の帰りを知ったA組女子が続々と玄関に集まってくる。

 

「うん、職場体験と同じような学外活動だけどそれよりも責任が重いから気を付けるように、って感じかな」

「職場体験の時とはまた状況が違うもんね。ヤオモモとお茶子ちゃん、梅雨ちゃんは?」

「実は私、B組の取蔭さんと同じ事務所にインターンへ行くことに決まりましたわ」

「私と梅雨ちゃんは同じ事務所」

「ええ!? そうなの!?」

「なんでなんでー!?」

「最初はウワバミに依頼したのですが、彼女の事務所がインターンの実績が多くないことと職場体験とは別の事務所へ行った方がいいとのことだったので別の事務所を紹介してそこから承諾を頂きましたわ」

「私らも似たような理由だね。インターン先がなくてどうしようって思ってたら波動先輩が声かけてくれたんよ」

「本当に助かったわ」

「いいな~」

「ちなみにどの事務所?」

「私は魔法ヒーロー・マジェスティックの事務所ですわ」

「私達はドラグーンヒーロー・リューキュウだよ」

「マジェスティックってあのイケオジの?」

「あの人カッコいいし実力もあるけど、女好きで有名らしいけど大丈夫?」

「え!? そうなのですか!? 電話で話しましたが、とても落ち着いている理知的な男性に感じましたが……」

「そういう人って紳士的らしいからね~」

「まあ取蔭と一緒ならその辺大丈夫だと思うけど、一応ヤオモモ気を付けてね」

「その点リューキュウの事務所はほとんど女性だから安心だね~」

「そういえば皆はインターン行かないの?」

 

 八百万、麗日、蛙吹のインターン先について話していると不意に出久が皆に問いかけた。

 

「私らも結局職場体験先からOK貰えなくてさ。それに私と葉隠は普段の勉強も頑張らないといけないから今回のインターンはやめとくよ」

「ウチも。正直なところ行きたいけど、ウチや芦戸や葉隠だと勉強が疎かになりかねないからね」

「まあ、いつからいつまでにやらなきゃいけないってわけじゃないからもう少し落ち着いてからまた考えようかな? その時には状況も変わってると思うし」

「おーい! お前らいつまで玄関でたむろしてんだ!?」

「もうすぐ晩飯だから早く準備手伝ってくれよー!」

「ごめーん、わかったー! 結構話し込んじゃったね! それじゃ行こっか」

「うん、もうお腹ぺこぺこ!」

「あんま喰い過ぎてデブんなよ」

「かっちゃん酷いよ! 僕そんなに大食いじゃないでしょ!」

「どちらかというと緑谷さんは筋量を維持するために食事をしっかり摂らなければいけませんよ」

「っていうか爆豪君ずっとそばにいたんやな、後半ほぼ無言だったから気付かなかった」

「てめえ丸顔!」

「ああ、もう! かっちゃんも麗日さんも喧嘩しないで!」

「おーい、緑谷爆豪麗日ー! 置いてくよー!」

「ご飯なくなっちゃうよー!」

「芦戸さんも葉隠さんも待ってー! 2人とも早く行くよーもう!」

 

 上鳴、切島の言葉に反応して玄関先でおしゃべりしていたA組女子+勝己は騒ぎながらも寮の中に入っていった。

 

 

「「「行ってきまーす!!」」」

「皆さん、行ってきますわ」

「「「行ってらっしゃーい!!!」」」

「無茶すんじゃねえぞ」

「かっちゃんこそ、講習で暴れないでよね!」

 

 週末土曜日となってインターンへ行く出久、麗日、蛙吹、八百万は芦戸、葉隠、耳郎、そして勝己に見送られて寮を出た。

 

「はーい! 出久ちゃんおはよー! 3人もおはよー!」

「お茶子ちゃん梅雨ちゃんおはよー!」

「ミリオさん、波動さんおはようございます!」

「「おはようございます!!」」

「通形さん、波動さんおはようございます」

「皆、今日からインターンだけど気負わすぎず、緊張感をもって頑張ってね」

「大丈夫! リューキュウも私もついてるから安心してね!」

「ヤッホー! 皆もインターンだよね! あ、ビッグ3の先輩方おはよーございまーす!」

 

 校門で待ち合わせていたミリオ、波動と合流して話していたらB組の取蔭もやってきた。

 

「取蔭さんおはようございます。今日からよろしくお願い致しますわ」

「「取蔭さんおはよう」」

「取蔭ちゃんおはよう」

「おっはー! 八百万今日からよろしくな!」

「おっはー! B組の取蔭さんだね! よろしくね!」

「取蔭さんおはよー!」

「それじゃあ駅までおしゃべりしながら行こうか」

「「「「はい!」」」」

「はーい!」

 

 6人は駅までインターンの意気込みやアドバイスについて話しながら歩いて行った。

 

 

「はい! というわけで出久ちゃんにとって久しぶりのナイトアイ事務所だね!」

「ミリオさん達とは電話でも結構話してるからそんな感じはしないけど、事務所に来るのは2,3ヶ月ぶりくらいですかね?」

「俺は一応学校でも会ったりしたからね! ……さてそれじゃあサーに挨拶に行こうか。今日からインターンだから今までとはちょっと違ってくるからその辺は引き締めて行こうね」

「……はい!」

 

 事務所に着いた2人はそのまま所内に入っていくと、そこでパソコンに向かって作業をしていたセンチピーダが出久達に声を掛ける。

 

「緑谷君! 久しぶりだね!」

「センチピーダさん! お久しぶりです!」

「今日からインターンだったね。サーは今所長室にいるよ。バブルガールも報告に行ってるから挨拶してくるといいよ」

「ありがとうございます」

 

 そう言葉を交わして2人はそのまま所長室へと向かった。

 

「そういえば言いそびれてたけど、インターンするにあたってサーから試験があるから頑張ってね」

「え!? 試験とかあるんですか!?」

「俺の時も一応あったからね」

「ち、ちなみにどんな試験ですか?」

「『サーを笑わせること』」

「へ?」

「出久ちゃんもサーとの付き合いが長いからわかると思うけど、自分にも他人にも厳しくてストイックだ。だけど、だからこそというかユーモアを最も尊重しているんだ」

「あー、確かにナイトアイさん結構ジョークとか好きですもんね」

「まあ、出久ちゃんには別の試験を課すかもしれないけどね。顔見知りではあるけど、一応インターンとして雇用するならそういったものは必要だからね」

「そういうものなんですね」

「うん! 出久ちゃんなら大丈夫だと思うよ!」

 

 そう話している間に所長室前にたどり着いた。これまでは気の置けない友人として、オタク仲間としてナイトアイと接してきたが今日からインターンとはいえ雇用主と労働者という形になる。そのことに出久も緊張してくるが意を決して所長室をノックする。

 

「入りたまえ」

「失礼します。……え?」

 

 ナイトアイの声に促されて出久達が所長室内に入ると……。

 

「アヒャヒャヒャヒャ!?」

「まったく……大きな声が出るじゃないか」

「何これ!? 一体どんな!?」

 

 謎の機械に拘束されさらにくすぐられているバブルガールと彼女に対して説教をしているナイトアイの姿があった。

 

「やあ、緑谷君。直接会うのは久しぶりだね。元気にしてたかな?」

「は、はい。元気にしてましたが、これはその……なんですか?」

「バブルガールに少々元気とユーモアが足りなかったのでね。少々『指導』を行っていたところだよ」

「そ、そうですか……(今までもこんなことやってたのかな?)」

 

 今までオールマイトオタクとして接してきたナイトアイのまだ知らなかった一面を知って出久は困惑したが、それを気にすることなくナイトアイは話を続けた。

 

「さて、緑谷君。雄英が1年生でもインターンを行うとのことで、君は私の事務所を希望してきたわけだが……」

「はい! オールマイトとも相談して決めました!」

「よし! では、インターンを始めるにあたっての説明をしようか。ミリオ、バブルガールは退室を。センチピーダと()()()について打ち合わせをしていてくれ」

「「イエッサ!!」」

 

 2人が退室するとナイトアイは出久へ席へ着くよう促し、自身も席へ腰かけた。

 

「では、インターンについて……と言っても緑谷君は以前からウチに通っていたからある程度内容はわかってると思う」

「はい! ミリオさんやバブルガールさん、センチピーダさんにも教えてもらいましたから大体わかってます!」

「なら……私からいくつか。オールマイトから相談を受けて私も大いに悩んだ。君自身がオールマイトの後継、ワン・フォー・オールの継承者としての責務を果たそうと努力していることはわかる。だが、友人として……オールマイトを慕う同士として君が危険な目に遭うのはやはり心配だ」

「ナイトアイさん……」

「だが、君の志し・想いを私の勝手な願いでそれを妨げることはしたくない。君自身も仮免許を所得した、1人のセミプロだ。それを考慮・尊重して今回君をインターンとして採用しようと思う」

「……ありがとうございます。僕の為にそんなに思い悩んでくれて」

「……しかし、一応採用に当たって一つ試験を受けてもらう」

「試験ってミリオさんが言ってたものですか?」

「聞いていたのか? ちなみに内容は知っているかな?」

「はい、『ナイトアイさんを笑わせること』と聞いていますが」

「ふむ。それに関しては全くの初対面の者が来た時に課すものだな。既に人となりを知っている君に課すには少々適切ではない」

「そうなんですか? じゃあ、僕にはどんな試験が……」

「緑谷君、手を」

「え? あ、はい……」

 

 ナイトアイにそう言われて出久は右手を差し出し、その手をナイトアイの右手が握りしめる。

 

「あ、あのナイトアイさん……?」

「以前、君に私の個性『予知』の発動条件を教えたのを覚えているかな?」

「え? ええっと、確か……『予知を行う対象者に触れ、目を合わせる』ことでしたっけ?」

「そう……今その条件を満たした」

「!?」

「そして、ここに我がナイトアイ事務所の所長印がある……」

「……一体何を」

 

 ナイトアイが手にした印鑑を出久に掲げて見せ、次の言葉を告げた。

 

「私の手から印鑑を奪い、契約書に押印したまえ。それが君に課す試験だ……!」

「僕が……ナイトアイさんから……!?」

 

 突如として示された課題に出久は困惑の表情を浮かべる。ナイトアイの意図が分からないまま、出久は席から立ち上がりナイトアイよ対峙する。以前ナイトアイ本人から彼の個性『予知』について教えてもらったことがあったが、実際にその個性の詳細を体感することは無かった。インターンになるための大きな試験が出久の前に立ちはだかった。




というわけで第65話でした! 前回投稿からかなり間が空いてしまいましたが、並行作業していた手描き動画制作がようやく完了したので少し腑抜けてましたw これからこちらに少しは専念できると思うのでよろしくお願い致します♪ インターン編は原作でもさらにダークな部分が出てきたので自分もそれを上手く咀嚼して表現できたらと思います♪ 今後もマイペースで投稿していきますので、応援の程よろしくお願い致します♪
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