転生したらラプラス・ダークネスだった件   作:飽和水溶液_pixiv

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24話です。
今回は終始、鷹嶺ルイ視点です。女大幹部の優雅な朝のひと時をお楽しみください。

また、実は先日ありがたいことにこの『転ラプ』シリーズの合計UAが10000を突破いたしました。それもこれも、日々愛読してくださる皆様のお陰です。本当にありがとうございます!


【追記】
今回はきちんと深堀シリーズの内容を考えてきました。本日はずばり……【holoX構成員の募集方法】についてです。この部分には特に触れてなかったので、気になっていた方もいたとかいなかったと思います。

現在の24話時点で、秘密結社holoXの構成員は全部で約440万人となっています(holoX全体のチャンネル登録者数)。そしてこのパラレル世界のholoXでは、半数近くが志願兵から構成されています。それは同属的な組織であったり、侵略した惑星の住人だったりします。
また、3割ほどが優秀な人材として拉致……ではなく、"説得"した上でのスカウト兵となっています。わかりやすく言うと、もし仮に黒様が懐柔されていたとしたらこのスカウト兵にあたります。
そして残りの数割が、人質等の内容で隷属させた捕虜兵になります。彼らは基本的に従順ではない代わりに、組織側も"替えの利く労働力"程度に考えているみたいです。流石は、悪の組織ですね。

ちなみに、大半を占める志願兵及びスカウト兵は基本的には彼女たちに従順なようです。よく働いてくれるし、衣食住を保証すれば大いに仕事に励んでくれているみたいですね。


第24話 女大幹部のルーティーン

 

6.30am.

アラーム音と共に、私は目を覚ます。

 

 

「もう朝か……」

 

 

その言葉は、ほとんど意識の外から発せられたものだった。というのも、ここ【秘密結社holoXの総本部】は常に宇宙空間を漂っている巨大な宇宙船なのである。よって、朝日が昇ることも無ければ月が沈むことも無い。加えて私の部屋はアジトの内部に設置されているため、外の様子を見るための窓もない。従って、私にはこの枕元に置いてある時計以外に時間を正確に知る術がなかった。

 

私はそんなことを思いながら、起きなければと重い体を持ち上げる。

そして、就寝中に鈍ってしまった筋肉や筋をぐぅーっと引き延ばした。

 

 

「んんっーーー……っはぁ。久しぶりに、よく眠れた気がするわ」

 

 

昨日までの私は、敬愛する総帥からの命令で先日同盟を結んだ国との会談の準備等に付きっ切りであった。会場の準備から、同盟に関する詳細事項の記載された書類の作成。またその後の片づけや、今後の両者の行動についてまで……とにかく、大忙しだったのである。ただでさえ今のholoXは、急激な規模の拡大の影響で人手不足気味なのだ。その影響もあり、最近では私やその直属の部下である【ルイ友】の皆は毎日過労ラインギリギリまで働いていた。

 

しかし、だからと言ってこの職場環境に文句があるというわけではない。私を含め、holoXに所属する全ての構成員たちは総帥のために働くことを至高の喜びと感じているからだ。だからそんな日々忙しい中でも、総帥から直々にお願いされた仕事があったなら多少のことを犠牲にしてでもそれに従事してしまっても仕方がないと思う。先日の王国との同盟の件もそうだが、一昨日にわざわざ私とこよりだけを呼び出してその心の内を話してくれた時は本当に嬉しかった。

私はまだ、この方に必要とされているという気がして誇らしかったのだ。

 

 

 

そんなことを考えながら、私……鷹嶺ルイは、未だ温もりの残っているベットから降りて支度を始めた。私室経由で行ける専用の洗面所に向かい、サッと顔を洗って歯を磨く。確か今日は、特段急ぐべき仕事や任務は無かったはずだ。まあだからと言って、暇というわけでは決してないのだが……。

いやむしろ、こういった余裕のある日にこそ今後のholoXの為にできることを進めなければならない。あの子の野望を叶えるために、私に余計な休息は必要無いのだ。

 

(あー……そういえば昨日の夜に、ラプがこよりに休暇を作ってあげて欲しいって言ってたっけ)

 

フレンズ王国との会食後、ラプが唐突にそんな事を私に相談してきたのだ。まあ確かに、今回の騒動も含めてこよりは少し働き過ぎだったと私も思っている。しかも、特にあの子は自分の落ち度を重く受け止めて抱え込んでしまう節がある。その結果、無理なスケジュールで研究や任務に没頭してしまうのだろう。

それに、総帥からの希望ともなればそれを認めない訳にはいかない。丁度いい機会だし、ついでにholoX全部門の構成員や関係者全員に休日をローテーションで与えられるように日程調整をしてしまおう。所謂会社などとは違うので決まった日数の休みを約束できるわけではないが、たまには息抜きが必要なのは生物として当然だ。

 

(いろはとクロヱもずっと任務で出かけてるし、たまには皆で遊んだりするのもありよね……確か今日はクロヱからの定期連絡が来る日だし、潜入任務の進行度具合じゃ一度帰ってきてもらおうかしら)

 

 

現在holoXには総帥であるラプラス・ダークネスの下に、『四天王』と呼ばれる初期から組織を支えた四人の上層構成員がいる。一人はこの私、holoXの女大幹部兼雑務部門代表の鷹嶺ルイ。次に、組織内随一の頭脳を誇る研究部門代表の博衣こより。そしてholoXでも最強の戦士と呼ばれる用心棒、戦闘斥候部門代表の風真いろは。最後にその戦闘能力もさることながら、掃除屋としての技術を極めている暗殺部門代表の沙花叉クロヱ。

他のholoXer達も当然だが、特にこの四人が総帥とholoXを支えていると言える。

 

 

そしてその中の後半二人、いろはとクロヱは組織の前衛職という事もあり外での任務が多くなっている。

いろはに関してはつい先日、白上フブキの惑星の征服が完了した際に私と一緒にアジトに帰ってきたのだが、今はまた別の星の調査に向かって貰っている。私の調べた限りでは、次に侵略しようと思っているその惑星には知的生命体が存在しないらしい。だが観測できない存在である可能性もあるので、直接現地に赴いているのだ。

 

またクロヱの方には、とある組織への潜入任務を任せている。実は少し前から、我々holoXが既に”征服を完了させた惑星”に侵入し資源等を強奪している輩がいるらしいのだ。私たちは基本的に、手中に収めた惑星に知的生命体が居た場合に限っては支部拠点を設営しその後の運営を管理している。また、生命体が居ない星でも最低限の無人拠点や採掘施設を設置している。これはラプからの命令ではなく私個人の判断によるものだが、総帥にもきちんと許可を得た対処だった。

そしてその中の複数の拠点で、最初に調べた埋蔵量とその後の採掘量の総和を比べて明らかに数が合わないという事態が発生しているらしい。しかも極めつけには、採取した資源を加工するための施設の倉庫が襲われるという確実な被害も出ていた。私はこの状況を重く捉え、直ぐに犯人グループの調査とその目的について調べさせた。すると、犯人像として最近巷を騒がしているらしい”とある集団”が候補に挙がったのだ。

 

 

【宝鐘海賊団】。

宇宙海賊を名乗る彼女たちは、一~三番船で構成される艦隊組織である。また詳しいことはわかっていないが、前回の定期連絡の報告では各船に船長及び副船長がそれぞれ配属されているということだった。

そしてその中の一人、一番船船長兼宝鐘海賊団船長である”【宝鐘マリン】提督”が今回の事件の首謀者らしい。まだ強奪行為の目的等については調査中だが、海賊を名乗っている以上十中八九私益の為であると考えられる。ともすれば、彼女たちのしたことは明らかに我々holoXに対する挑戦行為だ。総帥の名を汚さぬ為にも、早々に対処しなければならない。

 

 

 

ルイがそんなことを考えていると、同時に朝の支度も終わりを迎えようとしていた。

既に着替えも済ませ、最後に鏡で身なりを確認する。すると、私の相棒であり世話係でもあるヨタカの『がんも』が赤いマントを咥えて持ってきてくれた。ベルトなんかも付いていて重いはずだが、大型の鳥であるがんもには大したこと無いらしい。

 

 

「ありがとねがんも、今日もよろしく」

 

 

そう言った私に対し、彼はただコクリと頷いた。

がんもは話すことは出来ないけれど、私の言っていることはわかっているらしい。その為、助手としても非常に優秀なのだ。

 

 

がんもから受け取ったマントを羽織り、指ぬきのグローブを嵌める。すると、丁度のところで部屋の扉の横に設置されているインターホンから来訪者を知らせる音が鳴った。恐らく秘書のルイ友だろうと思い、私はそれに応答する。

 

 

「……おはようございます、ルイ様。朝食の準備が整いましたので、お迎えに上がりました」

 

 

モニターに映し出された”彼女”を見て、その予想が正しかったことを確認する。綺麗な白髪のショートヘアに、私より少しだけ小さいかなという背丈。服装には私の使っているマントに似た赤と黒のコートを身につけ、赤いレンズの三角型サングラスを掛けていた。

彼女には数年前より、大幹部である私の秘書を任せている。最初の頃こそ多少の不安もあったが、今となっては私以上に私のことをわかってくいるとても優秀な部下だった。

 

 

「わかった、直ぐに行くわね」

 

 

秘書にそう答えた私は、左肩にがんもを乗せ自室をあとにした。

 

 

********************

 

 

 

「ルイ様ッ!!おはようございます!!!」

「お、おはようございます、ルイ様っ!」

 

 

「ええ、おはよう」

 

 

秘書を連れて食堂に向かう道中、すれ違ったholoXerに挨拶をされる。多少の違いはあれど、もう見慣れてしまった光景だ。こうして四天王以外の部下たちに廊下で声をかけられるのも、昔のholoXでは想像もできなかった。私たちのことながら、本当に大きな組織になったものだと思う。それもこれも、全てはラプの手腕のなせる業ね。

 

ルイはそんなことを思いながら、1歩後ろを歩く秘書に声をかける。

 

 

「ねぇ、今日の予定を教えてもらえるかしら?」

 

 

「はい。今のところ、本日の会議や任務等のご予定はございません。ですが特筆すべき点として、潜入任務に赴いている暗殺部門の方々からの定期連絡がございます。その他の詳細事項としては、昨日のフレンズ王国との同盟に関する議事録に目を通していただくことと、今後の運営計画書の作成です。またその件に関連して、博衣こより様より確認していただきたいという報告書を頂いております。そちらにも、お目通しをお願いします」

 

 

私の質問に対し、秘書が上記の内容を即答する。私が毎朝必ずその日の予定を聞くことを見越して、予めまとめておいてくれているのだ。多少無口で気難しいところがある子だが、その仕事ぶりは私も高く評価している。

 

 

「わかったわ。それじゃあ、こよりの報告書は朝食中に持ってきてくれる?」

 

 

「かしこまりました。」

 

 

彼女がそう答えるのと、食堂に着くのはほぼ同時のことだった。

そのまま室内に入ると、これまた見慣れたクロスの掛かる長テーブルが置かれていた。予想はしていたが、やはりまだ誰も起きていないようだ。まあ、まだ朝早いしこよりはともかくラプが起きているわけないか。

 

ルイはそんなことを思いながら、いつもの特等席に座る。彼女は幹部という立場上、そういった作法にも従事しなければならない。よって、こうして複数人が使うような場所では必ず上座の二番目を使用するのだ。ここに座れることもまた、私が総帥の右腕であるという事を証明することに他ならない。

 

 

 

 

「お待たせしました、ルイ様。こちらがこより様より預かっていたものです」

 

 

用意された食事に合わせてコーヒーを嗜んでいると、先程話にあった報告書を秘書が持ってきてくれた。私はそれにお礼を言いながら受け取り、表紙をめくって目を通す。その内容は主に、惑星で採取できる資源の種類や量、またそれに必要な施設や掛かる経費についてがまとめられていた。一昨日の今日で、昨日も忙しかったというのにもうここまでの資料を作成していたのか。私も自分で大概だと思っているが、こよりもかなりの働き屋だな。これは確かに、早急に休暇を与えないといけないかもしれない。

 

 

「……ふーん、思ってたよりも安上がりになりそうね。特に、化石燃料が採れるのが大きいわ。石油なんかは安価で使いやすいし、持ち運び意外には困らない。それにここじゃ作れないものだし、あの星で何割かを使って残りは本部に持ってくるようにしましょう」

 

 

文明レベル的に、フブキ王たちには有効活用できないのだろう。ともすれば、価値を知らせる前にこちらが貰えるだけ貰ってしまった方がいい。効率が悪く危険という理由でこよりはあんまり使いたがらない化石燃料だが、だからと言って用途が無いわけではない。採掘が比較的簡単で安価に兵器を作れるなら、あるに越したことはないのだ。

 

 

「費用についても、問題なさそうね。……ねぇ、ここの経費の部分を財務部門に確認を取っておいてちょうだい。それと、必要な施設とその様式も載ってるから建設部門にも連絡しておいて」

 

 

恥ずかしいことだが、何もholoXの運営のすべてを私一人でやっているわけではない。いやむしろ、自分だけではできないことの方が多いのだ。だからこその適材適所、私はその配置と仕事の依頼をすればいいだけ。そしたら後は、彼ら彼女らがその指示に応えてくれる。

まあ、そんな私ですらここでは適材適所に”使われる側”な訳だが。こういったことはラプよりも、私の方が向いてる。だからあの子は、自分でやるのではなくより適した私に任せてくれているのだ。

 

 

「……それじゃあ、その辺の確認が取れ次第この計画書を承認するわ。こよりにもそう伝えてくれる?あと、配布用と保存用をコピーして……あ、ラプにも一部渡しておいて」

 

 

「はい、かしこまりました」

 

 

一昨日の上層部会議の時に、ラプが今後の問題事に対する処理等の資料が欲しいと言っていた。今までそんなことを言ってきたことはほとんど無かったけど、きっとまた何かを考えているに違いない。あの子は普段だらしなくても、その内面には計り知れない策略が眠っていることがある。だからこそ、私たちはあの総帥について行くのだ。

 

 

ルイがそんなことを考えていると、時間を気にした様子の秘書が声をかけてきた。

 

 

「ルイ様、そろそろお時間です。司令室にお越しください」

 

 

「あら、もうそんな時間?わかったわ」

 

 

私はそう答えると、残ったコーヒーを飲み干した。

今日は久しぶりに、緩い一日になりそうだ。

 

 

 

ーーーしかし、この時の私は知らなかった。今この瞬間にも、次の事件がすでに起こっていたことを。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

秘密結社holoX総本部、そのアジト内にある中枢司令室。

ここはその名の通り、holoX全体のパイプラインを司る場所であった。

 

 

そこで私は、室内の中央にある司令官席で足を組みながら座っていた。

この司令室では、全宇宙に点在している同胞たちと本部を繋ぐネットワークを形成している。よって現地との連絡や、指示等はここから行うのだ。だからこそこの場所は、本部内で母艦のエンジンルーム・厳重注意物保管倉庫・ラプの寝室に次いで守らなければならない所でもあった。もし仮にこの指令室が襲撃されたとしたら、全holoXの機関がマヒしてしまう。それくらいに、重要な施設なのだ。

 

だが逆に言えば、ここでの指示一つは惑星を丸ごと消し去る権力すら持っている。司令官が一言『殲滅攻撃』を命じれば、総本部内の全勢力をもって対象を塵と化すことが出来るのだ。まあ、もちろん誰彼構わず指示を出せるわけではない。有事の際を除き、ここでの発言権を持っているのはラプと私だけ。

そして私は、そのことにすら総帥からの信頼を感じていた。

 

 

 

 

「……遅いわね」

 

 

おかわりの紅茶を楽しみながら、昨日の会議の議事録を読んでいたルイがぽつりと呟いた。何が遅いのかというと、潜入任務に出ている”クロヱからの連絡が”であった。

沙花叉クロヱの率いている暗殺部門は、彼女の異名である『掃除屋』のとおりholoXに関係する汚れ仕事を主に担当していた。それは対象の抹殺や敵組織への潜入任務、またはブツの回収だったりと……まあ、要は暗殺に付随するものだ。そして今回の宝鐘海賊団の件では、先にも述べた通り潜入任務となっている。またその任務の性質上、過度な外部との連絡は傍受の危険性を考慮し控えるようにしている。よって、こうして定期的に報告をするように指示しているのだが……その連絡が、一向に来ないのだ。前回はちゃんと定時に来ていたのに、どうしたのだろうか。

 

 

「もしかして、何かトラブルでもあったのでしょうか……」

 

 

秘書からのその発言を受け、ルイは指示内容を吟味する。

傍受される危険とは、当然こっちからの発信でもその可能性があるという事になる。しかも、それで敵性組織に本部の現在地が知られないとも限らない。だから、あまりこちらからは連絡したくないのだが……でも、仮にクロヱ達に命の危険があったとしたらそちらの方が問題だ。もしそれで、大事な仲間を失うなんてことになったとしたら……ここを任せてくれているラプに、私は顔向けできなくなる。

 

私はそこまで考え、結論を出した。

 

 

「……連絡官、任務に赴いている”飼育員”たちに連絡を試みなさい」

 

 

「了解しました」

 

 

危険性と心配事を天秤にかけ、私は仲間の安否と総帥からの信頼を選択する。最悪荒事になったとしても、賊程度なら何とかなるだろう。

 

 

私はそんな淡い期待も抱きながら、連絡係に指示を出した。

……するとその直後、いきなり部屋のどこかでピーピーというアラーム音が鳴り響いた。その音の原因はわからないが、それが何か問題が起こったことを知らせるものだという事はわかる。

 

 

「ル、ルイ様ッ!本部に接近中の、飛行物体を確認しました!宇宙船のようです!!」

 

 

モニターに向かっているholoXerの一人が、そう声を上げる。

 

 

「宇宙船?……もしかして、宝鐘海賊団の……」

 

 

潜入任務中のクロヱと連絡がつかないことと、この事態を関連付けて大幹部はそう予想を立てる。

しかし、どうやらそれは間違いなようだ。

 

 

「いえ、それがholoXのマークが機体に付いていまして……恐らく、任務に出ていた部隊のものかと。機内より、SOS信号も出ています!」

 

 

その言葉を聞いて、私は直ぐに怠けた思考回路を切り替える。任務中の部隊が何故指示も無くここに居るのか、加えて緊急事態を知らせる信号も出しているらしい。その内容から、考えられる可能性は二つ……一つは、任務に何かしらの支障をきたして帰還してきた場合。もう一つは、敵性組織に機体が奪われその信号を利用されている場合だ。

どちらにせよ、その船内がどうなっているのかを知る必要がある。

 

 

「操縦官、観測官と連携してその宇宙船を射程に捉えたまま一定の距離を保って飛行しなさい。連絡官、機内の操縦室に別回線を使って通信を繋いで!」

 

 

「「「 了解です!! 」」」

 

 

もしものことを考え、その宇宙船をいつでも攻撃可能な距離間を保つ。その上で、本当に部下が助けを求めている場合も考慮して指示を出した。

 

……そして、今回は前者の方だったようだ。

 

 

 

『……ザザッ……ち……で……』

 

 

 

通話が繋がったらしいモニターから、ノイズ音の混じった音声が聞こえてくる。

しかし、機器の故障なのか不鮮明なその音声では何を言っているのか判断できなかった。

 

 

 

「こちら、holoX総本部内アジト司令室です。ノイズ音が酷くて聞き取れません、もう一度お願いします」

 

 

 

『…ザザッ……こ…ら……潜入…中……班です……負傷…多数……ます……ザザッ……至急…本……に受け……します……』

 

 

 

やはり、詳しい内容はわからない。

だが途切れ途切れではあるものの、その単語の並びでおおよその事態を把握する。恐らくは、潜入任務中の部隊が負傷者を抱えて帰還してきたのだ。ともすれば、早急に彼らを保護しなければならない。まだ完全に安全とは言えないが、一刻を争う状況である可能性も考慮に入れる。

 

 

「各員、早急に宇宙船の受け入れ準備をしなさい!負傷者がいる可能性も考えて、こよりとラプにもすぐに連絡をっ!」

 

 

 

「「「 !YES MY DARK! 」」」

 

 

 

 

ーーーこうして、また新たな事件が幕を開けたのだった。

 

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