「舞風。今日は、陽炎姉さんと話したよ」
「陽炎姉さんは明るい人だよね。……ちょっと、明るすぎて困るくらい」
「そういうところは、舞風に似ているかな」
「それと、私達のことも心配してくれていたよ?野分、無理してないって?」
「……うん、私は大丈夫。私より、舞風の方がしんどいもんね」
「本当だよ、へっちゃらだよ。私は、舞風を守らないといけないもの」
「ああ…………でも、一つだけ言いたいことがあったんだ」
「陽炎姉さん、私のことしか心配してなかったんだ。
舞風のこと、触れてもくれなかったんだよ? 酷いよね」
「……大丈夫だよ。舞風の事は、私が見ているから」
今日も、舞風からの返答はなし。
心なしか、顔色が悪くなっているように見える。
私に出来ることはあるだろうか。
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一週間が経過した。
舞風の顔に化粧を施す。
私の覚えている舞風の顔は、たしかこんな明るくて、瑞々しくて、血色の良い肌色をしていた。
……よく覚えている。ちょっとだけ羨ましいと思ったから。
問題は山積みだ。
簡易の処理では、いずれ破綻するだろう。
深夜、夕張さんから機材を借りた。
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「舞風。今日は、不知火姉さんと話をしたよ」
「相変わらず、何を考えているのかわからない人だったけれど……」
「貴女を心配してくれていたよ? ……嬉しいね」
「起きたら、お礼を言わないとね」
「でも……その前にリハビリかな。眠り続けて、身体も動かないだろうし」
「舞風がまた踊れるようになるまで、私が付き合うから」
今日も報告終了。
舞風に変化なし。
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10日目
今日施した処理は、防腐と血液の排出。
それと、腐りやすい臓器の摘出。
私の処理が遅かったせいか、皮下の腐敗が止まらない。
末端から腐り始めている。特に両腕は深海棲艦のような色になってしまった。
さすがに化粧でも誤魔化しきれない。
舞風も、こんな腕は嫌だろう。
腐敗が進む前に切断した。
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「舞風。今日は、時津風姉さんと話をしたよ」
「……元気だよね。話していたらちょっとだけ、舞風を思い出した」
「舞風の踊りがみたいって言ってたよ。もしも目を覚ましたら、踊ってあげて」
「その時は……うん。私も踊っても、良いかな」
報告終了。
変化無し。
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二週間
やはり処置が遅かったのだろう。
両足の腐敗が目立つ。
足を切断した。
彼女の踊りはもう見られないのだろうか。
そう思うと悲しくなった。
でも、まだ繋ぐ手段もあるかもしれない。
舞風の足は、保存しておくことにする。