モンスターハンター 大戸島の黒き龍、ゴジラ   作:青色好き

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人物描写でおかしなところは無いか心臓がバックバクです。個人的に受付嬢・エイデン・大団長・総司令・将軍辺りは会話をイメージしやすいです。

※身長と全長の違いから、一部の文を修正しました。


第2話:大戸島

 大戸島に住む人・竜人・アイルー達はそんなに多くない。人口は300人もいないようだ。村の主産業は主に漁業だ。ハンター業も行われており、それによる狩りも少なくはない。

 島の文化はユクモ村やカムラの里に近い。これらの村に見られる建築様式が島の至る所に見られる。正直ユクモやカムラにいるように感じてしまう。近くの港では海で捕れた魚などの海産物を下ろしている作業風景が見える。

 

「あ、美味しそうな魚です! 焼いたら凄く美味そう! いや、刺身の方が良いかも……」

 

「相変わらず食べ物に目が無いニャア…… ジュルリ……

 

「おいおい…………」

 

 受付嬢は港で捕れた魚を見て涎を垂らしそうな表情で見てる。彼女は大食いだから食べ物に目が無い。そんな様子をお供のアイルーは冷ややかな目で見てるが彼も魚を見て涎を垂らしかけている。どっちもどっち。だが、確かに美味しそうに見えるので気持ちは分からなくはない。

 

「あ! あれは何でしょう?」

 

「ん? 何かの踊り?」

 

 受付嬢の指差す方向には、何かの踊りが行われている。

 太鼓や笛を吹きながら男女が伝統的な衣装を着て踊っている。中には仮面を被っている者もいる。周りにはこの漁村の人間・アイルー・竜人がこの踊りを観賞している。

 

「あれ? もしかして外の島から来たハンターさん?」

 

 すると、少年に声を掛けられた。どうやらこの島に住んでいるようだ。

 

「はい。調査の為にやって来ました! あれはこの島の伝統でしょうか?」

 

「そうなんだ。俺はシンキチっていうんだ。あれはこの島で昔からゴジラを鎮めるためにやってる神楽だよ」

 

「神楽って、確か踊りの事かニャ?」

 

「そうだよ。親父が言うにはね、ゴジラが腹を空かせたら島の魚を食べ尽くして、その後陸に上がって人を食べるって恐れられてたんだ。そうならないように若い女の人を海に流したって風習があったんだって。今でもゴジラを鎮める神楽が残ってるんだって」

 

 あの踊りにはそのような背景があったとは……

 

「一部の老人や竜人は実在してるって言うんだけど、俺みたいな若い人はゴジラの事をただの伝説だって思ってたんだ。でも最近ミラボレアスが実在した事が分かって、それと同時に地震が相次ぐようになったから若い人もゴジラを信じるようになったんだ」

 

「そうなんですか……」

 

「あ、神楽にそろそろ参加しなきゃ! それじゃあね!」

 

 シンキチはそう言うとそのまま神楽の方に向かっていった。この島の人達にとってゴジラはミラボレアスのように恐れられていたようだ。ゴジラの存在が島の生活に関わっている。魚を食べるのだとしたらゴジラは肉食なのだろうか?

 

「あ、そろそろ行かないと遅れますね! 行きましょう!」

 

「あぁ」

 

 こうして、ハンター達は拠点に向かっていった。神楽はゴジラを鎮めようとする音色を出しながら続けられた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 ハンター達の拠点は非常に大きい。ゴジラの存在の可能性が高い事から最近造られたのだ。まるで老山龍(ラオシャンロン)を迎撃出来そうな程の超巨大要塞のようだ。周辺の壁には撃龍槍やバリスタが多数配置されており、屋上には巨龍砲が多数設置されている。これだけの武装であればかつて新大陸に現れた熔山龍(ゾラ・マグダラオス)すら迎撃出来るだろう。

 その拠点で大勢のハンター達が集まっている。各地で名を馳せたハンター達が集まっている。皆使い慣れた、或いは過去に狩猟した強力なモンスターの素材から作った防具や武器を持っている。これ程の人数のハンターが集まるなんてこの先ないだろう。

 

「皆、よく集まってくれた」

 

 その声と共に現れたのは、大団長・総司令・将軍の三人だ。前者二人は新大陸で色々お世話になり、後者はミラボレアス討伐時に作戦を指揮した人物だ。どうやら今回の調査でも指揮するようだ。

 

「今回の作戦内容は船内で確認した通り、地震の原因を探る事だ。その原因がこの島に伝わるモンスターであるゴジラの可能性がある」

 

 ハンター達がそのモンスターの名前を聞いて固唾を飲む。

 ゴジラ。

 この島に伝わる、伝説のモンスター。

 

「かつてシュレイド城で行われたミラボレアス討伐の直後に、大戸島の地震が起こるようになった。タイミングから考えて、無関係とは思えない。それがギルドの見解だ」

 

「新大陸でムフェト・ジーヴァが現れた後にアルバトリオンが現れて、そしてミラボレアスが活動を始めたんですよね? その次が……」

 

「ゴジラ……」

 

 エイデンの発言は事の大きさを忠実に表してる。ムフェト・ジーヴァは禁忌のモンスターに匹敵し得る強力な古龍。その出現に反応するかのように禁忌のモンスターの一角であるアルバトリオンが新大陸に出現。そして現大陸のシュレイド城では禁忌のモンスターであるミラボレアスが活動を始めた。度重なる最上位の古龍種の出現はギルドだけでなくハンター達を驚かせた。

 少し前にミラボレアスが討伐されたが、それと同時に大戸島で地震が相次いでいる。関連付けない方がおかしい。

 

「この地でゴジラを詳しく研究している方がいる。博士」

 

 総司令の呼びかけに応じるように現れたのは、髭を生やしている老人だ。服装は如何にも研究者らしい白い服で、双眼鏡やメモが書かれた紙を吊るしている。

 

「紹介しよう。この大戸島で古生物学の研究をしているヤマネ・キョウヘイ博士だ」

 

「ヤマネです。ハンターの皆様、この度の作戦よろしくお願いします」

 

 ヤマネと呼ばれる老人はハンター達の前で礼儀正しくお辞儀をした。顔や手には傷が幾つもある。恐らく様々な場所に赴いた故についたのだろう。

 

「私は主に古生物学を専攻しておりますが、私自身僅かながらにハンターもしております。今では大分年をとった事もあり引退を考えていますが……」

 

 ハンターもしているようだ。確かに研究しようとしてもその地にモンスターがいるので研究どころじゃない。ハンターとしての技術があれば研究が出来るだろう。だとすると傷は草木を掠って傷付いたのではなく、モンスターとの戦いで付いたものもありそうだ。

 

「私は昔からこの島に伝わるゴジラの研究をするために、何度も狩猟地に赴いて調査してきました。1年前に大戸島の中央にあるミハラ山の洞窟の奥地に入ったのですが、その時に私は見たのです」

 

 

 

 

 

 “見た”

 

 

 

 

 

 何を?

 

 

 

 

 

 この場にいるハンターは察した。

 

 

 

 

 

 何を“見た”のかを。

 

 

 

 

 

「暗かったので全体像を見る事は出来ませんでしたが、巨大なモンスターを見たのです。二足歩行の、黒い表皮を持つ、モンスターを」

 

 ()()()()()()()

 それはもしや、この島の伝説に出てくるという“ゴジラ”なのだろうか……

 

「二足歩行…… アンジャナフのような獣竜種のような外見だったと?」

 

「えぇ。更に分かりやすく言うと背鰭を生やしたラオシャンロンのようなモンスターでした。尾はよく見えなかったため全長は分かりませんが、身長は恐らくラオシャンロンの全長より10数メートル程小さい位でした」

 

 ラオシャンロン。

 別名、老山龍。

 その全長は約6960センチメートル。それより10数メートル、仮に15メートルだとしたら6960-1500=5460センチメートル。54.6メートル。およそ50メートル程の身長という事になる。大海龍ナバルデウスの全長(全長約5837.2センチメートル)と同じ位の身長だろうか。

 

「中々の大きさだな…… その場所が住処という事か?」

 

「そうかもしれません。しかし、そのモンスターを見た直後岩が崩れてきてしまい奥に繋がる通り道は完全に塞がれてしまいました……」

 

 落石により塞がれたようだ。いくらハンターと言えども落石に遭ったら一たまりも無いだろう。無事に生還出来たのは幸運と言える。気になるのは、ヤマネが見たという巨大モンスターだ。もしかしたら、ミハラ山はそのモンスターのねぐらなのか。

 

「その後山を何度も調査に行ったのですが、そのモンスターを再び見る事はありませんでした」

 

「となるとその山は住処ではなく、偶々その場にいたのか、或いは……」

 

「洞窟の更に奥地が住処なのかもしれません」

 

 ヤマネの推測のように大戸島の山の洞窟にゴジラを見たとなると洞窟が住処である可能性がある。ナバルデウス程の巨体が移動するとなると、人々に見つからずに済むのは難しい。だからと言って地中を移動すれば地震が起こるだろう。小さい島なら尚更である。

 

「ヤマネ博士、あなた以外の者でゴジラを見たという方は?」

 

「残念ながら私だけです。もう一人、私と共に行動する人物がいましたがその方は少し離れていたためそのモンスターを見る事は叶いませんでした」

 

「その方とは?」

 

 その声と共に現れたのは、一人の男性だ。

 右目に黒い眼帯を着けている男性だ。ヤマネ博士と比べると結構若い見た目だ。

 

「どうも、ヤマネ博士と共にゴジラの研究をしているセリザワ・ダイスケと申します」

 

 セリザワ。それが彼の名前だ。

 

「ヤマネ博士から学問とハンターの心得と基礎を教えて頂き、共にハンターとして活動していました。現在はハンターを引退して科学者をしています」

 

「……その目の怪我が原因ですか?」

 

「えぇ。ヤマネ博士が言っていた、あの落石により怪我をしたのです。ヤマネ博士が直ぐに助けに来なかったら怪我は更に大きくなっていたでしょう」

 

「……そうか」

 

 その時の怪我が原因なのか。ハンターというのはモンスターと戦うため何時怪我をしてもおかしくない。モンスターとの戦いは常に死と隣り合わせなのだ。命があるだけでマシだ。

 

「今回の調査で私のハンターとしての活動は最後になるでしょう。ハンターの皆さま、どうかご協力よろしくお願いします」

 

 ヤマネ博士は再び礼儀正しくハンター達に向けてお辞儀をした。ヤマネ博士にとってこの調査は大きな意味がある。それを無駄にしないよう、必ず成し遂げようと心に決めたハンターが多かった。




ヤマネ博士は王立書士隊でも良かったかな(今更)……

次回は2023年4月14日19時00分に投稿予定です。
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