モンスターハンター 大戸島の黒き龍、ゴジラ   作:青色好き

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今話は今作で一番文字数が多いです。
というか、長過ぎて2話位分割した方が良かったかも……

ついでに筆者は戦闘描写が苦手ですが、出来るだけ頑張りました。


第7話:過去の死闘

「此処は…… 何処だ?」

 

 意識が戻り、目を覚ました。

 周りを見渡してみると、そこは平地が広がっている。アイルーや他のハンター達、大戸島の砦やミハラ山が見えない。あれ程の構造物を見失う筈が無い。となると此処は大戸島ではないのか。だとすると此処は一体……

 

「まさか、夢の世界とかか?」

 

 夢の世界。或いは、それに類する空間。

 普段ならそれはないと言いたいところだが、ゴジラによって眠らされた後だと十分有り得るかもしれない。黒龍絡みの話は突飛な物も多いから尚更だ。

 しかし、此処は何処なのだろうか。見た所平地が多く、山や点在してるようだが…… モンスターはいないらしい。夢の世界だとすれば仮に襲われても現実の自分は大丈夫なのだろうか? まさかこの世界で傷付いたら現実の自分も傷つくのだろうか?

 

 すると、地面が振動し始めた。

 

「……! 地震か!?」

 

 微弱な揺れが徐々に大きくなっていく。何かが近づいているのだろうか?揺れからするとかなりの巨大な何かが…… まさか、モンスターが……

 

 その直後、

 

 

 

 

 

 巨大な“黒い尾”が目の前に現れた。

 

「な……!」

 

 突然現れた尾に一瞬驚くが、即座に武器を構える。それと同時にその尾にくぎ付けになった。何故ならその尾に()()()()()()からである。

 

 

 

 

 

 その尾は、

 

 

 

 

 

 ゴジラの尾。

 

 

 

 

 

 まさか、そう思いながら視線を変えていく。

 

 

 

 

 

 そこには、

 

 

 

 

 

 ゴジラがいた。

 

 

 

 

 

「ゴ、ゴジラ………………!」

 

 ゴジラが立っている。長い尾・巨大な背鰭・鋭い歯を持つ、ゴジラ。

 しかし、このゴジラは先程まで戦おうとしていたゴジラと大きな違いがある。

 

 

 

 

 

 それは、

 

 

 

 

 

 ()()5()0()0()()()()()はあろうかと言う巨体である事。

 

 

 

 

 

「何だこれ…… 大きすぎるぞ……!」

 

 ゴジラの身長は凡そ50メートル程だった。しかし、目の前のゴジラはその10倍程の大きさ。雲に届きそうな程の高さだ。まるでダラ・アマデュラのような大きさ。ハンターと言えどもこれ程大きなモンスター相手に戦えるのだろうか? 撃龍槍すら効かないだけでも脅威なのだが、更に巨体となると対処が一層難しい。どうすればいいのか……

 

 すると、別の所から振動が起き始めた。

 

「な、今度は一体……?」

 

 振動が起きている方向に目を向ける。僅かに見えたが、どうやらゴジラも同じ方向に視線を向けている。だが視線を向けるだけでなく、牙をハッキリと見せ、何かに敵意をはき出しにしているようにも見えた。

 

 

 

 

 

 その方向には、

 

 

 

 

 

 銀色の光沢、

 

 

 

 

 

 あらゆる物を切り裂く刃、

 

 

 

 

 

 三又の舌。

 

 

 

 

 

 蛇の如く長大な体。

 

 

 

 

 

 その姿は正しく、

 

 

 

 

 

 千剣山の千古不易を謳う王、

 

 

 

 

 

 蛇王龍 ダラ・アマデュラ。

 

 

 

 

 

「な、蛇王龍……!?」

 

 青い星の視線の先にいるダラ・アマデュラは青い星の事を一切気にしていない。蛇王龍の視線はゴジラに向いている。ゴジラもダラ・アマデュラに向けて敵意を込めた瞳を向けている。まさか、と思い即座にゴジラとダラ・アマデュラから距離をとりはじめた。

 

 

 

 

 

 その直後、

 

 

 

 

 

 地を破壊する程の咆哮を上げて、

 

 

 

 

 

 二体はぶつかりあった。

 

 

 

 

 

「うおぉぉおお!?」

 

 余りの衝撃に吹き飛ばされてしまう。その威力はクシャルダオラの鋼を容易く破壊する程だろう。周辺の地形が破壊されるが、二頭はそんな事お構いなしに戦っている。ゴジラが爪を振るえばダラ・アマデュラの表皮は傷付き、ダラ・アマデュラが扇刃を振るえば、ゴジラの表皮は傷付く。壮絶な戦いだ。

 

「く…… とんでもない戦いだ……! ゴジラもデカいがダラ・アマデュラも馬鹿でかいぞ!」

 

 青い星の言う通りゴジラもかなり大きいが、そのゴジラと戦っているダラ・アマデュラもかなり大きい。あのダラ・アマデュラの頭から尻尾までの長さは目測ではあるが、間違い無く5()0()0()0()()()()()位はある。新大陸で見つかったダラ・アマデュラの古代種の化石は2000メートル程なのでそれよりも遥かに巨大だ。

 

 ダラ・アマデュラが鼓膜を破壊する程の咆哮を発する。すると、空の様子が一変し始めた。まさか聞いた事のある“あれ”を繰り出すつもりか。

 

 空から現れるのは、

 

 青白く光る隕石、メテオだ。

 

 だが、その大きさは

 

 山の如し。

 

 その数、

 

 数百を超える。

 

「まずい!」

 

 あれ程の大きさのメテオが衝突したらこの辺りはただじゃ済まない。というより島が消えるレベルだ。とはいえ今から逃げても間に合うのか……

 

 すると、ゴジラの背鰭が青く光り始めた。ゴジラは身を屈め、

 

 背鰭から大量の光線が発射された。

 

「ぐぅおぉ!」

 

 その数は何百という数で、ダラ・アマデュラの落とすメテオを次々と迎撃している。メテオの大きさが巨大である事から迎撃した際の爆風も相当なもの。ハンターですら軽々しく吹き飛ばす爆風が襲い掛かって来た。

 

「……っ!!」

 

 幾つもの爆風を同時に食らった事で気を失い、目の前が黒く染まった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 音が聞こえ始め、目の前の光景が見え始めた。再び同じ場所なのだろうか? そう思い周りを見渡すが、かなり不毛な大地が地平線まで続いている。先程までいた地ではなさそうだ。だがこの不毛さ、見た事がある。確か新大陸の……

 

 まさか。

 

 その時、大きな揺れが起きた。大地を大きく響かせ、周辺の岩が大きく揺れる。まさかと思い震源の咆哮を振り向くと。

 

 甲高い咆哮を響かせる二体の巨大龍。

 

 その内の一頭はダラ・アマデュラと戦っていた巨大なゴジラ。

 

 もう一頭は、

 

 ゴジラに匹敵しそうな、巨大な()()()

 

 その赤い龍は青い星には見覚えがあった。

 

 一対の翼。

 

 大きな四肢。

 

 頭部から生える黒き角。

 

 全身を覆う赤い鱗。

 

 そして何より、

 

 神話に出てくるドラゴンのような姿。

 

 自身のみが暮らせる環境を創造する龍。

 

 体内のエネルギーのみで生きていられる完全生物。

 

 それらの力は正に、

 

 古龍の王たる龍、

 

 完全なる魂。

 

 故に

 

 その龍の名は、

 

 赤龍

 

 ムフェト・ジーヴァ

 

「ムフェト・ジーヴァだと! しかも、こいつもかなり大きい……!」

 

 かつて新大陸で戦ったムフェト・ジーヴァ。

 しかし、この赤龍もゴジラと同じくかなりの巨体だ。目測だが凡そ()()5()0()0()()()()()()()はありそうだ。巨体である分発射されるブレスは非常に太い。ブレスが発射される度に反動の衝撃が起きる。その衝撃だけで巨大な岩が風に吹かれた紙のように簡単に飛ばされている。

 

 ゴジラも負けじとブレスを撃っている。ムフェト・ジーヴァにゴジラのブレスが当たっているが、甲殻が非常に硬いためか僅かしか効いていないようだ。それはゴジラも同様で、ムフェト・ジーヴァのブレスが直撃しているが効き目は僅かだ。

 ブレスでは効果が薄いと分かったため、ムフェト・ジーヴァは爪を立てながらゴジラに飛び掛かり、ゴジラを押し倒した。押し倒されると同時に衝撃が発生し、周辺の大地を吹き飛ばす。青い星も吹き飛ばされるものの、辛うじて無事だった。

 

「恐ろしい戦いだ…… これ程のモンスターと戦うとしたら命が幾つあっても足りないな……!」

 

 ゴジラとムフェト・ジーヴァとの戦いを見て思わずそう呟いた。スケールが圧倒的というのもあるが、一発一発の技の威力が桁違いだ。シュレイド城で戦ったミラボレアスの攻撃がちっぽけに感じる程の、途轍も無い規模と威力だ。

 

 ゴジラに圧し掛かったムフェト・ジーヴァは体内で生成したエネルギーをゴジラの表皮に送り込む。すると、エネルギーが送り込まれたゴジラの皮膚が爆散した。ゴジラが明確に傷を負った。損傷した個所から出血をしており、ゴジラにとってダメージが大きかった事が窺える。ゴジラも負けじとブレスを吐こうとする。先程より強力なブレス故にムフェト・ジーヴァは轟音と共に大きく吹き飛ばされる。吹き飛ばされたムフェト・ジーヴァは即座に立ち上がるが、ダメージが大きい故に直ぐには回復出来ないようだ。ブレスが直撃を受けた首の部分は甲殻が溶ける様に爛れている。

 

「古龍の王と呼ばれるムフェトの甲殻を……!」

 

 ムフェト・ジーヴァは古龍の王と呼ばれる程の実力を持つ。その甲殻をブレスで溶かしたのだ。やはりゴジラは黒龍と同等の存在なのか……

 

 ムフェト・ジーヴァはゴジラから距離をとり、口から青い霧のような物を出している。それを見たゴジラは、背鰭を光らせ始めた。先程よりもかなり大きな光を放っている。これはまずい、と思った。あれは、間違い無い。

 

 古龍の王が放つ座興。

 

 王の雫。

 

 ムフェト・ジーヴァの口から極小の光球がゴジラに向けて放たれた。

 

 ゴジラの口からは、極大のブレスが吐かれ、

 

 それらが同時に接すると、

 

 その地は一面白色に支配された。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 再び気が付くと空は赤く染まっており、周辺の山々は火や溶岩を吹き出しており、まるでこの世の終わりを知らせるかのような様相を呈している。前者はかつてシュレイド城でミラボレアスと戦った時に見た事があるが、後者は見た事が無い。

 

「……、次はこいつか……!」

 

 やや離れた場所にはやはりゴジラがいる。ダラ・アマデュラ、ムフェト・ジーヴァに続いて今度は何と相対しているのだろうか。その答えを見た。

 

 その相手は、

 

 生きた大地である。

 

 大地の怒り。

 

 大地の化身。

 

 煉獄の王。

 

 獄炎の巨神。

 

 偉大なる破壊と創造。

 

 その巨神は

 

 世界を滅ぼす悪魔か、

 

 或いは、

 

 大地を創る巨人か。

 

 全てを焼き尽くす火を放つ火口を持つ黒龍。

 

 その名は、

 

 煉黒龍

 

 グラン・ミラオス。

 

「こいつが、話に聞いたグラン・ミラオス……!」

 

 煉黒龍グラン・ミラオスについてはかつて少しだけ聞いた事がある。かつてタンジアを襲い、一度は撃退されたものの後に復活し、ベテランのハンターに討伐されたという。最近では黒龍ミラボレアスと同じく源龍亜目に属する事が判明、即ちミラボレアスの近縁種である事が分かったのだ。あの黒龍の近縁種だけあって、圧倒的な力を持っている。

 

 ハンターの目の前でゴジラと戦っているグラン・ミラオスは、約500メートル程あるゴジラよりも大きい。目測だが恐らく600メートル程はあるだろう。山の如し巨体を誇るゴジラよりも大きいのだから圧倒的なスケールを感じる。

 

 グラン・ミラオスは肩の火口から次々と尾火山弾を発射している。全ての火山弾がゴジラに向かって正確に落下していくが、ゴジラは熱戦を出して次々と撃破していく。熱戦が火山弾に当たる度に巨大な爆発を引き起こし、その衝撃波が立て続けにハンターに押し寄せて来る。グラン・ミラオスの火山弾の破壊力が極めて高い事を物語っている。

 

 ゴジラは空から降ってくる巨大な火山弾を撃破しながらグラン・ミラオスに近付いていく。足元まで近付くとゴジラはグラン・ミラオスの足を掴み、そのまま背負い投げの如くグラン・ミラオスを投げた。山の如き巨体が宙に浮き地面に達すると巨大な揺れが大地を襲う。ゴジラは再び投げようとするが、グラン・ミラオスの強力なブレスがゴジラを大きく吹き飛ばす。

 

 そろそろ止めを刺そうとしているのか、ゴジラは熱戦の力を口に溜め始めた。グラン・ミラオスも同様に口の中で炎を溜め始めている。即座に離れた方が良いと判断し、二体から距離を取る。

 

 大分距離を離した瞬間、

 

 ブレスがぶつかり合う衝撃が発生。

 

 再び青い星を飲み込んだ。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 再び目を覚ました。

 

 周辺を見渡すと異様な光景が広がっている。

 所々に火が燃えており、所々に氷が屹立していて、所々に水が散乱している。空も異様な様相を呈している。普通の光景ではない。古龍といえどもこのような光景を創る事は普通は不可能だろう。

 

 だが、これと同じような景色を見た事がある。

 

 それは、新大陸の……

 

 その時、咆哮がハンターの耳に入ってくる。

 

「この鳴き声はゴジラと…… あいつか……!」

 

 その咆哮は二体のモンスターの咆哮だ。

 

 内一体はゴジラ。

 

 そしてもう一体は……

 

 ゴジラと相対している、黒き龍。

 

 天を貫かんとする統天角。

 

 命を切り裂く逆鱗。

 

 あらゆる災害を引き起こす龍。

 

 暗黒の王。

 

 破壊の象徴。

 

 闇夜に輝く幽冥の星。

 

 黒き光を放つ神。

 

 神をも恐れさせる最強の古龍。

 

 煌黒龍

 

 アルバトリオン

 

「奴もいるのか……!」

 

 かつて新大陸で戦った古龍種。ゴジラ達と同じくかなりの巨体だ。恐らく300メートルはあるだろう。あのゴジラが500メートル程なのでやや小さく感じるが、それでも青い星からすればゾラ・マグダラオス以上の巨体なので十分過ぎる程巨体だ。

 

 アルバトリオンは体から膨大な属性エネルギーを放出しており、それで周辺の環境を激変させている。地平線の彼方の天候すらも激変させている。かつて新大陸で激闘を繰り広げたが、このアルバトリオンは新大陸に現れた個体よりも圧倒的に強いと肌で感じる。恐らく新大陸のアルバトリオンを一撃で倒してしまうのではと、恐れを抱く程の威圧感だ。

 

 だが、ゴジラは恐れる事無くアルバトリオンに組みかかろうとする。全身から生える逆鱗に触れるものの、ゴジラの皮膚もかなり硬いのかあまり効果は無いように見える。だが、「あまり」と言うように効果自体はある。ゴジラの極めて硬い皮膚が少し傷ついているのだ。

 それを理解したゴジラはやや距離を取って熱戦を放つ。だが、アルバトリオンは体を赤く宿して口から炎のブレスを放つ。その炎は凄まじく、発しただけで周辺の地面を赤熱化させて溶解させている。それだけの威力のブレスがゴジラの熱戦と激突して拮抗している。

 

「…………っ!」

 

 あまりの凄まじさに言葉が出ない。

 

 あれが神と神の対決だと言うのか。

 

 自身が入る余地が無い。

 

 打ち合いが終わると先程のアルバトリオンのようにゴジラは体を火の色に呈し始めた。アルバトリオンもそれを見た瞬間、距離を取り属性エネルギーを溜め始める。ゴジラの周辺は膨大な熱により地面が溶け始め、アルバトリオンの周辺は凄まじい爆音を放ちながら地面にヒビを生成し大地を揺らしている。両者とも溜めているエネルギーが凄まじいためか、ゴジラもアルバトリオンも一部の甲殻や皮膚が溶解しかけたり、亀裂が入ったりしている。一体どれだけのエネルギーを…… 想像するだけで恐ろしい。

 

 体内に内包されたエネルギーが限界を迎え、

 

 ゴジラとアルバトリオンの全身から膨大な熱エネルギーが放射された。

 

 周囲の全てを焼き尽くし、

 

 溶かし、

 

 蒸発させ、

 

 大地を消し去った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 再び目を覚ました。

 どうやら再び場所が変わったようだ。

 空は赤黒く、不穏な雰囲気が漂っている。

 

「………………」

 

 この雰囲気は見覚えがある。

 

 確か…… シュレイド城で…………

 

 気配を感じ、その方向にゆっくりと視線を向ける。

 

「やはり、あいつが……!」

 

 音の発生源を見ると、そこには青い星の予想通り巨大なゴジラが佇んでいる。

 

 問題なのはゴジラの視線の先だ。

 ゴジラの視線は上空に向けている。しかし、視線の先は黒い雲しかない。ゴジラは一体何を見ているのだろうか。

 

 すると、雲の向こうから“音”が鳴り響いた。

 

 魂を爪で刺されるような、命を鷲掴みにされているような、生命の危機を感じさせる、邪悪さを内包している“咆哮”が。

 

「これは、間違い無い…… 奴だ……」

 

 あの雲の先にいるモンスターは……

 

 雲の先にいるモンスターの正体を察した、瞬間だった。

 

 雲が消し飛ばされる程の強風が起きた。

 

 散らされた雲の中から現れたのは、

 

 

 

 

 

 黒い龍だ。

 

 

 

 

 

 伝説の黒龍。

 

 

 

 

 

 かつてシュレイド王国を一夜で滅ぼした古代龍。

 

 

 

 

 

 世界を数日で焦土に変える龍。

 

 

 

 

 

 「運命の戦争」の名を持つ災厄。

 

 

 

 

 

 自然を超越する邪龍。

 

 

 

 

 

 かつてシュレイド城で討伐した伝説。

 

 

 

 

 

 その名は、

 

 

 

 

 

 黒龍

 

 

 

 

 

 ミラボレアス。

 

 

 

 

 

「やはり奴が……!」

 

 かつてシュレイド城で激闘を繰り広げた黒龍ミラボレアス。

 やはりとも言うべきか、今まで見て来た超巨大古龍同様、その全長は400メートルはあろう巨体だ。約40メートルの個体ですら文明を滅ぼせる圧倒的強さを持つのだ。その約10倍の巨体となるとどれ程の強さなのか想像もつかない。もしゴジラと戦えばそれだけで大陸が滅ぶのではと思ってしまう。

 

 ミラボレアスの瞳、邪眼はゴジラを見つめている。

 

 邪眼から読み取れる意思は……

 

 敵意と

 

 殺意だ。

 

 ミラボレアスがゴジラに向けて突進してきた。

 飛行速度は一瞬で音速を超えたためミラボレアスは衝撃波を纏っている。あれだけの巨体ならばミラボレアスの質量もかなりの者の筈。膨大な質量が音速を超える速度で体当たりを食らえばいくらゴジラと言えども一溜りも無いだろう。

 

 それを予測していたと言わんばかりに、ゴジラは自身の直前まで迫ったミラボレアスを尻尾で思いっ切り迎撃した。

 

 尾の一撃を食らったミラボレアスは一度は地面を転がるものの即座に体勢を立て直した。顔を上げたミラボレアスの口からは火が溢れ出している。ゴジラはそれに気付くと回避しようとする。しかし、ミラボレアスの火球の発射の方が早く、火球はゴジラの顔に直撃する。あまりの威力に直撃と同時にゴジラは後ろに仰け反ってしまう。その後もミラボレアスは火球を何発も発射し、ゴジラの表皮を傷付けていく。

 

 だが、ゴジラも負けていない。

 

 ゴジラは背鰭を光らせていく。これは間違い無い。ブレスを吐く気だ。背びれが青白く発光し、ゴジラの口内も光始める。それに気が付いたミラボレアスは発射を阻止しようとゴジラの顔に特大の火球を発射する。その火球がゴジラの顔に直撃すると衝撃が発生し、その衝撃が周辺の大岩を吹き飛ばしてしまった。

 

 だがそれでも完全に止められなかったらしく、ゴジラのブレスがミラボレアスに向けて発射された。青い奔流がミラボレアスに向かっていく。ミラボレアスはこれを飛行により避けていく。時には上昇して回避、時には左右に回避、時に下降して回避、次々と回避していく。

 

 ミラボレアスも火球を次々とゴジラに向けて発射。火球は熱戦で迎撃していく。火球を全て破壊した瞬間、ミラボレアスはゴジラに爪を立てながら体当たりしてきた。ゴジラは大きく体勢を崩して地面に倒れ伏した。倒れ伏すと同時に地面は大きく揺れる。ミラボレアスの爪はゴジラの皮膚を傷つけ、ゴジラの皮膚片が宙を舞う。

 

 ミラボレアスは至近距離で特大のブレスを放とうとしているが、それをさせまいとゴジラは全身から膨大な熱エネルギーを体内から放射。全方位に放たれた事により回避出来ず直撃を受けてしまう。体内放射によりミラボレアスの甲殻や鱗が破損し、周辺に飛び散る。これはまずいと判断し、ミラボレアスは一旦距離をとる。ゴジラも体勢を立て直して立ち上がり、ミラボレアスを凝視する。

 

「何て戦いだ……」

 

 二体の死闘に思わず息を飲んでしまう。自身も今まで様々なモンスターとの戦いで死闘を潜り抜けてきたが、あの二体との戦いは次元が違う。少しでも介入したら命は無い。自身の脳が本能的に感じている。繰り出される一撃一撃は例えベテランのハンターや防御重視の装備でも一瞬で破壊されてしまうだろう。どれもこれも一撃が非常に重い。岩や防御壁どころか山を破壊せん程の威力だ。とてもじゃないが受け止め切れる気がしない。

 

 ゴジラとミラボレアスがそれぞれ強力な攻撃の発射準備をしている。ミラボレアスは劫火、ゴジラは特大のブレスを放とうとしている。膨大過ぎる熱を抑えきれないため周辺の温度は急激に上昇しており、周辺の地面が融けようとしている。

 

 そして、互いの攻撃が発射された。

 

 ミラボレアスの劫火はかつてシュレイド城でみたものよりも遥かに火力が上で、炎が放たれた瞬間周辺の地面や山は融けるどころか蒸発し、炎が空に到達する程の物量でゴジラに押し寄せる。

 対してゴジラはブレスは発射した瞬間衝撃波が周囲に伝わって地面が大きく吹き飛び、岩が宙を舞い、山が大きく消し飛んだ。

 

 二体の攻撃が相手にぶつかった。

 

 ミラボレアスの山すら融かす劫火が地平線諸共ゴジラを包み込み、ゴジラのブレスがミラボレアスに直撃する。

 

 劫火とブレスの衝撃が周辺に広がり、青い星を飲み込む。

 

「くぅっ!」

 

 とんでもない衝撃だ。

 

 こんなものが放たれたら大陸が消し飛ぶのではないか。冗談抜きでそう思う。

 

 煙が晴れてきた。二体はどうなったのか。

 

 衝撃の煙が晴れてきた。二体はどうなった。技が直撃したから無事ではなさそうだが……

 

 煙が無くなってきたことでハンターが二体の姿を捉える事が出来た。

 

 その姿は、

 

 「赤き」獣だ。

 

 ミラボレアスは全体が赤く、左の角が歪に長く生えている。翼や甲殻は血やマグマの如く赤に染められている。全てを滅ぼす火のような姿は言うなれば「焔の禍」だ。

 

 ゴジラは全身が赤熱化しており、強力な熱である事を表すかの如く水蒸気が全身から噴出している。ゴジラの瞳が赤く光ってより強大さが際立っている。

 

 今のミラボレアスの姿は少しだけ聞いた事がある。ゴジラの方は初めて見る姿だが脳内で自然と思い浮かべる名前があった。

 

 それらの名は、

 

 紅龍ミラボレアス

 

 バーニングゴジラ

 

 大地を、天を、星を震わせる咆哮を上げる。

 

 これから真の戦いの始まり告げるかの如く。

 

 そこで、意識が途絶えた。




モンスター達がデカすぎる気もしますけど、「帰って来たウルトラマン」のバキューモンや、「ウルトラマンダイナ」のグランスフィアと比べればまだ小さいですよ。ハハハ(尚比較対象)。

次回は2023年5月19日19時00分に投稿予定です。
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