大海原を船団が進んでいる。
大砲や撃龍槍を配備した、大型モンスターとも戦える巨大な船が何隻も並んで進んでいる。
船の船頭は波をかき分けて白い波を形成し、それが上空からでも分かる程大きな波を生み出している。海中では様々な魚類やモンスターが泳いでいる。雄大な生態系が築かれている。
大型船の甲板では、二人と一匹のアイルーが立っている。船の向かう方向を見つめている。
「本当にいるのか、そのモンスターは……」
「分かりません。伝説や言い伝えで出てくるモンスターとしか…… でも、黒龍が討伐されて以降この船団の目的地で地震が相次いでいると……」
「それって…… いる可能性が高いって事かニャ?」
「えぇ……」
「黒龍か…… 懐かしいな……」
かつての戦いの記憶……
数いるモンスターの中でも最強候補であり、世界を滅ぼせる程の力を持つという黒龍ミラボレアス。かつてシュレイド城で激しい戦いの末に討伐した。撃龍槍などの武器を活用したとはいえかなり苦しい戦いだった。あの時は死を覚悟したものだ。
それ以前にも新大陸でミラボレアスと同じく“黒龍”の名前を持つ煌黒龍アルバトリオンとそれらに匹敵しかねない赤龍ムフェト・ジーヴァを討伐した。新大陸とシュレイド城での狩りは人生で最も過酷な狩りだった。
「おぉ、いたいた!」
物思いにふけっていると、一人の男性が近づいてきた。橙色の短髪の青年が近寄ってくる。陽気な推薦組のハンターが近寄ってくる。彼の名は「エイデン」。かつて自分達と同じく五期団として新大陸の調査を行い、現大陸にいた頃はクシャルダオラと激しく戦ったというハンターだ。
「もしかして緊張してる?」
「まぁな」
「無理ないか。何せあのミラボレアスと同じ伝説のモンスターかもしれないって」
「その事もあって現大陸の強力なハンターも同行してるんですよね」
「まさかあの人も来るとは思わなかったよ。はは……」
エイデンは苦笑いを浮かべている。かつてミラボレアスを討ち倒した後に将軍との会話でその事を聞いた事がある。確か「ジュリアス」だったか。彼とは縁があるらしい。会話の内容からして恐らく師弟関係なのだろう。師匠が同行してるのであれば確かに少し気恥ずかしいかもしれない。
「その島に俺達が倒した黒龍みたいなモンスター、いるのかねぇ……」
エイデンの見つめる先にあるのは、海の向こうに見えてきた目的地である島。自然が豊かで、島の一角には港がある。その様子を見ると小さな漁村のようだ。その反面ハンター達の拠点の規模は大きく、撃龍槍や巨龍砲といった装備が多数設置されている。かなり厳重だ。超大型古龍と渡り合える武装だ。やはりあの島の
「そろそろ着きますね」
俺達ハンター達の船団の目的地である島に到着した。
その島の名は、
その島の伝説に登場するモンスターの名は、
呉爾羅。
またの名を、
ゴジラ。
どうやら近づいているようだ。
かつて戦った大敵は減ってしまった。
赤黒い奴は人間達のいる港に襲来した事で倒され、黒いあの二体も前に人間に倒された。
赤い奴も、デカい蛇も大分前に倒された。
人間は弱い。
だが、武器を造る事で強くなれる。
それこそ、我ら黒き龍を倒せる程に。
この島に近付いている人間の内の一人から“あいつ”と同じ気配を感じる。
多分“あいつ”の素材で作った武器とか持ってるんだろう。
人間はそうやって、我らモンスターの体を元に、武器や装備を作って強くなる。
そういえばモンスターにもそういう奴がいたな。
小さい蜘蛛*1に、金色のカマキリ*2、あとはデカいイカ*3みたいな奴……
人間みたいな事をやる奴は意外といるな……
それはさておき、あいつを打倒した人間がどんな奴なのか。気になるな。
それに、伝えたい事もある。
少し顔を拝んでみるか……
次回は2023年4月7日19時00分に投稿予定です。