艦これMAX   作:ラッドローチ2

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お待たせしました、ようやく18話お届けにあがれました。
いろいろと考えた結果、こんな話になりました。
なお、スケベ展開はお預けです。しょうがないね!


18 浮島に棲む鬼

 

 

 

 ソレは、唐突かつ非現実的な光景であった。

 

 今先ほどまで、被弾を受けながらも最前線を支えた功労艦である愛宕に……。

 

 気の緩んだ一瞬を狙われたとはいえ、浮島から伸びたクラゲの足のような触手が絡み付き。

 

 その豊満な体を締め付けていた。

 

 

「……っ! 全艦、愛宕を救出するんだ!」

 

 

 素早く状況から立ち直った、横須賀鎮守府から派遣された艦隊の旗艦であり。

 

 最初に機怪群の鬼鮫を撃破した長門が声を張り上げ、艤装の各所から損傷による煙を吐きながらも一斉砲撃を開始すると。

 

 我に返った艦娘達とアクセル率いる愚連隊は次々と砲撃を開始し、苦悶の声を上げる愛宕を締め付け続ける触手を撃破しようと行動を開始する。

 

 

 が、しかし。

 

 ゆらゆらと艦娘らを嘲笑うかのように愛宕を掴んだ触手はその身を揺らして砲撃を回避し。

 

 

「Shit! アイツ、逃げる気デース!」

 

「人質のつもりか、小癪なぁ!」

 

 

 浮島の奥へ愛宕ごと触手が引っ込んでいくのを見た金剛が叫び。

 

 憤怒の形相を浮かべた長門は中破しているのにも関わらず前進し……。

 

 次の瞬間、浮島から新たに表れた雷巡の雷撃が複数刺さりその体が大きく傾く。

 

 

「Hey長門! 無理は禁物ネ!」

 

「ぐっ、このくらい……!」

 

 

 雷巡へ砲撃を加えながら金剛は崩れ落ちそうな長門を支え。

 

 長門は金剛の言葉に未だ戦えることを主張するも、その姿は痛々しく。

 

 

「比叡! 長門を連れて下がりなサイ!榛名、ついてくるデース!」

 

「お、お姉様ー?!」

 

「は、はい!」

 

 

 同じように損傷が著しい妹の比叡に長門を頼むと。

 

 金剛は損傷の軽い榛名に声をかけ、高速戦艦の名に相応しい速度で触手の追撃へ移る。

 

 

 

 戦場で、思い思いに艦娘が戦い一人を救うために戦っている中。アクセル達はというと……。

 

 

「扶桑に夕張は急いで補給を済ませろ! 初春は小物の撃破、ヲ級と瑞鳳は大物の排除を頼む!」

 

 

 絶えず弾幕を張り続けるマイクロバスの車上にまたがり、手に持ったスパナで迫る深海棲艦の群れを撃退しながら。

 

 激しい敵の猛攻に晒されつつも、最前線へと到達していた。

 

 

「アクセルさん!もう弾薬ほとんどありません!」

 

「だークソったれ、積めるだけ積んできたってのによぉ!」

 

「申し訳ありません……」

 

 

 マイクロバスに乗せてきた補給妖精に補給を受けながら、弾薬を確認していた夕張は焦りとともに声を張り上げ。

 

 その内容にアクセルは思わず悪態をつき、あっという間に弾薬が消耗した原因の一翼を担ってしまった扶桑が気まずそうに謝罪する。

 

 

「くぅっ?! この初春の怒りをかったようじゃのぅ……!」

 

「何言ってんだ、とっととバスの陰に入って修理受けてこい!」

 

 

 その身軽さで敵を翻弄し続けていた初春にも疲労がたまっていたのか、敵の砲弾が炸裂。

 

 怒りとともに衣服をボロボロにしつつも敵の群れの只中に飛び込もうとして、アクセルの怒号を受けていそいそとバスの陰に隠れる。

 

 

「クソが、圧力が強すぎて進めねぇ……そっちはどうだ?!」

 

 

 時折敵の攻撃で銃身や砲身が捻じ曲げられるバスの車載兵装を修理しながら、アクセルは自分達と共闘している雷達に声をかける。

 

 兵藤艦隊所属の川内と赤城が戦線復帰したとはいえ、そちらも芳しい状況ではないようで。

 

 

「あー、もう! 夜戦だったらバッタバッタと薙ぎ倒すのにぃ!」

 

「何言ってるの! 第一次攻撃隊、補給終わり次第順次発艦して!」

 

 

 昼戦のせいか苛立たしげに叫びながら、川内はまるで忍者のように手に持った魚雷を投擲し、背後に迫った駆逐イ級を蹴り上げた挙句砲撃を叩き込み。

 

 仲間の言葉に思わず合いの手を入れながら、砲火に晒されながらも赤城は弓を番えて航空機を射出。迫る敵影を次々と海の底へ沈めていく。

 

 が、しかし。

 

 

「敵影……? 真上、直上?!」

 

 

 水面に浮かんだ鳥のようなシルエットに真上を赤城が見上げると、今にも爆弾を投下しそうなアホウドリの群れがそこにいて。

 

 咄嗟に迎撃のために弓を空へ構えるも間に合わず、無慈悲にもアホウドリが両翼に備えている爆弾が投下される。瞬間。

 

 

「慢心ハ、禁物」

 

 

 ヲ級が迎撃のために発艦させていた航空機の攻撃により、アホウドリ達は翼や体を穴だらけにされ断末魔を上げながら海面へと墜落していく。

 

 そんな、かつて血で血を洗う戦いを繰り広げていた相手からの救援に赤城は。

 

 

「ありがとうございます、助かります!」

 

「イイッテコトヨ」

 

 

 特に何も気にすることなく、素直に礼を述べヲ級もその言葉に返答しながら自らの仕事を忠実に進める。

 

 奇しくも、今この場においてアクセルが率いているヲ級は僚艦として受け入れられ、頼りにされていた。

 

 

「ヘーイ、援軍いっちょお待ちネー!」

 

「榛名、全力で参ります!」

 

 

 そして、全速力ですっ飛ばしてきた横須賀所属の金剛と榛名が最前線に到着。

 

 その戦艦ならではの火力で、深海棲艦と機怪群が押し寄せてくる圧力を一気に押し返す。

 

 

「金剛、榛名に……負けたくないの……!」

 

 

 補給を終え戦線に復帰した扶桑もまた、色んな感情が入り混じった叫びを上げ高い戦意とともに砲弾とミサイル、ついでに爆撃機を発射。

 

 トチ狂った火力の戦艦も混ざった、3人の戦艦娘による火力は一時的にあるが正面の敵影を根こそぎ海へ沈めるほどの破壊力を見せ。

 

 最前線組は一気に前進することに成功し、次々と深海棲艦と機怪群が出てくる港のような施設が見える地点にまで進軍する。

 

 愛宕を掴んだ触手が引っ込んでいった、その場所には……。

 

 

「あれ……何、ですか?」

 

「っ!! 未確認の敵発見、おそらく鬼型です!」

 

 

 体や顔に煤がこびりつき、それを拭いながら見えてきた敵影に伊達艦隊所属の電が震えた声で呟き。

 

 遠く離れてなお、ソレが放つ圧力に伊達艦隊旗艦の五月雨が通信機で全艦隊と提督へ報告する。

 

 そして。

 

 

「電、あぶなっ……きゃぁぁっ!?」

 

「雷!?」

 

 

 海面から急に襲いかかってきた触手を辛くも避けた電に、新発見の鬼型から発射された大型砲弾が迫り。

 

 雷に突き飛ばされたことで電はソレの被害を免れるも……。

 

 その巨大な砲弾は雷に直撃し、艤装と衣服がズタボロにされ雷は大破してしまう。

 

 

「雷、雷ぃ!」

 

「落ち着いて、電。まだ息はある……」

 

「急いで下がるわよ……て、邪魔ぁ!」

 

 

 意識を失った雷を電はあわてて支え、その体を揺するも雷は目を覚ますことはなく。

 

 その目に涙を溜めはじめた電を諭すようにその頭にヴェールヌイが手を置き、暁は少女たちを狙う機怪群へ砲撃を撃ち込み海の底へ叩き返す。

 

 

「アクセル、申し訳ないけど私たちは一旦下がらせてもらうよ」

 

「死んだらおしめぇだからな、急いで下がれよ!」

 

「スパスィーバ……」

 

 

 マイクロバスの車上にて、アホウドリが投下した爆弾が顔面に直撃していたアクセルにヴェールヌイは抑揚の薄い声で伝え。

 

 そのカラフルな頭が若干縮れたアクセルがごねることなくソレを受け入れると、ヴェールヌイは軽く頭を下げ。

 

 

「急いで下がりましょう、ごめんなさい……後はお願いします!」

 

 

 旗艦の五月雨が手際よく指示をだし、ぐったりとした雷を電が支えながら後方へ下がっていき……。

 

 少女たちに追い縋ろうとする深海棲艦や触手に、金剛達が放った砲弾が降り注ぎ前線の入れ替えに成功。

 

 そして。

 

 

「アナタ達モ……作リ直シテアゲルワネ……」

 

 

 港にて悠々とアクセル達の到着を待つかのようにしていた鬼型、後に浮島棲鬼と名付けられたソレは。

 

 下半身と同化した機材から伸びる、巨大な砲台をアクセル達へ向け……悠然と歪に微笑みを浮かべた。

 

 

 




嘘深海棲艦図鑑 No.1
名前:浮島棲鬼
出現海域:コラボイベント『鉄と荒野から来たモノ達』イベント海域 E-1ボスマス
火力:高
耐久:高
装甲:高
射程:超長
取り巻き:巨大触手×2(命中が極端に低いが火力と耐久が高い戦艦のような敵)、elite雷巡×1、elite空母ヌ級×2
解説:艦隊の対空が一定値以下の場合、開幕に自艦隊全体に開幕爆撃とは別に雹による爆撃が発生。

というわけで、グロウインと一体化したような鬼型さんが登場です。
鬼畜マップですが、強力な艤装と交換できる素材がいくつも手に入る。そんなマップなイメージです。

なお、グロウインの奥には『姫』もいます。
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