女「風を受けて!後はマスクを!!」
男「!」
前方に積み立てられたトラックが迫り、何者かが爆破スイッチを押してトラック郡を爆破した。2台のトラックは崖に落下し、バイクも森へ落ちて行く。
女「うっ!!」
落下した女が倒れた。その女を、謎のマスクを被った特殊部隊に捕獲された。捕獲された女はヘルメットを外され、女の目の前には、蜘蛛の仮面を被った男が立っていた。
蜘蛛男「裏切り者に死を。それが私の仕事です。ですが、組織の命令は生け取りでした。なので、今は2度と逃げ出さない為のお仕置きに留めておきます。では、始めますよ。」
蜘蛛男が、両手の親指で女の両目を潰そうとした時。
”ギュイイイイーーーン!!!”
全員「!?」
崖の上に佇む、コートを着たバッタの仮面を被った人物が目に映った。
蜘蛛男「バッタオーグ!完成していたのですか!!」
バッタオーグは、崖の上から驚異的なジャンプで蜘蛛男達の前に着地した。再びジャンプし、特殊部隊の2人の顔を潰した。
女「・・・!」
バッタオーグは周囲の特殊部隊を全滅させた。周囲に流血が撒き散ってる。
山奥にある使われていないセーフハウス。小さな部屋にある鏡の前で困惑する男が居た。
本郷(風の音が聞こえる・・・何故体の中から風の音がする・・・!?僕が殺した・・・!?)
バッタオーグの男・本郷猛の脳裏には、先程特殊部隊を殺したフラッシュバックが走っている。
本郷(いや・・・体が勝手に動いていた・・・分からない・・・人を殺して・・・何で僕は平気なんだ!?)
左のグローブを外すと、人の手ではなく、バッタの脚のような手が。
本郷「・・・!?」
すぐにグローブを嵌め、今度はマスクをこじ開けて鏡を見る。
本郷「何だこれは・・・!?」
顔に傷のような模様があり、両目が赤くなってる。
本郷は以前、山道で謎の集団に追われてバイクで逃げ出した。だが転倒してしまい、その集団に拉致され、何処かの部屋で何かを施された。しかし、本郷は脳手術の寸前で1人の女に助けられた。
女『これであなたは自由。ここを出たければ私と一緒に来て。』
そして今に至ると言う。
本郷「・・・・」
すぐにマスクを着け、部屋から出た。
部屋を出ると、先程の女が立っていた。
本郷「教えてくれ!何なんだこの体は!僕を連れ出した君になら何か知っているだろ!?頼む!教えてくれ!」
女「・・・・・」
教えてくれと女に問い詰めるが、女は何も答えない。
本郷「何なんだ・・・!?何だこの力は!?」
するとそこに、3人の人物が現れた。
???「私が答えよう。本郷君。」
本郷「緑川先生・・・!?」
1人は本郷の恩師、緑川弘。その後ろには、2人の少女が。
???「本郷猛さんですね?」
本郷「・・・君達は?」
たきな「DAの実働部隊、リコリスの井ノ上たきなです。」
千束「錦木千束だよ!」
本郷「リコリス・・・?」
正体は、DA実働部隊所属エージェント・リコリスの錦木千束と井ノ上たきなだった。
緑川「君は、組織が開発した昆虫合成型オーグメンテーションプロジェクトの最高傑作だ。体内とエナジー・コンバーターに残存しているプラーナを強制排除すれば人の姿に戻る。」
ベルトの右側のスイッチを押す。するとベルトが回転し、4つの炎が噴射した。体にプラーナと呼ばれる物質が強制排除され、マスクのクラッシャーが自動収納された。緑川は本郷からバッタオーグのマスクを外してあげた。本郷は人間の姿に戻れた。
本郷「・・・先生、先生は何故ご存知なんですか?」
緑川「私が君を協力者として選び、私の研究グループが君を新たな体にアップグレードしたからだ。」
本郷「先生が僕を・・・?」
緑川「君にしか、プラーナの未来を託せない。だから選んだ。」
たきな「そのプラーナは、本郷さんの体と生命を直接支えています。あなたを超人に変えたのも、圧縮されたプラーナによるものです。」
本郷「・・・・・」
緑川「君に施された、プラーナの吸収増幅システムがその源。防護服の胸部コンバーターラング、そしてベルトとマスクに連動している。」
本郷「そんな力を僕に?何故です?」
緑川「君が、望んでいたからだ。強い力を。」
本郷「僕が望んだ?」
緑川「大学時代に経験した君の絶望を、私は知っている。本郷君は、あの時から強い力を望んでいた。人を守る強い力を。その力を、君は手にしている。」
嘗て本郷は、数年前に起きたある事件がキッカケで力を欲していた。
本郷「しかし先生、人を簡単に殴り殺せるような行き過ぎた力です!僕にはとても!」
千束「でも奴らのオーグメント達は、あなたと同等の力を使って自分達のエゴの為だけに使ってるんだよ?」
本郷「・・・」
緑川「本郷君は、人の為、多くの力無き人々の為に使って欲しい。君に、組織を倒す我々の計画を手伝って欲しい。遅くなったが、娘を紹介しよう。」
ルリ子「緑川ルリ子よ。」
本郷「あの、僕は・・・」
ルリ子「本郷猛。頭脳明晰、スポーツ万能なれど、所謂コミュ障。それが原因で現在無職。バイクが唯一の趣味。」
本郷「・・・・」
ルリ子「私は他人を信じない。けど、あなた達の性能は当てにしてみる。同行を許すから、少しでも私が我慢出来る格好にして。」
彼女は赤いマフラーを取り出し、それを本郷の首に巻いた。
ルリ子「昔からバイク乗り。ライダーの必需品。それに、ヒーローと言えば赤なんでしょ?よく知らないけど。」
本郷「・・・それで、どうしてリコリスが僕に?」
千束「実は以前ね〜、ウチん所に極秘任務を与えられてね〜。」
たきな「その極秘任務の為に本郷さん、あなたと合流したんです。」
緑川「彼女達の元教官が私の友人でね。その伝手で依頼をしたんだ。」
本郷「・・・・・・」
緑川「バッタオーグのシステムは、改造オートバイ・サイクロン号とセットだ。君に合っている。」
オートバイのサイクロン号を見ると、バッタオーグのマスクがフルフェイスヘルメットに変形した。
本郷「この体で組織と戦う・・・あの蜘蛛の仮面を着けた男もオーグメントですか?」
緑川「そうだ。クモオーグ。私とは別のグループが作った人外融合型オーグだ。」
たきな「本郷さん!」
本郷「?」
目の前に1匹の蜘蛛が吊られてる。
本郷「ッ!!」
その蜘蛛を払い除けた。蜘蛛がカメラを起動し、本郷を映す。
緑川「いかん!逃げろ!」
千束「ッ!!」
拳銃で蜘蛛を粉砕した。するとルリ子が突然意識を失って倒れた。
たきな「ルリ子さん!?」
ルリ子から無数の蜘蛛が湧き出た。
千束「うげ、気持ち悪い!」
天井からクモオーグが降りて来た。
緑川「うっ!!」
たきな「緑川さん!!」
クモオーグが蜘蛛の糸を射出し、本郷、千束、たきなを束縛した。
本郷・千束・たきな「うっ!!」
壁に叩き付けられ、蜘蛛の糸で身動きを奪われてしまった。
本郷「先生!!」
緑川「私に構うな!!クモオーグ・・・私の役目は済んだ・・・さぁ、殺せ!」
クモオーグ「ご心配なく。その願いは私が私らしく叶えます。」
ジッパーが開き、2本の腕が出て来た。
千束「いぃ・・・!?」
クモオーグ「裏切り者に死を。それが私の仕事ですので。」
緑川「ウッ・・・!!」
2本の腕が、緑川の首を締め上げる。
クモオーグ「イイですね〜。この手応え。獲物の命は自身の手で直接戴く。それが私の礼儀です。では、緑川弘。あなたも死んで、私の幸福の一部となって下さい。」
本郷「先生!!!」
たきな「緑川さん!!!」
千束「野郎・・・!動けねぇ・・・!!」
緑川「本郷君・・・千束君・・・たきな君・・・!ルリ子を・・・頼む・・・!」
その言葉を最後に、緑川は絶命して倒れた。
クモオーグ「私に幸せをありがとう。あなたも、未来への永劫をお幸せに。」
絶命した緑川の全身が泡に包まれ、跡形もなく融けた。
本郷「・・・!?」
クモオーグ「あなたも裏切り者ですが、親愛なるオーグ仲間なので、今は捨て置きます。そこのお嬢さん方はリコリスですか。今はあなた達の相手をする程暇はありません。」
そう言って床に時限爆弾を置いた。
クモオーグ「この娘も裏切り者ですが、殺さず連れ戻すのが私の仕事ですので。」
気絶してるルリ子を担いだ。
クモオーグ「因みに、人に戻ると言う愚かな理由でエネルギーを放出した今のあなたに私の糸は切れません。では、失礼。」
3人と時限爆弾を残し、セーフハウスを出た。
千束「ちょいちょいちょい!これマジヤバいって!」
たきな「ッ!!」
拳銃で糸を撃つが、切れない。
たきな「切れない・・・!」
本郷「・・・ッ!」
手に持ってるヘルメットを見た本郷。
外では、クモオーグとルリ子を乗せた車が去って行き、セーフハウスが大爆発した。
しかし、ヘルメットを被った本郷が千束とたきなを抱えて脱出に成功した。
本郷「ッ!」
急いでサイクロン号に乗り、ルリ子を連れ去ったクモオーグを追跡する。
たきな「本郷さん!!」
千束「たきな!乗って!」
たきな「千束!」
バイクに乗った2人が本郷の後を追う。
本郷がハンドルのスイッチを押すと、サイクロン号が変形した。6つのマフラー、4つのヘッドライト。
千束「変形しちゃった!?」
サイクロン号の6つのマフラーがジェット噴射し、ベルトの風車が回転した。本郷の被ってるフルフェイスヘルメットが、バッタオーグのマスクに変形した。バッタオーグは直立し、風を受ける。風を受けたベルトが、バッタオーグの体中にプラーナを浴びせた。サイクロン号がジェット噴射で加速した。
たきな「速い!?」
千束「ちょいちょい!速いってちょっとー!」
ダム付近。クモオーグとルリ子を乗せた車の前方に先回りしたバッタオーグが立ち塞がる。車が急ブレーキで止まり、バッタオーグが近付く。クモオーグはルリ子を担いで車から降りた。
千束「やっと着いた〜!」
たきな「ルリ子さん!」
クモオーグ「流石は緑川の最高傑作。あのお嬢さん方と共に無傷とは想定外でした。バッタオーグ。」
本郷「違う。僕の名は・・・ライダー。仮面ライダーと名乗らせて貰う!」
クモオーグ「裏切り者がほざかないで下さい。オーグ仲間を殺めるのは遺憾ですが、古来よりバッタは災いの象徴ですし、仕方ありません。ここでお嬢さん方共々始末しておきます。邪魔者に死を。それが私の仕事ですので。」
黒い戦闘員達が仮面ライダーに迫る。
”キュイイーーーン!!”
戦闘員の電撃武器をジャンプして避けた。
本郷「・・・!!」
戦闘員が電撃で仮面ライダーを抑え込む。
”バァン!!”
銃弾が戦闘員の武器を弾いた。
本郷「ッ!」
たきな「本郷さん!」
千束「援護!しちゃうよ!」
2人も加勢し、戦闘員達に拳銃を発砲する。
たきな「効かない!」
千束「たきな!肉弾戦行くよ!」
走り出した千束が戦闘員達にキックやパンチなどの肉弾戦で戦う。そして無防備の首をゼロ距離で撃って倒す。
一方仮面ライダーも、戦闘員達を次々と倒して行く。周囲に流血が撒き散ってる。
千束「うっへぇ〜、えげつな〜。」
たきな「本郷さん!ここは私達が!早くクモオーグを!」
本郷「分かった!」
戦闘員達を2人に任せ、仮面ライダーはクモオーグを追う。
クモオーグはルリ子を下ろして仮面ライダーと対峙する。
クモオーグ「私は人間が嫌いです。その人間を捨てたオーグメントの為に、人間をこの手で殺す!」
本郷「フッ!」
仮面ライダーのパンチを避けたクモオーグ。
クモオーグ「それが私の幸福!」
口から蜘蛛の糸を射出し、ダムの上へ逃げた。仮面ライダーも驚異のジャンプでダムの上に着地した。
ダムの上。
クモオーグ「イイですね!その近接戦闘能力!ですが、当たらなければ!何も問題ありません!」
仮面ライダーの攻撃を軽々と避ける。
クモオーグ「私の戦闘員への殺害行為。実に見事でした。あなたも、あのお嬢さん方も人間を殺す幸せを知りましたね。」
口から蜘蛛の糸を射出した。だが仮面ライダーが着てるコートで蜘蛛の糸を防いだ。
本郷「違う!そんな幸せ、僕にはない!!!!」
コートでクモオーグを覆い、その隙にクモオーグにパンチを喰らわせた。
クモオーグ「ウゥゥ・・・!イイですね、この打撃力・・・!既に人間ではないあなたと、分かり合えないのだ。残念です!」
ダムから飛び降り、壁を滑って下に着地した。
本郷「・・・」
仮面ライダーもジャンプしてクモオーグの着地場所に着地した。
本郷「ッ!!」
しかし着地した瞬間、後ろからクモオーグを締められた。クモオーグに4つの腕が生え、6本の腕で仮面ライダーを絞める。
クモオーグ「見て下さい!この圧倒的な殺傷能力!人ではない喜び!あなたも同じオーグメント!なのに、この幸せが何故解らんのです!!!」
そのまま仮面ライダーを壁にぶつけた。
ダムの上から千束とたきなが下を見る。
たきな「本郷さん!!」
千束「卑怯な手使ってるね〜!!」
クモオーグ「さぁ。あなたも死んで、私の幸福の一部となって下さい!」
すると仮面ライダーが、クモオーグに絞められながら大ジャンプし、空中で超高速回転した。その遠心力でクモオーグが仮面ライダーを離してしまい、遠くへ飛ばされた。
千束・たきな「ッ!!」
仮面ライダーの背中の羽模様からプラーナを放出した。
クモオーグ「しまりました!空中では私が圧倒的に、不利ィィーーーーーー!!!!」
仮面ライダーがクモオーグにライダーキックを浴びせた。ライダーキックを受けたクモオーグは、柱の壁に激突した。クモオーグは絶命し、泡に包まれ跡形もなく融けた。
本郷「フゥ・・・フゥ・・・」
クモオーグを殺めた仮面ライダーは、自分の右手を見る。その右手を強く握った。
戦いの後、仮面ライダーがルリ子を抱えて歩いてる。
ルリ子「降ろして。自分で立てる。」
気が付いたルリ子をゆっくり降ろした。
千束「大丈夫?」
ルリ子「ええ。」
クモオーグが融けた壁を見る。
ルリ子「組織の構成員は情報漏洩は防ぐ為、死体は全て融解。」
たきな「証拠隠滅・・・」
ルリ子「そう。あなたも私も死ぬとああなる。」
本郷「体に残ったエネルギーが叫んでる。これを被ると、暴力の加減がまるで出来なくなる。」
ルリ子「そのマスクには生存本能を増幅させるシステムも入ってる。闘争心を売り、人を殺す危機感を無くし、自分が生き残る為には容赦無く敵を殺せる状態になるの。」
千束「えっと〜?これか。」
仮面ライダーのベルトの右のスイッチを押した。仮面ライダーが本郷の姿に戻った。
本郷「思ったより、辛い・・・」
ルリ子「辛いと言う字に線を1本足せば、幸せと言う字になる。幸せなんて辛さのすぐ近くになるものよ。少なくとも、その辛さをあなたが背負う事で誰かが幸せになってる。誰かを守って戦うとはそう言う事でしょ?」
たきな「私達と同じですね。」
本郷「・・・・・」
融けたクモオーグに対し、目を瞑って黙祷した。
ルリ子「優し過ぎるかも。」
千束「ん?どゆ事?」
本郷「すまない。先生を・・・緑川博士を助けられなかった。」
ルリ子「謝る事なんてない。私を助けただけで十分。それに緑川は、あなたを勝手にバッタ擬きにしたのよ。気にしないで。私も気にしない。」
4人は歩き出す。
ルリ子「父はプラーナの実用化に必要な人物として私を造った。父親と言っても繋がってるのは遺伝子情報だけ。あなた同様、私も彼の道具の1つよ。」
千束「人造人間って事か。結構精巧に出来てるんだね。」
本郷「緑川博士の最期の言葉は、ルリ子を頼むだった。僕の体は、先生の娘への愛情の産物だと思う。」
ルリ子「・・・あの男のエゴをそこまで肯定的に受け取るとは、おめでたい男ね。だから選んだんでしょうけど。」
本郷「・・・」
たきな「本郷さんの気持ち、私達も分かります。誰かの為に人殺しも厭わない。」
千束「凶悪犯を処刑し回ってる殺し屋って言われたりも。ねぇ。」
本郷「・・・ありがとう。錦木さん、井ノ上さん。」
千束「堅苦しいよ〜。私の事は千束って呼んでよ。」
たきな「・・・私もたきなで構いません。」
本郷「・・・分かった。千束、たきな。」
千束「一緒に組織を倒す仲。力を合わせよう。」
本郷「ああ。」
3人は握手を交わした。
サイクロン号とバイクに乗り、ダムを後にした。
本郷・千束「SHOCKER?」
たきな「それが組織の名前ですか?」
ルリ子「そう。私の知る限り、オーグメントは後4人そこに居る。大変なのはこれからよ。」
結末はどれが幸福?
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そのまま原作展開
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救済ありのオリジナル展開