等身大の少女レベルのサイズでありながら、戦艦並の火力を持つ彼女たちは……実際強い(確信)
「暁の水平線に」を聞きながら書いたら、大暴れっぷりが更に加速したのは内緒です。
あと、ちょいと活動報告にて次回の愛宕救出作戦での登場を希望する艦娘を募集してみます。
全部は出せないかもですが、よろしければどうぞ!
目標である浮島棲鬼を確認した瞬間、艦娘らの行動は素早かった。
「バーニング……ラァァァブ!」
「勝手は、榛名が、許しません!」
金剛と榛名の雄叫びにも似た声とともに、対基地攻撃用として搭載してきた三式弾が発射され。
「ヲ級、夕張、瑞鳳……いい? 砲戦よ」
「了解!」
「私ハ砲撃出来ナイノダガ……」
「同じく、まぁ航空機出しますか!」
確認するかのように、扶桑が何度目ともしれない全門発射を実行し。
それに呼応するように、最近トリガーハッピーじみてきた夕張もまた連撃18cm単装砲とスモールパッケージを一斉発射。
ヲ級と瑞鳳は困ったようにはにかみ、弓を番えると自らの仕事を遂行すべく矢を放ち今にも発艦しようとする軽空母ヌ級の航空機を撃ち落しにかかる。
「……のぅ、アクセルや」
「んぁ? どーしたよ初春」
「妾も、戦いたいのじゃが」
「アホかてめぇ、ここまでボロボロになってて何を言う。素直に修理されてろ」
マイクロバスの陰からその光景を眺めてた初春は、今も修理に専念するアクセルに上申するも。
つれない回答にうなだれ、どこか羨ましそうにその砲戦を初春は指を咥えて見詰める。
初春とアクセルが軽口をたたきあう間にも戦いは続き。
海面からその身を伸ばしている触手が薙ぎ払うように、金剛へ向けてその身を振るうも……。
「ハッハー! 遅すぎるネ、こいつを……食らうデース!」
けして遅くはない触手の動きを金剛はすでに補足しており。
2門搭載してきた41cm連装砲に詰めた三式弾を触手めがけて全弾発射、後に着弾。
金剛に迫っていたその巨大触手は半ばから砲撃によって断ち折られ、金剛へ迫ろうとしていた勢いのまま海面を滑っていきそのまま沈んでいく。
もう片方の触手はどうなったかと言えば。
「榛名ァ!」
「はい! 榛名……全力で参ります!」
金剛と同じような艤装配置をしてきた榛名が、ヲ級を狙いその身を翻している触手を補足。
金剛の叫び声に合わせ、三式弾を全弾発射し……隙を突かれた触手は着弾地点を中心に炭化し、その部位から砕けるように水底へ没する。
「クゥッ、艦娘ドモメェ!」
先ほどまで自分たちの攻勢により右往左往していた、特別な装備は何も搭載していない艦娘である金剛と榛名の攻勢に。
浮島棲鬼は忌々しそうに叫びながら、自らの体に直結しているかのような巨大砲の狙いを定める。が、しかし。
「沈みなさい……」
金剛と榛名の活躍に、目に対抗心という名の炎を燃やしながら。
扶桑は全艤装を発射し……浮島棲鬼とその周囲に広がる施設ごと砲弾とミサイルが生み出す爆炎で包み込む。
「やった、わ……!」
「扶桑、油断しないで!」
確かな手ごたえに、儚げに笑みながら思わず扶桑はガッツポーズし。
その隙を狙い、敵の雷巡が雷撃を放とうとしている事に気づいた夕張が声を張り上げ砲撃。
幸いにも魚雷が発射される直前に轟沈することに成功する。
「扶桑、気持ちはわかるけども慢心はダメだからね!」
「ごめんなさい……」
戦艦としてはともかく、アクセル愚連隊としては先輩な夕張が腰に手を当てて扶桑へ注意し。
未だ砲身の排熱が終わらない扶桑は、しゅんとしつつもその言葉を素直に受け入れる。
そんなやり取りの間に、ヲ級と瑞鳳が放った艦載機で2隻の軽空母ヌ級もまた海の藻屑と化して……。
「提督ー!見ててくれましたカー!?」
イェイ!と金剛が勝利のポーズとばかりに高々と腕を上げた。
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そしてその光景と、金剛の叫びは戦いの行方を見守っていた提督らにも見え聞こえていて。
伊達は重いため息とともに、軍帽を深く被り直す。
「……やれやれ、とりあえず一つの難題は解決できたか」
しかし、それでも伊達の心に勝利の余韻はほとんど無く。
先ほどまで、愛する女性である愛宕が連れ去られていながら指揮を続けていた兵藤へ伊達は視線を向ける。
「……皆、お疲れ様」
指揮用の通信機で自らの艦隊の艦娘達へ労いの言葉をかけ、何かの言葉を続けようとして。兵藤は通信を切る。
その仕草に、一人の中将の階級章を下げた提督が近付き……兵藤の肩を叩く。
「いいのか? お前さんの艦娘達なら愛宕の救出を命じても、きっと引き受けてくれるぞ」
「……だからこそ、です。僕の我儘で疲労困憊な彼女たちを死地へ送るワケには……」
絞り出すような兵藤の言葉に、中将の階級章を下げた提督はやれやれと肩を竦め。
「馬鹿野郎、じゃあテメーは惚れた女をむざむざ見捨てんのかよ?」
「見捨てたい、ワケがないだろう!?」
自分よりも背の高い中将の言葉に闘争心をむき出しにし、兵藤はその胸倉を掴んで咆哮する。
しかし掴まれた方は動じた様子もなく。
「じゃあやる事決まってんだろうが」
「だから! 皆疲労しているしこれ以上の戦闘は危険だって言ってるだろ?!」
位置的に最前線に近い場所で戦い続けていた自らの艦隊を想い、中将の言葉に全力で兵藤は言葉を返し。
その返答に中将は大きく溜息を吐くと、胸倉を掴まれたままその手を掴むと。
その手を捻り、兵藤の小さめの体を一回転させながら船の床へと叩きつける。
「が、はぁっ!?」
「どうだぁ? 頭冷えたか? 大将殿」
背中を強く打ち、せき込む兵藤を見下ろしながら中将は言葉を続け。
「一言言えよ、『僕の嫁さんを助ける為に力を貸してくれ』ってよ」
「……しかし、皆さんの艦隊も消耗が……」
「てめーの艦隊ほどじゃねぇよ、なぁ皆様方?」
ニィ、と笑みを浮かべながら中将は兵藤に言葉を投げかけ。
その言葉に兵藤は目を丸くし、希望を持ってしまいながらも掠れた声で呟き。
中将は、兵藤に見せつけるように手持ち式の通信機を掲げ。スイッチを入れれば。
『水臭いですなぁ兵藤くん、この老体でよければ幾らでも協力しますとも』
『お前さん達のおかげで誰も沈まずに帰ってこれそうだ、是非協力させてくれ』
『ありがとね兵藤君、おかげでアタシの娘らも皆無事よ。だから愛宕ちゃんもちゃんと連れて帰らないとね』
ラバウル提督が集まる艦橋のスピーカーから聞こえてくるのは……今回の作戦に参加している他鎮守府から来た提督達の声。
兵藤が茫然としている間にも、次々と協力を申し出る提督の声は続いていて……。
「な? てめーが気に病む必要はねーんだよ、だから頼め。今すぐ」
目から滲んでくる何かで視界を歪ませる兵藤を見下ろしながら、中将は言葉を告げ。
艦橋にいる、ラバウルの提督仲間達もまた口々に協力を申し出てくる。
その申し出に、兵藤は……。
「お願い、します……彼女を、愛宕を……救って、下さい……!」
提督としての責務から押し殺していた本音を、嗚咽とともに吐き出して。
その言葉に、提督達は思い思いに頼もしい返事を返した。
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そして、兵藤の懇願にも似た願いは最前線にいるアクセル達にも聞こえていて。
「くふふふ……本当に、あの娘は愛されておるのう」
「本当にね、ちょっと羨ましいな。あそこまで想ってくれてるなんて」
修理がやっと終わった初春が扇で口元を隠しながら愉快そうに微笑み。
瑞鳳の軽く伸びをしながら、正直な感想を述べる。
「ヘーイ提督ー! 帰ったらバーニングラブするネー!」
「こ、金剛姉様……少しは慎みを……」
今回の功労者の一人である金剛はというと、通信機を手にその向こうの人物へ熱い愛を叫び。
真横でソレを聞かされる榛名は、顔を真っ赤にして姉を窘める。
そんな、一つの戦いを終え。これからの戦いへ向けて気を入れ直そうとしていた時。
「何カ、船ガクル」
「小型艇ね……あー……」
「ドウシタ? 夕張」
「なんかもう、すごく面倒くさい御仁が来たみたい」
水平線の向こうから見えてきた、艦娘達に守られている小型艇にヲ級は首を傾げ。
小型艇を見て嫌な予感を感じ……何やら通信していた夕張が乾いた笑いを上げる。
「どういうことだ?」
「今回の無茶作戦をごり押しした元帥様と中将様が、トドメは自分達がー。って騒いで出撃したそうよ」
「……バッカじゃねぇの?」
「それでね、私達は目障りだから撤退しろ。だってさ」
「…………バァッカじゃねぇの?」
マイクロバスの車上にドッカと座り込んだアクセルが、心の底からの感想を述べ。
黒煙を上げる浮島棲鬼へ視線を向け。
「そもそもが、俺たちが撤退したら愛宕救出どうするつもりなんだろうな」
「何も、考えてないんじゃないのかしら……」
少し節約するべきだったかしら……と呟きながら残弾を確認していた扶桑が、儚げな風貌に似合わない辛辣な意見を述べ。
「……あの子たち、目に光がない」
「よっぽど酷使されておるのじゃろうな……」
目の良い初春と瑞鳳が遠くに見える艦娘の様子に、思わず呟き。
アクセルはバスの上に跨ったまま空を見上げ。
「とりあえず少し下がるぞ、どちらにせよほかの提督連中と合流して編成しといた方がいいしな」
「そうですね……」
どっこいせ、と天井から器用にバスの中にアクセルが乗り込み。
その動きを合図にして、即席の連合艦隊は小型艇とすれ違うように後方へと下がり……。
その瞬間に。
『どこの馬の骨ともしれない輩が、誇り高い我らが帝国海軍の戦いに水を差すなど言語道断だぞ!』
『この件は、後ほどしっかりと追及致しますからな』
話題の元帥様からのがなり声と、中将殿からの神経質そうな声が通信機を介してアクセルへ届き……。
「……あいつら、背中から撃ってもバレねぇよな?」
「だ、ダメですアクセルさん!気持ちはわかるけど!」
「山城、大丈夫? 砲戦よ……」
「オチツケ扶桑! ココニ山城ハイナイ!!」
額に青筋を浮かべた、割とキレやすいチンピラメカニックは迷わずマイクロバスの武装を稼働させ。
欠陥戦艦呼ばわりされてた自分を、文字通り生まれ変わらせたアクセルを侮辱されたと感じた扶桑もまた全艤装の照準を小型艇へ合わせる。
そんな二人の様子に夕張とヲ級は全力で制止する羽目となり……。
そうしている間に、元帥と中将の艦隊が攻撃を仕掛けようとしていた浮島棲鬼が動きを見せ。
予想外の動きに、元帥と中将は指示を出すのが遅れ。
その瞬間、火と黒煙を吹き出し罅まみれの大砲が小型艇に向けられ。
哀れな元帥と中将は、自らの艦娘に庇うよう指示を出す間もなく……船に直撃した小型砲弾によって文字通り消し飛ばされた。
それが最後の抵抗だったのか、浮島棲鬼はそのまま崩れ落ち。
燃え上がる炎が自らの弾薬に引火したのか、一際大きな爆発を上げて粉々となった。
「……やっぱり生きてたか、とっととトドメ刺しとくべきだったかね」
その割には、ずいぶんと楽しそうだねー。とアクセルの肩に飛び乗った応急修理女神が、アクセルの頬に小さな拳をぐりぐり当てながら問い。
そりゃ、楽しくないワケねぇだろうが。とチンピラメカニックは愉快そうに笑った。
そうしている間に、各鎮守府所属の艦娘は集合し。
即席ではあるが編成が組まれ……。
浮島棲鬼の大爆発によって出現した、島内部に艦娘も侵入できそうな水路を入り口に。
今、兵藤艦隊の愛宕を救出すべく突入を開始した。
提督図鑑No.3
名前:助平 飛燕(すけだいら ひえん)
階級:大将→中将→少将
年齢:20代後半
解説
艦娘とニャンニャンすることを生きがいにし、欲望に忠実に生きるナイスガイ。
覗き、セクハラ、ボディタッチと悪行を重ねるが。自分のところの艦娘にしかやらない程度に分別はある。
また、手を出すと色々と罪悪感が強くなりそうな艦娘には手を出さない程度に良識もある。ただし、島風の尻は別らしい。
最近大将から中将に降格したが、今回大将である兵藤にやむをえないとはいえ暴力を振るった形になるので後に少将へと降格させられた。
通称『スケベ提督』
というわけで、艦娘無双回でした。
メタルマックス勢がクローズアップされがちな本作ですが、艦娘も割と強いんだよ!というお話です。
だって彼女ら、人間サイズであの火力……。
メタルマックスでいうと、車止めを無視して突入できるクルマみたいな存在だと思うんです。
ただし戦うたびに燃料と弾薬消費するので、継戦能力は低め。なんかそんな感じに考えてます。